第12世代バイクブームの影響もあって免許取得者数もバイク販売台数も増えていますが、比例するようにここ数年、単独転倒、出会い頭、右直といった交通事故によるライダーの死傷者数も増加傾向にあります。

バイクの安全運転には、認知・判断・操作を素早く的確に行うことが求められますが、これらを練習・習得するための場が足りていないことは大きな課題とされています。

コースの内容や利用にあたってのお願いが書かれた案内板


そこで今回は、福岡県の宮若(みやわか)市にある無料のバイク練習場「宮若市交通公園」について、管理元である宮若市役所土木建設課維持係の方にいろいろと質問させて頂いたので紹介します!

交通安全協会の要請で設置された公共の無料バイク練習場

コースの全景。道路沿いに作られており、奥行きが長い


Q. 
練習場を作った理由、背景、目的について教えてください
交通安全協会から交通安全教室などが開催できる場所の設置について要請を受けまして、バイクや自転車による悲惨な交通事故の撲滅を図るため、一般公道での二輪車の運転技術向上を目的として設置されました。

通常の一本橋に加え、テクニカルなスネーク一本橋も設置してある

コースには教習所のようにS字やクランクも設置されている

急制動や目標制動が練習できる直線区間もある

砂利を敷いた林道のような未舗装路(不整地)区間も体験できる


Q. 練習場はいつできたのですか?
1992年の10月、従来からあった公園を交通公園(二輪車の練習場)として整備しました。2017年にはトイレと東屋を設置して、2018年にはコースの舗装打ち換えなどを行っています。

講習会での白バイ隊員による走行デモンストレーション

トイレや自動販売機も! 充実の設備も魅力

Q. 管理者は誰ですか? メンテナンスは誰が行っているんですか
公園管理者は宮若市です。トイレの掃除は委託していますが、公園全般の維持管理は宮若市が行っています。

トイレが立派で驚いた。ものすごくキレイ!

駐車場に設置されている自動販売機。売上金の一部は宮若市まちづくり支援金として寄付される

初心者から上級者まで対応のコースレイアウト

Q. コースの設計は誰が行ったんですか?
宮若市の職員による設計です。当時の福岡県警交通機動隊の練習場や中間(なかま)市が設置していた練習場を視察し、参考にさせて頂いて設計しました。

初心者から上級者までバイクの練習に最適なコースレイアウトだ

コースマップも設置されていた。ジムカーナの練習にも使われているのだろう

休憩所として東屋が設置されている。工具や掃除道具なども置かれていた

コースわきにはベンチや東屋も設置され、休憩できるようになっている

有志の利用者が工具やコーンを設置!

Q. 公園内に置かれている工具やカラーコーンは誰が置いたのですか?
工具やカラーコーン、掃除道具等は利用者の方々によって設置されています。

カラーコーンも各色、各サイズで充実していた

スパナといった工具からケミカル類まで充実していた置き工具

ほうきやショベルといった掃除・整地道具も完備している

高校生への講習会にも使用されている

Q. バイクの講習会や自転車講習会なども行われているんですか?
これまでにバイク通学の高校生を対象とした原付バイク講習会や自転車通学の高校生を対象とした自転車講習会を数回開催しています。そこでは白バイ隊員による指導も行われています。

原付バイク講習では地域の白バイ隊が指導してくれた

高校生への原付バイク講習会も行われてきた

貸し切り利用も可能!

Q. 貸し切りで利用することはできますか?
可能です。なお、貸し切り料金は徴収していません。二輪車安全運転特別指導員の資格を有する指導者が、レースに出場する選手の練習会を貸し切りで行ったこともあります。安全運転のための技術向上を目指した公園ですので、ジムカーナ等の競技大会は行われていません。


【所感】こんなに充実した練習場が無料で使えるなんて本当にうらやましい! 自治体が安全運転を推進する目的でこうした練習場が全国にできてくれたら、ライダーやバイク利用者にとってとてもありがたいですね。技量不足や技量過信による転倒・事故も減るんじゃないでしょうか。役所や交通安全協会などに要望してみるのもアリですね!


宮若市交通公園
利用料金 無料
所在地 福岡県宮若市長井鶴644番地4
開園時間 9:00~17:00
主な設備
●アスファルト舗装のコース(S字・クランク・スネーク・一本橋・波状路など)●あずま屋、トイレ、ベンチ、飲料自動販売機、駐車場
管理者 宮若市役所 土木建設課 維持係
電話:0949-32-0799
URL https://www.city.miyawaka.lg.jp/kiji003443998/index.html

 

 

SHARE IT!

この記事の執筆者

この記事に関連する記事