連載企画の「北海道の林道をCT125で走る」
【第1回:1日目午前】はコチラです。

北海道の釧路湿原周辺のCT125ハンターカブやビッグオフでも走れるフラット林道を紹介します。ハンターカブを運んだルノー カングーと重い荷物はを逹古武キャンプ場に置き、身軽になってダート走行を楽しみました。

第1回目では初日の午前中に走行した4箇所の林道を紹介しました。今回の記事では午後の模様をお伝えします。しかも、メインディッシュとなるロングダートです。塘路湖の北側を東から西へと走り釧路湿原を堪能するダートです。

4本目:メインディッシュとなる19kmものロングダート「塘路広域林道」

ツーリングマップルには「景色が多彩なブラインドコーナー多いダート19km」と記載されているので、突入前に水分補給をし気を引き締めます。

「北方無去バス停」が目印です。民家の脇を抜けるとすぐにダートが始まります。自動車が通過できるくらい道幅は広いのですが、両側から草木が覆いかぶさっている箇所があるのと、コーナーが多いので対向車に注意です(結果的に誰とも出会いませんでしたが)。

牧草の緑を目で楽しみつつ放牧地を縫うように塘路湖を目指します。牧場地帯を過ぎるとブラインドコーナーが多くなるので、スピードをゆるめつつ走っていたところ、熊の痕跡を見つけます。

まずは路面に落ちた大きく黒い塊。糞です。びっくりというよりは、やっぱりいるんだなーと、と実感。ブラインドコーナーの向こう側に熊がいるかもしれないので、定期的にホーンを鳴らして「人間が通りますよー」とアピールします。

次に見つけたのは、道の真ん中に横たわる新しめな鹿の死骸。これは車がはね飛ばしたものかもしれませんが、もしかしたら食事中だった? と想像すると恐ろしくなってきます。少し走ると、今度は鹿の前足の先っぽ(15センチほど)だけが落ちています。こちらも鮮度が高そう……。

続いて、白骨化した背骨がだらーんと落ちていました。

バイクを停めて景色を楽しんでいる場合ではないと考え、一気に走り抜けることにします。走行中は獣の匂いにも注意します。雑食の野生動物の匂いはかなり独特なので、五感のセンサー感度を全開にしつつ本日一番のロングダートを走り切りました。

塘路広域林道

ダート区間:19km
路面:ほとんどが砂利と土のフラット。道幅は先の3本に比べ狭いが、5ナンバー車であれば走行可能
高低差:この日の中で一番あり
すれ違った車:0台
出会った動物:0匹
熊の痕跡:あり
難易度:★★

昼休憩は塘路駅近くのハンバーガーショップ

大量の汗(冷や汗も)をかき、休憩もせずに19kmの林道を走り切ったので、ゆっくりと座って食事のできるお店を探します。塘路湖から摩周国道に出て塘路駅へ。途中、飲食店が数軒ありましたが、熟考をし、駅前のハンバーガーショップBob's Burger (ボブズバーガー)でハンバーガーを食べることに決めました。

駅舎横の公園の水道で手と顔を洗いさっぱりしたのち、入店しました。店内はアメリカンダイナーっぽい内装と所々にバイク好きを感じさせるポスターがあったので、もしやバイク好き?と考え、店主に聞いてみたところ、夫婦ともにハーレーオーナーとのこと。ライダーウエルカムな店内の雰囲気に納得です。

注文したのは、お店の名前を冠した「ボブズバーガー」です。店主が日本全国を食べ歩いて開発した特別なソースがかけられています。味付けの秘訣はまさかの醤油。美味しくいただきました。ぜひお試しください。

店主のバイクはスポーツスターのセブンティーツー。ご夫婦お二人とも同じ車種で色違いとのこと。

Bob's Burger (ボブズバーガー)
北海道川上郡標茶町塘路原野北7線49−7

 

