昭和のお宝バイクがなぜそこに!?
これもギャップ萌えというのでしょうか。美しいお花に囲まれた可愛らしいお花屋さんに、バイク好きならたまらない昭和のムードかおるレーサーレプリカ。なぜなのか!? どうして、こうなったのか? 店内に入ると、ますますギモンがイッパイ。静岡県静岡市駿河区にある『フローラルアートピュール』です。
こんにちは、青木タカオです。取材先で見つけた、足を運ぶのが楽しみな場所をこちらForRでご紹介させていただいておりますが、前回の「2ストレプリカファン垂涎! ビートKR310&VT250F限定車など腰を抜かす昭和の名車に出会えるかも!?」に続く後編となります。
『フローラルアートピュール』の店先には、バイクが置いてあることが多く、それがまたマニア垂涎の名車だったりするのです。
最初のうちはチラッと見つつ素通りしていましたが、店主の森川さんがいらっしゃるときはお声がけして見せていただき、少しずつ言葉を交わすようになり、最近ではバイク談義に花を咲かせるようになりました。
そして、先日ここでご紹介したのが、ホンダ『VT250F インテグラ特別仕様車ウイングスペシャルエディション』(1985年)と、カワサキ『KR250』(1984年発売)にBEET(ビート)のフルカウルやシートカウル、チャンバーやボアアップキットなどレーシングパーツをふんだんに盛り込んだコンプリートカスタム『BEET KR310』です。
まるで博物館じゃないかっ!!
最初に言っておきますが、普段はお仕事が忙しく、これを読んだからといって「バイクを見せてください」と押しかけたりしてはいけません。この日はたまたまお時間があり、ボクの話し相手になってくださいました。
「他にもいつも、いろいろなバイクが置いてありますよね?」
森川さんにそう切り出してみると、「はい、中にもありますよ」とお招きしていただいた店内に、ボクはまた驚愕したのでした。
お花屋さんなので、キレイなお花がイッパイなのは当たり前ですが、その一角を2台のバイクが占拠しているではありませんか!
カワサキ『250SS』初期型MACH-1(マッハワン)、そして『Z400FX』(E1タイガー/1979年)が並んでいるのです!!
お店の前で見たことがありましたので、所有なさっていることは知っていましたが、まさかお花屋さんのスペース内に置かれているとはっ!! こんなお花屋さんは、見たことがありません。
「ステキすぎます!!」
最高出力32PSを発揮する空冷2サイクル3気筒249ccを搭載する『250SS』(型式名S1)は1972年2月に発売。車体の基本構成は兄貴分の350と共通で、丸みを帯びた燃料タンクにはレインボーカラーがあしらわれ、右2本/左1本の非対称マフラーやエンド部が跳ね上がるロングシート、大きなテールカウルを装備します。
カワサキのマッハシリーズは北米/欧州向けに1968年から生産がスタートし、初代『500SS マッハⅢ H1』はプレス処理によるへこみ(エグリと呼ばれる)が加えられた燃料タンクを採用。国内では1969年9月に発売されました。
『350SS マッハⅡ』(S2)が1971年に登場し、翌72年に『250SS マッハⅠ』(S1)とシリーズ化。74年には『750SS マッハⅣ』(H2)もリリースされ、カワサキ2サイクル3気筒マシンのラインナップが充実していきます。
『Z400FX』は1979年に発売。ホンダ『CB400FOUR』が1977年に姿を消して以来、400ccクラスに4気筒モデルはなくファン待望のデビューでした。直線基調の大柄な車体に、最高出力43PSを発揮するエンジンを積む「フェックス」は大ヒット。
初期型E1はファイアクラッカーレッド、メタリッククリスタルシルバー、そしてエボニー(タイガーカラー)の3色展開でしたが、販売開始のわずか2ヶ月後にはエボニーを赤×青の細ラインに変更しています。イエローとゴールドラインのタイガーカラーは超レアなのです!!
みんな夢中になった上下2画面!!
お宝なのは、この2台だけではありません。まわりを見渡すと、懐かしの昭和のゲーム機などが所狭しと飾られているではありませんか。
間違いなく年代物でしょう。真ん中のカメラは「MAMIYA(マミヤ)」で、左右はもうヴィンテージ過ぎてさっぱりわかりません。
その下には登場時、ダビングできることに大感激したダブルデッキラジカセがありました。いずれも素人すぎて、ボクにはさっぱりわかりません。
ブラウン管テレビは「SONY」製と記してあります。アナログの時計は、子どもの頃に見たことがあるようなオーソドックスなカタチです。
ナショナル製のレコードプレーヤーは家具のように大きく、その装いからして間違いなくヴィンテージでしょう。スピーカーやアンプも一体式になっているのかと思われます。
ボクでもわかったのが、発売当時に持っていた任天堂ゲーム&ウォッチ『ドンキーコング』です。上下2画面、折りたたみ式。ファミコンがまだ発売される前、『ポパイ』や『オクトパス』などとともに、小学生低学年のボクがどれほどコイツに夢中になったことか。
なんと森川さん、ご親切にも程がある。電源を入れていただき、プレイすることを許されたのでした。エンドレスでやりまくり、当時はかなりの凄腕だった(はずの)ボクですが、一面もクリアすることができずゲームオーバー。とても懐かしく、そして嬉しい気分になるのでした。
フォノシートやソノシートを覚えていますでしょうか? ボクは久々に見ました。
というわけで、いかがでしたでしょうか。昭和のバイク乗りにとっては、夢のようなお花屋さん。おそらく日本でかなり珍しく、そのうちテレビなんかでも取材されたりするのではないでしょうか。一見の価値ありです。
ですが、再三にわたって申し上げますが、お花屋さんの業務をくれぐれも邪魔しないようにしないでくださいね。最後にそんな注意事項をひとつだけ言っておしまいにします。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。