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日本維新の会が与党となってから初めての総会
12月9日(火)、日本維新の会オートバイ議員連盟が、我々メディアも招いての総会を開催した。当議連にとっては、自民党・高市政権との連立政権で与党となってから初めて開催される総会となった。

▲日本維新の会オートバイ議員連盟会長の馬場伸幸 氏。「二輪業界の皆さんの意見をストレートに受け止めて頂き、ストレートな予算付けというのをぜひお願いしたい。かねてから要望頂いている高速道路料金問題や二輪駐車場問題が一歩でも進めるように我々も頑張っていきたい」
なお、日本維新の会のオートバイ議連は決して歴史の浅いものではない。オートバイ国家戦略(二輪車産業政策ロードマップの基)やオートバイ行政推進一括法を提唱した松浪健太議員(元自民党オートバイ議連事務局長)が日本維新の会に参加したのち2013年に設立されたもので、松浪氏自ら会長を務めていた頃からその活動を一度も止めることなく現在へと至っている。

▲政治の場でバイクの諸問題を解決するという流れをつくった政治家、松浪健太氏(2016年撮影)
現在の会長は、衆議院議員(大阪17区)の馬場伸幸(ばば のぶゆき)氏で、事務局長を参議院議員(全国比例)の石井めぐみ氏が務めている。石井氏は今回、総会の司会進行も担当した。

▲司会進行を担当した日本維新の会オートバイ議員連盟事務局長の石井めぐみ 氏
なお、今回総会に参加したその他の議員はこちらとなる。
井上英孝 氏(衆議院議員・大阪1区)
池下 卓 氏(衆議院議員・大阪10区)
空本誠喜 氏(衆議院議員・広島4区)
髙橋英明 氏(衆議院議員・比例北関東(埼玉2区)
青島健太 氏(参議院議員・全国比例)
柴田 巧 氏(参議院議員・全国比例)
岡崎 太 氏(参議院議員・大阪)
上野ほたる 氏(参議院議員・全国比例)
元プロ野球選手で解説者、スポーツキャスターなどでテレビに出演していた青島健太氏も出席、発言されていた。
二輪業界団体から議員連盟への要望活動とは?

▲法律の改正や制定で解決できることは国会議員に動いてもらうしかない
オートバイ議員連盟は国会議員による任意団体で、国内の二輪車利用環境や市場に関する課題改善を目的に与野党で結成されてきた。自民党、公明党、日本維新の会ほか、かつては民主党(当時)にもオートバイ議連が設置され、数ある議連の中でも活発に活動し成果も上げている。
改善すべき課題の要因が法規制にある場合は、国民の代表である国会議員が法律の制定や改正を行う以外に解決の方法はないのだから、国会議員への要望や陳情活動(ロビー活動)はとても重要な手段となる。
今回の総会も、全国オートバイ協同組合連合会(略称:AJ)、一般社団法人日本自動車工業会(略称:自工会、JAMA)、一般社団法人全国二輪車用品連合会(略称JMCA)らが参加し、維新の国会議員らに現状の課題と要望を伝え、その課題に関して所管する中央省庁(国土交通省、経済産業省、警察庁)が答弁し、議員を交えて質疑や意見交換をするという流れで行われた。
二輪業界団体からの2つの大きな要望
業界を代表して要望を行ったのは、AJと自工会の2団体。それぞれが別々に要望書を提出したが、AJは高速道路料金問題と駐車問題の2つをメインに、自工会は高速道路料金問題に焦点を絞っていた。
AJの要望事項(要約)

▲AJの要望内容を説明した石井 大 事務局長
1. 二輪車の高速道路利用
①高速・有料道路における二輪車通行料金の独立・適正化
軽自動車と同じ区分、同じ料金とされている現状に対して、軽自動車と自動二輪車の料金区分を独立し、その料金は普通車の半額にしてほしい。
②ETC車載機購入に関する助成金の支給
高速道路はETCの利用が必須となりつつある。令和8年度も二輪車ETC車載機の購入助成実施をお願いしたい。
2. 二輪車の駐車場確保と現実的な取り締まり
東京都では保有台数あたりの二輪車駐車場はクルマに比べて1/7ほどしかない。都市部の二輪車駐車場の附置義務条例制定を働きかけてほしい。路外に駐車場所を確保できない駐車規制路線では「二輪車を除く」対象路線を導入してほしい。

