「イン、ジェク、ション! イン、ジェク、ション!……」と松浦亜弥さんが某社スクーターのテレビCMで連呼して、一躍パンピー……もとい一般人への知名度が爆上がりしたと筆者は信じて疑わないFI(フューエルインジェクション)。エンジンの燃焼室へ送り込まれる混合気をキメ細かく正確に制御するこのシステムなくしてセローいや、バイクの未来は存在しなかったのです! 最新技術はマウンテントレールをどう変えたのか……?
●2008年型ヤマハ「セロー250」の広報写真より。いやホントにこのイメージなんですよね。トコトコとのんびりゆっくり、たまには二輪二足も駆使して山に登り、山を眺める……。そんな楽しみを絶やさず提供し続けるためにもヤマハ開発陣は全力で時代が求める厳しい要求へ応えていきました
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原付スクーターでさえインジェクションが不可欠になった時代……
あやや……こと松浦亜弥さん、本当に可愛らしかったですね。
●会いに行ける可愛い子をコンセプトとしてストーリー性に重きを置いた成長実感型グループばかりが世に溢れていくなか「平成最後のソロアイドル」として駆け抜けていった松浦亜弥さん(イラストはイメージ)。繰り返しますが本当に可愛らしかったですね〜。『Yeah! めっちゃホリディ』は、休みの前日になると例外なく筆者の脳内で激しくリフレインしています。イェイ!
今なお『モーニング娘。'24』を筆頭に数多くの女性アイドルグループを抱える“ハロー!プロジェクト”の一員として2000年代に一世を風靡した女優、歌手、タレントは、2004年発売の「レッツ4」を皮切りに「レッツ4パレット」、「アドレスV50」といった新時代スズキ4スト原付スクーターの広告塔(←言い方)として大活躍されていました。
●ワタクシが昔、働いていた八重洲出版が刊行したヤエスメディアムック904号「懐かしの原付バイク大図鑑・平成編」より松浦亜弥さんが登場したカタログ情報が満載のページ。厳しい排出ガス規制は排気量の大きさに関係なく適用されますから、原付スクーターも2000年代序盤に2ストエンジンは姿を消し、4ストでFI仕様でなければ販売できない状況に……。なお、様々な事情が重なり、2025年には50㏄クラスそのものが消滅する予定です
日本全国津々浦々のバイクショップ店頭に飾られていた赤いフリフリ衣裳を着こなす彼女の等身大パネルやノボリは「インジェクション付なら スズキでしょん。」という史上稀に見る名キャッチコピーとともに、筆者の灰色な大脳皮質へも深く深く刻み込まれております。
●上で紹介した本の表紙がコチラ。広末涼子さんにTRFに鈴木蘭々さんにモーニング娘。にパフィーに井森美幸さんにゴン中山さんに……とにかく数多のタレントが原付スクーターのイメージキャラクターになっていた平成時代。ぜひチェックを!
……って、何の話でしたっけ?
あ、そうそう、燃料噴射装置ことフューエルインジェクション(以下FI)でした。
“レベチ”な厳しさに驚かされた平成18年度排出ガス規制……
FIがどういうものかについては、不肖オガワが尊敬しているライター谷田貝 洋暁さんの解説されたForR記事(コチラ)を熟読していただきたいのですが、良くも悪くも大ざっぱでどんぶり勘定な部分が避けられないアナログな気化器……キャブレターとは違い、コンピュータがあらゆる走行条件に応じて演算し、きっちりデジタルに理想的な燃料(ガソリン)の量を噴射できるというのがFIの大きなメリットなんですね。
もちろんデメリットもありまして、燃料を圧送するための電磁ポンプや、それを制御するためのコンピュータ(ECU=Electronic Control Unit)などが必須ですので重たくなるし、少なくないコストだって上乗せされます。
●「WR250Rのタンク内部の様子。負圧や自重落下で燃料供給を行うキャブレターと違い、FIはポンプなど電気を使う。これが押しがけをしにくくしている」(上リンク先ForR記事内より抜粋)
じゃあ、なぜそんなものをクルマに続いてバイクにまで装着しなければならなくなったのか……?
それは超ハイパーウルトラ☆ヒッジョ~にキビシ~ッ(by財津一郎さん)! “平成18年度排出ガス規制”が存在したからなのですね。
平成18年といったら西暦でいうと2006年……。
●ちなみに2006年の日本興行収入1位の映画は『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(110.0億円)。当コラムでおなじみ示準映画であるジブリ作品でいうと『ゲド戦記』で4位……
ここで前回【その6】の2005年よもやま話でチラリと触れた京都議定書の発効が伏線になったのではないかと筆者は考えているのです。
国の威信をかけた温暖化ガス削減プロジェクトの影響が〜〜〜!?
