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たった5台!? そんなの絞れない…
「いま欲しい絶版車を5台選んでください」と、
お題をいただいたので考えることにしました。
すると、あれもこれもと有力候補がワンサカ出てきて、
BEST5を絞り込むなんてかなり難しい。
それでもチョイスしました。
まずは5位、スズキ SW-1から紹介いたしましょう!
【5位】
いま見ても斬新すぎるスタイル!
スズキ SW-1
まずは言わずと知れた隠れ名車、スズキ『SW-1』(1992年発売)。
レッグシールド付きのフルカバードボディの車体は
何にも似ていない唯一無二なスタイルで、
どことなくレトロで懐かしくもあります。
さぁ、どこから説明していいものか、
細部も見どころタップリで迷ってしまいます。
まず、タンクに見える部分はリッドが
上へ開いてトランクになるのが面白い。
スズキは1990年発売の『アクロス』で、
タンク部をメットインスペースにし話題となりましたが、
SW-1でもその思想を踏襲。
ただし、アクロスのようにヘルメットが入るほど容量は大きくありません。
では、燃料タンクはどこにあるのでしょう。
シートを開けると給油口があり、シート下に配置されていることがわかります。
重量のある燃料タンクをなるべく車体の中心、低い位置へ。
考え方としては、マスの集中化を図ったスーパースポーツと同じですから、
やるなぁ〜スズキ!
と唸らせますが、SW-1は見た目の通り走りは穏やかで、
性能を尖らせたモデルでは決してありません。
大きなディープフェンダーがセットされた前輪ホイールは16インチで、
ガバっと横開きするサイドケース(左右トランク)の下にある後輪は15インチ。
駆動方式はベルトドライブが採用され、
静粛性とメンテナンスフリーを実現しています。
心臓部はDR250系の空油冷4サイクルSOHC2バルブ単気筒エンジンですが、
レッグシールドと一体となったカバーに覆われ、腰下しか見えません。
シングルエンジンながらマフラーは左右2本出しで、
5速トランスミッションは
N→1→2→3→4→5と並ぶシーソー式というのも古めかしい。
旧車好きなボクとしては、発売当時から琴線に触れていたのですが、
買う勇気はありませんでした。
最新鋭の『RGV250ガンマ』が61万9000円であるのに対し、
SW-1は68万8000円と強気の価格設定。
人気が出ることはなく、短命で終わっています。
もしもいま出会ったなら、強烈に惹かれること間違いありません。
【4位】
スーパークロス王者と同じカラー!
ホンダ CRM250AR
モトクロスに夢中になっていた90年代半ば頃。
ボクは競技用の『CR125R』を2台持ちし、
オフロードといえば、
目を吊り上げてクローズドコースを走行するばかりでした。
いま振り返ると、あの頃の2ストナンバー付きトレールで、
ダートを含むツーリングに出かけたくなります。
当時、スーパークロスの絶対王者はジェレミー・マクグラス。
93年からホンダワークスから最高峰250ccクラスに参戦し、
4年連続でチャンピオンに輝き、96年シーズンは全15戦中14勝と、
見ていてつまらないほどに強かった。
そんな黄金期のCRカラーをそのまま反映しているのが、
1996年発売の『CRM250AR』でした。
環境性を高めたAR燃焼技術を用いたCRM250ARは、
歴代のCRM250Rより戦闘力が劣ると、
当時はコアなファンから言われましたが、
ボクにはそんなの関係ありません。
マクグラスの乗るマシンにカラーグラフィックスが似ているCRM250ARが、
いいんです!
SW-1の説明が、気合の入りすぎで長文になってしまったため、
ここからは短くまとめていくことにしましょう。
【3位】
ダートラレーサーの匂いプンプン!
