すみません! 今回のネタは完全に筆者の趣味全開400%な内容であることを、最初に申し上げておきます。とある片田舎の中学生がバイクに目覚めていくなかで、重要な役割を果たしてくれた(主に)ホンダのマニュアルミッション原付一種&二種モデルについてモロモロ語らせていただければと……。もちろん、令和5年の“なう”につながる内容になることも心掛けてまいりますので、何卒ナニトゾ。では、開幕ッ!
●2005年2月に新発売となり、2006年12月にはそろってカラーリングチェンジを受けたホンダ「XR50モタード」と「XR100モタード」の両車。しかし「50」のほうは、その2007年型が最終モデルとなってしまい、2008年1月には「100」のみが色変更……。こちらがそのカタログというわけです。前回紹介した「XR400モタード」の最終型を彷彿させるフレアパターンの新グラフィックに赤黒シートと金ピカホイールがケバくて素敵ですね〜! 価格も地味〜に上昇して、税抜き当時価格は30万3000円(消費税5%込み価格31万8150円)となっておりました
XR100モタードという小さな巨人【前編】はコチラ!
最近急に知られるようになった瀬戸内沿いの街で……
ええっと、今は「工場萌え」というのですか?
世界に冠たる加工貿易大国ニッポンを形作っている巨大なファクトリー群……なかでも産業を支えるエネルギーとして不可欠な石油の精製施設を中心として、化学合成や鉄鋼、自動車などの生産を行う事業所が有機的に結びつけられて林立している工業地帯のことを“(石油化学)コンビナート”と呼ぶことは皆さん小学校の社会科で習ったとおり(ですよね?)。
●「コンビナート」はロシア語由来の言葉なのだとか。「ソフホーズ」や「コルホーズ」なども覚えさせられたものです(懐かしい!)
日中は無機質そのものだった広い敷地内が夜になると様々な波長を発する無数の光で彩られ、えも言われぬ美しい風景が立ち現れることから「コンビナート」は近年、非常に“エモい”ビュースポットとしても知られるようになりました。
そんな工場夜景を愛し巡礼する「工場萌え」ガチ勢……ならずとも、多少でも興味があるという人なら「周南コンビナート」と聞いて心がザワつかない人はいないはず。
●幼心に「ガス帯が消滅した白色彗星帝国みたいだなぁ(by『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』)」とは考えていましたが、あまりにも日常的な風景だったので価値は分からず、今みたいにウルトラグレート大人気になるなんて想像すらしていませんでした(ブチ驚いたでよ)。なお写真は周南コンビナートを一望できる“太華山(たいかざん)”からのカットです。受け入れ体制も万全ですので複数宿泊込みツーリングの目的地として、おいでませ山口へ! 獺祭の蔵元も錦帯橋も岩国基地も防府天満宮も湯野温泉もオートレース宇部も秋吉台も秋芳洞も角島大橋も萩も長門も下関も瓦ソバもレッドバロンも4店舗あるっちゃよ〜
なんでも日本五大工場夜景に選ばれているとかで、現在では夜な夜な行われている徳山湾クルーズや観光タクシーによる映えスポット巡りも大人気なのだとか。
筆者はそんな夜景が連日無料で眺め放題だった山口県新南陽市(現 周南市)富田(とんだ)地区にて、級友たちが食べきれなかった学校給食のおかずや牛乳を山ほど摂取しつつスクスクと育っていきました。
●義務教育期間中は、判で押したように「明朗で活発だが落ち着きがない」と書かれ続けた通知表。現在も性向はな〜んも変わっちゃいませんね。あと45年経って百になったら三つ子の魂もパラダイムシフトするのかしら!?
60㎞/h速度自主規制のない貴重な4ストゼロハンスポーツ!
