二輪の乗り物という意味では、バイクも自転車も同じもの。だが自転車とバイクとの間には深い溝がある。溝があるだけじゃなく、互いが絡む事故が起きることもある。
大好きなバイク、知ってるつもり、乗れてるつもりでも、ミスやトラブルはつきものだ。ライダーがやらかしがちな「バイクあるあるトラブル」と、その対策を知っておこう。
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似たもの同士のはずなのに
自転車とバイクは同じ二輪、同類だろという外野の声をよそに「自転車とはウマが合わない」と感じるライダーは多い。自転車の挙動に冷や汗をかいた経験は、多くのライダーがもっている。いっぽうサイクリストにも、バイクは「威張っている」「怖い」と感じる人がいる。でも二輪同士、理解を深め合わないと事故は減らない。まずは自転車を知ることから始めよう。
自転車って何?

自転車に法定速度はないが、最高速度の標識には従う義務がある。
人力で走る自転車は、道交法では馬車などと同じ軽車両に分類される。免許なしで運転でき、ふつうは低速で走ることも特徴だ。とはいえ道交法の縛りはあるし、平地で最高30~40km/h、下り坂ならそれ以上のスピードが出る。交通事故のリスクがある点はバイクと変わらない。
交差点は要注意!
バイクでも自転車でも事故原因のトップは出会い頭事故。2位以下に右左折時の事故が続く。つまりバイクと自転車との事故では交差点が最重要ポイントになる。なお右直事故が起きるのは「バイク直進時」がメイン。交差点を直進する時は、クルマだけでなく自転車の右折にも細心の注意を払おう。

横断歩道上で自転車が交錯することも。
自転車の法律は変わったばかり
警察庁の資料では、自転車がからむ重大事故で、自転車の交通違反があったケースは約75%※1とされる。そこで自転車の違反を、クルマやバイクと同じように取り締まれるようにしたのが2026年4月の法改正だ。「青切符」(反則金制度)の導入はその核心。信号無視や右側通行、一時停止違反、スマホのながら運転など、これまでほとんど口頭注意で済まされていた自転車の違反も、お金のペナルティ付きで取り締まる形になった。※2
※1 2024年の統計。※2 反則金はあっても違反点数はない。バイクの免許をもっている人が自転車で違反しても、ひき逃げや飲酒運転などの悪質なケースを除けば違反点数には影響しない。

自転車は原則として歩道を走れないが、この標識がある歩道は例外的に走れる。
ライダー側にも新たな規則が
もちろん自転車にだけ厳しい法律になったわけじゃない。バイクが自転車の横を通過する場合「十分な間隔がないときは、間隔に応じた安全な速度で進行しなければならない」ことが具体的に決められた。その間隔が何mかは決まっていないが、警察庁などは「少なくとも1m」「1.5m」などの目安を示している。
自転車は法律を守ってる?

自転車が歩道上を走ることも、右側通行することも原則として違反だが、運転者の年齢や道路状況によっては違反にならないことも。
交通違反はまだ多い
実際に法改正後の町を歩き、自転車の走り方を観察してみると、わずか1時間の間に、右側通行、横断歩行者妨害、スマホ利用、一時停止無視など、さまざまな違反を見かけた。バイクの違反だったら恐怖を感じるレベルの無法ぶりだが「まあ自転車だし」と軽く考え、気にも留めていなかった自分自身に驚いた。
環境整備は必要だが……
今春の法改正には「罰則強化より、自転車が安全に走れる道路を整備しろ」という意見も多い。たしかにそれも大切だ。ただ当たり前だが、どんな環境でも、何に乗っていても、ルールをガン無視していたら交通事故は防げない。
知らない人もいる

風を感じて走る楽しさはバイクと同じ。
法律を守るかどうか以前に、そもそも法律をよく知らないケースもある。ライダーたちが「自転車も法律くらいは知っとけよ」とむくれたくなる気持ちもわかるが、それなりに道交法を知ってるつもりだった筆者が細かく読み込んでみたら、自転車の法規にはおそろしく例外規定が多く、覚えにくくて驚いた。さらに、もしバイクやクルマの挙動まで理解したければ、運転免許試験レベルまで学ばなくてはならないのだから、そう簡単な話ではない。
理解と配慮が無事故のカギ!

自転車独特の動きに配慮しよう。
自転車には、子どもから高齢者まで、さまざまな人が無免許で乗っている。法律が変わったからといって、すぐに全員が法律を知り、守れるようになるわけではない。知識が行きわたるまで当面の間は、ライセンスを持っているバイクの側が「自転車のなかには、まだ道交法を知らずに乗っている人がいる」と考え、たっぷりセーフティマージンを取って向き合おう。

バイクと自転車の共存には、互いに理解しあうマインドが必要だ。
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