二輪媒体の第一線で活躍する写真家・真弓 悟史氏。『BikeJIN』、『ライダースクラブ』、『ヤングマシン』、『BMW BIKES』といった二輪媒体のメインカメラマンとして活躍する同氏は、レースなどの動きのある写真はもちろん、インタビュー撮影からファッションページまで幅広く撮影。今回の会場となった56designのカタログ撮影なども担当している。

写真家・真弓 悟史。1976年三重県生まれ。名古屋ビジュアルアーツ写真学科卒業後、1999年よりフリーのフォトグラファーとなる。

写真家・真弓 悟史(まゆみ さとし)。1976年三重県生まれ。名古屋ビジュアルアーツ写真学科卒業後、1999年よりフリーのフォトグラファーとなる。

「Answer」というユニークなテーマの写真展

真弓悟史氏初となる写真展のタイトルは「Answer」。このタイトルの意味するところは、自身が生業とする二輪媒体からの仕事、“撮影依頼”に対し、写真家・真弓悟史がファインダーを通じて“どう答えてきたか”の「Answer」ということ。四半世紀に及ぶ、フォトグラファーとしての活動の中で選りすぐりの「Answer」25点で構成したのがこの写真展である。

真弓悟史 写真展「Answer」が千葉県東金の56design 本店ショールームにて開催中

『ライダースクラブ』などの二輪誌の特集記事や表紙撮影を担当することが多いという同氏。多くの写真家が“自分で撮りたいもの”を題材に写真展を行うのに対し、この写真展は二輪媒体との“仕事”の中で生み出された成果物をテーマとしているところがユニーク。

真弓悟史 写真展「Answer」が千葉県東金の56design 本店ショールームにて開催中

中学生の時にモータースポーツに興味を持ち、写真学校卒業後はアルバイトでフィルム代、現像代を捻出しながら、全日本ロードレースに出場するライダーを2年間に渡って同行し撮影し続けた。「何かに留めなければ過ぎ去ってしまう一瞬をカタチにして残したい」という氏の情熱は、30年近くが経った現在でも同じ。作品からは、その日、その場でしか切り取れない一瞬に対する執念が感じられる。

 

写真展「Answer」初日である7月6日(土曜日)には、56designの代表であり、元バイクレーサーの中野真矢氏とのトークショーも開催。千葉県東金にある56design 本店2Fのショールームには多くの来場者が集まった。

トークショー中の真弓 悟史氏(右)と中野真矢氏(左)。

トークショー中の真弓悟史氏(左)と中野真矢氏(右)。

 

中野真矢氏は、『ライダースクラブ』のメインテスターでもあり、今回の写真展に展示されている作品の多くに中野真矢氏がライダーとして登場している。トークショーでは、『ライダースクラブ』の表紙撮影の裏話や、お気に入りの4点の作品をピックアップしての解説などを行なった。

写真展「Answer」で展示する作品は、『ヤングマシン』、『ライダースクラブ』、『BikeJIN』(右から)といった二輪媒体の仕事として撮影した写真の中からセレクト。

写真展「Answer」で展示する作品は、『ヤングマシン(内外出版)』、『ライダースクラブ(実業之日本社)』、『BikeJIN(実業之日本社)』(右から)といった二輪媒体の仕事として撮影した写真の中からセレクトしている。

写真展「Answer」は僕にとっても“答え合わせ”になった

……なんて堅苦しい紹介はこのくらいにしておこう。真弓カメラマンとは筆者の僕自身、『BikeJIN』、『ヤングマシン』、『ライダースクラブ』といった媒体で一緒に仕事をさせてもらっており、今回の写真展でも編集者やライダー、時にはストロボ持ちの助手として関わった写真が10点ほど展示されていた。

誌面では日の目を見せられなかった夕陽に染まる海辺を走るR1300GS。ライダーは僕だったりする(笑)。

誌面では日の目を見せられなかった夕陽に染まる海辺とBMW R1300GS……のライダーは実は僕だったりする。

 

ときにライダーとして、ときに現場のアシスタントとして、また誌面で採用する写真を選ぶ“編集者”として真弓カメラマンとの仕事に関わってきたが、面白かったのは、展示作品の中には誌面に掲載したものもあれば、そうじゃない写真があったり、誌面の都合で泣く泣く不採用とした写真があったことだ。

真弓カメラマンとしてのベスト「Answer」はこっちだったか! とドキッとする場面もあれば、やっぱりこのカットだよね! と胸を撫で下ろしたり……。写真をセレクトする編集者としての“答え合わせ”ができたのが印象的。その日、その時の一瞬を切り取る真弓カメラマンの「Answer」に対し、真摯に向き合えているか? を自問自答させられたのだ。そんな「Answer」を前にまだまだ精進せねばと思った次第。

……と、まぁ僕の立場からすると、どうしても二輪誌編集者としてのフィルターを通した見方になってしまうが、そんなバイアスを抜きにしても1枚の写真に込める「Answer」のメッセージ性は相当なもの。多くの二輪誌で引き手あまたとなるカメラマンには、やはり“それなりの理由がある”というわけだ。

びっくりするのは、ここまでライダーの心情に寄り添った写真が撮れる真弓カメラマンがバイク乗りではないということだ。二輪業界には、程度の差こそあれバイク好きだったり、バイクに乗るカメラマンが多い中で、同氏の経歴は大変異色。“ここまでお世話になっているのだから……”と、いつだか二輪免許だけは取得したそうなのだが、依然としてペーパーライダーであるという同氏がなぜここまでの写真を撮れるのか? と毎度驚かされる。

写真家・真弓 悟史の「Answer」は56design 本店「LAKESIDE TERRACE」2Fショールームにて、9月29日まで。

写真家・真弓 悟史の「Answer」は56design 本店「LAKESIDE TERRACE」2Fショールームにて9月29日まで(土日、祝日のみ営業)。

●会場:56design 本店「LAKESIDE TERRACE」2Fショールーム ●住所:千葉県東金市日吉台4-791-7 【Google Map】 ●営業日:土/日/祝 ●営業時間:10:00〜18:00 ●TEL:043-445-8856 (月/水/木/金)、 0475-55-0356 (土/日/祝)

●会場:56design 本店「LAKESIDE TERRACE」2Fショールーム ●住所:千葉県東金市日吉台4-791-7 【Google Map】 ●営業日:土/日/祝 ●営業時間:10:00〜18:00 ●TEL:043-445-8856 (月/水/木/金)、 0475-55-0356 (土/日/祝)

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