2021年夏、ForRメインメンバー9名のうち2名が、新型コロナウィルスに感染。感染~完治までをレポートしてもらいました。皆様も充分にお気をつけください(編集部より)。


まさか自分が!? ――2021年9月、PCR検査が「陽性」と判明。その後、無事回復することができた。
どのように感染したのか、そして病中、快復後のライディングに与える影響など、みなさんへの参考になればと思い、闘病記を掲載します!

ラーメンかポテト? もしくはワクチン会場が原因?

感染の原因は今だよくわからない。
まず思い当たるのは、8月31日。埼玉県川口市在住の筆者は、川口市の新型コロナウイルスワクチン集団接種会場に足を運んだ。その前に川口駅周辺のラーメン屋に寄り(食べたのは塩ラーメン)、会場で1回目のワクチンを受けた。ラーメン屋か、はたまたワクチン接種会場か。どちらかと言うと、密だったのはワクチン接種会場の方だ。注射の後、15分ほどイスに座って待機したのだが、マスクをしていたとはいえ、間近(耳元)で係員が話しかけてきたりしていた。
それにしてもワクチン接種に行って、コロナに感染したとしたらマヌケすぎる……。

ファイザー製ワクチン接種から6時間後に微熱が出て、3日続いた。だが9月3日、ピタリとその熱が収まった。

もう一つ感染の原因と思われるのが、その翌日=9月4日に行ったファストフード店だ。
東浦和駅前の店舗へ、土曜日で休みの息子と行った。備え付けのアルコールで手指を消毒してから注文。近頃はなるべく電子マネーで支払いをしていたのだが、この店に来るのは4、5年ぶりだったので使えるのかよくわからず、現金で払った。
息子がポテトを頼んだ。「素手で食べるのか、うわぁ大丈夫か」と思った。だが、その直後、気が緩んだのか、私はつい息子のポテトを素手でつまみ食いしてしまった。
オカネを支払った後にも手指を消毒したハズだが……していなかった気もする。この辺は記憶があいまいだ。

↑手づかみのポテトがまずかったのかも。ウィルスを落とすにはアルコール消毒より手洗いの方が確実(参照リンク→厚生労働省「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」)。皆さんもご注意を。

いきなり39.6度の高熱、PCR検査をしたら陽性に!

その夜アルコールを飲んだら、吐き気が。久々に飲んだせいだろうと思ったが、どこか体調がおかしい。風邪かもしれないので、ふだん一緒に寝ている妻と別室で就寝(後から考えるとこれはナイスだった)。だが、眠ろうとしても目が冴えて寝付けなかった。

翌9月5日、体が熱っぽい。体温は38度台。他の症状は全くない。いつもの自分が風邪を引くパターンとしてノドが痛くなって熱が出てくるのに、それがないのが不思議だった。
夜になると39.6度まで上がり、「これはヤバい!」と思い始めた。
妻と息子が8月、大宮の「木下グループ新型コロナPCR検査センター」なる所で検査を受けたことを思い出す。サイトを見ると、9月6日の予約がすんなり取れた。

大宮駅から徒歩3分ほどの場所でPCR検査を受ける。かなり繁盛していた。唾液を試験管のようなものに入れるのだが、けっこうな量が必要で、途中から唾液が出ない。同じような人が多いのだろう。ブースの壁にレモンと梅干しの写真が貼ってある(笑)。これを見たら何とか規定量をクリアできた。
この日も熱は38度台だが、頭痛がひどくなってきた。ただし風邪薬を飲んだらかなりラクになる。

検査結果が出たのは9月7日の夜。フトンでゴロゴロしていたら検査センターからメールが来て「陽性」とのこと。いつもの風邪と違うので、ある程度覚悟はしていたのだが、本当に「陽性」とはショックだった。
検査を受けたセンターは医療機関ではないからなのか、「最寄りの病院・クリニック等で再検査を受けてください」とのこと。病院の再検査で陽性となって初めて保健所に連絡が行くという。

コロナ陽性

↑メールで来た検査結果。ショック……。

ドライブスルー外来ではバイクも活躍!

翌9月8日、クルマで10分ほどの病院へ検査を受けに行った。いわゆる「発熱外来」で、病院施設内に入らないドライブスルー方式の診療となる。
ここでバイクが活躍しそうだ。感染を考慮すると公共交通機関の利用がはばかられるので、病院への足としてマイカーやバイクが必要になる。もちろんクルマの方がラクだろうが、クルマがない人や、運転に支障のある症状がなければ、バイクももちろんOKだ。

コロナ検査

↑ドライブスルーの検査はまさにこんなカンジ。私が行った病院でも鼻をグリグリする検査だった。


で、10分ほど待つと、その場で検査結果が出て、やはり「陽性」(当然ですネ笑)。「あなたはコロナです」とズバリ言われる。
最初から発熱外来に行っておけば、保健所への連絡が2日早くなっていた。知識がない自分のせいでもあるけど、この辺の連携はもっと柔軟に行ってもいいのでは、と思う。

