2024年3月22~24日の3日間、東京ビッグサイトにて開催された「第51回東京モーターサイクルショー」。当サイトでも早速レポートが公開されていますが、とにかくバイク・バイク・バイクづくしなお祭りでした!
国内外から各メーカーが集結し、バイクも用品もよりどりみどり。気になる車両に跨ってみたりヘルメットをかぶってみたりと、実物を手に取って質感・使い心地をチェックできるというのがリアルイベントのよいところです。
そんな中で筆者(高木はるか)が気になったのは、ライディングブーツです!
気になるあの製品の履き心地は? 他との違いは?? 靴底はどうなっている!?
できるだけたくさんのブーツを履いてチェックして参りましたので、ドドーンと一気にレポートをお届けいたしますっ!!
Contents
アールエスタイチ
流行に合わせたファッショナブルなアイテムを多く取り扱うアールエスタイチ。
「BOAダイヤル」というワイヤーシステムを採用しているのが特徴で、すべてのブーツを片手で脱ぎ履きできる点は大きなメリットです。
DRYMASTER-FIT フープシューズ
タイチのブーツといえば、スニーカーライクなこのアイテムを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
かつてライディングブーツといえば、見た目からスポーティで「ガチ感」のあるものばかりだった時代に、このブーツが発売された時の衝撃といえば…! 個人的には、歴史を変えた製品と言っても過言ではないと思っています。
そんなフープシューズですが、可愛いだけじゃなく機能はちゃんと「ガチ」なんです。
表地だけ見ると浸水しやすそうなキャンバス地ですが、内部にタイチオリジナルの防水・透湿素材『ドライマスター』が使用されているため、全天候で使用可能。ヒール・つま先・くるぶしにプロテクターも内蔵しています。
ソールはヴィブラム社と共同開発したというハイグリップソールが使用されており、よく見るとソール全体に「TAICHI」という文字が入っています。細かいところまでこだわって作られていますね!
履き心地は見た目通りにラフで軽く、バイクを降りて散策をする際にも疲れにくそう。
履き口にはクッションが入っていて、BOAダイヤルを回せば優しくフィット。「足が守られている感」があって安心します。
【製品詳細】
DRYMASTER-FIT フープシューズ(RSS011)
価格:28,380円(税込)
カラー:全6色
サイズ:23.0~29.0cm
DRYMASTER ブレイク シューズ
フープシューズよりも大きめのシルエットでストリート感が強く、最近のはやりが反映されたデザインのシューズです。
靴ひも風の装飾がドローコードになっていて、他のシューズにはないデザインで個性を出しやすいのも面白いところ。またドローコードの先端がシューズに固定してある点には、タイチの丁寧さが表れているような気がします。
大きいからそう錯覚しているだけかもしれませんが、フープシューズよりも若干重く、履き心地もホールド感もガッシリとしている印象。しかし履き口の後ろ側がVカットになっているため、足首の動かしやすさは損なわれていません。
オリジナリティと運転のしやすさを両立したい方におすすめのブーツです。
【製品情報】
DRYMASTER-FIT ブレイクシューズ(RSS014)
価格:23,980円(税込)
カラー:全6色
サイズ:23.0~28.5cm
DRYMASTER コンバットシューズ
黒くて太いベルト状のフープが目立つ、アドベンチャー要素が強いデザインのブーツです。
モデルとなったと考えられる「コンバットブーツ」は軍用のブーツなのですが、それと本製品はそれほど似ていません。
コンバットブーツを参考に現代風のブーツをデザインしてみた…という感じなのかもしれませんね。
なにを隠そう、筆者はこのブーツを愛用していました。好きなところを挙げればキリがないのですが、強いて1つに絞るならソールです。
タイチオリジナルで成型してもらっているというヴィブラムソールは、比較的柔らかくて弾力があり、悪路でもしっかりグリップして滑りません。林道散策やちょっとした山登りの際には大活躍です。
足の甲、かかとの脇、小指の横など、各所に配置されたプロテクターのおかげで安心感もあり、どんな道でもアクティブに走る勇気をもらえます。
特にアドベンチャーバイクやオフロードバイクに似合う、タフなライダーにおすすめのブーツです。
ちなみに…筆者がこのブーツを手放した理由は「2足連続で購入して、次は違うブーツも履いてみようかと思ったから」です。個人的にはまったく不満がなく、自信を持っておすすめできるブーツです。
【製品情報】
DRYMASTER-FIT コンバットシューズ(RSS010)
価格:28,600円(税込)
カラー:全5色
サイズ:23.0~28.5cm
ホンダとのコラボブーツも
ちなみにホンダのブース内には、フープシューズのコラボモデルが展示されていました。
ブーツとしての機能やデザインはそのままに、オリジナルカラーとホンダのロゴを追加したモデルのようです。(個人的には一番右のグレー×ブラックのツートンが好みです!)
