サイドカー最高か!【その4】はコチラ
長大なパイロンスラロームで午前中のカリキュラムをフィニッシュしたら、お昼休みを挟んで午後は丸ごと任意での走行! 那須モータースポーツランドのコース全体をフルに活用して6台のサイドカー、そしてトライクを乗り倒せる(倒れませんが)時間の到来です。そしてそこでも「ほほ~っ!」となる嬉しい出来事が……。最後までクライマックスが続きます!
●6月5日(日)、「サイドカーライディングスクール」のため那須モータースポーツランドに集った勇者たち(笑)。老若男女が丸一日、和気あいあいとスリーホイラーに向き合い、スキル&経験値を爆上げさせました。2023年版も6月初旬に開催される予定です。「それまで待てない!」という方は、ぜひ「サイドカー・トライクレンタル」をご活用くださいませ、楽しいですよ!
地味な練習も小さな成功の喜びも全てはこの瞬間のため!
朝イチから独特な挙動を見せるサイドカーを乗りこなすための基礎的な練習を繰り返し、右カーと左カーの違いやトライクの走らせ方までを学習。
先導車付きのパイロンスラロームもたっぷり行ない、ヒートアップした頭脳を昼休みでクールダウンさせたあとは、いよいよ1146mのサーキット全周を使った「体験走行」です。
あれほどコース上に散りばめられていた練習用の赤いパイロンは、キレイさっぱり姿を消し、ホームストレートにはホンダGL1800サイドカーを先頭に、ホンダGL1500サイドカー、ヒョースンGV250サイドカーという“左カー”が整列。
●合計6台のスリーホイラーが写真のように並んでおり、乗りたいマシンの横にあるイスに座って待機。1周して戻ってきたら交代して搭乗……という流れでした。先導車付きではありますが、加速力や直進安定性などをチェックするには十分なスピードは出せるのでストレスフリー!
ホンダGL1500トライクを間に挟んで、“右カー”のハーレーFLTRサイドカー、カワサキW400サイドカーが続くという隊列が組まれていました。
見学のため会場入りした人もサイドカーに同乗できる!
そしてここでまた、竹内支配人のアナウンス。
●那須MSLの支配人でありサイドカースクールのインストラクターも務める竹内さん。「定休日を除けば毎日対応できる“ライディングジム”やトライアル車の体験もできる環境を整えておりますので、事前連絡の上、お気軽にご来場ください!」とのこと
「これら皆さんにはお好きなモデルを選んで走っていただきます。1㎞ほどのコースを1周したら交代するというパターンで、その際『後ろに乗りたい』、『横に乗りたい』というご希望がございましたら、周囲にいる方と相談して、役割分担をお好きに決めていただいて結構です」
……なんと! どのモデルに乗るのも自由。
さらには側車やタンデムシートの居心地を好きなだけチェックしてもOK牧場とは……!!
さらにさらに、会場に一緒に来て、今まで見学するだけだった同行者の人も、体験走行枠からは側車やタンデムシートに搭乗してOKOK牧場!
●ハイ、このとおり。ゼッケンをもらっていない見学の方が同乗してもOKOKOK牧場(しつこい)! 適切な操作を励行すれば立ちゴケも転倒もしないスリーホイラーならではの素晴らしい“オマケ”です。「あっ、ヘルメットとか忘れた!」というときは那須MSLのスタッフへご相談を。「悪いようにはいたしません」……そうです(笑)
前回で紹介したモンキー125サイドカーに乗られている山内さん夫婦も、さっそく妻の加津代さんがスクール使用車の横に来て、フルコース体験走行を複数台でエンジョイされていました。
ちなみにこちら、「サイドカーライディングスクール」ではもちろん、那須MSLで随時受け付け中の「サイドカー・トライクレンタル」でも同様なので、大切な人とスリーホイラーを体験してみたい人はぜひご検討を。
●これを目的に家族総出で那須MSLにやってきてサイドカー・トライク体験を楽しんだあと一泊し、那須高原の動物園なお周辺スポットの観光をしてから自宅に戻る……という手慣れたリピーターの方までいらっしゃるとか!
体験してみなくちゃ始まらない。その喜びを大切な人と共有!
これまでもお子様連れの方がレンタル体験に数多く来場され、同乗できた子供たちはそれはそれは大喜びだったとか(インストラクター談)。
いやもう本当に面白いのですよ。
不肖オガワも乞われるまま何人も側車に乗せてフルコースを周回し、逆に運転をお願いして全車両の側車や一部タンデムシートを体験してまいりました。
●側車に人を乗せると当然ながら慣性の法則も強く働きます。空車時との挙動変化に驚きつつも、逆に面白さが増す部分もあったりして感動いたしました。いやはやサイドカー……奥深い味わいがありまくりです!
走行時には必ず先導車が付きますし、無謀な運転をする人など皆無で安心。
50過ぎのオヤジライダーはバイクに人を乗せて走ることはあっても、人に乗せられることはまずないため、とても貴重な経験をさせていただきました。
突然ですが、サイドカー・トライクの私情インプレ!
