学業やスポーツだけでなく、ライディングも反復練習こそが上達への近道。いきなりGL1800ゴールドウイングサイドカーを割り振られた普通自動二輪免許しか持っていない初参加の人でも、安全な状況下での懇切丁寧な指導によってトライ&エラーを繰り返すと気が付けばブイブイと巨体を振り回せるように……。そしてスクールの後半では予想していなかった車両まで登場し、濃密な時間は続いていきます!
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“クセつよ”だからこそ上手に動かせたときの感動は大!
乗り始めた最初は面食らったサイドカーならではの挙動。
発進、加速、減速、旋回、再加速……と、どのフェーズでも通常のバイクとは全く異なる気の抜けない動きが出るものの、確実なニーグリップとスムーズで的確な操作をしっかり行なうことで、うまく対処することができると理解できてからは面白さが加速していきます。
なんといっても勉強になったのは8の字走行でしたね。
これは通常のバイクでも同じなのですけれど、視線の送り方、操作の正確性、ラインの取り方などなど、ムダのない走りのために何をどうすればいいかが本当によく分かります。
自分のターンが終了し、「うーん、あそこで失敗したなぁ~」と反省しつつ交代。
他の参加者の走りを眺めつつ、次はこうしてやろう、ああしてやろうとイメトレ……しているうちにまた自分の順番がやってくるという好サイクルで、うまい具合に集中が途切れません。
なんとサイドカーだけでなく、アイツが新規加入してきた!
そして午前中最後のカリキュラムが、広いコースをフル活用した長大なパイロンスラロームでした。
ここにきて参加者全員で6台をシェアしていく方式となりましたので練習してきた車両だけでなく、用意された多彩なサイドカーにまんべんなく乗れるというわけです。
……ん? 事前の情報ではスクール使用車リストにはゴールドウイング2台、ハーレー1台、カワサキとヒョースン各1台とあり、合計でサイドカー5台だったはずでは……。
と、ここで那須モータースポーツランド、竹内支配人からのアナウンス。
「車列の最後にトライクが追加されています。サイドカーと同じ3輪で、タイヤは中心線から左右対称に付きだしていますが全体の車幅自体はサイドカーより狭いです(140㎝)。操作は基本的にサイドカーと一緒。独特な走りっぷりを体感してみてください」とサプライズな車種追加が!
話題が尽きないスリーホイラーの世界をさらに深く
ハーレーダビッドソンが現在でも純正でラインアップしており、日本ハム・ファイターズの新庄ビッグボスが何度となくマスコミの前で運転する姿を披露したことなどでも話題になったトライクをサイドカーと乗り比べることができるとは……。
主催者側の粋な配慮に参加者からも思わず歓声が上がります。
さっそく長大パイロンスラロームの練習が始まりました。
ここで初めて接するサイドカー(とトライク)がほとんどなので緊張……はしたのですが、あの小柄なヒョースンサイドカーで反復練習して学んだ運転のテクニックは、たとえ1800㏄のゴールドウイングサイドカーでも全く問題なく通用することがすぐに理解できましたので、ホッ。
ただし、側車が左に付いているのか、右に付いているのかで走らせ方を変えなければならないため、あまり時間を置かずに乗り換えると、少々こんがらがってしまったことは正直に書いておきましょう。
今回のスクール使用車ではハーレーとカワサキのサイドカーが、側車をバイク部分の右側に配置した“右カー”でした。
上記のように左?右?とプチ混乱をきたしているとき、アレレレレレ?感を思い知ったのが車幅感覚です。
右カー、左カーで右カーブ、左カーブ……。シビれるぜ!?
課題をクリアすべく集中していると、どうしても自分が通常のバイクに乗っているような意識となり、それが威風堂々たるハーレーだったりすればコースの中央を走りがちになるのですよ(筆者の場合)。
そこで“チッ!”とパイロンと右カーが接触する音がして肝を冷やすこと3回。
“右カー”の場合、日本の公道で自分(運転手)が中央線に近寄ってしまうと、側車がセンターラインの向こう側へいってしまいかねませんので注意が必要です。
所有していつもその車両だけ乗るようになれば、かくいうウッカリはないのでしょうけれど。
トライク、ライク♡、どストライク!
そしてトライク!
スクール使用車として新たに追加されたのはGL1500ゴールドウイングがベースのもので、その強大な低速トルクにより発進は楽チンそのもの。
真っ直ぐ走るだけでもハンドルにブレを誘発させてしまう側車の存在はありませんから、シュッとした加速&減速が可能です……が、コーナリングにはやはり気を遣いました。
サイドカー同様、バンクせず、セルフステアなしとなる構造なので、車両の向きを変えるときにはハンドルを意図的に“切る”ことを意識しなくてはなりません。
オーバースピードが厳禁なことも同様です。ラフなカーブへの突っ込みを行なうと、コーナー内側の後輪が浮いてしまうこともありますのでご注意のほどを……。
しかし、それらの諸注意部分に配慮した操縦を行なえば爽快な走行感が楽しめましたので、自分的にも超好印象でありました。
では次回は最終回。お祭り騒ぎのクライマックスを迎える「サイドカーライディングスクール」の大団円についてお伝えしましょう。(つづく)
【参加者インタビュー⑦⑧】 山内俊弘さん 山内加津代さん