ライダーの体は不快な症状のカタマリ!?

正直に言って、バイクを走らせることは体に相当な負担をかけます。ライディングポジションひとつ取ってみても、重たい頭と上半身を腰で支えなくてはならないですし、基本的にヒザは曲がりっぱなし。うまく車両を動かすためには適宜筋力を使って多様な操作を行なう必要があります。

結果、何だかイヤ~な症状が体のあちこちに出ていませんか? 今回はそんな「不定愁訴」に関するお話です。

肩こりがつらそうな男性

●可動域が広く、バラエティに富んだ動きもできる肩関節。それを取り巻く筋肉の負担は大変なものがあります。前傾姿勢の強いスーパースポーツを運転するならなおさら……。養生していきましょう

不快どころでなければ即・通院!

なお、前回は「病気」について述べさせていただきましたが、現在こちらを読んでいるアナタ、もし我慢することが大変なくらい体や心の不調、または不都合があるようでしたら迷うことなく病院へ行きましょう。

仕事関連ならいざ知らず、肉親や配偶者にとってアナタは代わりのきかない大切な大切な人なのです。第一、体と心が発する断末魔の叫びを聞きながらバイクの操縦なんてできませんよ。

必要ならばじっくりとピット入りしてオーバーホールを受けましょう。ある程度の健康を取り戻すことが、現世を生きるライダーの最重要課題です。何といっても、今回タイトルに掲げたテーマは、ある程度は健康な人が対象ですので(笑)。

入院している男性

●知れば知るほど、日本の医療体制は優秀であることが分かります。何か気になることがあれば、まずはかかりつけ医に相談してみましょう。健康でなくてはバイクは楽しめません!

 

原因のハッキリしない緩慢な苦痛……

「不定愁訴(ふていしゅうそ)」という言葉、元気ハツラツなヤングマンには縁遠いかもしれませんが、ちょいとくたびれてきた30代後半以降の方でしたらリアルに悩まされている場合が多いものです。

こちら、もともとは臨床用語で「疲れが取れない」、「肩が凝る」、「頭が重い」、「よく眠れない」、「イライラする」など、当の本人にとってはしっかりと自覚できる各種の症状があるものの、いざ現代医療的な検査を行っても客観的には原因が不明で病気が見つからない……という状態を指すものです。

もちろん、不快な各症状を軽減させるお薬は数多く用意されていますので、ドラッグストアでビビビときたものを試してみるのもいいでしょう。……と、ここまでは一般の人向け(?)の情報。

さて、ライダーの皆さん、楽しくライディングしたあとで、ガマンできないほどではないけれどもイヤだなぁ~、と感じる数々の不定愁訴に苦しめられてはいませんか? 

ライディングの練習

●ライディングスクールのようなイベントで丸一日練習に明け暮れると、気が付けば筋肉はバキバキになっているもの……。無事に帰宅したなら、お風呂の温熱効果で体の強ばりをほぐし、寝るまでの間でセルフマッサージや軽いストレッチを励行いたしましょう!

 

例えば「お尻が痛い」、「首、肩が張る」、「腰痛がツライ」、「足先がシビれる」……etcetc。まぁ、走り終わったあとすぐに出てくる症状は長時間乗車による肉体的疲労が主原因ですので、厳密に言うと不定愁訴には当たらないのですが、問題はこれらを軽く見ていると“慢性化”する場合があるということ。

楽しかったツーリングから数日間を経過しても痛みや疲れが取れない、いやいや、数週間単位で時間は過ぎ去ったのに、不快な症状がまだ残っているではないか……。思い当たるフシはございませんか? 

端的に言って老化が進んでいくと、若いころなら何でもなかった単純な疲労や痛みの発生に、自らがもともと持っている体質的な弱点まで絡みがちになるため、不定愁訴化しやすくなるのです。

腰痛に苦しむイメージ写真

●週末の楽しいライディングと引き替えに、平日の大半、重だるい体の痛みに苦しめられる事態は避けたいもの。当然ながら、仕事のパフォーマンスも大幅にダウンしてしまいます

 

前もっての準備が症状軽減に有効

楽しいはずのライディングすら敬遠したくなりかねない不定愁訴への対策は……。

まずは予防です。「予防に勝る治療なし」とは、古来から言われ続けてきた絶対的な真理。といっても特殊な修行をしなければならないというわけではなく、普段から適切な運動を心掛けつつ、バイクに乗る前にはさらにちょっと念入りな準備運動とストレッチを行う……ということが肝要。

準備運動ストレッチ

●走り出す前に行うストレッチには絶大な効果があります。普段何もしていないと、驚くほど体は堅くなっているもの。可能なら、毎日少しずつでも各部を気持ちよく伸ばしておきましょう

 

ライディングはスポーツと言っても過言ではありません。スポーツの前、何もせずにいきなり駆け出す人はいませんよね。

日常的に行うべきエクササイズとしてオススメなのが「ラジオ体操」です。

楽しかった小学生時代の夏休み、したくもない早起きを強制されたトラウマから毛嫌いする人もいるかもしれませんが(笑)、改めて吟味してみると非常によく考えられた内容であることに驚きます。

ラジオ体操

●毎日続けることで、気が付けばしなやかな体になっている……。セレブリティ階級の方々にも愛好者が多いというラジオ体操。「日本発祥ではない」「実は幻の“第三”がある」「テレビ体操のアシスタントは美女ぞろい」……など、いろいろと話題も豊富ですので調べてみると楽しいですよ(笑)

 

第一と第二、合わせてもたった6分21秒の運動を実施すると約400種類以上の筋肉、腱、関節、骨などに好ましい影響を与えるとか。朝と昼にはNHKで「テレビ体操」も放映されていますので、高負荷ライディングでも疲れない体作りの第一歩して、習慣化できるよう日常生活に組み込んでみてください。

不定愁訴の解消が期待できる東洋医学

そして、原因の特定できない不定愁訴に効果が大きいとされるのは東洋医学です。

例えば鈍いけれどもスッキリとしない痛みが発生しているとすれば、その部分の“気”が滞っていると考えて、鍼やお灸、あん摩やマッサージ、そして漢方薬を飲むことなどにより、気の渋滞を解消してあげよう……というのが基本線。

鍼灸イメージ

●全身の新陳代謝を高めることによって、体の不具合部分を改善していくのが東洋医学の真骨頂。原因不明、漠然とした不調に対して皮膚からの刺激、筋肉への施術、薬効作用のある飲食物などの総合的なアプローチで“攻めて”いくのです

 

本格的な治療となれば、しかるべき資格を取得した専門家の世界ですけれど(ぜひ一度は体験をしてみてください!)、効果的なツボを押したりセルフ灸で温めたりすることは自分自身で簡単に行えます。

下では腰痛を軽減してくれるとされるツボ、承山(しょうざん)を紹介していますので、試してみてくださいね!

足のツボのイラスト

●腰痛に効くツボとして名高い④承山は、アキレス腱から上へたどっていくと指先がスッと止まる筋肉(詳しくは腓腹筋)の境目にある。ふくらはぎのほぼ中央で、腰痛に悩んでいる人なら軽く押したときに痛かったり気持ちよかったりするはず。時間があるとき、指の腹でクルクル押し回したりセルフ灸を試してみることをお勧めいたします!

 

> 120歳まで乗り続けるために〈第10話〉 ライダーのための「病気について」

> 120歳まで乗り続けるために〈第12話〉 「体のエンジン:心臓(前編)」

> 120歳まで乗り続けるために〈第13話〉 「体のエンジン:心臓(後編)」

 

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