グッドライダーミーティングがリニューアル!

一般社団法人 日本二輪車普及安全協会(日本二普協)と都道府県警察・交通安全協会が連携して、32年間にわたり実施してきた安全運転講習会「グッドライダーミーティング」が、今年から「ベーシックライディングレッスン」(略称はBRL)に改称して、より初心者(ビギナー)向けにリニューアル、再始動したのでお伝えしたい。

対象は若年ライダーとリターンライダー

なお、初心者ライダーの定義は以下のように定められていて、コロナ禍以降で増加傾向にある新規若年ライダーとリターンライダーをメイン層として想定している。

●一般公道の走行に不安を抱えている
●免許取得後、おおよそ1年以内
●長いブランクがあり運転操作に不安を抱えている
●運転は不慣れだけど、バイク仲間が欲しい

参加申し込みのページにも「初参加・U39(39歳以下)を優先して受付(東京会場)」「高校生・女性の積極的な参加をお待ちしております(山梨会場)」「30才未満のヤングライダー・初参加の方は2カ月前から先行申込み可能(近畿エリア)」といった文言があり、グッドライターミーティングで目立っていたベテランライダーや講習会マニアのような層は参加が難しくなったようだ。

東京会場では4つの課題に取り組んだ

▲開講式の様子。関係団体からの挨拶や注意事項などが説明された


各エリア・各会場によって参加条件や講習内容・時間・費用などは異なっているが、今回は4/14(日)に開催された「ベーシックライディングレッスン東京」(府中運転免許試験場)を見学させてもらった。

当日の参加者は20~60代の44名。自己申告により初心者(緑色ゼッケン)と超初心者(黄色ゼッケン)の2つのグループに分かれたので、今回は超初心者グループに密着することにした。

レッスンでは、静的実技の後、体操とブレーキのデモンストレーションを見学し、ブレーキング、コーナリング、バランス/法規走行という流れで4つの課題を練習した。

▲ブレーキ操作のデモンストレーション。左からリヤのみ、フロントのみ、リヤとフロントの両方を使った場合の停止距離の違いを教わった

1. 静的実技

運転実技に入る前に静的実技が行われ、以下の内容についてレクチャーが行われた。

①ライディング時の服装:長袖・長ズボン、各部のプロテクターと胸部プロテクターの装着について説明
②ヘルメットの正しい着用:あごひもの確実な締結、シールド・ゴーグルを使ってゴミや虫から目を守ることの重要性

▲バイク死亡事故のうち3割でヘルメットが脱げてしまっている。あごひもは指が1本入るかどうかくらいにしっかり締めよう


③乗車前確認と乗車姿勢:シートバッグ等の固定状態を確認した後、周囲の安全を確認したのち乗車、ミラーの位置確認・調整してニーグリップと目線を意識する

▲乗車前にツーリングなどで使うシートバッグやサイドバッグがしっかり固定されているかも確認する

 

▲ニーグリップをすることでバイクと一体となり上半身を自由に動かすことができる。つま先は少し内側に向くぐらい


④車両の乗車前点検:ネン(燃料)オ(オイル)シャ(車輪 ※タイヤ)チェ(チェーン)ブ(ブレーキ)ク(クラッチ)トウ(灯火類)バ(バッテリー)シメ(各部増し締め)と、それらを簡略化したブ(ブレーキ)タ(タイヤ)と燃料について説明

▲タイヤにクギやネジが刺さっていないかを確認している。タイヤの状態管理は安全運転を行ううえで最も基本的なところだ

2. ブレーキング

▲パイロンまでは40km/h・3速をキープして、パイロンからの急制動を行う。事故回避を想定したものだ


ブレーキングはいわゆる急制動の練習だが、教習課題のように「ここ(何メートル先)までに停止する」という決め事はない。まずは現在の自分のブレーキに関する技量(危機回避能力)を知ることが大事で、この練習を繰り返すことで前後のブレーキをしっかり使えるようになり、自然と停止距離は短くなる。

・全制動:指定のパイロンからの前後ブレーキを使った制動練習

▲ニーグリップをしてタイヤと車体の挙動を感じながら視線はなるべく先に送っておく


・旗振り制動:指導員が旗を降ろした瞬間に反応しての前後ブレーキ練習

▲旗が降ろされた瞬間からの急制動。よりリアルな想定でブレーキの難しさと対処を体験する

3. コーナリング

▲府中運転免許試験場にはアップダウンのあるコースもあってワインディング感覚が体験できる


自己申告によるグループ分けを行い、指導員が先導しながら広々とした試験場(四輪)コースをツーリングするように走行。コース内の狭路であるS字、クランクなども通過することで様々なコーナリングを練習した。

▲S字やクランクも通過することで様々なコーナリングを体験・練習できた

4. バランス/法規走行

▲二輪コース内の波状路セクション。普通二輪免許のライダーには初めての挑戦という方も


検定にも使われる二輪コースをフルに使って、一本橋、波状路、S字、クランク、小回り、坂道発進などのバランス課題をメインに練習。各課題を走りつなぐ際には一時停止、車線変更、踏切通過などで法規走行を徹底した。

▲課題を走りつなぐ時など、あらかじめ多くの一時停止・発進ポイントが設定されていた。左右・後方確認など法規走行をしっかり行う

レッスン終了後にはタイヤのレクチャーも

レッスンが終了した後はタイヤメーカー「ブリヂストン」によるタイヤに関するレクチャーも行われた。タイヤの点検方法、空気圧管理の重要性、エアバルブ劣化への注意、スリップサインの見方、タイヤの鮮度と交換時期、表面異常の確認ポイントなどについて教わった。

▲安全運転を行う上でとても大切なタイヤの知識。こうしたメーカーの参加はありがたいことだ

まとめ:低速バランスと法規走行の重要性

▲課題終了後に指導員からの講評があった。とにかく一番重要なのは「乗車姿勢」ということが繰り返し伝えられた


超初心者クラスでは、低速時のスロットル・ブレーキ操作とバランスを取ることの難しさ、法規走行の徹底というところが課題として見えていた。

でも、レッスンの中では何度失敗しても大丈夫! 周りで練習している人も自分と同じようなレベルなので「恥ずかしい…」「迷惑をかけてしまうかも…」なんて感じる必要もない。
安全運転、事故に遭わない走り方を身につけるためにも、ぜひ気軽に参加してみてほしい。申し込みは日本二普協の公式サイトから、インターネットで受け付けているぞ。

●ベーシックライディングレッスン 公式ページ(日本二普協サイト)
「Basic Riding Lesson (BRL:ベーシック ライディング レッスン)についてのご案内」

 

 

 

SHARE IT!

この記事の執筆者

この記事に関連する記事