2週に渡ってROMの新製品「ゼロスヘルメット ジェット2」と「ゼロスグラブ エア」を紹介してきたが、その際、撮影用にヤマハさんからお借りしたのがXSR900。撮影日は天気が良かったので、そのままプチツーリングを楽しむことに。
いやぁ~、二代目XSR900はなかなか楽しいバイクでした!
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高速道路も使えて、プチツーリングに最適な「上野原~小菅」ルート
僕がバイクを交えた屋外撮影を行う時のお気に入りスポットが山梨県上野原市にある。中央道・上野原ICから北、小菅村へ向かうルート上にある某駐車場である。毎回、ここで管理の方に一声かけて撮影しているのだ。
「ゼロスヘルメット ジェット2」と「ゼロスグラブ エア」の撮影もこのスポットで行ったわけだが、実際の走行時の被り心地や着け心地を確認するため、またイメージカットに華を添えるためにも、XSR900を借りたわけである。
なぜ、XSR900か?
単純に、いま僕が最も気になるバイクだから! ……はい、役得というやつです、すみません(笑)。
というわけで、撮影を終えてこのまま帰るのももったいないので、上野原周辺をツーリングすることにした。そう、この辺りは奥多摩地方の最奥部……厳密に言うと、山梨県なので多摩ではないのかもしれないが、東京都心から奥多摩地方を抜けて走るライダーにはお馴染みのルートである。しかも、先述のとおり、中央道・上野原ICから北へ走ると合流できるため、奥多摩から走る下道派はもちろん、今回のように高速道路を使ってちょっとだけワインディングを楽しむプチツー派にも人気なのだ。
さて、上野原から小菅村へ向かうため、北へ走る。撮影終わりで、もう腹ペコ。まずは腹ごしらえだ。
この辺りは道という道すべてがワインディング。適度な前傾のXSR900の本領発揮といったところだ。
撮影ポイントから15kmほど走ったところで、最初の目的地「麺屋 梅ノ木」に到着。小菅村で人気のラーメン屋さんだ。
麺屋 梅ノ木は味噌ラーメン専門店。高級旅館のシェフが監修する上品かつ濃厚な味わいが人気とのこと。以前から気になっていたお店だったので、今回、初めて行ってみた。
注文したのは味噌ラーメンと角煮丼。どちらも絶品で、ラーメンのスープと角煮丼の角煮は、はっきり言って、どちらもトロけます~!
そして、店員さんがとってもフレンドリーだったことも追記しておきたい。
続いて向かったのは「道の駅 こすげ」。と言っても、麺屋 梅ノ木からバイクで30秒。歩いていける距離にある(笑)。
もちろん、麺屋 梅ノ木にバイクを置きっぱなしにするわけでにはいかないので(大迷惑)、バイクで移動。
人気のツーリングスポットだけあって、バイク駐車場がしっかり整備されているのが嬉しい。
食後のデザートとして、ソフトクリーム シャインマスカットをいただく。この日は暑かったので、ソフトクリームがうまい!
最後は道の駅こすげから国道139号線を南下。途中にある深城ダムで涼んで、プチツーリングは終了。
中央道・大月ICから東京の自宅へ帰った。 ……ヘルメットとグローブの撮影後だったので、かなりあっさりしたツーリングになってしまった。これで終わるのも味気ないので、あらためてXSR900をきちんと紹介しよう。
これからのスタンダードスポーツになりうる1台
2022年6月に発売されたヤマハのネオクラシック・XSR900は、先代とはスタイリングを大きく刷新。先代は「なんとなく古めかしい雰囲気」といったデザインだったが、この2代目は80年代ヤマハ・スーパースポーツを猛烈に意識したルックスになっている。それはXSR900の公式サイトを見ても明らかだ。
しかし、それでいて懐古趣味で終わらず、しっかりと最新スポーツバイクとしての楽しさや性能を追い求めている点にも好感が持てる。
MT-09と同じ新型並列3気筒888ccエンジンはトルクフルながら、高回転まで気持ちよく回る3気筒ならではのもの。初期のMT-09はあまりにもアグレッシブな出力特性で、気軽にアクセルを全開にできるようなものではなかった。
それが、この2代目XSR900(および3代目MT-09)ではかなり扱いやすくなっていて「あぁ、熟成というのは、こういうことを言うんだな」と妙に感心してしまった(笑)。
スタイリングは先述のとおり、80年代のスーパースポーツやレースシーンを強く意識したもの。ネオクラシックといえば70年代や60年代をオマージュしたものが多いなか、「80年代」というのはそれだけで新鮮だ。もちろん、ただ古めかしいわけではなく、80年代を現代的に解釈したデザインとなっている。
当然ながら、走りも現代的。走行モードは4種類あり、シーンに合わせた特性で走ることが可能。トラクションコントロールやリフトコントロールシステムを備え、さらにクルーズコントロールやクイックシフターなど、スポーツ走行やツーリングを安全かつ快適に楽しめるシステムも充実している。
古いモデルには古いモデルの良さがあるが、XSR900のように「かつてのデザインと現代の走り」をここまで高いレベルで融合させられると、ついつい「旧車の良さって何なのさ」なんて思ってしまう(笑)。古めかしいバイクが好きだけど、最新の走りを満喫したい人やトラブルのリスクをなるべく少なくしたい人には、おおいにおすすめできる1台と言えそうだ。
ココがサイコー!:水冷並列3気筒888ccエンジン
ここでは、僕が個人的に気に入ったポイントとちょっと不満なポイントを紹介したい。
2014年に登場したMT-09を起点に現在へと続く水冷並列3気筒エンジンは、2代目XSR900および3代目MT-09で排気量を888ccにアップするなど、全面的に刷新。初代に見られた暴力的な加速はすっかり鳴りを潜めて、扱いやすくなった。
だからといって、決して楽しさが減ったわけではなく、むしろスポーツ走行の楽しさは大きくアップ。さらに走行モードによって街乗りもストレスがなく、オールマイティーに楽しめる。
ココがサイコー!:車体デザイン
長めのタンクに低く抑えたコンパクトなシート、カウルを思わせるタンデムシートなど、80年代の雰囲気がぷんぷん漂う車体デザインが素晴らしい。
サイドカバーのDリングなど、細かい演出も秀逸!
ココが不満!:積載性
シートカウルをイメージしたタンデムシートが小さいのは許せるが、それならせめて荷掛けフックくらいは標準装備でつけておいて欲しかった! 積載性がなさすぎる~!!(ちなみに僕は、スポーツモデルにパニアケースはつけたくない派)
しかし、逆にいえば不満点はそれくらい。薄くてお尻が痛くなりがちなシートや視線移動が大きくなるミラーなど、細かい不満点がなくはないが、このバイクの美しさと楽しさの前では大きな問題ではないようにすら感じる。
YAMAHA XSR900
121万円(税込)
■全長×全幅×全高 2155×790×1155(mm)
■シート高 810mm
■車両重量 193kg
■燃料タンク容量 14L
■水冷4ストロークDOHC4バルブ並列3気筒
■排気量 888cc
■最高出力 88kW(120PS)/10000rpm
■最大トルク 93N・m/7000rpm
■タイヤサイズ F:120/70-17・R:180/55-17