天上天下唯我ボクスン……いや、独尊。広い広いこの世の中で唯一の、どんなバイクにも取って代わることができない尊い存在がセローである……とお釈迦様がおっしゃったかどうかは知りませんが(汗)。次々に登場してきたライバルを蹴散らして幅広い支持を集めてきたマイルドオフロード(笑)の覇車は2005年、登場から20年目にしてフルモデルチェンジを敢行し「セロー250」へ生まれ変わりました。絶対王政は無事に継承されたのでしょうか!?
●好奇心の趣くままにトコトコと山へ分け入っていけるマウンテントレール……。まさにヤマハが訴求してきた使われ方のイメージを忠実に具現化した広報写真。225から250に代替わりしてもセローはセローでした!
●あ、ちなみに冒頭文の苦しいダジャレに使った「ボクスン」とは1985年(初代「セロー225」デビューと同じ年!)に日本で初めてヘルメットを収容可能なトランクを装備してヤマハから登場した原付スクーターのこと。メットインスクーターの元祖とも言われていますね。上の車名部分を押したらウガンダ・トラさんがフィーチャーされたカタログの公式資料が出てきますので、ぜひ見てみてください(拙者、ずっと車名を「ボクソン」と勘違いしていたことは墓場まで持っていく所存……)!
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セローが転生した20年前に、アナタはどこで何をしていましたか〜
2005(平成17)年……。
ホント、ついこのあいだのような感覚もいたしますが、冷静に指折り数えてみれば約20年前なんですよね。
●今や法律的には18歳成人となり、いろいろ混乱してしまいますけれど各自治体がイベントを行うのは基本的には20歳ですし、昭和40年代オトコな筆者的にも「成人式っつーたらハタチに決まっとるだろう!」と(小声で)叫びたい気分です。そ〜んな約20年前に「セロー250」が誕生したのですね。う〜ん、いまだに信じられない(^^ゞ
光陰ハヤブサのごとし……で、その現在からふた昔前には“小泉(純一郎首相)旋風”が吹き荒れて郵政民営化法が成立し、衆院選で自民党が圧勝!
愛知万博が開催されて京都議定書が発効(←これ,次回の伏線です)……。
パキスタン北部で大地震やJR福知山線脱線事故が起きてしまい(合掌)、『ハウルの動く城』(公開は2004年11月20日)が興行収入196億円を叩き出し、ケツメイシさんの『さくら』が街に流れまくっていたものです。
●「ヒロインは、90歳の少女。」というキャッチコピーも衝撃的だった『ハウルの動く城』。主人公ソフィー(声は倍賞千恵子さん)と魔法使いハウル(同 木村拓哉さん)の軽妙な掛け合いも良かったですね。ただ個人的には我修院達也さんが演じた火の悪魔カルシファーが、めちゃくちゃツボに入りました(笑)
バイク業界ではMotoGPクラスでヤマハ2年目のバレンティーノ・ロッシ選手がYZR-M1(0WP4)を駆って超絶ブッチギリでタイトルを獲得し、日本では同年4月1日から高速道路での二人乗り走行が条件付きで解禁……。
と、まさしくそのハイウェイをバイクでタンデム走行ができるようになったその日に、ヤマハは「セロー250」を発売開始したのです!
