懐かしの“胴長”を見事に再現したダックス125
3月25日(金)〜27日(日)の3日間、東京・有明の東京ビッグサイトで行われた「第49回 東京モーターサイクルショー」。コロナ禍で2年の中止を経て、3年ぶりの開催でした! 楽しみにしていた人は多いと思います。僕も初日の金曜日に行ってきましたので、その会場で見た“気になるモデル”を紹介したいと思います。
ちなみに今回のショーはビッグサイトの西ホール全体を使用するもので、過去最大規模となったそう。出展数も153でこれまた過去最高だそうです。とはいえ感染症対策として通路などスペースが広く取られていたので、比較的ゆったりと見ることができました。
さあ、いきなりですが、今回のショーの目玉の1台であり、個人的にも最も楽しみだったのはこちら。ホンダ・ダックス125です。ベテランライダーならご存知、1969年にデビューした「ダックスホンダ」を現代風に再定義して登場させたもの。かつてのダックスは50ccでしたが、あたらしいダックスは125ccの原付二種。もちろん2人乗りも可能です。
鋼板製バックボーンフレームを活かした“ダックスフンド”のような胴長スタイリングは、まさに往年のダックスそのままのイメージ。小さめの丸形ライト、メッキ仕上げのアップマフラー、厚みのあるダブルシートなど、特徴的なディテールもしっかり受け継がれています。
T字型フレームを採用するため、燃料タンクやエアクリーナーはシート下フレーム内に配置。搭載されるエンジンはスーパーカブC125と同系統の123cc空冷4ストロークOHCで、最高出力9.4ps、最大トルク11Nmを発揮。組み合わされる変速機はクラッチ操作の必要がない、自動遠心クラッチの4速トランスミッションです。
かつてのダックスのイメージを再現しつつも、車体構成は大きくアップデート。新設計のバックボーンフレームに倒立フロントフォークを採用、オリジナルでは10インチだったホイール径は12インチのアルミ製キャストホイールにチューブレスタイヤとなり、前後ディスクブレーキ、フロントブレーキにはABSが装備されるという充実ぶり。7月21日発売予定で、価格は税込44万円と発表されています。うーん、これはマジで気になります。
大人のためのスポーツバイクを目ざしたHAWK11
同じくホンダの目玉となるもう1台は「HAWK 11」。“ホーク”という名前はこれまた、1977年に発売されたCB400T「ホークⅡ」を復活させたもの。ただしこちらは名前だけの引用でモデルとしてはまったく異なります。アフリカツイン由来の1082cc並列2気筒エンジンを積んだ、レトロフューチャーデザインのスポーツバイク。FRP製のロケットカウル風ハーフフェアリングに丸目のライト、セパレートハンドルを組み合わせた1960〜70年代のカフェレーサーを彷彿とさせるデザインが印象的です。
ホンダがプレス資料で「経験豊かなベテランライダーを中心としたお客様に向けたモデル」と謳っているとおり、じっさいに跨ってみると思いのほか前傾姿勢はキツくないので、そのデザインともあいまって、大人のライダーはグッときそうな感じです。発売は夏前ごろ?と予想されています。
ヤマハ新型XSR900は80年代の香り!
ヤマハのブースで注目したのは新型「XSR900」。昨夏、兄弟モデルのMT-09がフルモデルチェンジしたのを受けて、XSR900も昨年のEICMAで新型がお披露目されましたが、日本では今回のショーが初お目見え。
最初に見たときに目を惹いたのはそのカラーでした。濃いブルーをベースに淡いブルーとイエローをアクセントに加えたカラーリングは、80年代ヤマハのワークスレーサー「YZR500」に施されたあの「ゴロワーズ」のスポンサーカラー!
カラーリングだけでなく、どうやら新型XSR900のモチーフは“80年代のヤマハ”のよう。シングルシートふうのテールまわりのデザイン、かつてヤマハが“デルタボックス”と呼んでいた極太アルミフレームに似た造形のフレームなど、明らかに“エイティーズ”を感じさせるものでした。
もちろん中身は外観以上に進化していて、845ccから890ccへ排気量アップしより大きなパワー&トルクを発揮する新エンジン、軽量化および高剛性化した新しいフレームとホイールなど、よりスポーティな走りを意識したブラッシュアップが施されています。加えて3モードのトラクションコントロール、コーナリングABS、スライドコントロール、クイックシフター、クルーズコントロールなど電子制御デバイスが大幅に進化。メーターも円形のモノクロ液晶から3.5インチのフルカラーTFT液晶メーターに刷新されるなど、外観はレトロでも中身はかなり“電脳化”が進んでいました。
この写真では見にくいのですが、XSR900の隣には往年の名車「RZ250」をイメージさせるグラフィックが採用されたXSR700 ABSの展示もあり、どうやら近ごろのヤマハは“80年代”をモチーフにしているよう。
ということでまだまだ見どころ、注目モデルがあったのですが、続きは後編で!