T.O.Tの怪物だ!
こんにちは青木タカオです。最近、ハーレーダビッドソン「X500」を購入し、筑波サーキットにてスポーツライディングを楽しんでいるという話をしたのが前回。今回はそこで見た超弩級を紹介したいと思います。
ワールドスーパーバイクや全日本選手権、鈴鹿8耐などで活躍した加賀山就臣(かがやま ゆきお)氏が代表を務めるTeam KAGAYAMA(チーム加賀山)のマシンです。
全日本ロードレース選手権では「DUCATI Team KAGAYAMA」として代表監督も務める一方で、“日本一熱い草レース”と呼ばれるテイスト・オブ・ツクバ(T.O.T)のトップカテゴリーである「ハーキュリーズ」クラスにもチーム加賀山は参戦し続けています。
鉄フレームにシャーシーを限定して競われるT.O.T。2021年秋のレースでは、スズキ・カタナの車体のGSX-R1000のエンジンを積む「KATANA 1000R」にて、コースレコードを出して優勝するなどファンを魅了してやみません。
ハーキュリーズ=HERCULESは、ギリシャ神話に登場するヘラクレスを意味するそうで、キャブレター仕様+リヤ2本サスのクラス。「KATANA 1000R」での57秒786のレコードタイムは、最新のスーパースポーツ・リッタークラスSTD車で競われるST1000クラスでもポイント圏内に食い込めるほどで、鉄フレームでしか参戦できないというレギュレーションの中で、非常に高いレベルでレースが行われていることがわかります。
そしてボクが今回、目の当たりにすることができたのが、2022年からT.O.Tを走っているテツブサ。レースレギュレーションに合わせて、フレームをアルミからスチールパイプに置き換えた車体が迫力満点です。
ボクが見た数日後となる、5月11日(日)におこなわれた決勝レースでは、58秒363のタイムで惜しくも表彰台を逃す4位。練習走行を見学させていただきましたが、速いのなんのって驚異的な世界で、そりゃお客さんで筑波サーキットが溢れかえるのもうなづけます。
多くの出会いに感謝
筑波サーキットへ行くと、先輩ライダーたちがいろいろとアドバイスをくださったり、相談できる人たちに巡り合うことができました。
サーキット走行会の講習会でインストラクターを務めるなど、筑波マイスターであるエキスパートライダーの上田隆仁さんはボクが走っているのを見て、いつもワンポイントアドバイスをくださり、とても参考になっています。
上の写真は2024年4月、筑波ツーリスト・トロフィー in APRILで撮らせていただいたもの。この時から少しずつお話しさせていただいています。
レースの世界、サーキットでずっとバイクに乗ってきた上田さんは、凄腕なのはもちろん、誰からも慕われており、いつも人が集まってきます。
X500での走行後、T.O.Tのマシンが気になっているボクを見て、「ピットへ一緒に参りましょうか」とお声をかけてくださるのでした。
そして、T.O.Tの決勝を直前に控えたライダーやレース関係者と次々に挨拶を交わし、ついにはテツブサのあるTeam KAGAYAMAのピットへボクを導いてくれるのでした。
ワクワク&ドキドキ。
そして、加賀山選手にボクが写真を撮って話を聞きたいと言ってくださるではありませんか!
もちろんバイク専門誌の取材などを通じて、何度か加賀山選手に話を伺ったことはありますが、それは取材を通じてのこと。
「調子はどうですか?」と、上田さんが自然な流れで話し始めるのに混ざって、ボクもお二人の会話に加わってしまっています。
うぉー、マシンのことを説明してくださったりし、夢のような時間ではありませんか!!
サーキット女子が仲間入り
ボクたちウィズハーレーの仲間たちで「X500」や「X350」を走らせていると、仲間に入ってくださったのがポポさんです。
ハーレーダビッドソンの「XL1200X フォーティーエイト」を愛車にし、なんとサーキットも走るアクティブなバイク女子。
筑波ツーリスト・トロフィー in APRILの取材からお話させていただくようになり、イベントでは「ウィズハーレー・トークステージ」に一緒に登壇していただくなどし、ボクたちの活動をお手伝いしてくださる強力なメンバーとなってくださいました。
そして「わたしもX350で走りたい!」と決意し、ご自身で購入することに。X350を手に入れると、即サーキットデビューを果たし、アスリート出身だったこともあり、初走行から人並外れた走りを披露。
わずか数回の練習で、排気量の上回る「X500」で走るボクと、タイムはもう変わりませんから、今後はあっという間に雲の上の存在となっていくでしょう。ボクたちの期待のホープです。
練習走行は誰よりもポポさんが熱心で、まさに“サーキット女子”。この日も好タイムを次々に叩き出していました。
神対応に感謝!!
加賀山さんと上田さん、ものすごいレジェンドライダーたちに挟まれつつ話を伺っていると、「取材なら写真もどうぞ」と嬉しいお言葉が。レース前で、それどころじゃないはずの加賀山選手ですが、とにかく誰にでも優しいのです。
ファンサービスもまた神対応なのは存じ上げておりますが、どんな時もそれは嘘ではありません。すかさずボクは記者魂と言いますか、こうしたメディアで映えるよう「ポポさん一緒に入って!」とお願いしました。
内心、ボクも一緒に撮りたいと思いましたが、そこは裏方に徹してグッと我慢。そしてゲットしたのが、加賀山選手とポポさんの写真です。
やったー!!
じつは上田さんの写真を撮った2024年春のレース時にも、ボクは加賀山さんを取材し、お話を聞いていました。ハーレーダビッドソン博多の武田隆司さんがパンアメリカ1250をベースにロードレーサーをつくって参戦した模様を取材していたときです。
このときは、前後17インチのサーキット仕様にしたパンアメリカに跨ったところも写真に撮らせていただきました。この時もまた加賀山選手は神対応。感激したことをよく覚えています。
ボクたちの憧れ&エース
筑波ツーリスト・トロフィー in APRILでは、ハーレーダビッドソンジャパンの宮中洋樹さんが「X350」にて、NT2(Normal Twin 1)クラスに参戦しました。
宮中さんはきっと近い将来、鈴鹿8耐にも参戦するでしょう。名門チームであるライダーズサロン横浜(RSY)に所属し、CBR250RR(MC51)でJP250 筑波ロードレース選手権(2023年)の栄えある年間チャンピオンに輝いたエキスパートライダーです。
今シーズン(2025年)はCBR250RRで筑波マイスター250、そしてX350でMAX10Jrに「ウィズハーレーレーシング」のエースライダーとして出場中。マシンづくりなどで、さまざまアドバイスを宮中さんにもいただいています。
4月に参戦したMCFAJ ロードレース第1戦 MAX10Jrでは、さすがの強さを見せつけて優勝を飾っていますが、その話はもう少し先にしますので、どうかお楽しみに。
筑波サーキットでは、テツブサの他にもT.O.Tのモンスターたちを目の当たりにしているのですが、長くなったので今回はココまで。次回以降もどうぞお楽しみに! 今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。