なぜボクがハーレーに惹かれたのか
バイクライターとして、専門誌や一般大衆誌、WEBサイトなどいろいろなメディアに幅広く寄稿させていただいているボクですが、ハーレー専門誌「WITH HARLEY/ウィズハーレー」(内外出版社より3、6、9、12月上旬発売)」では、編集長を務めさせていただいております。
片岡義男のオートバイ小説やスーパークロスに憧れたボクが、どうしてハーレー専門誌に携わっているのか……!?
バイクに乗りはじめた頃は、ハーレーにまったく興味がなかったボクがどのようにしてハーレーに惹かれていったのか。ここで少しずつ書いています。
全3回で「DAYTONA BIKE WEEK(デイトナバイクウィーク)」での衝撃をお伝え中で、今回はその最終回。ハーレーがお好きな人も、アンチな方も、よろしければ最後までお付き合いください。
人気モデルのデビューにも立ち会った!
50万人ものバイクファンが集まるデイトナバイクウィーク。当然ながらメーカーも黙っちゃいません。ハーレーダビッドソンをはじめ、ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキといった日本メーカーもこぞってインターナショナル・スピードウェイなど公式会場にブースを出展しています。
ハーレーのニューモデルがここで初披露となることも珍しくなく、ボクが訪れた2010年のデイトナでは、その後2011年モデルとしてラインナップに加わる『XL1200X フォーティーエイト』が展示されました。日本では人気ナンバー1となっていくスポーツスターの新機種を目の当たりにしたのも、いい思い出です。
また、日本車勢もストリートで見かけますが、当時はスーパースポーツをロングスイングアーム化するカスタムがトレンドだったように思います。
日中は各レース会場、夜は遅くまで磯部さんとデイトナの街を練り歩きます。ボクも磯部さんも楽しくて仕方がないのです。
ハーレーが目立つものの、日欧のバイクもしっかりと存在感があり、見ていて飽きません。カスタムの流行をチェックするのも興味がつきません。メーカーやジャンルを問わず、ライダーが集結して楽しむっていうイベントやミーティングが、もっと日本にもあるといいなと思います。デイトナはモータースポーツの街としてライダーたちを受け入れ、たくさんの収益を得て、互いに良い関係が長きに渡って築かれています。
ボクが最初に訪れた2010年の時点で、69年もの伝統があるデイトナバイクウィーク。日本なら鈴鹿でしょうか、バイクのふるさと浜松、もてぎや熊本でもいいでしょう。今からでも決して遅くはありません。バイクカルチャーがもっと根付くために、我々日本のライダーにもメーカーの垣根を超えたこんな場所があっても、いいのではないでしょうか。
レースにも熱狂するハーレー乗りたち
モータースポーツ黎明期に、デイトナビーチで各メーカーが性能を競った歴史的背景があることや、インターナショナル・スピードウェイでレースが開催されることなど、デイトナバイクウィークの核となっているのは、レースであることは間違いありませんが、にも関わらずハーレー乗りたちが目立つのはなぜなのかと、ボクは考えました。
鈴鹿8耐やMotoGP日本グランプリでは、ハーレー乗りの姿はこれほど多くは見かけません。デイトナでは、インターナショナルサーキットをはじめ、フラットトラックやドラッグレースの会場に行っても、ハーレー乗りたちがたくさんいました。
スタンドで声援を贈る彼らを見て、ボクは自分の間違いに気づいたのでした。
ハーレーとモータースポーツは密接に関係していて、若い子たちがモータースポーツの入門としてフラットトラックで走らせるのは、ハーレーダビッドソンの『XR750』ですし、ドラッグレースもハーレーのクラスがもっとも盛り上がります。
インターナショナル・スピードウェイでも、ハーレーのレーサーたちが猛スピードで駆け抜けていくではありませんか!
こうしたシーンを何も知らないまま、ハーレーはオジサンたちがノンビリゆっくりと走る、スピード競技とは無縁の乗り物と、ボクは勝手に決めつけていたのでした。デイトナに集まるハーレー乗りたちは、みんながモータースポーツファンで、バイクを愛してやまないのです。
野暮ったくて、決してスタイリッシュではないのに、これほどに人々を熱狂させてしまうハーレーダビッドソン。デイトナのメインストリートで夜な夜なビールを飲んでフロリダの風に吹かれていると、ボクも無性に惹かれてしまっているではありませんか。
重くて遅いイメージしかなかったハーレー、お腹の出たオジサンが乗っているハーレー……。あれれ、目の前にワンサカいるハーレー乗りたちが、ボクにはもうカッコよく見えて仕方がありません。
メインストリートに掲げられた「Welcomes Bikers」の大きな横断幕。次に来るときは、ボクもハーレーに乗って来て、この下を通り抜けよう。そう決めて、初めてのデイトナを後にしたのでした。
再訪したのは、その4年後のことで、そのハナシはまた次の機会に。
全3回とした「衝撃のデイトナバイクウィーク編」はこれでお終いです。最後まで読んでくださいまして、ありがとうございました。