ラーメンを食べるためライダーに!?

不肖オガワ、100kg近い体の半分ほどはラーメンでできていると言っても過言ではありません。

物心ついたときから祖母の作る『出前一丁』『うまかっちゃん』『楊夫人(マダム ヤン)』ほかの袋麺をむさぼり、成長期にはカップヌードルが学校帰りの飲み物。

山口から上京して以降は、東京で食べられる地方色豊かなラーメンのとりことなり、それらの本店をバイクで巡礼することがツーリングの主目的になりました。

山形、喜多方、佐野、勝浦、富山、新潟、京都、和歌山、岡山etc……。『桂花』や『赤のれん』などの本店を目指し、キャンプをしながらホンダVTZ250にて九州一周したことは、いまだ忘れ得ぬセイシュンの思い出です(遠い目)。

青春時代のオガワ

●大学時代、埼玉県草加市にあった下宿前にて。まさしくこれから九州へ向かおうとする前の記念撮影。頭の中は九州ラーメンのことで一杯でしたね

 

そんな筆者のラーメン遍歴において“原点”に位置付けられるのが『ラーメンショップ』、通称“ラーショ”なのです。

大人への階段を昇った強烈な原体験

赤地に白く特徴的な書体で“ラーメンショップ”と大書きされ、その両側に黄色く縦書きの“うまい”が鎮座する(※店舗によって違いあり)印象的な看板。

看板の一例

●ラーショ好きなら無条件に反応してしまう赤い看板。店によって書体はいろいろあれど、受ける印象は同じという見事なるコーポレーションアイデンティティ!?

 

……15歳のとき、山口県新南陽市(現 周南市)の自宅から防府市まで高校野球部の遠征のためエッチラオッチラ自転車で往復した“椿峠”にあるラーショでの一杯こそが、家族と離れてひとりで食べた初めての外食でした。

練習と登坂でヘトヘトになった肉体に染みわたる豚骨醤油スープとネギ&チャーシューの滋味。「こんなに旨いラーメンが世の中にあったのか!」と感動しつつ最後の一滴まで汁を飲み干して店を出るとき、見上げた看板の意匠が深く脳裏へと刻み込まれたのです。

以来38年間、ツーリング中にいいタイミングでラーショ看板と出会えたときには、迷うことなく豚骨スープの魅惑的な香り漂う店内へと吸い込まれていきました。

ショップオリジナルな味を探す楽しみ

驚いたことにこのラーメンショップ、東京都大田区にある椿食堂管理有限会社を本部とした全国で300店舗以上を数えるフランチャイズチェーン……ではあるのですが、各ショップごとにある程度、いや相当に自由な味のチューニングが許されているようでバラエティがとても豊かなのです! 

例えば筆者が愛してやまない定番メニュー「ネギチャーシューメン」でも、スープがあっさり系だったりコッテリだったり、チャーシューの厚みや枚数、ネギの切り方、わかめと海苔の量etcetc、果ては肝心かなめの麺までが店ごとに異なる場合もあるため、目の前に丼を置かれたときのワクワク感は毎回新鮮そのもの。

さらにはメニュー名まで異なる、かなり過激かつ独自な味変更がなされた逸品に出会えたりもするので、ついつい“巡って”みたくなるのです。

今再び、息子と楽しむことになるとは

幸いにして家の近所にもラーショはあり、なんと毎朝7時に開店しているではありませんか(早朝から営業しているラーショは数多い)。

半年ほど前に何気なく息子たちを週末の“朝ラー”に誘ってみると見事なくらいドハマり……。血は争えないものですね!? 

うそ偽り誇張なく毎週のように通い詰めている中で届いたのが今回のお題! これはもう朝ラーツーへ行くしかないでしょう!と前々から気になっており遠征先として候補の筆頭となっていた「ラーメンショップ 横山台店(旧店名 らぁめんしょっぷ庵庵)」へハンドルを向けることを即決いたしました。

今回は大盛りネギチャーシューメン大量摂取のおかげか、最近ついに私の身長を追い越し(やがっ)た中学3年の次男がお供です。自宅からお店までは距離にして30㎞。慎重なタンデム走行を行っても十分に片道1時間圏内なので余裕っショ!

タンデムラン

●道中は見事なくらい荷物に徹してくれた次男。本当に運転しやすかったです。タンデムステップに足が届かないなぁ、と悩んでいたことがウソのように大きくなりました……

早朝だから道もすいていてスイスイのスイ

年中無休、月曜日から土曜日までは朝7時からオープンしているラーメンショップ横山台店ですが、土曜日は次男の早朝野球練習があったため、翌日曜日、9時からの開店を目指すことになりました。

目覚めたときは曇り空。スタートするころには望外な青空までのぞく絶好の朝ラーツー日よりに……息子、強運持ってます(笑)。

自宅近くの都筑インターチェンジから第三京浜に入り、港北インターチェンジでサクッと首都高速 神奈川7号横浜北西線へ。こちら2020年3月22日に開通したばかりの、まだ新しい自動車専用道路で走っていて気持ちいいことこの上なし。横浜青葉インターチェンジで東名高速に乗り、横浜町田インターチェンジで国道16号に出てからは、そのまま北西へと進路を取ります。