5本目:シラルトロ林道で国道を迂回

美味しい料理でカロリーと水分をしっかり摂取したので、林道走行を再開します。塘路広域林道の入り口まで戻り、摩周国道の東側を平行して走るシラルトロ林道に侵入。

峠を越える道となるので、登りきった後は摩周国道との合流地点までは下りです。先ほどの熊の恐怖があるので、写真は撮っていません。もちろん休憩もなしでひと息に走破しました。

国道を迂回する林道

ダート区間:6km
路面:ほとんどが砂利と土のフラット。路面に草が生えている箇所がありますが、轍があるので気になりません。道幅はやや狭し
高低差:あり
すれ違った車:0台
出会った動物:0匹
熊の痕跡:なし
難易度:★

6本目:本日のハイライト。コッタロ川沿いの湿原を貫くフラットダート

摩周国道を北上し標茶より手前の道道(どうどう)243号を西へ曲がります。15kmほど走ると道道1052号に突き当たるので左へ。次の分岐路を塘路方面に曲がると道道1060号を走ることになります。その道を南下するとコッタロ湿原展望台に到着です。

コッタロ湿原展望台までのルート(アスファルト路面のみ)

コッタロ湿原展望台の駐車場にバイクを停めると、前方から荷物満載のスズキ ハヤブサがやってきました。オーナー曰く、この先はダートが続くので引き返してきたとのこと。「ハンターカブだったら大丈夫だよ」と太鼓判をもらえたので安心です。

この道が本日のメインディッシュ。今から14年前に釧路湿原へ来た時に断念したダートです(当時はホンダのDN-01)。すぐにでも走り出したいというはやる気持ちを抑え、展望台に登ります。木製の急な階段を登った先にウッドデッキがあり、眼下には湿原とそれを縫うように走るコッタロ川が織りなす広大な景色が広がります。

帰り際、すれ違った老夫婦に「がんばってください、登った価値のある景色が広がってますよ」と声をかけると嬉しそうに「ありがとう、がんばるね」と返事をもらいました。絶対に満足していただけたはずです。

上の写真は展望台から撮影したものです。下はドローンを飛ばして湿原の真上から撮影しました(飛行撮影許可済み)。

路面は固く踏み固められた白っぽい土のダート。道幅も広く、車がすれ違うことができるほど。途中、何度も4輪駆動車ではない乗用車やバンと出会いました。路面が大きくうねっている箇所があるので、スピードの出し過ぎには注意が必要です。川と平行するように南下し塘路を目指します。

コッタロ展望台からダートの出口まで

ダート区間:4.8km
路面:ほとんどが固く締まった土のフラットダート。見通しもよく道幅も広い
高低差:なし
すれ違った車:5台
出会った動物:10匹以上
熊の痕跡:なし
難易度:★

途中には川の水に触れられるポイントもあり、カヌーの発着場として使用されています。

湿原の中を走るまっすぐで道幅のあるダート。長さは4.8kmと短いので、物足りずに3回も往復してしまいました。陽が傾き始めると湿原の様子が変わっていきます。

夕日の赤く温かみのある色に草原が染まっていく様は見ていて飽きません。マジックアワーを期待してましたが、太陽はこの後、雲の中に隠れてしまいました。残念です。

というわけでキャンプ場へ戻ります。車の往来もなくなり周りは静けさに包まれ、さらに陽が落ちかけていることもあって、いたるところでエゾ鹿に出会います。

そして狐の姿も。陽が落ちてしまえば、そこは動物たちの世界です。人間はキャンプ場でシャワーを浴びてゆっくりすることにします。翌日は厚岸(あっけし)湖周辺のダート。さらに足を伸ばして納沙布(のさっぷ)岬に向かう予定です。

(つづく)

おまけ:この日のGPS軌跡

第1回目の記事に掲載したものと同じ地図です。中央と上部の円を描くルートが午後のルートです。

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Route!(昭文社)

 

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