同日の夕方5時、保健所から電話。症状を聞かれるも問答無用で「自宅療養」を言い渡される。発症日は9月5日。この日から10日経ち、なおかつ症状軽快から72時間経過したら無罪放免じゃなくて、療養解除になるそうだ。また、同居している妻と息子も「濃厚接触者」として外出を控え、私が快復してからも「2週間は外出を控える必要がある」と言われた。

ありがたかったのは、保健所がパルスオキシメーターと食料3日分を郵送してくれたこと。パルスオキシメーターは、指を挟むだけで血液の酸素飽和度を測れる医療機械で、呼吸困難の可能性があるコロナ患者にとって命綱のような存在だ。発熱後に慌てて通販で買おうとしたのだけど、発送に時間がかかったり、妙に高額だったりしたので購入をためらっていたのだ。

保健所から連絡があった翌日の9月9日、さっそくパルスオキシメーターと食料が到着。9時から2時間おきに自動音声で保健所から連絡が来て、熱、酸素飽和度、体調などを入力する。まさに生存報告だ。

パルスオキシメーター

↑保健所からお借りしたパルスオキシメーター。上が脈拍、下が血中酸素飽和度。後者は95%以上なら問題なし。ちなみに100である必要はなく、95以上で健康体だ。

発症6日目で回復したと思ったら、またも熱が!

熱が出てから5日間、休める状況ではなかったので、リモートや電話の取材、原稿書きなどの仕事を続けていた。朝は熱が37度台だが解熱剤を飲めば平熱近くまで熱が下がるので何とかなる。しかし夜は38度台に熱が上昇。頭痛もして全く仕事にならない。

コロナの症状でよくある「息苦しさ」がないのは救いだった。同じく頻繁に聞かれる味覚障害は、9月9日から2日ほどあった。トマトの味がしなかったり、炭酸水が苦く感じるなど複雑な味を判別しにくかったが、ほどなく治ったので一安心。ちなみに食事は紙皿、割り箸などを使い、唾液などが家族と接触しないように配慮した。

そして発症6日目の9月10日。ついにクスリなしで平熱に。これで一安心と思いたいところだが、発症後7~10日が分かれ目らしい。
8割の人は発症から7日間ほど軽症のまま過ごし、そのまま治癒するが、残り2割の方は7~10日間ほどで次第に呼吸器や肺炎などの症状が悪化する場合があるという。
つまり発症後7~10日目あたりが、回復か悪化かの「分岐点」。熱が下がったから油断はできないと言われた。
普通に会話していた人が5分後に突然、呼吸困難で死亡した……というニュースも聞いていた。そんな症状が自分にも起きるのでは? 病中は常に不安がつきまとう。

実際、発症7日目の9/11夜に熱がまた37度台に! こうした体調の乱高下は、やはりコロナならではと実感する。
8日目に再び平熱へ戻り、発症10日目の9/15も平熱。保健所から連絡があり、症状を伝えると、晴れて「療養終了」となった。

ようやくシャバに! バイクに乗ってみた結果は?

翌日、さっそく外出した。遊びに出たわけではなく、免許更新のため最寄りの警察署へ出かけたのだ。なんと期限切れの1日前。緊急事態宣言中につき、申し出れば3か月延長できるのだが、延長した場合の更新場所が遠くの免許センターになってしまう(往復2時間)。

恐る恐る、久々にバイクを運転してみる。
外に出ず、寝ていた時間が長かったので平衡感覚が狂っているのでは? 急に胸が苦しくなったら? などと不安に襲われるが、結果は……なんともない(笑)。右手をひねるだけで軽やかに加速し、風景が流れる。こんな当たり前のことが実に尊い。
さらに1週間後、ジョギングも再開したが、何ら問題はなかった。

自分の場合、幸いにして軽症で済んだ。何とか仕事にも穴を開けなかったが、家族には迷惑をかけてしまった(これを書いている今もまだ外出自粛中)。ただ、妻も息子も感染しなかったのは不幸中の幸いと言える。

気になるのは、後遺症というほどでもないが、大きく息を吸った際、たまに胸がつかえるような感覚があること。バイクで例えれば、スロットルボディのバタフライバルブが貼り付いて、すぐ全開にならないような感覚だ。息苦しさはなく、運動にも支障がないので、気のせいかもしれないが、要観察だろう。
ちなみに、集中力が低下して自分が何をしていたのかわからなくなる「ブレインフォグ」(脳の霧)という恐ろしい後遺症もあるようだが、ボーッとしているのは昔からなので特に変わらないようだ(笑)。

バイクが乗れるのも健康があればこそ。近頃は、その喜びをかみしめながら運転している。

元気になったライダー

↑病院関係者や行政、家族に助けてもらった。皆さんもお気をつけて!

 

【実録】新型コロナウィルスに感染して復帰したライダーたち【佐賀山編】

SHARE IT!

この記事の執筆者

この記事に関連する記事