京都議定書とは1997年に京都市で開かれたCOP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)で採択された国際条約のことで、日本は議長国だったメンツもあり、「ウチは地球温暖化の原因となる温室効果ガスを指標となる1990年に比べて6%削減することを目指したらぁ!」と宣言。
第一約束期間(2008~2012年)において、その厳しい目標を達成するためには国民全員の協力が必要……とチーム・マイナス6%と銘打ち「冷房は28℃、暖房は20℃に!」、「クールビズ!」などなど、う〜ん、なんだかなぁ……と、ちょいと圧を感じるキャンペーンが大々的に張られたことを覚えてらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
●本当に今年の猛暑や巨大台風を体験すると、地球温暖化は真剣にならざるを得ない問題だとは思いますが、超大国が我関せずといった態度だったり、途上国に温室効果ガスの削減目標が設けられなかったり、排出枠をお金で売買するといった「?」な話を聞いてしまうとなんだかなぁ……という感想も出てきてしまいます
かくいう国際的なお約束が発効……つまりスタートしたのが2005年で、3年後の2008年からは指標となる1990年比で具体的な温暖化ガス排出量の数値計上も始まってしまう。
このマイナス6%というのはなかなかに実現が難しい数値で、そちらへ少しでも寄与するであろう分野を総ざらいした結果、見つかってしまった(?)のがバイクの排出ガス……だという説を当時、小耳に挟みました。
●2008年型ヤマハ「セロー250」の広報写真より。美しい自然を後世へ残すために考えるべきことは山ほどありますね。さて、突然二輪車へ厳しい規制がかけられることになった平成18年度排出ガス規制。京都議定書メンツがリアルにあったかどうかはともかく、公式には平成15(2003)年にまとめられた「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について(第六次報告)」に基づくものであったとされています。興味のある方はご一読いただきたいのですけれど、規制をかける側の人々が「小っちゃいバイクでクルマ並みの規制値を達成するのは大変だよね〜、わかる〜。でも数年でやって(反論は認めん)!」と言ってるようにしか筆者には理解できず(^^ゞ
初めて二輪への排出ガス規制が行われた平成10(1998)年度排出ガス規制では「NSR250R」ほかの2ストレーサーレプリカやスポーツモデル群が軒並み姿を消していったのですけれど、平成18(2006)年度排出ガス規制では京都議定書のメンツも加味されたか(?)、にわかに信じられないくらい厳しい数値が定められたのです。
排出ガス規制ではCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)の量が測定されるのですが、平成10(1998)年規制での4ストロークエンジンCO値は13.0(g/km ※以下同)だったのにそれがなんと2.0へ!
13.0が12.0に……ではありません、2.0ですよ!!
同様にHC値は2.0→0.3に。NOx値は0.3→0.15という、開発者が思わず「ウソッ!」と叫んで卒倒しかねないほど厳しいレベルの規制値が提示されたのです(さらにハードルを高くした測定方法の変更などについては、以前こちらでまとめましたのでご一読を)。
おかげで「XJR400R」や「ゼファーχ」といった空冷スポーツは軒並み生産終了の憂き目となり、その他キャブレターモデルも続々と姿を消していって2000年代の中盤、各メーカーのラインアップがガッタガタのスッカスカになる時代が到来しました。
●2007年モデルが最終型となったヤマハ「XJR400R」。ここで何度も書いてますがモーターサイクリスト誌で国産車アルバム企画を担当していた筆者は当時、とんでもない数の生産終了車ハリケーンに翻弄されっぱなしでした。台割(本作りの設計図)が作れんやんけ!と。 駄菓子菓子、今となってはそれも良い経験だった……のかな?
