2022年12月14日、日本二輪車文化協会の主催により「日本バイクオブザイヤー2022(以降、BOTY)」が開催された。BOTYはジャーナリスト等の選考委員が選ぶカーオブザイヤーと違い、一般人によるWEB投票をメインにその年の人気モデルを選ぼうというものだ。
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各部門のノミネート車両は、70機種の中から一般ユーザーに選ばれたモデルたち。さっそく、部門ごとの受賞モデルと受賞各社によるコメントをお届けしよう。

原付部門 最優秀金賞「ダックス125」

ノミネート車両の全てが原付二種だった原付部門。他のモデルに大差をつけて最優秀金賞を受賞したのは「ホンダ ダックス125」だった。プレゼンターを務めたのは参議院議員で自民党オートバイ議員連盟に所属し、自民党政務調査会二輪車問題対策プロジェクトチームの座長でもある三原じゅん子さん。

●株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
渉外室シニアエキスパート 赤坂正人 氏
「今年3月の東京モーターサイクルショーで発表して、12月のこのタイミングで賞をいただいたことを非常に光栄に思います。ダックスホンダという歴史あるブランドを現代の技術で再現したモデルになります。当社レジャーカテゴリーの原付二種では最初から2人乗りができるので、いろいろな遊び方ができると思います」

原付部門ノミネート
★=最優秀金賞
☆=金賞
(~pt)は獲得ポイント

☆ホンダ スーパーカブ110(9,673pt)、★ホンダ ダックス125(12,602pt)、スズキ GSX-R125 ABS、スズキ GSX-S125 ABS、ヤマハ シグナス グリファス、☆ヤマハ NMAX ABS(3,583pt)

軽二輪部門 最優秀金賞「Ninja ZX-25R SE」

軽二輪部門で最優秀金賞を受賞したのは水冷4気筒エンジンのスーパースポーツモデル「カワサキ ZX-25R SE」だった。プレゼンターを務めたのはドラマや映画などで活躍し、同賞ではお馴染みの女優、吉田美佳子さん。

●株式会社カワサキモータースジャパン
企画統括部渉外部長 市原英夫 氏
「ZX-25Rはビギナーからベテランまで広く支持を頂いているモデルです。カワサキではワンメイクレースも開催していまして、一人でも多くの方にモータースポーツの楽しさを知ってもらおうと、サーキットの体験走行からレース参戦まで一貫してサポートするプログラムです。今後もZX-25Rを通じてモータースポーツの普及に尽力したいと思います」

軽二輪部門ノミネート
★=最優秀金賞
☆=金賞
(~pt)は獲得ポイント

☆ホンダ レブル250 Sエディション(6,592pt)、★カワサキ Ninja ZX-25R SE(12,240pt)、☆スズキ Vストローム250 ABS(4,078pt)、スズキ ジクサーSF250、ヤマハ YZF-R25 ABS

小型二輪部門 最優秀金賞「Z900RS 50th Anniversary」

250cc超のカテゴリーとなる小型二輪部門では圧倒的な得票数で「カワサキ Z900RS 50th Anniversary」が最優秀金賞を受賞した。1972年のZシリーズの誕生(900SUPER4 ※通称Z1)から50周年の記念すべき年に、その名を受け継ぐ同モデルが受賞を果たし、Zシリーズ人気の強さをイメージづける結果となった。

●株式会社カワサキモータースジャパン
企画統括部渉外部長 市原英夫 氏
「Z900RSは、2017年の発売以来、多くの方にお乗り頂いているモデルです。伝説とも呼ばれるZシリーズの誕生50周年を記念したモデルで、専用の塗装やエンブレムなど仕上がりにこだわっています。Z900RSは第1回BOTYでも大賞をいただきまして、そのことが弾みになって今日の受賞につながったのではないかと考えます」

小型二輪部門ノミネート
★=最優秀金賞
☆=金賞
(~pt)は獲得ポイント

☆ホンダ CBR1000RR-R FIREBLADE SP 30th Anniversary(3,264pt)、☆カワサキ Ninja H2 SX SE(3,496pt)、★カワサキ Z900RS 50th Anniversary(9,760pt)、スズキ GSX-S1000 GT、ヤマハ YZF-R7 ABS

