全国の警察がいま最も取締りを強化する法規制

いま、警察が最も目を光らせているのが、横断歩道での一時停止だ。歩行者が道路上の交通事故で亡くなるケースは、横断中が約7割を占めている。しかも、その内の約8割は、走行中の自動車の直前直後を横断するなど、歩行者側の法令違反が指摘されている。歩行者はどこからでも出てくると認識すべきだ。

その上、信号機のない横断歩道を通過する車両を対象とした全国調査(2020年8月)によると、約8割の車両が歩行者が渡ろうとしていても停まらないという結果になっている。取締りが厳しくなるわけだ。

■2020年 信号機のない横断歩道における車の一時停止率(全国平均)
※JAF(一般社団法人日本自動車連盟)サイトより転載
JAF調査結果

横断歩道付近での交通ルールをおさらい

横断歩道の周りでは禁止条項が多い。横断歩道の側端から前30m以内では追い抜き、追越しが禁止のほか、前後5m以内の場所は駐停車禁止(赤信号や危険防止のための一時停止を除く)などだ。しかし、まだまだある。

横断歩道の手前では速度を落とす

横断歩道や自転車横断帯に近づいた時には、横断する人や自転車がいないことが明らかな場合以外は、その手前で停止できるように速度を落として進む必要がある。歩行者がいる環境ならば、周囲を確認するためにも、速度は落とした方がいいだろう。

渡ろうとしている人がいたら、一時停止する

歩行者や自転車が横断しようとしている、横断している時は、横断歩道や自転車横断帯の手前(停止線がある時はその手前)で一時停止し、道を譲らなければならない。この一時停止について、いま、全国の警察が取締りを強化しているのだ。
横断歩道あり標識学区

その他に、気を付けるべきルール

横断歩道のない交差点やその近くを歩行者が横断している時は、その通行を妨げてはいけないので、住宅街などで連続する小さな交差点では、とにかく歩行者が優先だ。

歩行者側のルール

横断歩道や信号機のある交差点が近くにあるなら、そこを横断するのがルールだが、歩行者はどこからでも出てくるという認識が必要だ。

横断歩道の前に描かれたダイヤマークを見逃すな!

信号機のない横断歩道は、ふとした瞬間にやってくるが、予告されている場合もある。道路標示のひとつに白色ペイントの“ダイヤマーク”と呼ばれるものがある。これは「この先に信号機のない横断歩道または自転車横断帯がある」ことを事前に予告するためのものだ。ダイヤマークを見つけたら、まずは減速を考えるべきだろう。
ダイヤマークアップダイヤマークは、横断歩道から30m手前と50m手前に2個連続で標示されているが、車間距離を詰めていると前走車の影に隠れてしまい見逃しがちだ。下手をすると、歩行者を見つけてブレーキをかけた前走車に追突することもありうるので、車間距離には気をつけよう。ちなみに、ダイヤマークが1つだったり、全くない横断歩道もあるので、油断は禁物だ。
市街地のダイヤマーク

なお、道路標示ではなく、道路標識が立ててある場合は以下の2枚となる。どちらも横断歩道があることを示しているが、学校の周りでは右の標識が使われることが多い。
横断歩道ありの標識2タイプ

ルールを守らないと違反で取締りを受ける

横断歩行者等妨害等違反の取締り件数は年々増加し、2019年は2015年の約2.3倍にもなっている。なお、条文と罰則については下記となる。2点に7,000円と決して安くはないし、歩行者と衝突するなんて絶対にしたくない。肝に銘じておこう。

道路交通法の条文「横断歩道等における歩行者等の優先」

第三十八条の二:車両等は、交差点又はその直近で横断歩道の設けられていない場所において歩行者が道路を横断しているときは、その歩行者の通行を妨げてはならない。

〇罰則等

横断歩道等における歩行者等の優先

罰 則 3月以下の懲役又は5万円以下の罰金
反則金 大型車12,000円、普通車9,000円、二輪車7,000円、原付車6,000円
基礎点数 2点


横断歩道のない交差点における歩行者の優先

罰 則 3月以下の懲役又は5万円以下の罰金
反則金 大型車12,000円、普通車9,000円、二輪車7,000円、原付車6,000円
基礎点数 2点

 

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