そんな厚顔、いや紅顔の美少年にとって、忘れがたい初恋のバイクが、ホンダ「CB50S」だったのです。
●いやぁ、コレコレ! 1981年型ホンダ「CB50S」ですよ。1971年に登場した「ベンリィCB50」に端を発する49㏄空冷4スト単気筒OHC2バルブエンジンは最高出力6.3馬力/1万500回転、最大トルク0.43㎏m/9500回転の実力で変速機は5段リターン、タイヤは前後とも17インチというフルサイズの本格派。シート高は715㎜、車体重量83㎏、燃料タンク容量は8.5ℓで30㎞/h定地燃費は85.0㎞/ℓだったので満タン航続距離は722.5㎞と、理論上は東京から広島県まで無給油で走れてしまうという足の長さにも感動ですよ。夏休みのラジオ体操時間に目の前を通り抜ける寝台特急「あさかぜ」に憧れていた私は、出発地である東京駅まで「ここ(山口)から1回給油するだけで行けちゃうんだ!」と妄想がはかどりまくり興奮もしまくり千代子で何度となく鼻血を出しました
もう40年以上前になる中学2年生のとき、自宅から歩いて1分もかからない国鉄・山陽本線沿いに住んでいた友達のお兄さんが所有する黒い4ストミニスポーツをチラリと見たときズッキュ~ン!とドキがムネムネに……♡
いまだ下がってくれないバイク熱は、その瞬間からフィーバーし始めたと言えるでしょう!
端正かつスリムでコンパクトなスタイリングの中央には“ジ・エンジン”といった趣きの縦型49㏄空冷4スト単気筒OHC2バルブの発動機が鎮座ましましているではないですか~。
●テールカウルの内側は小物入れになっており、なおかつリヤキャリヤまで標準装備されていたので利便性も抜群。友人のお兄さんも休日はナゾの大きな荷物を積載して、いそいそと出掛けていたなぁ。あ、こちら「CB50S」の前に出ていた「CB50JX-Ⅰ」はリヤキャリヤが付いておらず、なおかつ前輪ディスクブレーキも一般的な油圧式ではなく、ケーブルを使う機械式が採用されていました。さて、写真の1981年型「CB50S」の当時価格は13万9000円。スキのない仕上がりで言うまでもなく大ヒット……したかと思いきや、時代は7馬力や7.2馬力といった2ストスーパーゼロハンの世界へ移行中。栄光のCB50シリーズは、このモデルをもって幕を下ろしたのでした……残念!
当時はまだ「CB」の意味や歴史、バリエーションなどの知識も全くなかったのですけれど、全身を眺めただけで「これはいいものだ」という直感がビビビッ!と脳天から足先まで貫いたことを覚えております。
それからはもう毎朝、散歩と称して「CB50S」を眺めに行くようになり、お兄さんが勤め先である周南コンビナート内にある会社へ颯爽と出掛けるときは、部屋の窓から凝視しつつ見送ったもの……(ストーカー!?)。
●はい、写真がホンダ原付一種+α排気量☆縦型エンジンマニュアルスポーツの元祖、「ベンリィCB90」でございます。1970年1月に当時価格9万円にて発売を開始したモデルで、89㏄空冷4スト単気筒OHC2バルブのパワーユニットは最高出力10.5馬力/1万500回転、最大トルク0.76㎏m/9000回転というナカナカにシビれるハイパワーを発揮しておりました。もちろん5段ミッションで最高速度110㎞/hをカタログでも標榜(いい時代でした)。1972年には横開きのシートを採用するなどの改良を受けた「ベンリィCB90JX」とそれにプラスして世界初の自動調整装置付き機械式ディスクブレーキを採用した「ベンリィCB90JX-DISK」を同時リリース。残念ながら、そちらが最終型となりました……
何回でも言います。スロットル全開走りは本当にカ・イ・カ・ン
後日、とあるコースで恋い焦がれた「CB50S」を走らせることができたときはハイパー感動いたしましたね~。
●そのとき乗った車両は「CB50S」のカタログ表紙も飾った訴求色でもあるレッドの車両。大切に乗られていたオーナー氏から「ガンガンいっちゃってください!」とのエールをいただいたので遠慮なく……。キレイにアタリのついた珠玉のHONDA 4ストフィフティ・シングルはメガホンマフラーから甘美な排気音を吐き出しながら、レッドゾーンへ向かって一直線に回転を上昇させていきました。二次曲線的にパワーが爆発する7.2馬力の2スト軍団とは全くフィーリングの異なる“伸び切り感”が気持ちよかったです〜
もうエンジンが回って回って回って回るぅうううぅ〜っ♬。
なんてったってタコメーターのレッドゾーンがスタートするのは1万1500回転からですよ(目盛りは1万3000回転まである)!
