「走りに行きたい!」と思ったら……無情の梅雨入り

こういう稼業(=フリーライター)をしていると、「仕事でバイクに乗って、いろいろなところに行けるんでしょ?」なんて言われることがあるのだが、じつのところ、そんなことはない。

ひとくちに「バイクメディアのライター・編集者」といってもさまざまで、インプレッションライダーやツーリング雑誌の編集者であれば、いろいろなバイクに乗ることもあるだろうし、いろいろな場所に行けるのだが、インプレもしなければ、ツーリング取材にも行かない僕のようなライターであれば、PCに向かって原稿を書いている時間の方が圧倒的に多い。(じゃあどんな仕事をしているのか疑問に思われる方がいると思うので一応説明しておくと、メーカーの方やバイクショップオーナー、個人のユーザー相手の取材やインタビューが多く、あとは新製品の紹介などが主な仕事です、ハイ)

しかも、休みの日は家族サービス(という言葉は好きではないが)があるので、プライベートでもツーリングには行かず。基本的にバイクは事務所への往復をはじめとした「普段の足」として使うことがほとんどだ。

まあ、普段の足としてでもバイクに乗れるだけ幸せなのだが、それでもやっぱり年に数回、「たまにはプラっと郊外に走りに行きたい!」欲求が高まる時がやってくるわけである。で、6月のはじめごろから、そんな「年に数回の欲求」が高まってきたのだが、仕事が立て込んでいて行けず。そうこうするうちに関東は梅雨入りしてしまった。

仕事は忙しいわ、雨は降るわでフラストレーションMAXな日々! こうなるともう「午前中だけでも走りに行きたい!!」と思うのがライダーというもの。なんとかならないかと毎日を過ごしていたら、なんとかなりました!

そう、梅雨真っ只中のある日、なんだかいつもより早く目が覚めてしまった。窓の外を見てみると、晴れているではないか。……いや、天気予報で晴れるのは知っていたんだけどね(笑)。だけど、梅雨時期の天気予報ってアテにならないからね。本当に晴れていて感動! この日は夕方までにあげないといけない原稿が1本あったのだが、昼前に帰ってくれば大丈夫なはず。というわけで、朝ツーリングに出かけることにした。

 

早起きしても、数々の難関が……(大げさ)

子猫

さて、家族が起きる前に出かけるぞと思ったら、ミャーミャー鳴き声が……じつは梅雨入り前に子猫を保護して飼うことになったのだが、これが毎日早朝から「腹が減った」とうるさいのだ(苦笑)。僕としてはササっと身支度をして出かけたいのだが、一度起きてしまった子猫は腹を満たすまでは鳴きやまない。もしも無視して出ていけば、家族を起こすことになり、あとで何を言われるかわからない。

というわけで、子猫に朝ごはんを与え、そのあとに自分の身支度を整える。ちなみに腹一杯になった子猫はすぐに寝てしまった(上の写真)。

さあ、これで出発だ! ……と思ったけれど、どこに行くんだ? そうそう、前に行ったことがある東京都檜原村にある「カフェかなかな」にしよう。だけど、行き方がわからないからナビは必須だ。

スマホのナビ以前、iPhoneを壊してからは、その壊れたiPhone8をナビ専用機にしている。久しぶりにiPhone8を起動すると、Wi-Fiの再設定やらでいろいろと時間がかかる。早起きしてサッと出るつもりが、なんだかいろいろやることがあるなぁ……。結局、家を出たのは朝7時前。出勤のために玄関を出てきたお隣のご主人と鉢合わせしてしまった。

これって早起きといえるのだろうか?(苦笑)

 

【往路ルート】

ワインディングを抜けた先に朝7時からやっているカフェがある

SR400

まあ、ともかく出発だ! いくら晴れているとはいえ、梅雨時期は油断は禁物。サイドバッグにレインウェアなどを積み込む。ナビの設定はバッチリだ!

