連載企画の「北海道をハンターカブで走る」
【第1回:1日目午前】
【第2回:1日目午後】
はコチラです。
この短期集中連載では、CT125ハンターカブやビッグオフでも走れる北海道の釧路湿原周辺のフラット林道を紹介します。苫小牧港にはハンターカブを積載したルノー カングーで上陸し、釧路湿原近くの逹古武キャンプ場まで一気に走りました。そこでハンターカブを下ろし身軽になって周辺の林道へ出発!
第1回目では初日の午前中に走行した3箇所の林道を、第2回では午後に走行した3箇所の林道を紹介しました。今回の記事では2日目に走った4箇所の林道をお伝えします。
Contents
7本目:パンダ農園から国道272号までのダート
ツーリングマップルに「パンダ農園」と記載された場所の近くに林道への入り口があります。どんよりとした曇り空の下、キャンプ場を7時半に出発。10分ほど走ったところで出迎えてくれたのは、奇妙な顔つきと体つきをしたパンダたちでした。
家族でしょうか? 大小様々な顔、身体のパンダが並びます。パンダじゃないものもいくつか含まれています。情報量が多すぎてつっこみどころが満載ですが、旅路を急ぐことに。
道道(どうどう)1003号から少し逸れると林道の入り口があります。ダート路面ですが、国道272号線に抜ける地元の方が使う生活道路なのでしっかりと整備されていました。
細かなバラストでならされていて、しかも昨晩降った雨のおかげで路面が締まり走りやすくなっていました。
ダート区間:約5km
路面:ほとんどが固く締まった細かなバラストのフラットダート。木々の中を走るので森林浴を楽しめる。
高低差:なし
すれ違った車:1台
出会った動物:0匹
熊の痕跡:なし
難易度:★
8本目:国道272号と国道44号をつなぐダート
国道272号は別名「釧標国道」と呼ばれ、釧路と標津を繋ぐ車の流れが速い国道です。自動車やトラックから逃げるように道を外れ、本日2本目(通算8本目)の林道に突入します。
先ほど走った道に似た走りやすいフラットダート。本州ではあまり見かけないような森を分断するまっすぐのダートが続きます。高低差がややありますが、ハンターカブのパワーでも充分に坂を登れます。
出口の直前にはゲートがありますが、侵入禁止のゲートではなく動物避けのゲート。鍵はかかっていないので、出た後は確実に閉じておきます。
厚岸群界林道
Google map上では、自動車の入れない道となっているので、ルート設定ができません。ご注意ください。
林道の入り口を記しておきますので、ご参考ください。ここから南下します。
ダート区間:約10km
路面:ほとんどが固く締まった細かなバラストのフラットダート。木々の中を走るので森林浴を楽しめる。
高低差:ややあり。
すれ違った車:0台
出会った動物:0匹
熊の痕跡:なし
難易度:★
9本目:厚岸湖東岸の林道群
国道44号を厚岸方面へ走ります。途中で給油をし、さらにコンビニで携行食と水を買いました。しっかりと準備をするのには理由があり、次の林道は15km以上の長さで、しかも支線や他の林道と交わる点が多く迷う可能性が高いためです。でも、その分走りごたえがあるし、大自然を満喫できるはず。楽しみで胸が高鳴ります。
厚岸市の市街地を抜け、糸魚沢簡易郵便局から国道44号を外れ脇の道に入るとダートが始まります。
川にかかる小さな橋を渡り森の中に吸い込まれます。糸魚沢林道は太平洋側の道道123号まで貫通しています。
途中、いくつかの支線や分岐がありましたが、そのほとんどはゲートに鍵がかけられていて通ることができませんでした。そのおかげで、迷うことなく林道を走り抜けることができました。
道幅があり、しっかりと整備されていて走りやすい。途中、4輪駆動車と出会いましたが、余裕を持ってすれ違えました。
森を抜けると、頭上が開けた広場に到着。少し走ると道道123号です。
糸魚沢林道
ダート区間:約15.5km