●ハイ、というわけで2005年4月1日に発売が開始されたSTDモデルたる「セロー250(3C51)」がコチラ(パープリッシュホワイトソリッド1)です。「トリッカー」(後述)の大胆なスタイリングにドギモを抜かれた筆者としては、そちらをベースにセローが出ると聞いたとき、一体全体♬どどどどど〜するの!?と遠く未来からトレセン音頭(byウマ娘)の節回しが聞こえたような気がしたのですけれど流石はヤマハ。ほぼ何もかもが225から刷新されているのに「あ、これ新しいセローですね」とアッサリ納得してしまったのは、“マウンテントレール”というコンセプトが全くブレていないため。税抜き(※以下同)当時価格は44万円と225最終型の価格38万9000円から5万1000円アップしたものの「排気量も増えたしなぁ〜」と納得し、自分で自分の背中を押して契約書のハンコも押したオーナーは多数いました(笑)
1985年、“二輪二足”で道無き道さえトコトコ進んでいけるマウンテントレールとして初代が発売され、軽量&コンパクトかつ高い機動性をウリに改良を重ねつつ唯一無二の存在として覇道を歩んできた「セロー225」ではありましたが、20年という年月が流れる間に分け入っていける林道はどんどん閉ざされていき、まだ走ることのできる森へアプローチするには、高速道路や高規格道路を使わねばならない状況が増えていく一方……。
●こちらはSTDでもう1色が用意されたダークグレーメタリックEですね。従来型のダイヤモンドフレームはセミダブルクレードルフレームとなり、排気量が拡大されたエンジンをガッチリと囲い込んで剛性アップだけでなくマスの集中化も実現〜。フロントブレーキのローターもφ245㎜となり異径2ポットキャリパーと組み合わされ(リヤブレーキはφ203㎜)制動力も強化されました。細かいところではブレーキ&シフトペダルも可倒式となっております。燃料タンク容量は0.2ℓ減って9.8ℓへ。60㎞/h定地燃費は46.0㎞/ℓ→45.0㎞/ℓと若干下がりましたが、乾燥重量108㎏〈車両重量122㎏〉だった225最終型から、250は同115㎏〈126㎏〉になっただけ、ということを考えると大したものだなぁ……と深夜のモーターサイクリスト編集部でプレスリリースを眺めながら筆者は思ったものです
かつ、ライダー念願の高速道路二人乗りまで解禁されるとあっては総排気量223㏄のままでだと少々心許ない。
●今を生きるヤングライダーには想像つかないかもしれませんが、2005年3月31日以前まで、高速道路のバイク二人乗りは御法度だったのですよ……マジで
さらに近未来に施行されることが確実な超絶厳しい平成18年度排出ガス規制への対策も考えていかねば……など、さまざまな要因が重なり、セローは“250(排気量的には249㏄)”に生まれ変わらなければならなかったのです。
「トリッカー」、「XT250X」という一卵性兄弟車があってこそ……!
そのエンジン……初代登場から熟成が続けられ、かつ直近となる2000年モデルで当時の排ガス規制をクリアした223㏄の名機(G316E)のボアを拡大すれば一丁上がり……という方向性も当然ながら考慮されたはずですが、ヤマハ開発陣は将来さらに厳しくなっていくであろう環境諸規制の行く末なども鑑みて全面的に新しく作り直すことを決断!
●改めまして「セロー250」が搭載したパワーユニットは……249㏄空冷4ストローク単気筒OHC2バルブエンジンです。最高出力21馬力/7500rpm、最大トルク2.14㎏m/6500rpm。225時代は6速ミッションだったのですが、250となり5速化されました。あと、セル付き225に用意されていた純正オプションの後付けキックスターターキットは250には用意されず……。写真左下にいかにもな窪みまで用意されているのですけれど、あくまでダミー(ダミーだこりゃ)。なんでもインジェクション化を前提に開発したため、キック対応は最初から考慮していなかったのだとか。かくいう背景なら致し方ナシゴレン……
空冷4ストローク単気筒OHC2バルブという基本構成はそのままに58.0㎜という223㏄時代のストロークを継承しつつボアを4㎜アップして(70.0㎜→74.0㎜)、249㏄という排気量を獲得したのです。
●ピストン(リング)との摺動抵抗を大幅に低減させるアルミメッキシリンダーを採用し、オイル消費量をしっかり抑制。エンジン全体としてメカノイズを小さくすることとシフトフィーリングを向上させることまで見越して開発された新しいパワーユニット。かかってしまった莫大なコストは兄弟車を増やして長く作り続ければ回収できる……との目論見があったはず。実際アメリカ市場などではセローの兄弟車(?)である「XT250」がまだまだ現役で、2025年モデルまですでに登場しちゃっております m(_ _)m
軽量なアルミ鍛造ピストンやメッキシリンダーほかの基本性能向上アイテムも全投入されたブランニューの心臓は、まず2004年3月に発売された「トリッカー(5XT)」で初お披露目(原動機打刻型式=G340E)され、
●カタログに表記されている正式名称(?)は「tricker XG250」。2001年、2003年の東京モーターショーでコンセプトモデルや参考出品車が連続して登場し、ヤマハさん新ジャンル創出に気合い入っているなぁ〜と思っていたら2004年3月30日から本当に発売されてビックリした“フリーライド・プレイバイク”……。つまりはBMX、スケートボード、スノーボード、サーフィンの延長にあるエンジン付きX系スポーツギアとのことで(カタログにはそう書いてある)、とことん遊びたおせるバイクを目指したモデルなのだとか!
