バイクで高速道路を利用した際のETC料金が、期間限定で割引になるというニュースが耳に入ってきた。
土曜日、日曜日、祝日限定、事前申し込みが必須などの条件はあるものの、37.5%割引という安さは魅力的!
普段は下道(一般道)ばかり走っている筆者だが、お得感につられて弾丸長距離ツーリングに挑戦してみることにした。
目的地は富山県滑川市。今回の記事では、申し込みから実際に使ってみた感想までをお届けしよう!
※記事内で使用している走行写真は、バイクに取り付けたドライブレコーダーと、ヘルメットに取り付けたアクションカメラで撮影した動画のキャプチャ画像です。走行中の写真撮影は行なっておりません。
Contents
事前申し込みが必須!
まずご説明すると、二輪車定率割引は下記のような内容。
- 実施期間:2022年4月2日(土)~11月27日(日)の土曜日・日曜日・祝日のうち、利用前までに申し込みをした日
※北海道内は2022年4月2日(土)~10月30日(日) - 対象車種:ETC無線通信により対象道路を走行する二輪車
- 対象道路:NEXCO3社及び宮城県道路公社が管理する高速道路(一部を除く)
- 割引内容:対象道路内の走行のうち、各インターチェンジ相互間の1回の走行距離が100kmを超える走行を対象に37.5%割引
- 申し込み方法:NEXCO中日本※「速旅(はやたび)」に会員登録(無料)した上で、二輪車定率割引公式サイトにて申し込む。(申し込みは当日、利用直前でも可能)
※中日本地域以外での利用であっても、NEXCO中日本「速旅」より申し込みをする
おおまかな条件は以上。詳細は二輪車定率割引公式サイトに記載があるため、気になる方はチェックして欲しい。
事前申し込みが必須であること、走行距離100km以上といった条件があるのはネックだが、それ以外に大きなルールがないのは有難い。
余談だが、筆者が初めて二輪車定率割引のニュースを見つけた時は、見出しに「バイクの高速料金が半額に!」と書いてあった。
てっきりこれまでの軽自動車・二輪の利用料金に対しての半額割引だと勘違いしたが、正しい意味としては “普通自動車の通常料金の” 半額ということ。
一瞬ガッカリしてしまったが、これまで二輪車は軽自動車と同額の通行料を支払ってきたことを思えば、十分すぎるほどの割引だ。
申し込みは意外と簡単!
それではさっそく申し込みをしてみよう。二輪車定率割引公式サイトは、NEXCOの公式サイトよりアクセスできる。(東、中、西日本どこでもOK)
申し込み前に、NEXCO中日本が運営する「速旅(はやたび)」に会員登録をする必要がある。
「速旅(はやたび)」の会員登録には、ETCの車載器管理番号とカード番号が必須だ。
両方とも本体に番号の記載があるため、前もって確認をしておくとスムーズに進められる。
「速旅(はやたび)」にログイン後、一番下までスクロールすると申し込みフォームを発見した。
パッと見では申し込みフォームに見えにくいので、見落とさないよう注意して欲しい。
次の画面にて利用日を選択して、
申し込み内容を確認し、確定ボタンを押せば……
申し込みは完了!思っていたよりも簡単にできました!
事前にETCの車載器管理番号とカード番号さえ用意しておけば、難しい設定は一切ない。
なにより、利用日内に走った料金が自動で割引を適用されるため、申し込みの際に乗り降りするICを指定する必要がないのは有難かった。
ちなみに割引適用後の料金はこちらのサイトから調べることができる。
今回走行する予定の 多治見IC → 滑川IC の料金を検索してみたところ、ETC通常料金が5010円なのに対して、二輪車定率割引の適用後は3130円ということ。
ためしに同じ区間の料金を普通車でも検索してみたところ、平日の通常料金で6220円(ETC)または6040円(ETC2.0)ということだ。
おや?と気になったのは、二輪車定率割引で基準として表示されていた「ETC通常料金」である5010円と異なること。「ETC通常料金」とは一体どんな条件においての料金なんだろうか?
