イラストや写真、わかりやすい言葉で伝えたい

 ボクの著書『図解入門 よくわかる最新バイクの基本と仕組み[第4版]』(秀和システム)が5月31日に発売となりました。バイクの基本から最新テクノロジーを解説したロングセラーの第4版となります。


 ボクがバイクに関心を持ったのは10代半ばの頃。専門書は難しいものばかりで、ボクにはチンプンカンプン。そんなビギナーの気持ちを思い出し、多くの人にバイクの基本と仕組みをイラストや写真をなるべく多く使って、わかりやすい言葉で伝えたいと思い、執筆しました。

 今からもう12年も前のことです。

 その後、順調に書店に並び続け、改訂も4年ごとに重ねることができ、今回はついに第4版となりました。


 今年のはじめ、ボクはレッドバロン葛飾でホンダ『CRF250L<S>』の新車を購入したのですが、お店に行くと、『図解入門 よくわかる最新バイクの基本と仕組み』の第2版と第3版が本棚に置かれていました。しっかりと読み込まれていて、嬉しかったことを覚えています。スタッフさん曰く「国内4メーカーだけでなく、世界中のメーカーの新車と中古車に対する知識を得ないといけないし、バイクの技術も日々進化していますので私達も日々勉強です。」との事。ホント頭が下がります。

読者層は幅広い

 今回、内容を刷新したところも少なくありません。オートバイに乗ったことがない人も読者層に想定していまして、「バイクってそうなってるんだ〜」って思って欲しいので、改訂する度にたとえ単純な機能や技術であっても、新しいものはどんどん盛り込んでいくよう心がけています。

急ブレーキ時にブレーキランプを点滅させることで、後続車に急減速を知らせるESS(エマージェンシーストップシグナル)。 写真提供 カワサキモータースジャパン

▲急ブレーキ時にブレーキランプを点滅させることで、後続車に急減速を知らせるESS(エマージェンシーストップシグナル)。 写真提供 カワサキモータースジャパン


「エマージェンシーストップランプ(シグナル)」はライダーが急ブレーキをかけたとき、後続車に追突される可能性を低減させるため、制動灯を点滅させたりハザードランプの高速点滅で後方へ急制動を知らせるものです。視覚的効果が高く、クルマでは普及しつつあり、見かける機会も多くなりました。

 こうした比較的単純な機能も見落とさずに題材にし、クルマやバイクの運転を全くしない人が読んでも「なるほど」と、興味を持っていただきたいのです。

いつか自動運転を説明する日がくる!?

 四輪から二輪へ応用される技術は少なくありません。クルマで「ハイマウントストップランプ」が義務付けられると、バイクもなるべく高い位置にブレーキランプを備えるようになりましたし、「クルーズコントロール」や「コーナリングランプ」などもクルマが先です。

▲停止時に、ライダーのブレーキ入力無しでもブレーキ効力を維持するVHA(ビークルホールドアシスト)。 写真提供 カワサキモータースジャパン

 車体姿勢をIMU(慣性計測装置)で検知できるようになった最新のバイクでは坂道発進をアシストする「ビークルホールドアシスト」(ヒルスタートアシスト)も搭載しています。

 

ミリ波レーダーを使用した前方レーダーセンサーが、走行車線上をスキャン。ライダーが設定した速度を維持しつつ、前走車との適切な車間距離を保つように車速を調整しますARAS(アドバンスト・ライダー・アシスタンス・システム)。

▲KAWASAKI『Ninja H2 SX』が搭載する「ARAS(アドバンスト・ライダー・アシスタンス・システム)」。 写真提供 カワサキモータースジャパン


 ARAS(アドバンスト・ライダー・アシスタンス・システム)では、ミリ波レーダーを使用した前方レーダーセンサーが、走行車線上をスキャン。ライダーが設定した速度を維持しつつ、前走車との適切な車間距離を保つように車速を調整します。

 四輪では自動運転への取り組みも進んでいますが、いつかボクの著書でもバイクの自動運転を紹介する日が来るかもしれません。

▲電話、音楽、ナビゲーションなどのスマートフォン用アプリをインストゥルメントパネルに表示・操作することが可能な新しいインフォテイメントアプリ「Kawasaki SPIN」。 写真提供 カワサキモータースジャパン

▲電話、音楽、ナビゲーションなどのスマートフォン用アプリをインストゥルメントパネルに表示・操作することが可能な新しいインフォテイメントアプリ「Kawasaki SPIN」。 写真提供 カワサキモータースジャパン

バイクを好きになってほしい

 構造的な仕組みだけを知ろうと、『図解入門 よくわかる最新バイクの基本と仕組み[第4版] 』を手にとってくれる人もいるかと思います。そんな人へ向けて、ボクはオートバイの熱烈なファンになってもらえたらいいなと願っています。

 なので、章と章の間でバイクに乗っていて感じるコラムを書いてみたり、レジェンドモデルたちの紹介をしたり、モノとして見られつつも、「バイクに乗るといろいろなコトが体験できて、素晴らしい世界が待っています」と、懸命にエサをばらまいているつもりです。

 少しの期間、第3版の在庫が出版社になく、定価より高値で通販サイトで売られていたようです。第4版が新しく発売されたので、いつでも新書(定価2,420円)で手に入るはず。多くの人に手にとっていただければと願っています。



 今回は僭越ながら、自分の著書のハナシでした。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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