●これが「トリッカー」のストリップ状態。「まぁ、よくぞここまで……」と感嘆するしかないマスの集中っぷりこそ開発陣のこだわりポイント。エンジンスペックは前述した「セロー250」と同じですが、シート高はさらに20㎜低い790㎜に抑えられ、車両重量は120㎏(乾燥で111㎏)を実現。ちなみに「セロー250」は車両重量126㎏(乾燥で115㎏)ですからね。ついでに書けば「セロー250」比で全長は120㎜、ホイールベースは30㎜短く非常にコンパクト。燃料タンク容量も割り切りに割り切って、たったの6ℓ〜! 価格も40万円切りの39万9000円ナリ!! 「さすがにヤリスギなのでは?」という外野の勝手な心配をよそに2020年代直前まで命脈を保つという堂々のロングセラーモデルとなりました。そのあたりはまた次回以降も紹介いたします……
2005年デビューの「セロー250」と、2006年にリリースされたライトモタード「XT250X」へも連続して導入されました。
●ほい、こちらが2006年3月30日にリリースされた「XT250X(5C1)」ですね(価格は46万円)。後述してますがエンジンや車体などを「セロー250」と共用しつつ、顔(ヘッドライトまわり)とお尻(テールカウル&ランプ)を整形し、前後17インチのオンロードタイヤを履かせることで精悍なモタードバイクに変身〜! シート高が790㎜というのも地道ながら人気を集めた大きなポイントとなりました。こちらも2017年ごろまでジワジワと愛されるロングセラーへ育っていったのです
この3車はエンジンだけでなくメインフレームほかの根幹部品も多く共用していたため、だんご3兄弟……いや、“セロー3兄弟”とも呼ばれていましたね(少なくとも筆者の周囲では(^^ゞ)。
排気量26㏄をプラスしつつ大胆に転生したヒマラヤカモシカ!
さて、話を「セロー250」に戻しますと、前述のようにパワーユニットや骨格など多くの部品を「トリッカー」から流用しつつも、当然ながらDNAを色濃く受け継いだスタイリングや車体3箇所に配されたスタンディングハンドル(アシストグリップ)ほかの“ならでは”な装備群は、セローの名に相応しい独自性にあふれるもの。
●転倒時の引き起こしはもちろん、谷へ落ちてしまった車両を引っ張り上げるときにもヘッドライト下のハンドルスタンディングが非常に便利で重宝するんですよ……。元バイク雑誌の編集屋からすると取材のためハイエースにセローを積載するとき、シート後部にあるスタンディングハンドルにタイダウンベルトをちょちょいとかければガッチリ固定が完了するので仕事が楽でしたね〜。大変お世話になりました m(_ _)m
まぁ、世の中の常として人気のあったバイクやクルマがフルモデルチェンジをすると「昔のほうが良かった……」という声が巷にあふれるもので、それはセローでさえも例外ではなかったのですけれど、810㎜というシート高、左右のハンドル切れ角51度、
●驚異的な最小回転半径1.9mを実現する51度のハンドル切れ角は、初代セローから受け継がれてきた真骨頂ポイントのひとつ。狭い林道へ迷い込んだとき方向転換にかかる手間をグッと減らすことができるのは当然として、家や街中の狭い駐車場へ出し入れするときもラックラク。フレームとフロントフォークとの位置関係や各種ワイヤーの取りまわしなど、蓄積してきた細かいノウハウがモノを言う世界でもあるのです……
225の最終型から4㎏増えたものの、それでも126㎏(車両重量)に収まっていた軽量ぶり……といった“マウンテントレールにとって譲れない一線”をキッチリを守っていたことからしつこいアンチはそれほど湧かず(笑)。
●突然クルマの話になっちゃいますが例えばマツダ「ロードスター」……。写真は偉大な初代NA型からモデルチェンジを果たした2代目となるNB型ですが、やれ「なぜリトラクタブルライトをやめたんだ」とか「標準車で車重1トンを超えるとは何事だ」だの悪態を放つ人が数多くいたことを覚えております。しかし車両に求められる衝突安全性向上などのレギュレーションへ刻々と対応していかなければ、モデル自体が販売不可能になってしまう……。それを避けるため「変えないために変える」道を選んだマツダの英断を深くリスペクトする筆者。かくいう姿勢とセローのフルモデルチェンジが重なりました