ちなみにヤリ玉に挙げられたCOは単体だと温室効果をもたらす力は弱いのですが、大気中で起こる酸化反応や消滅反応で温暖化を引き起こす成分濃度を上昇させるため、間接的に地球温暖化へ関わっているとか……。
そんな説明を聞かされても個人的には「クルマや船舶、航空機(&軍事作戦)などが排出する温室効果ガスの量に比べれば圧倒的に少ないはずのバイクに、こんな厳しい規制が必要なの?」という疑念は拭えませんでしたね……。
●とまぁ、ここまで少々ネガなことを書き連ねてしまいましたが、キャブレターからFIへの過渡期を乗り越え、世界一と言っても過言ではない厳しい排出ガス規制値へ対応できるようになった膨大なノウハウは、国内4メーカーやパーツサプライメーカーにとって絶大な財産となった面も否定できません。壊滅的な打撃を受けた250/400㏄クラスも2008年型カワサキ「ニンジャ250R」(写真)の大ヒットから失地を回復していき、今では超高回転型並列4気筒モデルまで堂々とラインアップできるようになりました。ちなみに令和2(2020)年排出ガス規制値はCO=1.00、HC=0.10、NOx=0.06ですからね。それらをクリアしつつ1万7000回転以上ブンブンに回せる(ニンジャZX-25Rの場合。ラムエア加圧時は49馬力を発揮!)バイクが市販できているのですよ……
前もっての入念な準備を感じさせた「セロー250」のFI化!
さて、「こんなこともあろうかと」と宇宙戦艦ヤマトの真田志郎さん並みにかくいう事態も織り込んで250㏄新エンジン化を完了していたヤマハ開発陣は、平成18(2006)年度排出ガス規制の猶予期間が終わるタイミングとなる2008年、その1月に「セロー250」のFI化を果たしたモデルを登場させます。
しかも、全体の完成度をさらに上げていく小変更も山盛りマシマシにしていたことには、不肖オガワ改めて脱帽いたしました……。
●ハイ、こちらが2008年型「セロー250(3C56)」のパープリッシュホワイトソリッド1ですね。色名こそ「白!」ですが、白×緑と呼んでもいい森に溶け込むセローらしいカラーリング。ここで主要諸元をしっかり紹介しておくと249㏄空冷4スト単気筒OHC2バルブエンジンは最高出力18馬力/7500rpm、最大トルク1.9kgm/6500rpm。燃料タンク容量9.6ℓ、60㎞/h定地燃費は40.0㎞/ℓでしたから理論上の満タン航続距離は384㎞となりますね。シート高810㎜、車両重量130(乾燥重量119)㎏。ハンドル切れ角はもちろん左右それぞれ51度で最小回転半径は1.9m。価格は47万円(繰り返しますが税抜きです)となりました
まず外観はほぼほぼ変化なし。
よ~く従来型と比較すれば、高熱時に排出ガスの有害物質を除去する三元触媒を新規導入したマフラーに対応して、エキパイ&サイレンサー部分ともにカバー形状を少し変更していることくらい。
●STDのもう一色、ヒートレッド(通称:白×赤)のFI「セロー250」。シート高を810㎜に抑えつつ、最低地上高は285㎜を確保するという卓越したレイアウト設計が光ります。リヤ18インチチューブレスタイヤ、軽量かつ低重心設計がなされたアルミシリンダー採用のリヤサスペンション、電磁式スピードセンサー、放熱性に優れたアルミメッキシリンダーなどは従来型から継続しており、コストをかけるべきところとかけないところのせめぎ合いもまた見事でした。2008年当時は消費税が5%でしたので、STDはそちらを上乗せしても49万3500円……、まだギリギリ40万円台に押し留まっていたんだ〜(遠い目)
樹脂パーツやシートなどに隠された中身にこそ大変革が詰め込まれていたのです。
●ライトイエローイッシュグレーメタリック9……カタログにはしっかりゴールドと併記されていた(どう見ても灰ではないですよねぇ……ヤマハは色名もこだわりすぎ!?)車体色をまとう「セロー250S(3C5C)」。マフラーカバーなどにもゴールド塗装を導入しつつ専用色のツートーンシートも採用し、STDより2万円高の49万円で発売が開始されました。ともすれば下品になりがちな金色を、グゥの音も出ないほど品よく身にまとっておられますなぁ……こちらも筆者は路上で見かけた記憶ナシ。オーナーさん、投資対象としてタンス……いや納屋にしまい込んでいませんか(金の価値は上がり続けるのが常なので、ある意味正しい……涙)?
霧吹きよろしくガソリンを細かい粒子にしてインジェクターから射出させるためには、燃料へ高い圧力をかけるための電磁ポンプが必要不可欠。
そちらが新たに内蔵されたため、燃料タンク容量は9.8ℓから9.6ℓへと減少しております。
キャブレターの代わりにインジェクターを装着するのに合わせ、エンジンの吸気ポートほか各部形状へも変更を加える……という重箱の隅をつつくような改良が施されました。
●同型エンジンを積む2008年型「トリッカーXG250(5XT)」広報写真より。青いカプラーが取り付けられている装置がインジェクターですね。もともとキャブレターが装着されていたスペースへシンデレラフィットするように先行して開発されていたことは間違いのないところ。とはいえキャブからFIへ移行過渡期の第一号製品です。従来型に比べてカタログスペック上はパワーもトルクも定地燃費も下がってしまいましたが、ここからFIシステムはドンドン磨きをかけられていくのです!