繰り返しますけれどコレ、Vツイン(V型2気筒)でもパラツイン(並列2気筒)でも、ましてやインライン4(並列4気筒)でもない、高回転化には不利とも言われるシングル(単気筒)エンジンですからね。
●ちなみに筆者が生まれた1968年(55年前)に、50㏄で3気筒(1気筒あたり約17㏄)で2万回転で19馬力を絞り出し14段ミッションで140㎞/hほど出したチョー変態的(←いい意味)なレーサーが存在していたとか。もちろんメーカーは……!? 興味のある方は「RP68」でググッてみてくださいね〜
これまた90㎞/hまで目盛りのある速度計を振り切る……ところまではいきませんでしたが、すでに3ケタ体重に近かった私を乗せたままメーター読みで85㎞/h近くまで増速しましたから、2スト&4スト問わず1980年代初頭の原付一種スポーツってヤツは本当に最の高でした。
悪名高いニッポンの道路状況のなかでさえ、ずぅ~~~~っとスロットル全開ができて、ヒーヒー言いつつシフトペダルをガチャガチャやりながら峠を越えていく楽しさというのは、長いバイクライフのなかで一度は体験しておいて損はないものだと、ワタクシメは考えております。
●大学1年生のとき、ホンダ「MTX50R」で山口まで帰省しての戻り道。埼玉県草加市の下宿へ戻るときの国道1号・箱根峠越えは今でも鮮烈な記憶となっております。柿田川公園でのんびりしすぎて坂を上り始めたのは夕刻から。暗闇のなかクルマにあおられつつ、全開全開また全開で走り切ったあとの達成感はマーベラス!でありました
●やはり往年の「CB50シリーズ」に一番近く、中古車の数もまだまだ多いモデルの筆頭と言えば、ホンダの「エイプ」(49㏄)と「エイプ100」(99㏄)でしょう(写真は2004年型のカタログより)! アナタもコイツでぜひヒーヒー言いながら峠を越えてみてください(^^ゞ そしてまた書きますが、普通自動車免許……いわゆるフツーのクルマの免許を持っている人は、たとえそちらが“AT限定”だとしても原付には適用されないので、マニュアル操作がある「エイプ」だって運転できるのですよ〜。ホンダの「マグナフィフティ」も「ドリーム50」も、スズキの「GS50」もヤマハの「RZ50」もイケまっせ!
そんな楽しみができた、忘れがたきMMMS(ミニミニミッションスポーツ)を独断と偏見と私情全開でリストアップ&紹介していきましょう!
ニッポンの林道探索にはベストオブベスト!? 「XLR80R」
1986年12月から発売され、抜群の人気を誇った「XLR250R」。
そのスタイルをギュギュギュギュッと小さくしたような姿で1987年8月に登場したのが写真の「XLR80R」でした(マジでソックリ相似形ですよ)。
●1980年にデビューするも1981年モデルが最終型となったホンダ「XL80S」から約5年の空白を経て、1987年8月にひょっこり登場してきた「XLR80R」。“250”のタイヤサイズがフロント21インチ/リヤ18インチだったのに対して、こちらは前16インチ/後ろ14インチと非常にコンパクト。しかし140㎜のロングストロークを確保したフロントサスペンションと優れた路面追従性を持つプロリンク式リヤサスペンションを装備しており、侮れない……いや卓越した悪路走破性を身に付けていました。搭載されている79㏄空冷4スト単気筒OHC2バルブエンジンは最高出力6.8馬力/8000回転、最大トルク0.63㎏m/7500回転を発揮! 燃料タンク容量は6ℓで50㎞/h定地燃費は65.7㎞……このナリで理論上の満タン航続距離は394.2㎞ですよ! 当時価格は20万9000円でした〜
このバイク……私が八重洲出版モーターサイクリスト編集部時代にすこぶるお世話になった大編集長、M尾T昭さんが所有しており、林道を一緒に走る機会があったのですけれど、これがもうメッチャクチャ速かった!