早々に「今度のセローもいいじゃん!」という高評価へ、市場の風向きが急激に変わっていったことを肌感覚として覚えております。
“250”のキャブレター時代は2005〜2007年モデルまで……
実際、バイク雑誌の取材で何度となく「セロー250」を走らせることができたのですが、ファーストコンタクトで丸目ヘッドランプにちょっとだけ違和感を覚えながらも……、
●明るく輝く部分は真ん丸な「セロー250」のφ100㎜小型軽量ハロゲンバルブ60W/55Wヘッドライト……なのですけれど、取り囲むハウジングやバイザー部の形状に直線部分があるため、同じ真ん丸ヘッドライトにメーターバイザーが付いた1983年登場の「RZ250R」(下写真)とは、また趣きの違う複雑な表情を獲得しています
●丸目一眼+メーターバイザーという組み合わせにおいて、筆者が最適解のひとつだと考えているヤマハ「RZ250R」。しかし、フグ(のような)カウルと揶揄する人も多かったですね……(^^ゞ
しかし、跨がってスタンドを払った瞬間に「あぁ~、コレコレ。この良好な足着き性と絶妙なステップ位置がセローなんだよなぁ~」と速攻で脳内アップデートが完了してしまいました(笑)。
セル一発でエンジンを始動させ、走り出した途端に「おおっ! 力強い!!」とまた感動……。
カタログスペックだと最高出力で1馬力、最大トルクは0.24㎏mしか増えていないのですけれど、もともとが20馬力のエンジンですから、そこからの1馬力追加は嬉しくなるほどに明確な差となって、乗り手を高揚させてくれました。
当然ながら高速道路でも225より若干余裕が生まれ100㎞/h巡航だってラクラク。
ただ、調子に乗ってガーッとフル加速していくとハンドルに細かな振れが発生した記憶が残っております。
乗車姿勢をいろいろ試すと収まったりもするので、弱点……とは言い切れませんでしたけれどね。
最初見たとき「ん?」と思ってしまった小型で丸目なヘッドライトも、「カウル裏側の凝縮感あるデジタルメーターと相まってフロント周りの軽量化に大きく寄与しているのです」……と開発者の方から聞いてしまえば、スッと腑に落ちるというもの。
●時計にツイントリップ機能も含まれたLCDデジタル式スピードメーター。こちらと小型ヘッドライトを導入することで従来型比で約1㎏に近い軽量化に成功。その他にも徹底的に車体各部の贅肉を削っていく零戦を作るような(?)ウェイトダウン努力によって、排気量を拡大しながら車重を4㎏増のみに抑え込んだのだとか……スゴイ
翌年、「XT250X」が225セローのような角目フェイスで登場したときには、「ああ、精悍な顔はコッチに取っておいたのか(!?)」と、ニヤニヤしてしまいました。
●セローならフロントフェンダー直上に設定されるスタンディングハンドルは廃され、角目一眼ヘッドライトに独自の形状を持つメーターバイザーが組み合わされた「XT250X」のフロントフェイス。光軸の調整もしやすそうですね(^0^)
当のヤマハ自身も大胆に生まれ変わった「セロー250」の船出に少なからず不安を感じていたのか、白と灰の2色展開だったSTDモデルと同時に“20周年記念特別カラー”と銘打った灰と赤のツートーンカラーを用意して販売をテコ入れ!
●STDモデルと同じ2005年4月1日に発売が開始された「セロー250 20周年アニバーサリー スペシャル(3C52)」。専用色のライトイエローイッシュグレーメタリック9は樹脂部分へ、ダルレッドメタリックDの塗装がフューエルタンクへ施されるとともに、ダークレッドアルマイト処理が施されたホイールリムやツートーンシート、ショットブラストベーキング仕上げの「20th Anniversary」ロゴ入りサイレンサーカバー(エキパイカバーも同処理)まで装備。さらに液晶メーターのバックライトもグリーンからレッドに変更を受けており特別感マシマシで所有満足度はバツグン! 走らせずに倉庫へしまい込んでいる人、いませんか〜?