路面:ほとんどが固く締まった細かなバラストのフラットダート。たまに流水痕や大きな水溜まりがある。
高低差:ややあり。登ったり降ったり。
すれ違った車:1台
出会った動物:0匹
熊の痕跡:なし
難易度:★★
10本目:この日一番の難易度。星3つの落石線林道
道道123号を根室方面へ進みます。途中、霧多布岬(きりたっぷみさき)を経由します。岬の先端近くにキャンプ場があり、15年前に霧の中で凍えながらキャンプをした場所。駐車場まで行きましたが、この日も霧に包まれておりました。
でも、少し離れるだけで霧が晴れて素晴らしい景色を見られます。
途中、道道123号から道道142号に分岐し、別名「北太平洋シーサイドライン」を走ります。左右に森が迫り、頭上は青空が広がる気持ちよく走れるまっすぐな道です。30分ほど走ると本日走った中で一番難易度の高い林道の入り口に到着します。
落石林道という名の通り、大きめのバラストが埋設された道です。時おり拳大の石があるので踏まないようなラインどりをして慎重に走ります。流水痕もあるので要注意。この日に走った林道の中では一番高低差があり、しっかりとアクセルを開けないとハンターカブでは登れないガレた坂もあるので気合が必要です。
とはいえ、それでも星は3なのでトレール車なら楽々走破できます。ハンターカブやビッグオフでも走れますが、不安な人は一人では入らない方が無難です。
林道の終わりではJR根室本線と並走する道になりました。列車が通らないかと期待しましたが、残念ながらタイミングが悪かったようです。そこは自動車があまり入ってこない、左右からは草木が迫る狭い道。水たまりも多いので気をつけて通過しました。
落石林道
ダート区間:約10.7km
路面:やや大きめのバラスト。時おり拳大の石もあるので注意。木々の中を走るので森林浴を楽しめる。
高低差:ぐんとアクセルを開けて登るガレた坂あり。
すれ違った車:0台
出会った動物:1匹。鳥
熊の痕跡:なし
難易度:★★★
GOALは納沙布岬(のさっぷみさき)
この日の最終目的地は本土最東端の納沙布岬。岬からは歯舞諸島が見えるはずが、残念ながら霧の中。
廃墟化が進むオーロラタワー。一度も登ったことがないまま閉鎖になってしまい残念です。
お昼は花咲港で花咲蟹をいただきました。ちょうど漁が解禁になったばかり。全身を覆う大小の棘には苦戦しますが、味は濃厚で絶品。
納沙布岬から達古武オートキャンプ場までは約140km。途中、11本目のダートを走りましたが、牧場の脇を走る平坦な生活道路だったので割愛します。この日の走行距離は290kmほど。道中、土砂降りにはなりませんでしたが、小雨がぱらついたり霧だったり、熱中症になるくらいに気温が上がったりと目まぐるしく天候が変わった1日でした。
ダート走行で疲れた身体に鞭打ってキャンプ場までの2時間の道のりを走りきり16時過ぎに到着。アブが活発なシーズンだったせいで、バイクとウエアは死骸と血痕だらけ。そこにまたアブがたかるという地獄絵図に。
キャンプ場でもアブの大群に襲われ「これではキャンプを楽しめない」とテントを撤収し、釧路市街地のホテルに避難。下の写真はホテル近くにあった炉端焼きが名物の居酒屋での一コマ。北海道の海の幸を肴にお酒を楽しみ、3日ぶりのベッドでゆっくりと休むことができました。
明日(次回)は、釧路市西側の林道にアタックします。
(つづく)
おまけ:この日のGPS軌跡
ツーリングマップルのアプリ「Route!」で記録したGPSの走行軌跡ログです。月額の使用料金(600円)が必要ですが、全国のツーリングマップルを閲覧可能。
なお、紙版のツーリングマップルを購入すると、そのエリアのみアプリ上で閲覧可能なサービスコードが付いてきます(有効期限は1年)。紙版を購入した方もぜひ使ってみてください。
この日の走行ログは東西に長いので、二つの画像に分けています。林道を走る際の参考にしてくださいね。
アプリ、サービスの詳細とダウンロードはこちらから。
Route!(昭文社)