ほくせい線走行シーン

●これは帰り道のカットですが、首都高速7号横浜北西線は本当に気持ちのいい快感ロード。最新の土木技術がフル活用されており景色もいいのです。ぜひ走行してみてくださいませ〜

 

首都圏を環状に結ぶ一般国道として激しい渋滞が起きることでも有名な国道16号ですが、日曜日の朝、お子様たちがプリキュア~仮面ライダー~ゼンカイジャー(戦隊モノ)に熱中している間はファミリー層の動きも少なく快適な移動が可能でした。

想定よりも早く到着してしまい、シャッターの降りた店の前でたまらない匂いを嗅ぎつつ待機するというプチ拷問も体験(笑)。

開店前のお店で

●お店のすぐ裏手にある駐車場(後述)にしっかりバイクを停められるので安心して並ぶことができました。開店直前には地元の常連さんも数人がスタンバイ。さすがの人気店です!

濃いめのスープや独自なメニューに大満足

果たして、ラーメンショップ横山台店はタンデム遠征する甲斐の大いにあったお店でした。

店舗外観

●「ラーメンショップ 横山台店」住所:神奈川県相模原市中央区横山台1-2-16 ☎:042-759-0855 年中無休 営業時間[月~土]7:00~22:00・[日]9:00~22:00 ※新型コロナウイルスの感染拡大により、営業時間などが変更される場合あり(★取材時は20:00までの営業でした)

 

いつも行くご近所ラーショより明らかに濃厚な味わいのスープには、あさひや謹製の中細ストレート麺がよくからみます。チャーシューも厚めで口に含むとすぐにトロけながら旨み成分が口内へと広がります。

ネギチャーシューメン

●次男が頼んだ「中ネギチャーシューメン」1150円。ごま油やラーショ独自の調味料で味付けされたネギが香ばしくてたまりません。ひと口だけの味見のつもりが、ついつい二口三口……。息子の視線が痛かった

 

と、少し先にテーブルへ届けられた息子用の定番ネギチャーシューメンを少し(ムリヤリ)いただいて味をチェックしているうちにやってきたのが、横山台店のオリジナルメニューである「辛玉ネギラーメン」です。

辛ネギラーメン

●筆者はチャレンジングなメニューである「辛玉ネギラーメン」700円をセレクト。なお、券売機では「辛玉葱麺」との表記なのでご注意を。ほかにも「ネギとろメン」や「セロリラーメン」、多様な「つけメン」などを選ぶことができます

 

片山利昭店長が太鼓判を押す、七味唐辛子と玉ネギ、酢が玄妙な味わいを織りなすピリ辛好きへ向けた意欲作。いつもオリジナルスープにラーショ卓上にある「らあじゃん(豆板醤のような味)」を毎回ドカスカ投入するピリ辛好きとしては見逃せません。

店長とおーなー

●取材時に対応いただいた、左が店長:片山利昭さん。右がオーナー:池田 覚(さとる)さん。一杯一杯丹精込めて美味しいラーメンを作る姿に感動しました。行列店なのも納得です!

 

果たせるかな、想像以上のうまさに唸らされました。結構な量が投入されている唐辛子を濃厚なスープが受け止め、ともすればくどくなる寸前で、酢とシャキシャキ玉ネギが味蕾へ爽やかさを注入。浮かび上がる鮮烈な辛さが脳へ快感を運びます。

食事中のオガワ

●気持ちのいい汗が噴き出す辛うまさ。「らあじゃん」を追加する必要はまったくありませんでした〜

 

いやはや大満足で丼もいつしか完全まくり状態に。ごちそうさまでした!

寄り道しても午前中にミッション完了!

●ショップのすぐ裏手にクルマ7台分の駐車スペース(みどり寿司さんと共有)が用意されている点も素晴らしい。バイク複数台で訪れるときは効率良く停めてくださいね

 

余韻に浸りながら駐車場で出発準備をしているとき、息子へ行きたいところを尋ねてみれば、近くにあるスポーツショップへ寄ってみたいとか。

「ラーショの次はスポショですか……」とひとりでニヤニヤしつつ、バイクならではの軽いフットワークを生かしてお望みの場所へ。あやうく4万円のグローブを買わされそうになるも、大人のズルい話のすり替え術を駆使してラーメン約40杯分の出費を回避……。

スポーツショップでの息子

●たっぷり30分は悩んだ結果、筆者の説得?も奏功したか、その日は購入を先送りすることに。別の野球アイテムは買わされましたが(笑)

 

ロードサイドの大型店も開店しだし、さすがに混み始めた復路の国道16号ではマクドナルドに緊急避難もしながらゆっくりのんびりと帰宅することができました。家に到着するやいなや大雨が降り出したのにはビックリ。息子、本当に強運持ってます(驚)。

無事到着

●自宅に無事到着して、はい、ラーショ! GSF1200Sもしっかり走ってくれました。【朝ラーツー走行データ】総走行距離:72.8㎞ 終了後給油量:ハイオク4.47ℓ 燃費:16.29㎞/ℓ ガソリン代:720円

 

午後イチからは妻と長男の忠実なしもべとしてクルマの運転を励行して家庭も円満。これぞ、休日を2倍楽しめる早朝ツーリングの醍醐味ですね。

次はアナタの番でショ!

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