外国車部門 最優秀金賞「スポーツスター S」

外国車部門で最優秀金賞となったのは、次世代水冷VツインエンジンRevolution Max」を搭載し、ライディングモードやトラクションコントロール、ABSも採用するなど先進的な装備を持つ「ハーレーダビッドソン スポーツスターS」だった。なお、ハーレーダビッドソンは「ナイトスター」でも同部門の金賞を受賞している。コメントは同社社長の野田一夫氏のあと、導入プロジェクトを担当する田中氏(上写真)から説明がなされた。

●ハーレーダビッドソンジャパン株式会社
代表取締役社長 野田一夫 氏
「水冷エンジンの3兄弟が受賞でき嬉しく思います。多くの女性ライダーにも乗って頂きたいモデルになります」
フィールドセールスマネージャー 田中絵里 氏
「1957年から愛されてきたスポーツスターですが、イノベーションにフォーカスしたハーレーダビッドソンならではの進化を遂げました。初めての水冷エンジンを搭載したスポーツスターとして、歴史的、革新的なモデルになっています」

外国車部門ノミネート
★=最優秀金賞
☆=金賞
(~pt)は獲得ポイント

BMW R18 Transcontinental、☆ドゥカティ ストリートファイターV2(2,873pt)、★ハーレーダビッドソン スポーツスター S(3,931pt)、☆ハーレーダビッドソン ナイトスター(3,641pt)、KTM 1290 SUPER DUKE R EVO

電動部門 最優秀金賞「ジャイロキャノピー e:」

電動部門で最優秀金賞を受賞したのは交換式バッテリーのホンダモバイルパワーパックe:を採用する電動三輪バイク「ホンダ ジャイロキャノピーe:」だった。法人向け専用モデルでありながらも高い得票数を獲得して、会場を驚かせた。

●株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
渉外室シニアエキスパート 赤坂正人 氏
「まさかと… 想定しておりませんでした。当社のビジネスEVは一般販売をしておらず法人向けが中心だからです。世の中の役に立っているところが評価されたのかなと感じましたが、驚いております」

電動部門ノミネート
★=最優秀金賞
☆=金賞
(~pt)は獲得ポイント

☆BMW CE 04(5,693pt)、グラフィット GFR-02、★ホンダ ジャイロキャノピー e:(5,711pt)、KTM SX-E 5、☆ヤマハ E-Vino(5,432pt)

日本バイクオブザイヤー2022の大賞は「ダックス125」!

大賞は全てのノミネートバイクから最も得票数の多かったバイクが選ばれる。今回、大賞を受賞したのは12,602ポイントを獲得した原付部門の「ホンダ ダックス125」だった。

●株式会社ホンダモーターサイクルジャパン
渉外室シニアエキスパート 赤坂正人 氏
「1960年代にアメリカでモンキーが好評でしたが、それよりももう少し大きなバイクがほしいというニーズがありまして、当時は本田宗一郎さんですが『ただ大きいだけでなく、もっとみんなが手軽に楽しめるようなオートバイを作ろう』と、1969年に『ダックスホンダ50/70』というのがスタートしました。

その後、1995年の再登場を経て、また今、オートマチック(自動遠心クラッチ)で登場したことになります。『スーパーカブC125』『CT125・ハンターカブ』に続いて3度目の大賞受賞となりますが、どれもオートマチックです。60年前も今も、楽しむということに変わりはないんだろうなと感じています。

60年前にこういったバイクを考えた諸先輩方に心から敬服するところです。今後もレジャーバイクだけでなく、いろんな楽しさを伝えていけるような商品や活動を作っていきたいと思いますので、今後ともホンダをよろしくお願い致します。」

各部門の最優秀金賞、大賞の模様をお届けした。各部門の得票ポイントはまったくの同価値なので、販売台数を反映した現実的な数字となっているが「ホンダのオートマチックシリーズはやはり強い、外さないな。Z900RSも含めてリバイバルシリーズは人気だな」というのが個人的な感想だ。

来年もこのように、かつての名車・名シリーズを現代に復活させたモデルが人気を博しそうだ。排ガス・騒音規制の中で「今のバイクはつまらない」という声が聞こえていたが、近年はそうした批判も少なくなってきた。往年のファンはもちろんのこと、新しいファンも獲得できているリバイバルシリーズに期待したい!

【参考リンク】
●第5回 日本バイクオブザイヤー2022 特設ページ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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