群馬県の長野原町から新潟県妙高市へと通じる国道292号線。総延長116㎞の一般国道ですが、途中にある草津温泉から湯田中温泉あたりまでの区間は「志賀草津道路」と呼ばれていまして、これが度肝を抜かれるほどの絶景ワインディングロードなんですね。今回はその志賀草津道路をご紹介。
志賀草津道路とは
1992年(平成4年)までは有料の観光道路だった志賀草津道路。現在は国道292号線の一区間として群馬県の草津町から長野県の山ノ内町までを結んでいます。
下の地図上で赤く記しているところが、バイクで走って楽しい爽快ロードの部分。距離にして約40㎞といったところでしょうか。
道はアップダウンを繰り返し、国道最高地点の渋峠(しぶとうげ)付近を通過。中・低速コーナーやS字カーブ、高速コーナーなどがひたすら続きます。
国道としては標高日本一
県境の渋峠から600mほど群馬県側に移動した地点に、日本国道最高地点の石碑が建てられています。標高は、2172m。すごい高所です。
富士山の山頂にはかないませんが、宮城県の最高峰・蔵王山が1825m、愛知県の最高峰・茶臼山が1416m、鳥取県の最高峰・大山が1729m、徳島県の最高峰・剣山が1955mですから、志賀草津道路の標高がどれだけすごいかって話です。
眺めもすごい
志賀草津道路は全線が山岳ワインディング。景色も素晴らしい。とりわけ渋峠付近や、スキー場が点在する志賀高原付近は、壮大な山岳風景が望めます。高所ではティンバーライン(森林限界線)を越えますから、視界も広い。はるか遠くまで見渡すことができます。
標高が高いがゆえに、夏でも涼しい。上の写真は、ある年の5月末に撮影したものですが、残雪がまだ広範囲に斜面を覆っています。夏用のライディングジャケットだけじゃ、寒くてつらいほど。
志賀草津道路は毎年11月になると積雪・凍結のために冬季閉鎖され、翌年の4月下旬に開通しますので、GWには長大な雪の回廊を愛車で走ることができます。
泊まりがけで行きますか!
志賀草津道路を走ってみたいけど、自宅からは遠いし……。
だったら、泊まりがけで出かけてみては?
周辺は温泉宿がたくさんあります。天下の名湯・草津温泉でもいいし、風情たっぷりな湯田中渋温泉郷でもいい。
そんな中、今回ご紹介するのは群馬県嬬恋村の万座温泉「万座ホテルジュラク」。
この周辺で〈食事よし、温泉の泉質よし、環境よし〉の宿はどこか。過去の経験から割り出したのが、ここ。
昨年の秋、ツーリングマガジン『アウトライダー』の初代編集長と初代副編集長に「どこかいい温泉宿に案内してくれ」と言われ、連れていったホテルでもあります。
標高1800mの高原に立つ、静かなホテル。露天風呂がいいんです。日本一の高濃度硫黄泉が源泉かけ流し。強酸性なのでレジオネラ菌検査が免除されており、塩素は投入されていません。
とにかく硫黄成分が濃いので、ここで使った温泉タオルは、しばらく硫黄の匂いが取れないほど。
食事は地元・嬬恋高原で採れた旬の食材をふんだんに使った、和・洋・中、約40種類のバイキング。
安かろう悪かろうのホテルバイキングもよくありますけど、ここの料理は違います。どれもレベルが高いんです。
しかもお酒が飲み放題。
夕食時のアルコール・ソフトドリンクはもちろん、ラウンジでは14時半から生ビール、健康ドリンク、ソフトドリンク、おつまみ、スイーツ、アイスが提供されます。
18時からは、夕食後もラウンジでワイン、ウィスキー、地酒が無料で飲めます。
温泉に浸かって喉が渇いて、ちょっと生ビールが飲みたいって時に、ラウンジで無料で飲める。食後、まだ飲み足りないって時も、ラウンジに行けば無料で飲める。
万座ホテルジュラクは「オールインクルーシブ」という考え方のもと、滞在中のお食事・ドリンク類・温泉といった施設の利用料や館内アクティビティ(館内パターゴルフ、卓球、マッサージチェア)料金などは、すべて宿泊代金に含まれているんですね。
それでいて、宿泊代金は高くない。たった今ネットで検索してみたところ、大人2名で2食付きで、ひとり1万円チョイから。
ということで志賀草津道路、この夏のツーリングにいかがでしょうか? 近くには万座ハイウェーなどの爽快ルートもいっぱいありますので!