スペシャルと謳いながらも台数の限定はなく、44万円のSTDより数々の豪華な装備を採用しながら2万円ポッキリしか高くない46万円というプライスタグと相まって思惑通りの高い人気を集めることに成功し、今なお街で見かけることの多い初期型「セロー250」のイメージを牽引する色となりました。
翌2006年3月にはSTDモデルが2色とも色変更を受けると同時に、
●2006年3月30日に登場した「セロー250(3C53)」のヤマハブラック……。えっ? 前年のダークグレーメタリックEと何が違うんじゃい!……と見比べてみれば、エキパイ&サイレンサーカバーの艶感が抑えられており(よりマットに)、サイドカバーのYAMAHAロゴもちょいとダーク方向へ……などなど、細かすぎて分かりづらい変更が加えられており、さすがヤマハだと感じ入った次第。あ、諸元同様44万円の価格も変わりませんでした
●こちらも色名だけ見れば前年と同じ「パープリッシュホワイトソリッド1」なのですが、ゴールドリムが採用され、タンクやシート、カウルを流れるラインも鮮やかなグリーンとなって“225”時代を彷彿とさせる色味が復活。上記のSTD2色は2006年だけでなく2007年にも継続して販売され、好調なセールスを記録しました〜
ボディの全体へ上質な塗装を施した「セロー250S」が登場し、STD2色と“S”1色というパターンが定着。
●いやぁ、改めてじっくり眺めるとタメ息が出る美しさですなぁ……。上級モデルとして設定された「セロー250S(3C54)」は専用となる「ブルーイッシュシルバー4(青×銀)」を採用し、46万円という価格で登場
2007年モデルでは“S”だけが色変更を受けるなど、カラーチェンジだけでヒット街道をばく進していくという孝行息子ぶりを遺憾なく発揮していきます。
●2007年3月20日にリリースされた「セロー250S(3C57)」。新色の「イエローイッシュグレーメタリック9」(バイオレット)を採用すると同時にリムもアルマイト塗装……かつエキパイ&サイレンサーカバー、さらにツートーン化されたシートへも高級感あふれる加工が施され、46万円というSTD比+2万円ポッキリという有り難さが2006年版“S”と比べて爆上がり!
しかし、2008年……「セロー250/S」へさらなる約4㎏の車重増加と3馬力もの出力ダウンを受け入れなければならない事態が訪れます。
●あれほど軽くあることへ気をつけていたのに……。一体何が起こってしまったのか!?
そのあたりについては……次回にてお話してまいりましょう!
【セローの愉快な仲間(!?) その6】その3で紹介した「シルクロード」と同じく、仲間……としてしまうと関係各所からキツイお叱りを受けてしまいそうですが、「セロー250」が登場する約1週間前となる2005年3月25日にホンダから発売が開始されたのが写真の「XR230」でした。1997年に新設計エンジンを引っさげてデビューし、打倒「セロー225」に燃えた「SL230」が2004年モデルで終了してしまったタイミングで転生してきた正統派デュアルパーパスモデル。高性能オフローダーの代名詞として絶大な認知度を誇る“XR”ブランドを冠にいただきつつ、「SL230」発祥で「FTR(230)」でも高い定評を得てきたキャブレター仕様の223㏄空冷4スト単気筒OHC2バルブエンジン(最高出力18馬力/7500rpm、最大トルク1.9kgm/6000rpm)を新たに開発されたセミダブルクレードルフレームへ搭載! 悪路走行でも過不足のない足まわりを採用しつつ805㎜というフレンドリーなシート高を実現し、ハンドル切れ角は左右それぞれ51度を確保していました。燃料タンク容量は8.7ℓで60㎞/h定地燃費は40.0㎞/ℓでしたから理論上の満タン航続距離は348㎞ですね。車両重量120㎏(乾燥は111㎏)。価格はレンサル製アルミハンドルバーを標準装備しつつ40万円……。モトクロッサーCRFを彷彿させる攻撃的なスタイリングは好評で毎年のように仕様変更を受けていったのですが、2009年モデルを最後に生産を終了してしまいました。筆者の知り合いもセローと迷ってこちらを購入して大満足していましたから、十分に好敵手たる存在だったと確信……ゆえに紹介させていただいた次第です、ハイ
あ、というわけで「セロー225/250」が牽引したマイルドオフロード(?)ジャンルにおいて、2000年代を通じて切磋琢磨してきたライバルたちは、いずれも熟成極まるキャブレター仕様で高い完成度を誇ります。レッドバロンが提供する『5つ星品質』中古車なら、パーツ供給やアフターサービスの心配はなし! まずは近くにある各店舗で豊富な車両在庫をチェックしてみましょう
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