確か1990年、ちょうどデビューしたてのカワサキ「KDX125SR」とスズキ「TS125R」を対決させるという企画で、私ともう一人のスタッフがその2台のインプレを担当。
M尾さんはヤマハ「TW200」を駆るカメラマンとともに、千葉県(林)道案内役として同行されていたのでした。
こちとらモーターサイクリスト編集部にアルバイトとして潜り込んだばかりの血気盛んな20代ボーイで、操るのは22馬力+倒立フォークの最新2ストマシン。
たかだか6.8馬力の79㏄4ストモデル「XLR80R」に後れをとるワケがない。
●シート高は715㎜と非常に低く、車両重量もたったの76㎏なのでコーナリング中、想定以上にリヤタイヤがスライドしても「カメッ!」とばかりにすぐそこにある地面を蹴って立て直すなんて芸当も不可能ではありません。デビュー翌年の1988年には2ストエンジンの「CRM80」が登場してしまったため、一説によると2500台ほど生産されただけで姿を消したそうですが……惜しい! 惜しすぎる! 件の取材において「XLR80R」は秘湯巡りで鍛えたM尾さんのスキルと相まって、荒れ気味でタイトな林道を水を得た魚のごとくスイスイと進んでいきました。毎度アッという間に視界から消えてしまうのであまりチェックできなかったのですけれど、前後サスペンションの動きは見事のひと言! そういえば舗装路でも速かったなぁ……
林道移動中はM尾さんのテールにピッタリくっ付いてプレッシャーをかけてやれ。
なんて夢想していたのですが……。
はい、お察しのとおり、完膚なきまでに仏恥義理……いやブッチギられました。
●本気(マジ)、愛羅武勇(アイラブユー)、夜露死苦(ヨロシク)……仏恥義理なんてヤンキー漢字を出した勢いで“不良”と検索してみたら、こんな「更正した人」というイラストが出てきて大笑い。いや、私も林道で大敗北したあとはこんな感じで、謙虚な青年へと更正いたしました!?
軽量、コンパクト、低重心。
かつトルク特性に優れる小排気量4ストエンジンだからこそ到達できる走りがある……。
令和5年の今に至るまで筆者における“想像のナナメ上バイク”ナンバーワンの座は不変です。
●やはり今でもある程度中古車の数が流通している林道上等なMMMSといったら、「XLR80R」の後継(!?)と言えないこともないホンダ「CRM80」でしょうか。写真とデータは最終型となった1994年6月発売モデルのものですが(それでも29年前……)、色遣いといいグラフィックといい“時代”を感じさせますね。この仕様からナックルガードが標準装備となりました。搭載される79㏄水冷2スト単気筒エンジンは11馬力/0.96㎏mと十分にパワフル。シート高820㎜、車両重量85㎏、燃料タンク容量5.2ℓで60㎞/h定地燃費は34.3㎞/ℓ。税抜き当時価格は29万7000円(消費税3%込み価格は30万5910円)だったのです
生まれるのが早すぎた!? プチアドベンチャー 「NX125」
こちらは1988年3月から発売された超弩級のレアバイク……、ホンダ「NX125」です!
公式リリースに書かれたキャッチコピーは「市街地から未舗装路まで軽快に走れる斬新なスポーツバイク」!
紹介文には「従来のランドスポーツバイク(デュアルパーパスのことですね ※筆者注)とスーパースポーツバイクの長所をバランスさせた新しい分野のスポーツバイクで……(以下略)」とあり、まさしく現在で言えば「アドベンチャー」というジャンルに組み込まれそうなモデルでした。
●装備はなかなかに本格派。フロントタイヤは21インチ、リヤは18インチで、ホイールストロークは前200㎜、後ろ180㎜を確保していましたからね。セル始動オンリーの124㏄空冷4スト単気筒OHC2バルブエンジンは12馬力/1.0㎏mを発揮。シート高は820㎜、車両重量118㎏、燃料タンク容量は8.5ℓで50㎞/h定地燃費は60.7㎞/ℓだったので理論上の満タン航続距離は515.95㎞ですからね〜。当時価格は29万9000円
●顔はこんな感じ。透明なウインドスクリーンをヘッドライトの上へ追加し、なんなら“クチバシ”をちょい足しすれば、それだけで今風なアドベンチャースタイルが完成しそうです。こんな大きさでしか紹介できないデータしか残っておらず、失礼……
前年、1987年12月から発売されていた兄貴分(?)のホンダ「AX-1」が下馬評以上の販売台数を記録していったので(結果、「AX-1」は1994年モデルが最終型になるというソコソコのロングセラーへ……)、
