カワサキは公式Youtubeチャンネルで、「Z50周年 デザイナーインタビュー」と題した動画を公開した。語り部は、元デザイン部長の福本圭志さん。初代Z1をデザインした多田憲正さんに薫陶を受け、マツダから移籍してきた田中俊治さんの影響を受けた福本さんが語るのは──。
文:ヤングマシン編集部
Z1から連綿と受け継がれた文化が、“凄み”というキーワードに至る
カワサキが公式Youtubeチャンネルで5月26日に公開した動画がある。タイトルは「Z50周年 デザイナーインタビュー」で、元々はスイスで開催されたイベントに向けて撮影されたものだという。
カワサキのデザインと言えば、近年は“凄み”のキーワードを前面に押し出したスーパーネイキッド系のZと、初代Z1の佇まいを現代に再現したZ900RS、それら2つの大きな流れがあると感じる向きも多いだろう。筆者もそう感じていたのだが……。
この動画で語り部として登場するのは、2003年のZ1000、つまり新世代のパフォーマンス系Zを生み出し、2014年には“凄み”というキーワードを導き出したカワサキの元デザイン部長、福本圭志さんだ。
福本さんは、初代Z1のデザイナーとして知られる多田憲正さんがカワサキに迎え入れてくれたと語るほか、この動画では語られていないが、2001年にマツダから移籍した名物デザイナーの田中俊治さん(初代ユーノスロードスターをデザインした人でもある)からの影響も受け、現在のカワサキデザインの根幹をつくり上げた人である。
多田さんと田中さんは、奇しくも同じ2021年にZ50周年を見届けることなく亡くなっているが、彼らの薫陶を受けた福本さんは、1990年代に個性あふれる「ザンザス」をデザインし、2003年にZ1000を生み出した。その後デザイン部長になり、2014年には“凄み”というキーワードを導き出している。
この“凄み”とは何か。
じつはZのみを指すプロモーション用の言葉ではなく、カワサキのモーターサイクル全体が向かう方向性の示すものだ、と福本さんは語る。それまで個々人が持っていた不文律のような文化を言葉にしたのが“凄み”なのだ。
普遍的な美しさを誇る初代Z1は、これからも“Z”を名乗るバイクにとっては『究極の御神体』になるという。そこから連綿と受け継がれた文化が“凄み”に至った道程とは? その言葉はいかにしてデザイナーの情熱を引き出すのか? 2023年モデルが続々と発表されはじめた今、改めてその意味を知らしめる動画をご覧いただきたい。Z1000が誕生する前に描かれたスケッチや、Z900RSのクレイモデルなど、貴重な映像も収録されているぞ!
【動画】Z50周年 デザイナーインタビュー
【動画】Kawasaki Celebrates Z50
こちらは2022年7月4日に公開された、スイスのイベントの様子を伝える動画。
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