我が家がある東京都小平市から東京都奥多摩地方にある檜原村までは約40km。時間帯は通勤ラッシュギリギリで、しかも下り方向になるため道は空いている。ナビの到着予想は1時間20分ほどだ。

街中を抜けると、さらに車の台数は減り、あきる野市を過ぎたあたりからワインディングがはじまる。路面は少し濡れているが、気持ちよく流す分にはなんの支障もない。

ワインディング

ちなみに奥多摩地方は東京からの日帰りプチツーリングの王道だが、一般的には今回のルート・都道33号線よりも北側、青梅街道から国道411号線に入り、小河内ダムを経由。南下して奥多摩周遊道路に入るのが定番ルートである。しかし、今回はそれよりも南側で終始する予定だ。そうしないととてもじゃないが、午前中には帰れないのだ。

さて、10km強のワインディングを楽しんだところで、今回の目的地・カフェかなかなに到着した。

カフェかなかな
カフェかなかなはエアストリームを改装したアメリカンな雰囲気漂うカフェ。エアストリーム内はもちろん、オープンテラスもあって、自然を感じながら食事やコーヒーを楽しむことができる。

何よりも嬉しいのは、同店が朝7時からやっているということ。今回のような朝ツーリングにはピッタリなのだ。

カフェかなかな

ただし、お店は不定休。せっかく朝早くやってきてもお休みということもあるので、来店前にはインスタグラムをチェックしておくことをおすすめする。また、マスター1人で切り盛りしているため、大人数で来店する際は事前連絡やメニューをまとめるなどの協力をしてほしいとのこと。

ともかく、スローな雰囲気が魅力であり、人気のポイントでもあるので、いろいろな意味でおおらかな気持ちで利用したいお店なのだ。


カフェかなかな

カフェの他に1日1組限定のキャンプもできるし、写真左のエアストリームは宿泊することも可能だ。豊かな自然とレトロなエアストリームは、現実を忘れさせてくれること間違いなし!

 

チーズバーガーは待つ甲斐ありの絶品

カフェかなかなお店のウェブサイトやインスタグラムにも書いているように「料理の提供にはお時間をいただきたい」とマスター。だけど、このスローな時間が忙しい毎日を送るお客さんを癒してくれるのだろう。

……と言いつつ、さすがに早朝だったのでこの時のお客さんは僕ひとり。注文したチーズバーガーは10分ほどで出てきた(笑)。


チーズバーガー

肉汁たっぷりのハンバーグに、食べごたえのあるバンズ、新鮮なレタスや旨味のあるソースにチーズと、とにかく絶品のチーズバーガーはカフェかなかなイチ推し! アボカドをトッピングできるので、次回は挑戦しようと思っている。

食べ終わったあとは、しばしマスターとバイク談義。じつはマスターもバイク好きなのだ。

バイク駐車場

それはバイク専用の駐車スペースが確保されていることからも一目瞭然。自然を大切にする同店だけど、駐車スペースにはしっかりとコンクリートが敷かれている点からも、バイクやライダーを大事にしてくれていることがわかるだろう。

さて、お腹もいっぱいになったところで、お店をあとにする。

 

【復路ルート】

南下して、高速道路で帰宅

田舎の風景

Uターンして往路と同じ道を辿ってもつまらない。数時間のショートツーリングだからこそ、なるべくいろいろな道を走りたいし、それでいてなるべく早く帰りたい(笑)。そこで今回はカフェかなかなから南下し、中央道・上野原ICを目指すことにした。

カフェかなかなはワインディング途中にあるお店なので、復路もしばらくはワインディングを楽しめる。東京都檜原村から数km走ると山梨県上野原市に入り、インターチェンジに到着だ。

中央道・上野原IC

ツーリングでは高速道路を使わないという人も多いが、僕は高速道路が好きだ。時間を節約できることも好きな理由のひとつだが、それよりも高速道路を走ること自体が好きなのだ。

なんだか高速道路って、それ自体に「遠くに来ている」感がある。そして、たとえば知らない街を走ったり、フェリーに乗るのと同じような感動……交差点や信号のない道を一定の速度でただただ走る続けるという、単調なんだけれど日常にはない単調(=非日常)のなかに身を置くことが楽しいのだ。まあ、これは僕個人の考えなので、共感してもらえなくても平気です(苦笑)。

というわけで、最後の仕上げに大好きな高速道路を走り、お昼前に自宅に無事到着! 本当はもうちょっと早く帰宅する予定だったけど、マスターとのバイク談義が盛り上がってしまったため、少し遅くなってしまった。だけど、それも含めてツーリングの醍醐味だといえるだろう。 

さて、これから気持ちを切り替えて、バシバシ原稿を仕上げるぞ!

SR400

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