●写真は1989年5月に発売された、多岐にわたる細部改良を受けた仕様の「AX-1」。後に1991年4月発売の「XL DEGREE(ディグリー)」にも採用され、名エンジンとしての高評価をほしいままにする249㏄水冷4スト単気筒DOHC4バルブエンジンは29馬力/2.6㎏mの高パフォーマンスを発揮。個性的な丸目二灯のヘッドライトも人気を集めた要因だったような。ふた昔前のバイク便さんがやたら使っていた……という印象もございますね(笑)。今回の趣旨であるMMMSではないので紹介はここまでっ。あ、税抜き当時価格は40万9000円でした……
その125㏄版とも言える「NX125」にも期待がかかりましたが、見事なほど鳴かず飛ばず。
ホンダの開発&営業陣はデビュー前から苦戦を予想していたのか、バイクブーム真っ盛りな時代だったにもかかわらず年間販売計画は1500台と低く抑えられていました。
しかも、予定数を全て売り切ったという情報もなく実際は3ケタ台に留まったのではないかと……。
そんな貴重な(?)1台に、筆者が大学時代片思いした女の子が乗っていたのです。
山口から上京し埼玉の大学に入るものの都会派ガールズ&ボーイズな同級生たちに気後れしていた陰キャな私へ、気さくに声をかけてくれた彼女と純白の「NX125」は本当に似合っていました。
●せっかくバイクという共通の趣味があったにもかかわらず、積極的に声すらかけられなかった当時のワタクシ……。TOO SHY SHY BOY! でしたねぇ(自分で言うな)
このエピソードにオチはないのですけれど、人生いつだってセイシュン! 異性同性問わず興味がわいたらお声がけして関わっていき、バイクライフだけでなくライフ(人生)も充実させましょうという話にしておきますか(笑)。
●セイシュン、SAY旬……旬と言えば(苦しい?)ホンダ「GROM」でしょう! 2013年6月に初代が登場してから現在に至るまで、外観刷新と細部改良を繰り返してラインアップで存在感を発揮し続けてきた現役バリバリな“小さな巨人”。車名の由来からして(以下公式HPより)『「GROMMET」の短縮語。 GROMMETとは若いサーファーやスケートボーダーなどエクストリームスポーツを楽しむ若者という意味で広く使われています。 ターゲットとする若者層の道具、ファッションの一部として使用して頂けるような思いを込めました』とのことで、もうセイシュンの香りがプンプンいたしますね! なお、写真は2023年6月に発売された最新「グロム」のアステロイドブラックメタリックです
●いや、実際によく出来たバイクです。一番冷やしたいエンジンヘッド部分に走行風がしっかり当たる横型123㏄空冷4スト単気筒OHC2バルブエンジンは最高出力10馬力/7250回転、最大トルク1.1㎏m/6000回転で、チューニングするほどにパフォーマンスアップする伸びしろも十分(現行型は5速マニュアルトランスミッション)! シート高は761㎜、車両重量103㎏、燃料タンク容量6ℓで60㎞/h定地燃費は63.5㎞/ℓ。すでにABSも標準装備している現行車の税抜き価格は35万5000円で、消費税10%込みでも39万500円と余裕で40万円切りしてますからね(汗)。約10年前の登場以来、ずっと人気モデルだったということは中古車の数もそれなりにあるということ。レッドバロンなら潤沢・多彩な中古車群と新車を同列に比較して、よりベターな購入を検討できますよ!
ビジネスモデル系も忘れるべからず! 「BENLY 90S」
ブランドネームの歴史だけ比較すれば、1958年に生まれた「スーパーカブ」より5年も早い、1953年登場の「ベンリイJ型」に端を発する「ベンリィ」という車名……。
●見よ、1953年型「ベンリイJ型」の勇姿を! 89㏄空冷4スト単気筒OHV2バルブエンジンは最高出力3.8馬力/6000回転、最大トルク0.4㎏m/4000回転を発揮してミッションは3段。最高速度は65㎞/hをマークしたそうです。いや〜、全身から本田宗一郎イズムが発散されておりますなぁ〜! なお、「ベンリィ」の“イ”が大文字なのか小文字なのかは諸説あり、ホンダの公式資料でも混同されていた時期が長〜くありました。紆余曲折あって現在は「ベンリィ」に統一されましたが、このモデルの車名だけは大文字とさせていただきます
すでに広く知られているように、その語源は「便利」からきており、スズキの「コレダ」同様、探究心ある若いライダーが生まれるたび「ダジャレだったのかよ!」との声なきツッコミを受ける宿命とともに70年もの間、ホンダ最新ラインアップへその名を留め続けている偉業は、もっと讃えられていいと考えております。
当初はバリバリのスポーツモデルにもペットネームとして付けられていましたが、近年ではビジネスバイクのブランドとして広く定着。