どうせやるなら!とシフトフィーリングの向上やメカノイズ低減、さらにはオイルの劣化や消費を抑える数々の工夫すらついでに……いや、新たに盛り込まれたと関係者から聞いた記憶がございます。
コンピュータ、つまりECUも限られたフレーム内スペースをやりくりして挿入……。
さすがにそれで終わりでしょ、と思いきやフロントフォークアウターチューブの仕様変更により、ハンドリングに寄与するフロントアクスルのオフセット量やトレール量も細かく微調整してくるとはッ!
●シルバーに輝くフロントフォークのアウターチューブとフロントアクスルシャフトとの位置関係を見直してキャスター角を従来型の26°20′から26°40′へ変更し、トレール量は100㎜→105㎜へ……。つまり教科書的な評価をすれば直進安定性を高める方向へ調整されているんですね(操縦安定性には様々な要因が絡むので一概には言えないのですけれど)。高速道路巡航も若干ですが楽になるというものです。また、純正タイヤの構造とコンパウンドも見直され、セローの美点でもある“快感ハンドリング”がトータルでレベルアップいたしました!
若干重たく非力になってもセローは変わらずセローのまんま!
後日、ヤマハから広報車を借り出してツーリング取材に趣いたときは感動しましたね~。
キャブレター仕様の従来モデルから比べ、カタログ数値上は車両重量が4㎏増加していたのですけれど、取り回しでは全くそちらのネガを感じられません。
心配だったのは動力性能……。
なんと排ガス規制対策済みのエンジン、最高出力は21馬力から3馬力もダウンして18馬力に。最大トルクも2.14㎏mから1.9㎏mとなっていましたからね。
●深い意味があるのか単なる偶然?なのか……。初代“225”が登場した1985年から“250”が終焉を迎えた2020年まで35年間に及ぶ長い長いバイクライフのなかでタンク(カバー)部分に一度もYAMAHAロゴや音叉マークを配さなかったセロー(TWでさえ225時代は音叉マークを採用した年があるのに!)。文字のフォントや色遣いなどはコロコロ変わっても、タンク(カバー)部分には必ずヒマラヤカモシカのイラストとSEROWというモデル名が……。これはコンセプトが全くブレなかったひとつの証左だと私は思ってます
カタログ数値だけを見れば“225”時代に逆戻りしたような印象を受けました。
●1985年型「セロー225」の223㏄空冷4スト単気筒OHC2バルブエンジンは、最高出力20馬力/8000rpm、最大トルク1.9kgm/7000rpm。まぁ、この頃は排ガス規制の「は」の字すらなかった時代ですから……
狂乱の1980年代バイクブームに踊らされまくった元“スペック至上主義ヤロウ”としては「パワーダウンなんてけしからん! 21馬力から3馬力も減るって……マトモに走るのかいな?」と思いつつセル一発でエンジンを始動させてギヤを1速に入れ、軽い操作感のクラッチをつないでみれば……「おおっ! これぞ正しくセローではないか!」と快哉を叫んでしましましたね~。
なんというかエンジンの欲しがっている混合気が、過不足なくしっかり送り込まれている感じ。
●スロットル開度へリニアに反応するアクセレレーションは開発陣が一番こだわったところだとか。低回転域から発生する頼もしいトルクはお見事でありました〜
極低速域から市街地ラン、そして高速道路巡航に至るまで必要にして十分なパフォーマンス。
ハイウェイの加速車線でフル加速したときだけは、「ん? 若干パワーが薄いかな……?」と感じた記憶がございますが、それ以外の領域だと逆にトルク感が増しているような印象まで!
●2008年型「セロー250」広報写真より。このアングルだとツートーンシートの美しさが際立ちますね。そしてスタンディングポジションを取ってもふくらはぎ部分がスッと車体に寄り添うよう計算し尽くされたサイドカバーとフレーム形状……。そのあたりの徹底したこだわりは「テネレ700」へも脈々と受け継がれており、開発ストーリーで熱く語られております!