H-D スポーツスター883R
水冷60度Vツインエンジンを搭載する『スポーツスターS』が登場し、
従来の空冷エンジンを積むスポーツスターシリーズが
いよいよ生産終了となりそうです。
となれば、欲しくなるというもので、
『フォーティーエイト』や『アイアン1200』『ロードスター』ら
高年式車のUSEDは、
新車価格を上回る価格が付けられるという情報も。
人気に拍車がかかっています。
ボクは『XL883R』が気になります。
フラットトラックレーサー『XR750』譲りのオレンジに塗られ、
タンクにはレーシンググラフィックスが施される車体色が特にいい。
上の写真は2002年に登場した初代で、
2in1マフラーを標準装備しているのが大きなポイント。
もはや貴重な存在でしょう。
スポーツスターは04年式から
エンジンをラバーマウントする現行フレームが採用され、
883Rは06年モデルから再登場。
15年式までラインナップに名を連ねました。
サスペンションストロークに余裕があり、
フロントブレーキはダブルディスク仕様。
スポーツスター本来の姿であり、
走りにこだわったモデルでした。
【2位】
W1との二刀流目指し
ヤマハ XS-1
片岡義男のオートバイ小説に憧れ、
ずっと乗り続けているカワサキ『W1SA』(1971年式)ですが、
ボクの好きなWシリーズに対抗するように、
ほぼ同じ年代にヤマハにもバーチカルツインの好敵手がありました。
それが『XS-1』(1970年)をはじめとする
XS"ペケエス"シリーズです。
ヤマハにとって初の4ストロークエンジン搭載車であり、
ホンダやカワサキがそうだったように
北米市場を見据えての開発でした。
排気量653ccで、最高出力53PS/7000rpm。
W1がメグロK2から受け継いだOHVであるのに対し、
XS-1はSOHCを採用し、スタイルも洗練されていました。
びっくりすることに、
W1とXS-1のサウンドを収録したレコードが
日本コロムビアから発売され、
それほどに両車の排気音はバイクファンらを魅了しました。
W1乗りも、XSファンも、互いを認め合う特別な存在。
二刀流も珍しくなく、願わくばボクもそうなりたいと思っています。
【1位】
竿立ち加速味わいたい!!
カワサキ 500SS MACH III(H1)
カワサキ好きなボクはWやZとやかましいと思いますが、
“MACH(マッハ)”も忘れちゃいけません!
今後、発売されることはもう絶対にありえない
空冷2スト並列3気筒
をこの手に……。
あぁ、憧れるばかりです、
栄えある1位に選んだのは『500SS MACH III』(1968年)です。
カワサキといえばビッグバイクのイメージが強いメーカーですが、
メグロを吸収合併する60年代半ばまでは
小排気量2ストロークモデルが主力でした。
W1のことで相談しようと、
旧車仲間の先輩方のところへ足を運ぶと、
カワサキの2ストローク勢たちも目の当たりにすることがよくあり、
それがもうなんと目に毒か……。
いや、目の保養というのでしょうか、眩しすぎるのです。
『650W1』(1966年)とスタイルが似た
『250A1サムライ』(1966年)や『350A7アベンジャー』(1967年)も
ぜひとも欲しいところですが、
ひときわ風格があるのが、やはりマッハIIIです。
各気筒毎にVM35SCキャブレター3連装し、最高出力60PSを発揮。
すぐにウイリーしてしまうほどの強烈な加速で、
速いものの、曲がらない、停まらない、
“ジャジャ馬”
と呼ばれ、
69年9月には国内でも発売がスタートされるものの
短命に終わってしまいます。
名車『Z1』(1972年)が誕生する前に、
カワサキが“世界最速”を目指し、
メーカーの威信をかけて世に放ったマッハIII(H1)。
ロマンがありますし、
ジャジャ馬を乗りこなしたいという願望も。
あっ、そうそう。
ボクはまだ1〜2歳で覚えていませんが、
72年から約1年間、
フジテレビ系列で放送された「人造人間キカイダー」で
主人公が乗るサイドカーはこのマッハIIIです。
強烈にクセの強い5台でした
いかがでしょうか、ボクが選んだ「いま欲しい絶版車5台」。
どれもクセの強い個性派揃いとなってしまいました。
こんなボクの記事ですが、
もしよろしかったら、また読んでくださいね。
ではまた次回、ここで会いましょう!!