東京都内にも、山岳ワインディングロードがあるということをご存じでしょうか。しかもその距離、約20㎞。大したものです。今回は関東圏のライダーに絶大な人気を誇る「奥多摩周遊道路」をご紹介します。それと絶品の舞茸天丼も！
奥多摩周遊道路とは
奥多摩周遊道路は、奥多摩町川野と檜原（ひのはら）村数馬を結ぶ19.7kmの都道です。昭和48年4月に東京都初の有料道路「奥多摩有料道路」として開通し、平成2年4月から無料化され、「奥多摩周遊道路」と呼ばれるようになりました。
このエリアは多摩川・秋川の両水系が端を発する山岳地帯ですから、奥多摩周遊道路は絶好の山岳ワインディング。週末ともなれば都内のライダーはもちろんのこと、埼玉、千葉、山梨など、近隣のライダーたちがたくさん集まってきます。
秩父多摩甲斐国立公園の山々を眺めながら駆けまわることができる、奥多摩周遊道路。ピークの風張峠は標高1146mで、東京都内でもっとも標高が高い場所でもあります。
標高が高いので、当然、気温は低くなります。夏はありがたいのですけれども、真冬は降雪や凍結の恐れもありますのでご注意を。筆者の感覚では、都心の気温よりも6度ほど低いかな、という感じがします。
セーフティ・ライディングで！
昔は走り屋が多かった奥多摩周遊道路も、最近は紳士的な方が多くなった印象があります。のんびり走っていても強引に追い抜かれるといったことが減りました。追い抜かれるときも、みなさんタイミングを計ってスムーズに追い抜いていきます（しかも、ハンドサインまでしてくれたりして）。
近年は自転車ブームということもあってか、坂道で懸命にペダルを漕ぐサイクリストもたくさん見かけるようになりました。奥多摩周遊道路は片側一車線の、決して広くはない道ですから、自転車、バイク、クルマ、お互い譲り合って楽しんでいるといった感じでしょうか。
ただ、無謀な運転をするライダーやドライバーも一部にいるため、白バイやパトカーによる取り締まりも多いです。また、ここで事故を起こすと、病院に収容されるまでに約2時間かかるとの注意喚起もされています。携帯電話が繋がらない地域も一部あるようですので、くれぐれも安全運転で！
休憩するなら「檜原都民の森」
奥多摩周遊道路で休憩するなら、東京都環境局が設置している「檜原都民の森」はいかがでしょうか。ここは標高約1000mの山岳公園で、二輪専用の駐車スペースもあります。
炭焼きのだんご、おでん、焼きそばなどの軽食がいただける売店もありますので、ひと息つけるのにもってこい。二輪の駐車スペースの脇には喫煙コーナーもあります。喫煙コーナーに置かれている灰皿スタンドには、各地域のバイククラブのステッカーが貼られていたりして、それを見るのも楽しいものです。
東京で一番高いレストラン!?
ツーリング先で食事をするなら、ご当地ならではの料理をいただく。これぞ旅めし。ということで今回は、檜原村特産の舞茸を使ったごちそう天丼をご紹介。
その天丼がいただけるお店は、「檜原都民の森」の駐車場から写真の坂道を5分ほど登ったところにあります。運動不足を解消する意味でも、がんばって歩きましょう。
坂道を登り切れば、見えてくるのが「森林館」。奥多摩の動植物について学べる展示コーナーや、木工教室などの催しなどを開催している研修棟・展示棟です。めざすお店はこの棟の中にあります。それがこちら。
レストラン「とちの実」です。東京都内でもっとも標高が高いレストラン（1043m）でもあります。天井が高く広々した店内は、大きな窓から森が眺められて気持ちがいい。白木のテーブルと椅子もいい感じです。
メニューは山菜そば、とろろかけそば、とんかつ定食などありますが、筆者がおすすめしたいのは……。
地元・檜原村特産の舞茸や野菜をふんだんに使用した「舞茸天丼」（1200円）。
丼に盛られた天ぷらの数々、その種類がすごい。舞茸天丼というメニュー名ですから、舞茸がメインの天丼かと思いきや、そうじゃないんですね。
この日は揚げたての茄子、さつま芋、海老天2尾、ミニかき揚げ、巨大な舞茸天2個、玉ねぎ、はやとうり（これは珍しい！）、よもぎ、かぼちゃの9種類11点が on the rice。
舞茸天は大きくて、ひと口では食べられず、三口でようやくといった感じでした。地元野菜が盛りだくさん、海老天も2尾ですから、これで1200円は安い。
小皿の刺身こんにゃくも檜原村特産。揚げたてホクホクの甘じょっぱい天ぷらを味わいながら、途中途中、この冷たい刺身こんにゃくをワサビ醤油でいただくというのは、味と食感が好対照で実にいいものでした。
デザートは季節のフルーツ。筆者が訪れた11月下旬は、柿。もぎたてなのでしょう、シャキッとした歯ごたえで、おいしかったです。
というわけで、奥多摩周遊道路。気温が低くない日であれば、おすすめです。夜間は通行禁止ですので、ご注意を！
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