前回の記事では、長距離を走ると容赦なくお尻にダメージを与えてくるXR Bajaに、ラフ&ロードのMINERVAシートカバーを装着した。今回はその続編。実際にプチツーリングへ出かけ、走行中から休憩時まで、座り心地がどう変わったのかをチェックしていく。カタログスペックではなく、あくまで実走インプレ。良いところも、気になった点も、正直に書いていこうと思う。
MINERVAシートカバー装着後、いつもの道へ!

というわけで、MINERVAシートカバーを装着したXR Bajaで、いつもの定番ルートへ走り出す。
まずは高速道路を淡々と流す区間だ。ツーリングの序盤とはいえ、ここでお尻が痛くなり始めると、その日の楽しさは確実に削られる。
ところが今回は、走り出してしばらく経ってもお尻への違和感が出ない。意識が自然と前を向き、走りそのものに集中できている。
この「気にならなさ」は、かなり大きな変化である。

向かった先は山梨県上野原市。東京からだと、高速道路あり、一般道あり、ワインディングありと、走りの要素が一通り詰まったエリアだ。
距離もほどよく、半日あればしっかり満足できる。さらに美味しい蕎麦まで待っているのだから、個人的に走らない理由が見当たらない。バイクに乗る理由が、自然と揃っている場所なのである。

前回の記事で併せて装着したBeeLine MOTOも、今回のツーリングでしっかり仕事をしてくれた。
スマートフォンをバイクに装着しなくていいというのは、想像以上に快適だ。振動も熱も気にしなくてよいので、走ることに集中できるのがいい。
ちなみにグローブは『ROM ゼロスグラブ ヒート2』。3年目に突入し、すっかり僕の「冬の相棒」である。

いつもなら、このあたりでお尻に違和感が出始める。
無意識に腰をずらしたり、立ち気味になったりと、体がサインを出してくるタイミングだ。しかし今回は、それがない。「そろそろ来るかな?」と思っても来ない。この余裕は、精神的にもかなりラクである。
ツーリング中に余計なストレスを感じないというのは、走りの質を確実に引き上げてくれる。

さぁ、ワインディングに入ると、XR Bajaの本領発揮だ!
オフロードバイクというと未舗装路のイメージが強いが、軽い車体と素直なハンドリングは、舗装路でも抜群に楽しい。ヒラヒラと向きを変え、速度域も低めで済む。結果として余裕をもって走れるのがいい。
トレールバイクは「林道専用マシン?」なんて思われがちだが、実は街中やワインディングでこそ、このバイクの懐の深さが分かるのだ。

到着したのは『羽置の里 びりゅう館』。
山に囲まれた静かな場所で、ツーリングの立ち寄りスポットとしてちょうどいい距離感。バイク用駐車場が用意されているのも、ライダーとしてはうれしいポイントだ。
走りっぱなしではなく、こうして一度降りて体を休める時間があると、ツーリングの満足度は一段上がる。

名物の蕎麦は、水車で挽いているという本格派。建物の周囲には水の音が響き、いかにも「山の食事処」といった雰囲気だ。
バイクを降りて少し歩くだけで、気分が切り替わる。この空気感も、ツーリング先では大事な要素である。
走るだけでなく、立ち止まる時間も含めて「ツーリング」なのだ。

遅めの昼食は、天ざるそば(1,450円)を注文。
そばの香りはもちろん、地元の山菜を使った天ぷらが実にうまい。海のない山梨で、無理にエビなどを使わず、土地の食材で勝負している点にも好感が持てる。
こういう一品に出会えると、「また走りに来よう」と思ってしまうのだから、ツーリングとは罪深い趣味である(笑)。
MINERVAシートカバー、実走インプレ

改めて、MINERVAシートカバーを装着したXR Bajaを眺める。
見た目の違和感は最小限で、主張は強くない。純正シートの雰囲気を大きく壊さないのは好印象だ。「快適さは欲しいけど、見た目は変えたくない」という人には、この控えめさがちょうどいいだろう。

MINERVAシートカバー(スリム)/4,378円(税込)/サイズ:前19cm×長さ37cm×後28cm/カラー:ブラック
MINERVAシートカバーは3Dメッシュ構造を採用し、クッション性と通気性の両立を狙ったアイテム。取り付けも簡単で、工具いらず(シートの取り外しは別)。気軽に試せるのは大きなメリットである。
ツーリング前日に思い立って装着しても、まったく問題ない手軽さだ。

実際に座ってみると、メッシュのしっかり感がよく分かる。
体重をかけても簡単には潰れず、適度な反発がある。そのおかげでクッション性が増し、同時に通気性も確保される。長時間座り続けても蒸れにくそうだ。雨の日でも水が溜まりにくい構造なので、ツーリング用途との相性はかなり良いと感じた。

気になる点があるとすれば、シートカバーの端が内腿に触れる可能性があること。
体型や座る位置によっては、長時間乗った際に違和感を覚える人もいるかもしれない。ただし、極端に痛くなるというより、「少し意識するかな?」程度。乗り方を工夫すれば、十分許容範囲に収まる印象だ。

もうひとつは足つきへの影響。
シートに厚みが加わる分、足つきはわずかに変化する。オフロードバイクのように、もともと足つきがギリギリな車種では注意したいポイントだ。
ただし、劇的に悪化するわけではなく、神経質になりすぎる必要はない。事前に知っておけば、心構えはできるレベルである。

総合的に見て、MINERVAシートカバーの効果はかなり高い。
お尻の痛みが軽減されることで、走りに集中でき、ツーリングそのものが楽になる。これは間違いなく体感できる変化である。
「もっと早く付けておけばよかった」と思わせる用品は、そう多くない。しかし、MINERVAシートカバーはそう思わせる一つだと言ってよいだろう。
MINERVAシートカバーは“効く用品”だ

MINERVAシートカバーは、派手さで魅せる用品ではない。しかし、ツーリングの快適度を確実に底上げしてくれる実力派だ。
長く走るとお尻がつらい、もう少しラクに走りたい。そんな悩みを抱えるライダーなら、試す価値は十分にある。XR Bajaに限らず、多くのバイクで「これは効く!!」と実感できるシートカバーだと言えよう。
