前編では、ここ数年の車検にまつわる制度変更とレッドバロンの車検の特徴、強み、車検を受ける際の注意点などについてお伝えしました。
後編は、筆者の愛車であるホンダ「CBR1100XXスーパーブラックバード」(中古車・1997年式)を購入店であるレッドバロン座間に持ち込んでの車検体験レポートとなります。ユーザー車検も経験したことのある筆者ですが、レッドバロンの車検で感じた「これは!」という価値、メリットについても紹介したいと思います。
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2年間どんな乗り方をしていた? 実は車検直前に整備

▲一番遠くに行ったのは九州・宮崎ですね。写真は四国・徳島の吉野川河川敷を西に向かうシーン。ブラバって振動少ないしエンジン音も静かなんで鳥の鳴き声とか聞こえますよ
中古車で購入して以来、東へ西へとお仕事メイン(詳しくはシリーズを読み返してね)で使っていた我が愛車。購入時は約28,000kmでしたが車検時には約42,500kmになっていました。1年間に換算すると7,250kmほどですから、まぁ少ないんでしょうね。月に1回、片道300kmくらいのロングツーリングをこなしていたのと同じくらいです。
ただし使い方としてはツーリングよりもハードでした。首都高や都心がメインになるのでエアクリーナーが汚れるのも早そうだし、ストップ&ゴーが多くなるのでブレーキパッドやタイヤも減りやすい。普段は1回100kmも乗らないのに、乗る時には片道500kmくらいを一気走り…。こんなムラっ気のある使い方ですから。
また、キャブレター仕様なので冬場はチョークを引かないと始動後のアイドリングが維持できないし、かといって早朝出発の際は近所迷惑も考えて、始動後すぐに走行開始なんてことが普通でした。エンジンにはよくないですね…。

▲あまり北には行ってなくて福島まで。写真は富岡漁港からの福島第二原子力発電所
で、裏話に近いんですが、実は車検を受ける1か月前くらいにけっこう大掛かりな点検・整備を受けていました。ちょっと前からエンジンの吹けがわずかに悪くなり燃費も落ちるという症状が出だした(出たり出なかったり)んですね。常に悪いわけではないので、車検のタイミングまでもたせようかとも思ったんですが、商売道具なので思い切って診てもらいました。
この時点で、プラグを4本全てとエアクリーナーエレメント(エアフィルター)の交換を実施。タンクを外しての作業になるので工賃を含めると数万円の出費でした(プラグがイリジウム指定なので高い! おふぅ…)。
これで症状は見事に改善されたので、実は車検時にはエンジンの調子は快調そのもの。こんなに調子がいいのに車検ではまたプラグチェックも含めての点検・整備などでお金をかけないといけない… という状況だったんですね(ぴえん)。
整備記録から「フリー車検」をベースにカスタマイズ!

▲レッドバロン座間の湯浅店長。今回の車検でも的確なアドバイスをいただきました(感謝!
そしてやってきました、車検当日。もちろん事前に予約はしておきましたよ。車検の場合、その場でバイクを預けたら終わりではないですからね。まずは湯浅店長と一緒に、車検のコースや同時にやるべき点検・整備などについて相談しました。
前編でも紹介しましたが車検のコースは「スペシャル車検」「スタンダード車検」「フリー車検」の3つです。これらはあくまでも車検に関する点検・整備内容のベースとなるもので、実際には車両の状態に合わせた“セミオーダー”となることが多いのです。

自分の場合もそうでした。前述したように、車検の直前に吸気・点火系の点検・整備、パーツ交換をしていましたし、当日の点検でも不具合箇所は見られませんでした。なので、最もベーシック(かつ安価)な「フリー車検」を選んだのですが、そこで店長からの提案がありました。
それはフロント・リヤのブレーキと油圧クラッチのフルード(液)交換でした。実はこの2つ、交換時期の目安がどちらも約2年なんですね。なので車検のタイミングで交換してしまえば管理しやすいわけです。金額的にはブレーキとクラッチのフルード、作業工賃の合計で10,400円の上乗せになります。
「せっかくフリー車検で安く済まそうと思ったのに~泣」とは思いませんでした。なぜなら、ブラバはよく言われるようにD-CBS機構(※)によってブレーキをかけた時の感覚が普通のディスクブレーキとはちょっと異質かつ繊細なんです。
ブレーキフルードの鮮度というのはブレーキング時の効きや操作感覚(指先でもわかる)に大きな影響を与えるので、これはよい提案をしてもらったなと思いました。
こうして、購入後はじめてのレッドバロン車検は「フリー車検 + 前後ブレーキとクラッチのフルード交換」というカスタマイズで落ち着きました。
※D-CBS(デュアル・コンバインド・ブレーキシステム):フロントブレーキをかけるとリヤブレーキにも制動力を配分し、リアブレーキをかけるとフロントブレーキにも制動力を配分する前後連動のコンビブレーキ
代車が楽しくて気になっていたカフェにツーリング!