この2023年6月からは、電動ビジネススクーター「BENLY e:」シリーズも、一般発売がスタートしましたね。
そんな長大な歴史と膨大なバリエーションを持つ「ベンリィ」シリーズの中で、MMMSとして強くオススメしたいのが……「ベンリィ90S」なのです。
●1996年4月から発売が開始された「ベンリィ90S」。なんといっても二人乗りもラクラクなダブルシートが最初に目へ飛び込んできますね。特徴的なT字型バックボーンフレームに搭載されている横型85㏄空冷4スト単気筒OHC2バルブエンジンは、最高出力7.1馬力/7500回転、最大トルク0.75㎏m/6000回転の実力を発揮。シート高は768㎜、車両重量83㎏、燃料タンク容量6ℓで60㎞/h定地燃費は60.7㎞/ℓ。税抜き当時価格は19万8000円(消費税3%込み価格20万3940円)
何を隠そう(別に隠しちゃいませんが)、この「ベンリィ90S」も筆者が入手して車庫に置いていた時期のある元・愛車だったりします。
ちょうどその頃は1992年に発売された250クラスの端正な空冷単気筒モデル、カワサキ「エストレヤ」のヒットを受けてネオレトロブームが上方へも下方へもジワリジワリと展開していき、原付クラスでヤマハは「YB-1」、「RZ50」、「YB-1 Four」、スズキは「コレダスポーツ50」、「コレダスクランブラー50」、ホンダも「ベンリィCL50」や真打ち「ドリーム50」をリリースするなど活況を呈するなか、ワタシも時流に乗ってみたという雰囲気でしたね (^^ゞ。
●上で紹介している「ベンリィ90S」のベースとなった「ベンリィ CD90」(写真は1994年12月に発売された仕様)は生粋のビジネスモデルであり、ご覧のとおりタンデムステップこそ最初から装備されていましたが、人より荷物!ということで丈夫なリヤキャリヤが装着されていました。確かオプションで座布団みたいなタンデム用シートも用意されていたはずです。う〜ん、見比べるたびにうまく差別化したものだなぁ、と。エンジンや燃費などのデータは“90S”と同じですが、こちらはセンタースタンドが装備されていることもあり装備重量は85㎏。税抜き当時価格は……19万3000円! “90S”は“CD90”より5000円高いだけだったんですね。今回この執筆中に初めて知りました(汗)
とにかくスリムで軽いので、しょっちゅう大渋滞を起こす国道4号ほかの都内幹線道路でも移動がラックラク。
変速機が常時噛合式4段ロータリーというのも新鮮でしたし、とにもかくにも燃費がいい。
MC編集部とは違うバイト先でナンパ……いやお声がけして、どうにかこうにか出来た彼女(現:奥さん)とタンデムで花見やロヂャース越谷店への買い出しや都内有名ラーメン店巡りをしたのもプライスレスな良き思い出です。
●こちらは“90S”と同時に発売された「ベンリィ50S」(税抜き当時価格18万4000円)。49㏄の4馬力エンジンは30㎞/h定地燃費が140.0㎞/ℓデスヨ! メーカー純正“スカチューン”により、まさにT字型バックボーンフレームの形状が丸わかり。公式リリース文面によれば「(前略)ヤング層のトレンドにマッチする個性的なスポーツバイク(後略)」として登場してきたのです。あ、そうだ。ここまで何度も紹介してきた「エイプ/100」の燃料タンクが、「ベンリィCD」系と同じもの……というのは有名な話(ですよね?)。シンプルな外観だからこそカスタムの夢も広がりますネ!
陳腐な表現で恐縮ですけれども、ビギナーからベテランまで満足できる“軽さは正義!”な小排気量マニュアルスポーツ車は、極論すると一家に1台……いや、国民の義務としてひとりに1台あってもいい愛玩的かつ高汎用な車両。
持っている免許と金銭的余裕と置き場所を再確認したら、さっそくお近くのペットショップ……いやレッドバロンへ行ってみませんか。カワイイMMMSたちがアナタを待っていますよ〜!
●次回もホンダ「XR100モタード」にまつわる面白いエピソードなどを紹介していく予定です!
あ、というわけで今回紹介したMMMSモデルたちはもちろん、紹介しきれなかったホンダor他メーカーの“公道合法スロットル全開が楽しいバイクたち”は、まだまだ数多くございます。補修パーツとアフターサービスの心配が要らないレッドバロンの良質な中古車なら、賞味期限が無制限で延長しているのとほぼ同義! まずはお近くの店舗でスタッフへ、どんなことでも質問&相談してみましょう。
XR100モタードという小さな巨人【後編】はコチラ!
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