阿蘇を走っていると目に飛び込む「あか牛」の文字

▲西外輪山の車帰(くるまがえり)パーキングから見下ろすカルデラの底と阿蘇五岳

 

九州ツーリングのメインエリアである熊本県の阿蘇(あそ)。ミルクロードやケニーロードなど数々の名道が延びていて、外輪山から見下ろしてもカルデラの底から見上げても、どこを走っても絶景が楽しめることで人気だ。

そして、阿蘇を走っているとちょいちょい目に飛び込んでくるのが「名物 あか牛」と書かれたノボリや看板。美味しい牛肉だということはわかるんだけど、牛肉だけあってお値段もそこそこ(2,000~4,000円くらい)。気軽に食べようというものでもない…。

▲ミルクロード沿いの草地で放牧されている「あか牛」。起源は韓牛とされていて阿蘇地方などで飼われていた在来種とシンメンタール種の交配により改良された固有種

 

「どこに入ったらいいんだよ~」と考えている間に、次のワインディングに突入してしまったなんて人も多いことだろう。

かくいう自分もその一人。阿蘇周辺は数年おきにはバイクやクルマで走っているんだけど、いつも急いでいることが多く、ゆっくりお店を見定めようなんて気にはならなかった。なので、あか牛料理は数回しか食べたことがない。

▲動物注意の警戒標識はもちろん「あか牛」。幹線道路から1本入ったところに多く立っている

 

で、今回、やっとこというか、あか牛の“間違いない(キャンプ場で出会った地元のライダーやキャンパー複数人から聞き込み)”お店に行くことができたので紹介したい。

あか牛専門のレストラン「あか牛の館」

▲道の駅に隣接する、その名も「あか牛の館」

 

それがここ、「あか牛の館」だ。あか牛専門のレストランで、大きな窓からは阿蘇五岳の迫力ある絶景が望める。

▲店内からの阿蘇五岳。まさに絶景レストラン! 手前の芝生はパークゴルフ場

 

あか牛の館は「道の駅 あそ望の郷くぎの」の敷地内にある。実際には隣接している感じなので、道の駅のバイク置き場から向かうと少し歩く必要がある。バイク置き場は駐められる台数が少ないので、道の駅の施設に用事がなければ直接レストラン前の駐車場に停めてしまうほうがよいだろう。

▲「道の駅 あそ望の郷くぎの」の全景。モンベルストアもあって利用価値大なんだけどバイク置き場が小さすぎない?

 

▲リアルにデカい! あか牛親子のオブジェが設置されている

 

あか牛料理には焼肉などいくつか代表的なものがあるが、ツーリング中のライダーにオススメなのは食べやすい丼ものだ。

この一杯で満足できる!「ASOBOWあか牛丼」


ハイ、ドーーーーン!!(丼)

▲「ASOBOWあか牛丼」(1,980円)が着丼。阿蘇の草原で育った安心安全な「あか牛」だ

 

着丼したのは「ASOBOWあか牛丼」(小鉢・みそ汁付きで税込1,980円 ※プラス150円でサラダバーも可)。なんだろう、器の輝きもあってか、ちょっと神々しいぞ!

ちなみに、ごはんの上に盛られているあか牛は、地元の肥育農家7戸が肉専用で飼育した月齢24~28ヶ月の去勢牛または未経産雌牛のみというこだわりよう。

配膳してくれたお姉さんいわく、温泉卵は自分で乗せるのだという。よく見るあか牛丼は最初から乗せられているから少し戸惑ったが、ぽいっと乗せて、タレをかけて完成!

▲温泉卵を割り入れてタレを回しかけた状態。見た目もだけど立ち昇ってくる香りが食欲をそそる

 

うまい! うまいぞ! これまで食べたあか牛の中でもダントツにうまい! 夢中でむさぼってたら写真を撮るのを忘れていたくらいうまい!(残念実録)

レア状態で焼かれた霜降りのあか牛は、舌の上でとろけるほどの柔らかさ。かといって適度な歯ごたえもあり、肉を噛みしめる楽しみも充分だ。甘めのタレと相まってご飯に合う、合う!

こんなにうまいんだったら、肉2倍、ごはん大盛りの「ASOBOWダブルあか牛丼」(2,980円)にすればよかったと食べている途中で少し後悔した。

▲次回は“ダブル”を頼もうとモグモグしながら誓ったのだった

 

あか牛について学べる「あか牛の館 資料館」

さて、あか牛の本場中の本場で、厳選された美味しいお肉を頂いた後は、ぜひこちらも見学していってほしい。その名も「あか牛の館 資料館」だ。

▲南阿蘇でのあか牛の歴史を網羅した「あか牛の館 資料館」も必見だ

 

あか牛の歴史や育て方、肉の部位、調理法などがまるっと展示されている。小さなスペースだけどパネルの他に放牧イメージのジオラマも展示されていて、ワクワク感も醸し出している。資料に目を通せば、君もあか牛ツウになれること間違いなしだ!

▲こういう小スペースの展示施設も大好物! このジオラマを見ると、阿蘇の各地であか牛が放牧されていることの意味・役割がわかるぞ

 

また、レストランの外ではあか牛の各種お肉を買って帰ることもできる。外観はまんま精肉店なので館内に入った瞬間ぎょっとしたが、これこそが間違いのないあか牛の証だ!

▲ショーケースにあか牛の各部位が並ぶさまはまさしく精肉店。間違いのないお肉を買ってキャンプ場で焼いて食べたいぞ!

 

▲1回500円の「南阿蘇のあか牛 肉ガチャ。」あか牛のアクリルチャームやミニ巾着、ミニタオル、保冷バッグのほか、稀に本物のあか牛(お肉)も当たるらしい… おおぅ

 

というわけで、阿蘇を駆け巡るツーリングライダーの「あか牛どこで食ったらいいんだよ~」問題に一応の解決を見たということで、また次回。

【店舗情報】
□店舗名:あか牛の館
□所在地:熊本県阿蘇郡南阿蘇村久石2815
□電 話:0967-67-0848
□営業時間:レストラン11:00~16:30(LO 16:00)、精肉販売10:00~17:00
□休館日:不定休 ※サイトに営業カレンダーあり

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