夏にツーリングするなら、標高が高くて涼しい場所がいいですよね。ということで今回も、爽快さに満ちた高原のワインディングロードをご紹介。場所は中国地方、岡山県北部の蒜山(ひるぜん)高原。標高は500~600mと充分に高い位置にある高原ですが、さらにここから標高900mの展望休憩所・鬼女台(きめんだい)に向けて、美しい山々を眺めながら駆け上がっていくスカイラインがあるのです。

LINEに届いた1枚の風景写真

 なぜ今回、蒜山高原の話にしようと思い至ったのか。それは今夏、中国地方にツーリングに出かけた友人の柴田雅人カメラマンから、LINEでこんな画像が送られてきたから。

蒜山大山スカイライン  

 いかにも夏のツーリングらしい、きれいな風景写真です。でも撮影場所について、くわしくは書かれていませんでした。なんか見たことある場所だなあ、どこだっけ……。奥の左手に見える山は中国地方最高峰、鳥取県の大山(だいせん)っぽいな。
 ああ、思い出した! 岡山と鳥取の県境にある展望休憩所、鬼女台からの眺めだ! 懐かしいなあ、蒜山大山スカイラインか。行く手には大山や烏ヶ山の眺め、振り返れば蒜山高原……。美しい高原風景が広がる、気持ちのいいワインディングロードだったなあ。よし、じゃあ今度のForRでは蒜山大山スカイラインについて書こう! ということになったわけ。

蒜山大山スカイライン

 こちらは2014年に同じ場所、鬼女台の展望休憩所から、鳴海武史カメラマンが撮影した1枚。この8年で周囲の木や草がすごく成長したことが分かります。たった8年でも、はたから見た時の印象はずいぶん変わるものですね。でも、路上を走った際に五感で受ける印象は、変わらず心地いいものでしょう。

蒜山大山スカイラインとは

蒜山大山スカイライン

 蒜山大山スカイラインの正式名称は、岡山県道114号線。米子自動車道の蒜山ICから北へ5㎞ほど走ったところにある、休暇村蒜山高原あたりから始まります。
 行く手には大山や烏ヶ山の眺め、振り返れば蒜山高原……。蒜山大山スカイラインは美しい高原風景が広がる、全長約9㎞の気持ちのいいワインディングロード。沿線にはブナやナラ、トチノキなどの原生林もあり、自然が豊か。カーブは比較的ゆるやかですから、景色を楽しみながらツーリングできます。

絶景の展望休憩所、鬼女台

 勾配を上げ、鳥取県との県境までたどり着くと、そこは絶景スポットとして人気の鬼女台展望休憩所。トイレや売店もあるので、ぜひ立ち寄りましょう。駐車場は普通車なら30台は駐められる広さがあります。

鬼女台展望休憩所

 売店では野菜や果物など、地元の特産品を販売。飲み物の自動販売機も設置されていますので、水分補給も忘れずに。
 蒜山大山スカイラインをそのまま進み、標高922mの見返(みかえり)峠を過ぎれば、鳥取県の大山エリアに入ります。ここにも大山環状道路という名のダイナミックな山岳ワインディングロードがあるのですが……、その話は別の機会にいたしましょう。

蒜山高原キャンプ場

 さて、周辺でキャンプするなら、休暇村蒜山高原が運営している「蒜山高原キャンプ場」を候補にしてみてはいかがでしょうか。筆者が過去に利用した際は、設備、景観、どちらも素晴らしかったです。

蒜山高原キャンプ場

 標高600mですから、夏でも夜は比較的過ごしやすく、バイクで3分の場所に「天然ラドン温泉」(料金:大人500円)もあります。
 キャンプ料金の最も安い持込区画サイト(サイト使用料1500円、管理費として大人1名600円。サイトの広さは6×6m)はバイクの横づけができませんが、横づけできるオートサイトでも差額は2000円ですから(サイト使用料3500円、管理費として大人1名600円。サイトの広さは10×10m)、友人と利用するならそっちもアリです。

 

食べておきたい「ひるぜん焼そば」

 せっかく旅に出たのなら、その土地の名物料理をいただく。これぞ旅めし。ということで今回は、B-1グランプリで全国第1位に輝いたこともある「ひるぜん焼そば」。

ひるぜん焼そば

写真提供:岡山県観光連盟

 蒜山エリアの各家庭で昭和30年代から食べられていたという、タレで味つけする焼きそば。なかでも「ますや食堂」というお店の女将さんが、親鶏のかしわ肉とキャベツを具に味噌ベースのタレを使って作った焼きそばが評判となり、それが現在の「ひるぜん焼そば」の源流になっているんだとか。
 ニンニクや玉ねぎ、リンゴなどの材料と各種調味料をブレンドした、濃厚な味噌ベースの甘辛いタレ。そして歯ごたえのいい鶏肉と、蒜山高原の新鮮な高原キャベツ。
 ソース焼きそば、塩焼きそばは数えきれないほど食べましたが、味噌仕立ては初めてでした。味噌ダレならではの香ばしい匂いと深いコクは、忘れられないおいしさ。
 「ひるぜん焼そば好いとん会」によると、事務局公認店は「休暇村 蒜山高原」「ヒルゼン高原センター・レストランファーミー」「高原亭」「炭火焼肉 いち福」「悠悠」「やまな食堂」「粋呑房」「道の駅 風の家」の8店舗。
 あなたも蒜山大山スカイラインに出かけた際は、ぜひ!

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