栃木県宇都宮市の東に位置する、高根沢町。この町に「バイク神社」があると聞き、いったいどんな神社なのかと行ってみることに。これがまたなんともユニーク、神社らしい荘厳な雰囲気の中に、テーマパークのような賑やかさが同居する不思議な空間でした。

バイク神社の場所はどこ?

 バイク神社の正式な名称は、安住(やすずみ)神社。
 東北道・宇都宮ICから安住神社までの距離は、約23㎞。国道119号と県道64号を東に向かった先にありました。ホンダの生産本部栃木オフィスや本田技術研究所がある芳賀・高根沢工業団地のすぐ近くです。

ヘリコプター神社でもあった!

 高根沢町は、近代的な路面電車が走る宇都宮市内と違い、とてものどかな雰囲気。
 田んぼの向こうに、大きな赤い鳥居が見えてきたので近寄ると、鳥居の前にはナゾの駐車場が……。

バイク神社

 大きなマルに、アルファベットのHマーク。これ、ヘリポートのマークじゃないですか。ってことは、この広い駐車場、ヘリコプターの緊急離着陸場も兼ねているってこと?
 バイクを駐めて、境内に近づきます。すると壁に、その謎を解くカギになりそうなパネルを発見。

バイク神社

 「国を守る、国民を守る 安住神社×陸上自衛隊」と書かれていました。陸上自衛隊航空学校のパネルです。写真には安住神社の宮司さんと、自衛官の方々が肩を並べて写っていらっしゃる。どういうこと? ここ、バイク神社じゃなかったっけ!?

バイク神社

 境内に一歩、足を踏み入れたら、神社には似つかわしくないハデハデの顔ハメ看板がありました。だれでも顔をハメれば陸・海・空の自衛官になれるという設定で、航空安全、安住神社、自衛官募集、栃木地方協力本部、そして「ヘリコプター神社」と書かれています。

 そうだったのかあ、バイクだけじゃなくて、ヘリコプターの神社でもあったのか!
 歩を進め、お祓いの申し込み案内所に向かったら、そこには「厄除け」や「合格祈願」のほかに、「バイクお祓い」や「ヘリコプター(機体のお祓い)」「航空安全(パイロットの方)」などの案内もありました。
 あとで神社の方に話をうかがってみたところ、東日本大震災などの経験を踏まえ、ヘリポートは地域の災害対策に必要だと判断し、設置したそうです。そこからご縁が広がって、ヘリコプター神社として商標登録し、現在に至る、とのこと。

中筒男尊の神を祀る

 安住神社は、平安初期の昌泰2年(西暦899年)、摂津住吉大社の大神の御分霊をこの地に勧請したものだそう。
 「おはらい」の神である底筒男尊(そこつつのおのみこと)、「交通安全」の神である中筒男命(なかつつのおのみこと)、「産業貿易」の神である表筒男命(うわつつのおのみこと)の三神をお祀りしているとのこと。

バイク神社

 こちらは、安住神社の本殿の拝殿。朱の色が目にも鮮やかな、美しい拝殿です。バイク神社は、安住神社の境内の末社だそうですので、まずは本殿の拝殿で参拝を済ませます。
 そしてバイク神社へ。

ありがたや、バイク神社

バイク神社

 末社であるバイク神社は、参拝に訪れたライダーたちの写真やステッカーが無数に貼られ、人気の高さがうかがえるものでした。

バイク神社

 安住神社が境内の末社にバイク神社をお祀りしたのは、平成20年(2008年)。このころ、リターンライダーが増えてきたことにともなって事故も増加してきたため、ライダーの安全を願おうと、交通安全を司る中筒男尊を御祭神としてバイク神社をお祀りしたとのこと。
 ホンダともご縁があり、創業者の本田宗一郎氏が芳賀・高根沢工業団地(神社のすぐ近く)に研究所を置くことを決めたのは、安住神社の大広間だったとか。大広間に関係者を呼び集め、何度も会議を重ねたのだそうです。

バイク神社

 そんなご縁があったからかは不明ですが、バイク神社にはCBもお供えされていました。
 お賽銭箱にはこう書かれています。
「交通ルールを守り、安全で楽しくバイクに乗ることや、交通事故防止の願いを込めて、バイク神社をお参りください」
 歴史ある神社が、世間で煙たがられることの多い我々ライダーのために、ありがたいことです。

バイク神社

 社務所では、バイク神社ならではの交通安全お守りも。天気に恵まれるようにとのことなのか、てるてる坊主型のお守りで、フルフェイス型ヘルメットを着用しています。

バイク神社

 ライダーがステッカー好きなのを、よくわかっていらっしゃる。参拝記念の交通安全ステッカーも各種ありました。
 ちなみに「バイク神社」と「全国バイク神社認定第一号」は安住神社が商標登録しているそうです。
 そんな由緒ある安住神社へ、みなさんも交通安全を祈願しにお出かけしてみてはいかがですか?
 次回は安住神社のご近所にあるドライブインのお話。こちらもお楽しみに!

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