ホンダのアパレルは、他にもジャケットやバッグ、帽子などのラインナップがありました。愛車とウェアのブランドを揃えたいホンダ車のオーナーは要チェックです!
スコイコ
カジュアルなスニーカータイプを多数ラインナップし、比較的お手軽な価格とポップなデザインが人気を集めているスコイコ。
試着できるブーツの種類は少なめでしたが、ブース内に色とりどりのブーツが並んで華やか。見ているだけで心が弾むような展示でした。
カジュアルライディングシューズ ジャパンフィットモデル
以前までは幅が狭い欧米寄りの足形に合わせたブーツしかなかったスコイコですが、昨年より、幅が広い日本人の足に合わせたジャパンフィットモデルが登場しました。
カラーはグレーとブラックの2色。どちらもマットな質感のスウェード調の生地で、どんな服装にもマッチするシンプルなデザインです。
こう見えてくるぶし、つま先、かかとなどにプロテクターが内蔵され、靴底にはスチールの芯まで仕込まれています。
両脚の内側にサイドファスナーが付いており、脱ぎ履きも楽ちん。幅広に作られているだけあって、ジッパーを閉めたあとも窮屈感がありません。
またインソールがムニムニと適度な弾力を持っているため、たくさん歩いても脚が疲れにくそう。バイクに乗っていない時でも履きたくなるような快適さがありました。
【製品情報】
カジュアルライディングシューズ ジャパンフィットモデル(MT016-2 JP FIT)
価格:16,500円(税込)
カラー:全2色
サイズ:23.0~29.0cm
スコイコ その他のブーツ
残念ながら試着はできなかったのですが、他にもたくさんのブーツが展示されていました。
モデルごとに生地のパターンや色の組み合わせが異なり、コレクター心がくすぐられます。
多くの製品が2万円以下で購入できるので、いくつか購入して、その日のファッションや気分に合わせて履き分けるのも楽しそうですね。
フラッグシップ
オートレーサーの森且行選手がアンバサダーを務めるフラッグシップでは、ミリタリーテイストなブーツが展示されていました。
どんな路面でも歩きやすいのが特徴だそうで、実際にブース内に設置された短いデコボコ道を歩かせてもらったところ、しっかりとグリップして滑りにくいことを実感。
不思議なのが、靴底はしっかり厚みがあって丈夫そうなのに、足裏の感覚が失われず、地面の形状が伝わってくるところ。強さと柔軟性の両立を体感できました。
タクティカルライディングブーツ
デザインのモデルとなっているのは、ジャングルや砂漠といった足場の悪い路面状況を歩くための軍用ブーツ。
一般的なブーツよりもカットが高いため、「歩くと履き口がすれて痛くなりそう」…と思う方もいるかもしれませんが、心配ご無用。
フラッグシップのブーツが特徴的なのは、履き口と甲の2か所にワイヤーシステム「SPINONシステム」が設置されている点。
運転中は両方とも締めてしっかり固定し、バイクを降りたら履き口を緩める…という調整で、どんなシーンでも快適に使用できるのです。
ブース内で試着して15分ほど歩行やギア操作のテストをさせてもらったのですが、2ダイヤル式の快適さは唯一無二。
無骨なデザインの履きやすいブーツを探している方にイチオシの製品です。
【製品情報】
タクティカルライディングブーツ(FSB-802)
価格:21,780円(税込)
カラー:全2色
サイズ:23.0~28.0cm
フィールドライドシューズ
アウトドアライクなデザインで、タクティカルシューズよりもカットが短く布地が多いブーツです。
つま先に芯材が入っているため防護性が高く、全体的にカッチリとした作り。タクティカルブーツよりもカットが低い分、恩恵は少ないですが、2つのSPINONダイヤルシステムのおかげで歩きやすいのが特徴です。
このフィールドライドシューズ、個人的に一番「いいな!」と思ったのが3色のカラー展開です。
どんなウェアにも似合うベーシックなベージュとグレーは、ブラックとのツートンカラー。ブーツ自体はワイルドなデザインですが、カラーリングによって、街乗りにも似合いそうなアーバンな雰囲気が上乗せされているように見えました。
【製品情報】
フィールドライドシューズ(FSB-803)
価格:21,780円(税込)
カラー:全3色
サイズ:23.0~28.0cm
ラフアンドロード
多機能で丈夫、ハードなツーリングを愛する旅ライダーから信頼を集めているラフアンドロード。
ブースの展示はジャケット・パンツを中心としていましたが、実はブーツも名品揃い。今回はラフとカッチリ、2方向の製品が展示されていました。
ラフライディングスニーカー
ハイカットスニーカー風のラフなデザインのブーツは、なんと税込12,100円と本記事では最安値!
