寒さが身に沁みて、冬はなんとなくバイクから遠ざかってしまいがち。だけど関東以西であれば、本当に寒いのは日没から日が昇るまでで、晴天だったら昼間は意外と暖かい。むしろ、しっかり防寒対策をすれば、乾燥してひんやりとした空気が心地よかったりもする。

そう、冬は昼間限定のショートツーリングなら、じつはバイクで過ごしやすい季節なのだ。

というわけで今回は、ホンダの人気原付二種モデル・スーパーカブC125を相棒に、富士五湖のひとつ・山中湖を目指して『出発遅め・帰宅早めのショートツーリング』に行ってきた。

 

『道志みち』を流すには125ccがうってつけ

津久井湖にかかる三井大橋


東京都小平市にある自宅を出発したのは、すっかり日も昇って暖かくなった午前8時。早朝に出発して、いきなり体が冷え切ったのでは体力が持たないからね(笑)。自宅で家族と朝ごはんを食べて、子どもたちが学校に行くのと同じタイミングで僕も出発だ。

高速道路が大好きな僕は、普段ならこのまま中央道・国立府中ICか、圏央道・入間ICへ向かうのだが、今回の相棒は125cc。当然高速道路は使えず、下道をひた走る。東京都立川市から八王子市へ抜け、125ccも走れる『八王子バイパス』を使って神奈川県相模原市に入る。

高速道路はラクでいいけど、下道はのんびりトコトコ。信号待ちもあって、走行風にさらされ続けるということがない。真冬だったら、あえて下道オンリーというのも悪くない。

こうして午前10時、相模原市の津久井湖にてカメラマンのナベさんと合流。上の写真は津久井湖にかかる『三井大橋』だ。

ここから国道413号線を西に進み、首都圏ツーリングの王道コース『道志みち』に入る。

道の駅『どうし』。平日にも関わらず、たくさんのバイクで賑わう。バイク駐車場の広さにも驚きだ。


『道志みち』は山梨県道志村から相模川へ流れ込む道志川沿いに作られた道。首都圏から富士五湖方面へ抜けることができ、しかも道は適度なワインディングとあって、屈指のツーリングコースとなっているのだ。

道の高低差は比較的小さいので、C125でも無理なく走れるのが魅力。……とは言いつつも、ギアを上げたり下げたりと、それなりにギアチェンジは忙しい。

だけど、この忙しなさが「ザ・小排気量!」……操っている感があって楽しいのだ。

そして、道志みちの後半にさしかかったあたりにあるのが道の駅『どうし』。ここもまた定番のスポット。休憩にはまだ早いような気もするけれど、立ち寄るのがライダーの作法というものだ。

ピーチ・バニラミックス 370円(税込) ピーチの酸味と濃厚なバニラのバランスが絶妙! 寒いけど美味い!!


もうひとつ、ライダーの作法といえば……そう、「道の駅でのソフトクリーム」!

体を冷やしたくないとか言っておきながら、結局、寒空の下でソフトクリームを食らう! おかげですっかり冷えてしまったが、心は充足感に満たされてほっかほかだ(笑)。


道の駅『どうし』を出ると、山中湖まであと少し。平日とあって、クルマやバイクは少なめ。安心してワインディングを流すことができる。

道志みちは山中湖のすぐ手前で終了。丁字路となり、右に行けば、山中湖を反時計回りで周回。左に行けば時計回りに周回できる。

今回は左に曲がる。そして、ほんの30mほど進んですぐに左折し、県道729号線に入る。さらに少し進んでY字路を右、県道730号線(山中湖小山線)に進む。

 

絶景を求めて、丘を登る

せっかく山中湖についたのに、またまた湖を背にして丘をどんどん登っていく。しかし、ここもまた適度なワインディングになっていて、楽しい道だ。

ツーリングライダーもたくさんいる。


5分ほど走って到着したのが、丘の中腹にある『パノラマ台』。ここでは富士山と山中湖を一望できるのだ。

ちなみに上の写真は『パノラマ台』からさらに少し登ったところで撮ったもの。パノラマ台の駐車場は平日にも関わらず満車で、入ることができなかったのだ。休日に行く方は注意が必要だぞ!

ドライブインきくや tel.0555-62-1350 山梨県南都留郡山中湖村山中235-9 営業時間:8:00〜20:00(夏季)・9:00〜17:00(冬季) 定休日:毎週木曜(7、8月は無休)


パノラマ台から降りたときはちょうどお昼時。

山中湖=山梨県といえば、やっぱり『ほうとう』でしょう! というわけで、人気の某ほうとう専門店に行こうと思ったのだけど、あいにく長蛇の列。平日なのにすごい人気で、ちょっとびっくり。

そこで僕が選んだのが、昭和の香り漂う『ドライブインきくや』だ。

ほうとう 1100円(税込)


当然、僕が選んだのは『ほうとう』。寒さが沁みてきたこのタイミングで温かい『ほうとう』はありがたい限り。

ドライブインきくやの料理は『ほうとう』をはじめ、すべて手作りとのことで、美味しくいただいた。

ちなみにカメラマン・ナベさんは普通にカツ丼を頼んでいて、それもめちゃくちゃ美味しそうだった。撮影がなかったら僕もカツ丼を……いやいや、なんでもないです!

 

バイクを降りて、船に乗る♪

満腹になって、体もあったまったところで、次の目的地へ向かう。

到着したのは『旭日丘桟橋乗り場』。ここからは山中湖を一周する遊覧船が出ているのだ。

いきなり白鳥の遊覧船がお出迎え!?……と思ったら、コレは本物! 妙に人馴れしているが、近づいて指を出すとエサだと思ってクチバシで突かれるので要注意。

はい、僕は突っつかれました(しかも結構痛い・泣)。


船は30分に1回出航するので、時間にはシビアにならなくても大丈夫。桟橋で白鳥にたっぷり突っつかれたら、あっという間に出航時間だ。

さあ『白鳥の湖』に乗り込むぞ!! と思ったら……

 

乗船料は『白鳥の湖』も『ニューわかふじ』も同じ1100円(税込)だ。


なんとこの日は強風のため、『白鳥の湖』はお休み。

出航するのはその横に停泊していた昭和感満点の『ニューわかふじ』。少しがっかりだけど、仕方がない。


が、「残念」と思ったのは乗り込む前だけ。いざ出航したら、白鳥だろうが昭和な観光船だろうが関係ない!! 

バイクもいいけど、船も楽しいね~!


調子に乗っていたら、また体が冷えたので、船長の後ろに陣取って休憩。

ちなみに僕は、ツーリング先に遊覧船があればだいたい乗っちゃう派である。

 

美味しいご飯と冬のツーリングは『腹八分目』がちょうどいい

冬の昼は短い! 遊覧船から降りたら、太陽が沈みかけている。

ここから気温は急激に下がっていく。もうちょっと走りたいと思ったけれど、日が完全に暮れてしまったら大変だ!

何ごとも腹八分目がちょうどいい。というわけで、今日はここまで。家路を急ぐことにした。

山中湖をあとにしたのは午後4時。そして、東京都小平市にある自宅に帰ってきたのが午後6時半過ぎである。

すっかりあたりは暗くなって、気温も下がっていたけれど、それでも7時前に帰ってこれたため、体が冷え切るということはなかった。そして、家についてすぐにお風呂に入ったのだが、これがまたサイコーだった。

早く帰ってきたので、家族と一緒に夕飯を食べられたのも高ポイントといえるだろう。

無理せず楽しむ日帰りショートツーリング……これは、冬の正しいバイクライフなのかもしれないな!

【今日のルート】

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