▲前から来たかったんだよね~「南蛮屋ガーデン本店」欧風な建物ばかりでオシャンティ~(死語
車両をお店に預けたあとは、あらかじめ予約していた代車の借り受けです。セレクトしていたのはヤマハの155ccスクーター「マジェスティS」。万が一、高速道路に乗ることもあるかもしれないとチョイスしたものです。
ひさびさにスクーターに乗れて楽しい、楽しい! 流れの速いニーヨンロク(国道246号)でも何の不安もありません。これで代車の料金は無料なんだからありがたいことです。お店から自宅まですぐに帰れますしね。
でもまぁ、せっかくだし楽しすぎたんでレッツ寄り道! 前から気になっていた中津川沿いの人気カフェ「南蛮屋ガーデン本店」へ。カフェでのコーヒーや食事が美味しいと評判のお店です。

▲評判通りの見事な一杯をいただけました。フッ軽で来られたのも代車のおかげです
洋風でおしゃれな建物が並ぶ敷地内にはコーヒーの焙煎工場や焼き菓子工房があるほか、世界中のコーヒーや紅茶、焼き菓子と関連アイテムを販売するショップもあったりとコーヒー好きにはたまらないスポット。
こんな感じで、のっけから代車ライフを満喫してしまった次第です。「このくだりいるのか?」と思った方はぜひ代車を借りてみてください。きっといつもは行かないようなところにも行きたくなるはずです(笑)
引き取り時には今後の整備ポイントも聞けて安心!

▲点検・整備が終わり陸運局(相模自動車検査登録事務所)へと向かう我が愛車。いい子にしてたようです(湯浅店長が撮影)
さて車検自体は特に問題もなく、予定通り1週間ほどでお店から電話があって車両を引き取りに行きました。あ、代車のガソリンは満タン返却なのでお忘れなく!
で、工場の受付で点検・整備の内容について説明を聞き、支払い(税込70,600円)を済ませれば車検終了となるわけですが、この場での担当サービスマンからの説明がとても重要だったので、ちょっと詳しく紹介させてください。
どういうことかというと、点検・整備の結果とそこで判明した車両の現状、そして現状を踏まえた今後の整備プランについてかなり詳細にお話し頂けたんです。
サービスマンから受けた説明の概要
①フレーム検査(無料)の結果
コンピュータ総合診断機「ACIDM(アシダム)」によるホイールアライメント測定を行い、数値は右側に4.8mmなので基準値内で安心して乗れる。タイヤの減り具合などでも変わってくるが現状は問題なし。
②バッテリー検査の結果
充電を行い、アナライザー(診断機)で計測すると残存容量は70~90%、劣化判定は良好なのでまだまだ大丈夫。
③その他、車検時に必要な項目の検査結果
ヘッドライトの光軸調整、排ガス測定、マフラー音の排気音量、オイル量、ホイールベアリングの状態、フォークの作動とオイル漏れなどに問題はなし。
④追加でお願いしていたフルード類の交換
前後ブレーキのフルードとクラッチフルードを交換。本機はD-CBSを採用するので液量が多く少し料金が高くなっているそうです。ブレーキとクラッチの作動には問題なし。
このほか、車検時の無料整備となるチェーンの調整をしてもらったほか、少し減っていた冷却水の補充、車体各部の増し締め、簡単な洗車なども行って頂きました。
車両の現状と今後の整備への提案

▲車検を担当してくれたレッドバロン座間・サービスマンの菊地さん。愛車の現状を踏まえた今後の整備についてとても良い提案をしてくれました(感謝!
各部を点検してもらった中で今後の整備ポイントについても提案いただけました。それはステムベアリングに引っかかりが出ていること。実はこれ、自分もずいぶん前に気づいたことはありましたが、日々乗っているとさらなる悪化に気づきにくい部分でもあります。
そろそろベアリングの交換、グリスアップといった整備を考えておいたほうがいいということですね。年季の入った車両やサーキット走行をしていたような車両にはよくある症状で、部品自体は大した値段ではないのですが、いかんせん工賃が高い…。
タイヤやフロントフォークも外すことになるので、工賃を割安にするためにも普通はタイヤとフォークオイル&シールの交換もセットでやることが多い整備です。
フロントタイヤが少し段減りしているので、少なくとも「タイヤ交換とステムベアリングの交換は一緒にやってしまったほうが工賃が割安になる」ことを提案頂きました。
だいたい5万円くらいというざっくりした見積もりも聞けました。今後の整備ポイントと必要になる費用について知ることができて、90年代絶版車に乗る身としてはとても安心できました。
お店で車検を受けることの価値とメリット

▲車検を終えて絶好調の愛車です。まだまだいろんなところに行きたいぞ!(はたらけ 笑
こういった点検・整備をプロのメカニックにおまかせできること、愛車の現状を知り、今後の整備計画について提案を受けられることが、お店に車検を出すことの価値でありメリットなんだと改めて感じられました。
クルマも含めて「とにかく通せばいい」「安いが一番!」みたいな車検も巷にあふれていますが、部品に何かあったときクルマ以上に危ない目にあいやすいのがバイクです。
2年に1度の車検のタイミングで、愛車の状態と今後の整備箇所、ざっくりとした費用について把握しておくことは、安心して長く乗り続けるためにとても有益なことだと思います。みなさんもぜひ、車検という機会を有効活用してください。
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