人生、何が起こるか分かりません。なんとなく先送り、先送りにして10年間ほど滞っていた懸案事項が1日にして全解決することもあるのですから。最愛の妻が晴れてスポーツバイクのオーナーになった顛末……しばらくお付き合いいただけたら幸いです。
文化の日、散歩ついでに立ち寄ったレッドバロンで
関東地方が好天に恵まれた11月3日(文化の日)、陽気に誘われ近所の散策を決定。あてもなくノシノシと歩いておりますと、レッドバロン都筑の近くに行き着きました。
「いい汗かいてノドも乾いたし50円販売機でジュースでも買おう」と、レッドバロン全店の入り口でライダーを歓迎してくれている人形に挨拶を済ませ店内へ。水分を補給したあと、妻からの「なんかいいバイク探してきて〜」との伝言を突然思い出し、何か掘り出し物のバイクでも入っていないかなぁと、2階の展示場へ歩を進めていくと……。
数ある魅力的な車両の中から目に飛び込んできたのは、2016年型カワサキNinja250SL ABS KRTエディション。
「んんんん? コレってヨメさんの要望にも、ワシの希望にもピッタリなバイクではないのか?」と胸がザワつき、さっそくLINEで「よさげな中古の車両があったよ」と妻へ伝えたところ3秒後に「むおー」との返事が(笑)。
ゴトン!と大きな歯車が動き出した瞬間でした。
夫婦でロングツーリングへ行くためにも……
何度かこちらで記載しておりますが、筆者の出身は山口県。妻の実家は北海道。
本来なら接点のない二人が1993年に偶然埼玉県で出会い(BGM:ラブ・ストーリーは突然に by 小田和正)、紆余曲折を経たあと1999年、ノストラダムスの大予言が外れたことを確認するや結婚生活をスタートさせました。
昔からバイクには興味があり大型自動二輪免許も取得済みの妻は、息子2人が大きくなるとパートタイマーとして働きだし、通勤の足として筆者のXR100モタードを使用。筆者が会社員から学生になるのと入れ替わり(?)に、とある会社の正社員へなったときには、小川家の大黒柱(扶養者)になった記念にと自分名義のアドレス110を購入しました。
というわけで、なんだかんだとバイクやスクーターには接してきた妻ですが、本当に10年、いやそれ以前から「高速道路で移動できるちゃんとしたバイクが欲しい~」と言い続けてきました。
だったら筆者所有のジェベル200に乗れば?と何度となくうながしてみたところ、「あんなヘンなのやだ。カッコいいロードモデルがいい」とのリアクション。
カチンときた私は、まずは乗ってみてよと自分向けカスタムでクセの強くなっている相棒を無理矢理押しつけ悪循環に。その結果、妻はすっかりジェベル200、ひいてはスズキ嫌いになってしまい……(涙)。
まずは希望の条件をスタッフに投げてみると大吉
妻が譲らない条件は「軽くてカッコよくて楽なやつ。キック始動とかチョーク引くとかは論外」。そして筆者の希望は「ABSは必須。あわよくばETCやキャリアが付いていてほしい」というもの。そのどちらにもズバッと適合する中古Ninjaが目の前にあったのですから色めき立つというものです。
その旨をスタッフの大友さんに伝えると速攻でNinjaの見積書を作成してくれ、さらには帰宅して1時間後、「同条件でもっとお安い2012年型ホンダCBR250R ABSが、離れた店ですが見つかりましたよ」との電話連絡が……。
全国のレッドバロンにある5万台近くの豊富な在庫から希望の車種を探せる『イントラネット検索システム』を駆使して探してくれたようで、フットワークの軽さと気遣いに正直感動いたしました。
実車にまたがってみて感じることは非常に大切
ちょうど早番だった妻の仕事が終わり、ぜひ実車を見てみたいというので再びレッドバロン都筑へ。
高年式で9000㎞も走っていないキレイな車両ですし、ETCやトップケースのステーがすでに装着済みであることを考えれば付けられていたプライスタグは破格値だよなぁ、と筆者のほうがホクホクしていると、Ninjaにまたがってみた妻は何やら浮かない顔。
「ハンドルが低いのはちょっと……」と、のたまいます。
そう、Ninja250SLのSLとはSUPER LIGHTという意味で、KLX250(D-トラッカーX)の単気筒エンジンを搭載した軽くてレーシーなピュアスポーツというのが開発コンセプト。
ハンドルも往年のレーサーレプリカを彷彿させるような垂れ角のきついセパレート式なので当然、前傾姿勢もきつい。もちろん後からパイプハンドル化もできるのですが、第一印象で見事にコケてしまったご様子です。
すると周囲を見渡していた妻が「あのバイクは何?」と興味を示したのが、なんとスズキのジクサー250(新車)ではありませんか!?
ゴトンと動き始めた歯車が,次第に加速度を付け始めてきました……!