ではここで、全車両のプチプチインプレッション+中古車情報をひとくさり……。
●「ホンダGL1800ゴールドウイングサイドカー“ムサシ”」全長275㎝、全幅222㎝、重量570㎏。圧倒的な極太トルクで発進も加速もラクラク。側車内のしつらえも高級ホテルのソファのようでリラックスできました。あまりに広いスペースが実現されているので、どこに座ればいいのか落ち着かないほど(笑)。中古車なら高いもので350万円(税別)程度との情報あり
●「ホンダGL1500ゴールドウイングサイドカー」全長270㎝、全幅210㎝。この車両はサイドカーに最適とも言えるフロントのサスペンション機構、“アールズフォーク”を採用しており、加減速時や旋回時の挙動がとても穏やか。一般的なテレスコピックサスのサイドカーを経験したあとに操縦すると衝撃を受けること間違いなし(笑)。GL1500サイドカーは年式がこなれていることもあり中古車で100〜150万円(税別)というのがコアゾーンなのだそうですが、個体によって上下幅が激しいのです
●「ヒョースンGV250“イオタ”サイドカー」全長230㎝、全幅145㎝。サイドカー・トライク専門の製造&販売メーカーであるサクマエンジニアリングが250㏄以下の車両用にプロデュースした“イオタ”を装備した仕様(外観全体はこれまでの写真をご確認ください)。バイク左側にあるステップとシフトペダルを舟の中に食い込ませることで、とてもスリムな全幅を実現。いざ側車に乗ってみても運転者のシフト操作が気にならない絶妙な設計が素晴らしい。中古車なら70万円程度で購入が可能だとか
●「ホンダGL1500ゴールドウイングトライク」全長290㎝、全幅140㎝。迫力あるリヤビューは注目を集めること間違いなし。通常のバイクと同じく2人乗り仕様が一般的ながら、世の中には直列に3人乗れるトライクもあるとか。ズドドドドッ!と極太リアタイヤに駆動力を与えて前に進んでいく気持ちよさはバイクともサイドカーとも違う快感があり、気分は北斗の拳の悪役キャラクター(笑)。お手軽なスクータートライクも人気が高いそうです
●「ハーレーダビッドソンFLTRロードグライドサイドカー」全長245㎝、全幅185㎝。側車には存在感も抜群なリーフスプリング(板バネ)式サスペンションが装備され、座る位置が高めのこともあってフワフワと空を飛んでいるような快感が得られたのが強く印象に残っています。ハーレーのFL系サイドカーの中古車は150万〜200万円(税別)というのが相場のコアゾーンなようですね
● 「カワサキW400サイドカー」全長218㎝、全幅170㎝。クラシカルなテイストのW400にレトロスタイルの側車がジャストフィット! 適度にタイトな空間が心地よく、乗り心地も良好でした。中古車相場は不明ながら、イメージとしては一般的に売られているバイク(中古車)の価格にプラス50万〜150万円程度の舟代がかかるといったところでしょうか。レッドバロンの膨大な在庫のなかにもサイドカー・トライクは存在しておりますので、興味がある方はお近くの店舗にてスタッフにイントラネット検索をお願いしてみてくださいね〜
飽きるほど(!?)に乗ってもらおうというスタンスが◎!
楽しい時間はアッという間に終わるもの……なのですが、本イベントの「体験走行」は13時から14時までが第1部、15分の休憩を挟んで14時15分から15時30分までが第2部(後日参加者へ送付する走行写真の撮影もあり)となっており、トータルでなんと2時間15分という大作映画並みの尺が用意されていました。
ゆえに15時を回るころには、「もうお腹いっぱい……」と自主的に休憩へ入る人も多数(笑)。
●紹介が送れましたが昼休みにはケータリングサービスも展開されます。レッドバロンユーザーおなじみの50円ドリンクも当然ありますよ!
筆者は最後の最後まで走り尽くしたクチですが、駆け抜けても駆け抜けてもまだ乗ることができる試乗時間のメガ盛りに大感激。「終了で~す」と告げられたときの満足感は半端ではなかったですね。
走行終了後、簡単なアンケートに回答してゼッケンを返却すればスケジュールはすべて終了。
スリーホイラーにまみれた1日は本当に忘れ得ぬ1日となりました。
●仕事でもプライベートでも、もう筆者は何十回と訪れている那須モータースポーツランドですが、本当に気持ちのいいコースです。各種試乗会やスクールなどの大きなイベントはもちろん、都合がいい平日にレンタル車両試乗やライテク向上の練習もできたりしますので大いに活用しましょう。なお、レッドバロンでサイドカーを購入、もしくは購入希望という方なら、ライディングスクール岡崎でもサイドカーのイロハが学べます。要チェック!
“単車”の自由自在なヒラヒラっぷりに再度感動できる
サイドカーやトライクのことを知ったおかげで、バイクの良さにも改めて気付かされたのですから最高です。
人造人間キカイダーやゴレンジャー、デンジマンetc……特撮ヒーロー番組に出てきたサイドカーに心奪われていた50年近く前の自分よ! サイドカーは憧れに足るメチャクチャ面白い乗り物だったぞ!!
●まるで特撮ヒーローのサイドカーが公道に舞い降りたような、独創的なスタイリングと走行性能を持つ一体型ボディのサイドカー「クラウザー・ドマニ」も、いまだに高い人気を維持しています。知れば知るだけ面白いサイドカー・トライクの世界……。ぜひ“三輪沼”にハマってみてください!?
アナタも那須モータースポーツランドで魅惑的な世界のとば口に立ってみませんか? (おわり)
サイドカー最高か!【その1】はコチラ