この価格で国内ブランドのライディングブーツが買えることに、正直驚きました。
安かろう悪かろうなのかというと決してそんなことはなく、くるぶし内外のプロテクション、大きめのシフトガード、車体を傷つけないための外側の脱着用ファスナーなど、ライダーとバイクを大切に開発・製造されています。
履き心地はコンバースのスニーカーのような軽さで、普段履きに兼用しているライダーもいるほど。
カラー展開が豊富なところも魅力で、ネイビー、ワイン、オリーブといった愛車と合わせやすい色が特に人気です。
また表地の素材違いやブロックソール版など、用途やファッションに合わせて選べるバージョン違いも用意されているという点は、多機能ウェアのラフアンドロードらしい特徴と言えそうです。
【製品情報】
ラフライディングスニーカー(RR5837)
価格:12,100円(税込)
カラー:全9色
サイズ:23.0~28.0cm
デュアルテックスラフライディングシューズ
ワイヤーシステム「a-top」が採用された、片手でスムーズに脱ぎ履き出来るブーツです。
他メーカーのワイヤーシステムとの違いは、ダイヤルの回転方向で締め込み・解除の切り替えができる点です。(他メーカーの場合はダイヤルを回転させて締め込み、引っ張って解除)
筆者は最近このブーツを使用しているのですが、肩にバッグを下げた状態でも指先の動きだけで簡単に操作でき、荷物が多いロングツーリングで重宝しています。
ソールはヴィブラム社製で、今回履いたブーツの中では一番硬いように感じました。カッチリとした履き心地が好きな方におすすめです。
また防水透湿機能もありながら片足約500gと軽量なので、長時間の運転でもライダーへの負担が少ない点はメリットです。
【製品情報】
デュアルテックスラフライディングシューズ(RR6302)
価格:21,780円(税込)
カラー全3色
サイズ:23.0~28.0cm
2024年の流行は「カジュアル」?
以上8点、東京モーターサイクルショーで試着できたライディングブーツでした。
どのメーカーも「足を守る」という必須条件を叶えながら、デザイン・機能・使用する環境といった方向性の違いが感じられます。
全体的な傾向としては、どんなシーン・服装にもマッチするカジュアルなスタイルが人気を集めているようでした。
当然のことかもしれませんが、この傾向はバイクの流行にも共通しているような気がしています。
なんていったって、昨年の売り上げナンバーワンの車両はホンダ「レブル250/S」(126~250cc)とカワサキ「Z900RS/カフェ/SE」(400cc~)なのですから。どちらもスニーカータイプがよく似合いそうですよね!
…もちろん今回試着品を見つけられなかっただけで、レーシング系やレザー系だってまだまだ人気です。
某高級ファッションブランドのデザイナーの言葉に「おしゃれは足元から」というものがあるそうです。
人の視線は相手の先端に集中すると言われていて、顔の次に足元を見る人が多いんだとか。
ライディングブーツの選択肢がこれほど増えたということは、もしかしたらバイク業界全体のおしゃれ度がグーンと上がった、ということなのかもしれませんね!