こういったシステムのわかりにくさが改善されると、利用のハードルもより低くなるのではないだろうか。そう感じつつ、申し込みを終えたのであった。
利用当日はかなりスムーズ! しかし不安も残った
利用前日になると、「【二輪車定率割引】明日はご利用日になります。気をつけてお出かけください。」というタイトルのメールが速旅事務局より届いた。
無事に申し込みができているんだな、と一安心だ。
翌朝、予定通り多治見ICより中央道に乗る。
二輪車定率割引に申し込んでいるからと言って特別なことは何もない。いつも通り、ETCゲートより入るだけでOKだ。
筆者にとっては久々の高速利用。念のために「ETC・一般」兼用のゲートを利用したところ、バーが開いて無事に通行できた。
先日レッドバロンでドライブレコーダーを取り付けた際、ETCやグリップヒーターの配線を整理してもらった。無事に動作したので、今度店舗を訪問した時にお礼を言っておこう。
高速に乗ってしまえば、あとは目的地のインターまで走るだけだ。
合計244km、4時間ほど走って滑川ICに着いた。
高速を降りるときに必ず知っておくべきことがある。それは、料金所で表示される利用料は割引適用前の金額であるということだ。
実際に料金所を通過したところ……3510円と出ています。これは軽自動車・二輪の休日割引適用のETC料金。
今回筆者は事前に調べてこのことを知っていたが、なにも知らずに料金所を通過した場合、予定よりも高い料金が表示されて驚く人もいるだろう。
できれば、はじめから割引適用の金額を表示して欲しいところだ。
ちなみに帰宅後に確認したETCの利用履歴がこちら。
処理に時間がかかり、最終的には二輪車定率割引適用の料金にて請求されるということだ。今回の場合、正しく処理されれば3130円に修正されるはず。
うまく割引適用されるかどうか。あとはNEXCOのみぞ知る!というところである。
割引対象外の路線を走る人は要注意
今回は二輪車定率割引の対象となっている路線のみを利用したため、料金計算は非常にシンプルなものであった。
しかし首都高や阪神高速など、割引対象外の路線を走行する場合は要注意。
なぜなら割引対象外の高速道路を通行した場合、それまでに走った走行距離がリセットされてしまうため。
対象路線の総走行距離が100kmを超えていたとしても、上の図のように対象外路線を途中にはさむことによって、割引が適用されない場合がある。
対象外路線を走る可能性があるライダーは、要注意の上ルートを作成して欲しい。
改善して欲しいポイント
二輪車定率割引、実際に使ってみると「思っていたよりも簡単」というのが筆者の感想だ。
事前申し込みが必要と聞いた時は、乗り降りするICの登録・前日までの申し込みなど、細かい条件があるものだと勝手に思っていた。
蓋を開けてみれば、必要なのは利用する日程とETCの情報のみ。
「な~んだ!」と拍子抜けしてしまったほどスムーズに利用することができた。
しかし、だからと言ってまったく不満がないというわけではない。筆者が改善して欲しいと感じたのは、3点。
インターでの利用料金の表示
まず、利用料金ははじめから割引適用の金額を表示して欲しいということ。
現時点の筆者にとっての一番の不安は、「たぶん割引されるはず…」という確信の無さ。
割引率だけで見ればお得なことは間違いないのだから、割引を受けることができているという確信が欲しいのだ。
事前申し込みの撤廃
そしてふたつめは、事前申し込みを撤廃して欲しいということ。
筆者がこれまで出会ってきたバイク乗りの性格を見ていると、その場の気分で突発的に遠出をする人が多いように感じている。なにを隠そう筆者もそのひとりだ。
そんなライダーたちにとって、事前申し込みというのはややハードルが高い。
贅沢な願いかもしれないが、次回ふたたび二輪車定率割引のキャンペーンが行われるのであれば、期間中に利用したバイク全台に自動で割引適用されるととても有難い。
平日も対象に
最後は、平日も対象にして欲しいということ。
週末だけでアクセスできる距離というと、どうしても限られてしまう。遠くへ行こうと思うと弾丸ツーリングにせざるを得ず、ゆっくり観光なんてできないのだ。
それに土・日・祝日が仕事という人も、世の中にはたくさんいる。
せっかくのキャンペーンなのに、平日休みの人が恩恵を受けられないというのはなんとも不平等な感じがしてしまうのだ。
──ケチをつけるようなことを言ってしまったが、上記の3点以外に関しては、筆者は大きな不満は感じていない。
こういったキャンペーンが今後も実施されるためには、「割引があることで利用者が増える」という成果が出ないことには難しいだろう。
終了までにあと2回ぐらいは使ってみようかな?と、考えているところだ。