▲AJ事務局が作成した資料「東京都の駐車場設置状況 四輪車(自家用車)VS二輪車(原付含む) ※2024年7月23日時点」◇出典:AJ配布「二輪車の高速道路の利用に関する要望書」3Pより引用
また、2022年3月に警察庁から都道府県警察に出された通達に基づき、駐車場整備に向けた働きかけ推進、二輪車に配慮した駐車規制の見直し推進、道路管理者らとの連携協力、現状・現実を踏まえた取締りに留意頂きたい。
自工会の要望事項(要約)

▲自工会の要望を説明した飛田淳司 氏(本田技研工業株式会社)
1. 二輪車高速料金 ETC定率割引に対する要望
自工会は定率割引利用者(1,236名)への調査結果データをもとに2点の改善要望を説明。
①定率割引の対象を土日祝日だけでなく平日も加えてほしい
調査結果から、定率割引を利用したことがない理由の1位(44.4%)、定率割引の気になるポイントの1位(29.3%)と最も気になるポイントの1位(14.7%)に「土日/祝日限定で、平日が利用できないから」が挙げられている。
また、定率割引の改善ポイントについて聞いた質問でも、利用したくなる要件について「土日/祝日限定ではなく、平日も利用できるようになったら」が2位(46.8%)、最も利用したくなる要件についても同回答が2位(17.9%)に挙がっていた。
②一走行あたり80km以上という走行距離の制約を撤廃してほしい
調査結果から、定率割引を利用したことがない理由の2位(40.4%)に「走行距離が80Km以上になるかの確認が面倒だから」とあり、さらに定率割引の気になるポイントの2位(26.0%)と最も気になるポイントの3位(9.8%)に「一走行につき80km超の距離条件が厳しいこと」が挙げられていた。

▲定率割引の制度要件について改善が多く望まれたポイントを示した表 ◇出典:自工会配付「二輪車 高速料金 ETC定率割引に対する要望」より引用
また、定率割引の改善ポイントについて聞いた質問でも、利用したくなる要件について「一走行につき80km超の距離条件が緩和されたら」が3位(40.3%)、最も利用したくなる要件についても同回答が6位(8.5%)に挙がっていた。
距離条件について何kmだったらよいのかを聞いた質問で最も多かったのは「一走行につき、50km以上」(52.2%)だった。

▲一走行の距離についての回答部をまとめた表 ◇出典:自工会配付「二輪車 高速料金 ETC定率割引に対する要望」より引用
バイクの問題を政治の場で国民の問題にする必要性

▲AJの会長として挨拶を行う大村直幸 氏。「オートバイは、その存在は広く知られているがルールその他に関しては見放されてきた乗り物。10月には50ccガソリン原付ももう作らないとなったが、まだ乗っている方が400~500万人はいる。日本のオートバイは世界の半分くらいのシェアを持っているが、その多くは地域の原付(日本でいう原付二種以上クラス)で、日本でも守っていくことが大切。原付含めた駐車問題、高速料金の問題でしっかり結果を出して頂きたい」
2つの団体からはこのような要望が行われた。二輪車販売店の集まりであるAJと国内二輪メーカーらによる自工会とで、要望する優先事項とそのポイントが微妙に違うことに気づくだろうか。ともあれ、政治の場にこうした問題を上げていることの根本的な理由は単純だ。
「クルマとバイクの通行料金が同じ!?」
「クルマは駐められるのに、バイクは駐める場所がない!?」
こうした、少し考えればおかしいとわかることを、民主主義の概念である公平と平等を審議する国会という場で取り上げてもらう。このことに、とても大きな意義がある。
国民の代表である国会議員にバイクにまつわる不条理について知ってもらい、それがさまざまな権利や利益を阻害していることを理解してもらう。さらに広くメディアも呼ぶことで「バイクに乗らないから知らないし興味ない」という無関心層にも「それは変だね」と知ってもらう。
バイクというマイノリティの乗り物が抱える諸問題を知らしめ、いまいちど広く国民の問題とするためにも、議員連盟の活動と連携することはとても重要だ。
さて、業界団体が要望を説明したあとは、所管省庁が資料を見せながらの答弁を行った。またその後には参加議員らによる質疑や意見交換も行われたが、その模様は後編にてお伝えする。
