東村山黒焼きそば、知ってます!? 筆者は最近その存在を知りましたが、まだ実食していませんでした。かなり黒いというウワサの、東村山のご当地グルメ。東村山といえば志村けんさんの故郷。2021年には駅前に銅像も作られたそうだし、それも見学してみたい。というわけで晴れ渡った冬空の下、バイクで出かけてみました。

庭先ゃ、多摩ぁ湖~♪

 黒焼きそばはお昼にいただくとして、まずは東村山周辺をぶらつきます。
 走行中は頭の中で「東村山音頭」が何度もリフレイン。子どもの頃は毎週土曜に放送される『8時だョ!全員集合』が楽しみで楽しみで。
 番組内の「少年少女合唱隊」のコーナーで志村さんが歌った「東村山音頭」は当時、大ヒットしました。東村山市が日本のどこにあるのかも知らないような全国の子供たちが、東村山音頭だけは歌えるという状態。
 歌の冒頭、東村山の庭先は多摩湖、ということですから、まずは多摩湖へ。

多摩湖

 多摩湖の別名は村山貯水池で、湖水をため込むための堰堤からはこんな景色が見られます。
 広い、広すぎる。初めて訪ねた時は、東京都内でこんなに広い景色が眺められるなんてと驚いたものです。

狭山自然公園

 広いのは多摩湖だけではなく、堰堤の東側、都立狭山公園も広い。
 雑木林の中に遊歩道が延び、広場や池など武蔵野の自然を身近に感じながら散策することができます。

狭山自然公園

 多摩湖全周コースは12㎞近くありますが、公園周回コースなら約2.4㎞。休憩を含めて1時間もあればお釣りが来ます。

狭山自然公園

 駐車場は無料で、クルマだと71台分。そのほかご覧のように駐輪場もあります。大きなバイクだと枠に収まりきらないですが、狭山公園の管理事務所に聞くと、枠をふたつ以上利用しても構わないとのこと。
 多摩地区は都心と違い、駐輪場付きの公園が多いのでバイク散歩には助かります。

志村けんさんの銅像が!

 ちなみに多摩湖って、東村山市じゃなくてお隣りの東大和市なんだそうですね。東村山音頭の歌詞の影響で、すっかり勘違いしてました。東大和市の方、ごめんなさい。
 なんてことを思いながら西武鉄道の東村山駅へ。すると東口に志村けんさんの銅像が。

志村けん銅像

 コロナによる肺炎で2020年3月に亡くなられた志村さん。銅像は市民や行政が協力して行なったクラウドファンディングで建てられたそう。支援者はなんと約6千人。日本だけではなく世界各地からも支援が寄せられたというのですから、いかに志村さんが偉大だったか。
 銅像の前で記念撮影している人を見かけました。「アイーン」ってポーズで。その気持ち、わかります。

東村山黒焼きそば!

 さあ、そろそろお腹もすいてきた。東村山黒焼きそばの時間だっ!
 グーグルマップで調べてみたら、東村山黒焼きそばが食べられるお店は市内あちこちにあります。
 筆者が気になったのは中華料理『ぼん天』東村山店。なんと『餃子の王将』の隣りで営業しているのです。ものすごい強敵の横で長年に渡り営業を続けていられるということは、かなりの実力を有しているに違いない。

東村山黒焼きそば

 ああ~っ、やっぱり! とてつもないオーラを発している外観。絶対ウマいに決まってる。
 広々した店内はお客さんでほぼ満席状態。高校生のグループもいれば、職人さん、スーツ姿のサラリーマンもいます。

 店員さんに黒焼きそばを注文し、待つことしばし。まわりのテーブルに運ばれてくる各種料理を眺めていると、量が多いことハンパない。
 そもそも量が多いのに加え、大盛りを注文した際の増量具合は目を疑うほど。チャーハンや丼ものを大盛りにした場合、3人前ぐらいはありそうな感じ。
 6人で来店していた某局員さんたちは、各自でハーフラーメンを注文し、チャーハン大盛り、焼肉丼の大盛りを共同注文。それぞれ小皿に取り分けて食べていました。
 なるほど、そりゃ人気店になるわと感心していたら黒焼きそばが登場。

東村山黒焼きそば

 黒い。そしてデカイ。麺はマルちゃん焼きそば換算で2玉分ぐらいはありそう。そして高騰中のキャベツもたっぷり。

東村山黒焼きそば

 東村山黒焼そばは、地元ソースメーカーの「ポールスタア」が開発した黒ソースを使用する、というのが決まりになっているそうです。ポールスタアは東村山の新しい名物を生み出そうと試行錯誤を重ね、2008年にこの東村山黒焼そばソースを発売。
 黒ソースは秘伝のイカ墨、鹿児島特産の黒酒、各種スパイスがブレンドされたもので、焼きそばを食べてみると確かにイカ墨の風味を感じます。臭みはなく、スパイシーで、旨味が濃厚。
 なぜ黒なのか。それは鎌倉時代の東村山にルーツがあるとのこと。鎌倉幕府討伐の兵を挙げた新田義貞の軍が、八国山に陣を構えた際、敵を警戒して夜食に炭をかけて食べたという伝説が残っているのだとか。
 そこからヒントを得て、黒ソースが誕生したんですね。
 店によって味や盛りつけはかなり変わるそうですから、東村山に通って食べ比べしてみるのも楽しいかも。

ポールスタアの工場直売所へ

ポールスタア

 食後はポールスタアの工場直売所へ立ち寄ることに。場所は都市計画道路3・4・27号東村山秋津線沿い、中華料理『ぼん天』東村山店と東村山駅の中間ぐらい。

 工場の敷地に入ってすぐ右側に、駐輪場がありました。バイクを駐め、ソース工場の横を通って奥へ進みます。すると事務所の裏に立派な蔵が。

ポールスタア

 ここが工場直売所。ポールスタアの各種ソース、焼肉のたれなどの各種調味料、クラフトコーラなどを販売。なかには賞味期限が近くなった調味料など、格安で販売しているものも。

ポールスタア

 筆者が購入したのは、直売所で人気No.1だという「メイドイン東村山ソース」と、クラフトコーラシロップ「TOKYOクラフトコーラ」。
 東村山ソースは各種スパイスの風味が効いていてキレとコクが絶妙。値段は200mlで378円と、スーパーで売られている安いソースの2倍ぐらいしますが、旨い。大人の味。ハムカツにかけて食べたんですけど高級な味に激変しました。
 クラフトコーラシロップは炭酸水と1:3の割合で割って飲むもの。これもスパイスがバッチグーで、上等なコーラに。これはガブガブ飲むんじゃなくて、じっくり味わいながら飲むものですね。
 袋入りのタレは、おまけでいただきました。現時点で食べたのは6種類のうちの半分ですけど、どれもおいしかったなあ。袋の裏に、材料と調理手順が印刷されているのです。どれもカンタン。ささっと炒めてタレをからめるだけ、みたいな感じで本格的な味に。

 多摩湖を眺めて、志村さんの銅像を見学し、黒焼きそばを味わって、工場直売所へ立ち寄る。このコース、かなり気に入りました。
 ソースがなくなったら、リピートするつもりです。みなさんも、ぜひ!

 

 

 

 

 

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