もとより最高出力がどうこうというモデルではないためユーザーの混乱はあまりなく、STDと“S”ともども3万円の価格上昇も含めて、すぐにFI版「セロー250」は受け入れられていった感がありました。
メカニズム的なバージョンアップを経てセローの歩みは続く……
厳しい排ガス規制を乗り越えて再びトコトコ走り出した「セロー250」は2010年モデルで色変更。
●2010年型「セロー250(3C5S)」のパープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト×ブロンズ)。こちらの写真では分かりづらいですが赤く見える部分に地図の等高線がモチーフとして描かれているのですよ! もう、いちいちカッコいいヤマハの真骨頂……。あ、この2010年モデルから上級バージョンとして用意されていた“S”が設定されなくなりました。仕様諸元、価格とも2008年モデルから変更はございません
●2010年型「セロー250(3C5S)」のパープリッシュホワイトソリッド1……ってオイ!上で紹介しているモデルと同じ色名ではあ〜りませんか。というわけで、こちらには(ホワイト×グリーン)という注釈が付けられております。等高線モチーフも同様……。ゴールドホイールではなくなったせいで、ちょっぴり地味化したかな!? あ、こちらの2色は2010年1月15日から発売されました
●2010年7月1日からリリースされたのが「セロー250 25周年記念スペシャル(3C5S)」(英語表記だとSEROW250 25th Anniversary Special ですね)。木の葉や枝を3Dイメージにした「Realtree® AP HD™」という「ジョーダン・アウトドアーズ・エンタープライズ」(米国)の商標パターンを採用。塗装ではないので、車両ごとに模様が異なるというツウな仕様でした(仲間内ではミノムシくん、と呼んでいたことはナイショです)
●水圧転写で施されたリアルツリーパターンが実に美しい……。ホワイトのシートステッチも専用装備! こちら2010年11月末までの受注期間限定モデルで価格は49万5000円でした。全身カモフラ柄のオーナーとともに森の中へ入ると存在が見えなくなってしまいそうな……(^^ゞ
2012年にはちょいと大きな出来事がありましたので、次回はそちらから語ることといたしましょう。
●2008年型「セロー250」カタログに同封されていたワイズギアオプショナルパーツのチラシ。はいこれ、次回の伏線です(笑)
【セローの愉快な仲間 その7】セロー、XT250Xとだんご……いや断固(?)三兄弟の「tricker XG250(5XT8)」も2008年モデルにてFI化を完了(FIセローと同じく2008年1月30日に発売開始。あ、写真は2010年モデルとなりますのでご了承のほどを……)。さて、トリッカーはセローと同じエンジンですので18馬力/1.9㎏mというパフォーマンスも同等。車体側の細かいリセッティングもセロー同様に行われました。しか〜し! 大きく異なったのがトリッカーはシートと燃料タンクの形状を変えてきたこと! やはり割り切りまくった初代の性能ではツーリング用途も考えたいオーナーに支持を得られなかったからなのか……。座面のスポンジはマシマシとなって790㎜だったシート高が810㎜へ。「6ℓじゃ少なすぎるよぉ」との声に応えたのか燃料タンクは一気に1.2ℓも増量されて7.2ℓ化! 電磁ポンプを新たに内蔵しての容量アップですからタンクが肥大して、さぞかし不格好になったんだろうなぁ……と思いきや、言われなければ20%もガソリンを詰め込める量が増えたとは思えないスタイリングのまとまりっぷりよ〜。車両重量120㎏(乾燥で111㎏)だったウエイトこそ車両重量125㎏(乾燥で117㎏)となってしまいましたが、いやいや十二分に許容レベルでしょう。まあSTDで39万9000円だった価格が43万6000円になってしまったのは、ちょいと残念でしたが……(ちなみにカラーリングにこだわった上級バージョンの“S”は42万1000円→45万6000円。ただし2010年モデルから設定されないようになりました。ちなみに2014年モデルからのSTDトリッカーは39万6000円に値下げ!)。「フリーライドプレイバイク」という新ジャンルを提案しつつ、ユーザーからの要望にも真摯に応えた「トリッカーXG250/S」は、紆余曲折を経ながらも最終型となった2018年発売モデルまで輝きを放ち続けたのです!
あ、というわけで「セロー250」はキャブレター仕様を狙うか、FI化してからのモデルを狙うかでも楽しく悩むことができます。レッドバロンが提供する『5つ星品質』中古車なら、例えキャブ版でもメンテや修理に必要なパーツを心配する必要はナシ! 安心してセローライフをスタートできますヨ。まずは近くにある各店舗で車両の在庫チェックを~!
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