インパルスという繰り返す衝撃【その3】はコチラ!

 

インパルスという繰り返す衝撃【その5】はコチラ!

歴史的な裏付けを特に求めないユーザー層は薄かった……!?

 

折りしも1996年から運転免許制度の改正によって大型自動二輪免許が創出され、教習所に行けば簡単にビッグバイクの免許が取得できる時代が到来。

「今はZRX(400)だけど近いうちに免許を取ってデッカイZRX1100を買ったら、もっと“ローレプ”に近づけるんです!」という目をキラキラさせる、このようなヤングにイベント取材でも行けば何人ハナシを聞けたことか……。

目をキラキラ

「キミ何年生まれ?」と思わず聞き返してしまうほど、往年の欧州&世界耐久選手権やAMAスーパーバイクなどのレースについて深く豊富な知識を持つお目々キラキラヤングボーイに幾人も出会えました。そしてやはりカワサキ空冷大排気量レーサー好きが多かったのも印象的……

しかし「イナズマ(400)」を買って大型自動二輪免許を取り「イナズマ1200」を見に行ったら、自分のバイクと大きさやデザインは全く変わらず(あえて言い切ります)、車両重量が20㎏ばかり重たくなった車両がそこにあるのです。

もちろんパワーは倍近くになっておりますけれど、かくいうポイントだけにめちゃくちゃ魅力を感じてサイフのヒモをガバッと緩めるライダーが多いかと言えば……残念ながら多数派ではなかったようです。

正直、筆者もご存じの通り油冷大好きヤロウなわけですが、始祖たる1985年製「GSX-R750」は軽量シンプルであることに心血を注ぎ、結果として苦心惨憺の末に生み出されたのが油冷システムなワケですのに、

●1985年、スズキ油冷エンジンの歴史を切り拓いた「GSX-R750」

「イナズマ」の乾燥重量は185㎏と、水冷+ビキニカウル付きな「ZRX」と同じというところに、モヤモヤとした引っかかりを感じてしまいました(1200とほぼ同じ車体なので致し方ないのですけれどね。逆に「イナズマ1200」の乾燥重量208㎏というはナカナカの軽量っぷりと言えるもの)。

いざ「イナズマ」に乗ってみても、400㏄という排気量のせいか油冷ならではのエンジンフィーリングというのが分かりにくく、特徴的なゴリゴリとした太いトルク感……でしたら、水冷のカタナとインパルスのほうが上回っていたほど。

もちろん最新設計かつ余裕のある車体と各種装備でしたので、曲がる&止まるのフィーリングはとても気持ちよかった記憶があるのですけれど……。

ともあれ1997年3月、銀、黒、赤のプレーンな3色展開でスタートした「イナズマ」は同年6月に白を追加して4色展開に。

白いイナズマ

●ネイキッドジャンルでは珍しい純白……パールスティルホワイトをまとった「イナズマ」。価格は59万9000円で変更なし 

翌1998年2月には新しい灰、新しい赤、新しい銀、継続の銀へカラーリングを大胆変更。

赤いイナズマ

●赤……というか紫にイメージは近い1998年の新色キャンディディープグレープマルーン

1999年3月には新色の青、人気の銀&灰という3色ラインアップへ……と、目まぐるしく色をいろいろと変化させていきますが、人気にはなかなか着火せず

パールダークスペースブルー

●1999年型「イナズマ」のパールダークスペースブルー……深みのあるいい色ですね! この年も価格は変化なく59万9000円のまま

最前線の苦境を聞きつけてインパルスが再起動……したけれど!?

すると、1996年12月のヨシムラカラー小変更以来、ずっと放置プレイ状態にあった「GSX400 インパルス」が、1999年7月に突然(必然?)のアップグレードを実施されます。

1999_インパルスカタログ

●歴史にタラレバもニラレバもパトレイバーもありませんが、もし「イナズマ」が大ヒットモデルに成り上がっていたとしたら、この1999年型「GSX400 インパルス」は世に出なかったのかも……しれません(個人の想像です)。フロントブレーキキャリパーを2ポット式からブレンボ社製の対向4ポット式へアップグレード! 丸目一灯はマルチリフレクター方式となり、フロントウインカーは車幅灯の機能が追加されました

「イナズマ」が装備していたフロントブレーキのブレンボキャリパーが新採用されるとともに、ヘッドライトはキラキラお目々なはやりのマルチリフレクター仕様に!

人気の黒と赤は継続しつつ、銀は新色、なおかつヨシムラカラー(黒×赤)も定番化された4色展開で再び400市場における存在感をアップしました(この小変更を機に「タイプS」が選べなくなってしまったのは残念でしたが)。

1999年型インパルスカタログ諸元部分

●1999年型「GSX400 インパルス」カタログより。主要諸元に変更はないものの、さすがに価格は2万円アップし59万9000円という価格(従来の「タイプS」&「イナズマ」と同じというのがまた絶妙)に……

そんな1999年、すでに「バンディット400」シリーズは姿を消したものの、地味~にラインナップへ残っていた「GSX400S カタナ」、

GSX400Sカタナ1994年式

●う〜ん、“ヨンヒャクカタナ”は、見れば見るほどカッコいいバイクですね(写真は集合マフラーを装着した中古車)。歴史にタラレバもレバニラもたれぱんだもないのですけれど、現在このバイクが販売されているとすれば、どんな動きをみせたでしょうか……!!!!? 妄想が爆発しそうです

そして「イナズマ」とともに、生き馬の目を抜く400㏄並列4気筒ネイキッド戦線を凌いでいった3代目の「GSX400 インパルス」。

このままチームメイトやライバルとともに最前線バトルを繰り広げていくのかと思いきや2000年末……21世紀を待たずに「GSX400 インパルス」はラインアップ落ちをしてしまいます!

イナズマ最終型

●2000年末にラインアップ落ちした「GSX400 インパルス」に対して「イナズマ」は2000年11月に排出ガス規制対応のための小変更を実施……って、ホントに3代目インパルスとイナズマは表裏一体の関係だったのですね。今改めて認識しました。さて、その「イナズマ」。排ガスをクリーンにするためのエアインダクションシステムメタルハニカム酸化触媒が追加されるとともに、スロットルポジションセンサー付きのキャブレターも新採用。結果として乾燥重量は2㎏増の187㎏となり、最高出力は1馬力ダウンの52馬力へ(最大トルク3.7㎏mは変わらず)。価格はついに60万円の壁を突破して61万9000円へ……。車体色は新色の銀(写真)と継続の青という2色展開で、こちらが最終型となり2004年ころまで販売されました(←次回へつながる伏線)

なんだってぇ〜ッ!?……すみません、「イナズマ」について熱く語ってしまったせいで終わりませんでした m(_ _)m。

というわけで延長戦となる次回は、3代目インパルスの一時退場と4代目として復活した背景などについて、語らせていただければ幸いです。

青白

●こちらが4代目インパルス……。こちらも数奇な運命をたどったのです!

あ、というわけで1990年代の後半は400ネイキッド、そしてそちらに呼応するリッターネイキッドが大充実を誇った時代で多種多様な車両がいまだ市場を賑わしています。「イナズマ」&「イナズマ1200」も今となっては貴重な油冷マシンとして人気が急上昇。レッドバロンの『5つ星品質』な相棒を購入して、安心で楽しいバイクライフを満喫いたしましょう!

 

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