この道も間違いなく〈日本を代表する山岳ワインディングロード〉のひとつだろうな、と感じたのが、岐阜・滋賀県境の「伊吹山ドライブウェイ」。冬期は閉鎖されていますが、今年も4月29日からついに全線開通! みなさんもバイクで気持ちよく駆け巡ってみては? そして帰路は滋賀県を代表するご当地グルメ「近江ちゃんぽん」でシメる、というのが今回のお話です。
アクセス抜群、関ヶ原ICからすぐ
伊吹山ドライブウェイのスタート地点へは、名神高速・関ヶ原ICからたったの3㎞で到着。そこから日本百名山のひとつ伊吹山の9合目近くまで、全長17㎞ものワインディングをグイグイと駆け上がっていくのです。伊吹山ドライブウェイの終点から先には道がないので、走り切ったら引き返します。つまり往復34㎞ものロング&ワインディング・ロード、ということですね。
有料道路なので料金の支払いが必要ですが(バイクは126cc以上なら走行可能で、料金は2,200円)、あの景色と走りごたえが得られるのならば高くはないな、と思います。
コーナリングを繰り返すうちに高度はぐんぐんと上がり、眼下に古戦場の関ヶ原の町並みが見えていたかと思えば、やがて琵琶湖まで見下ろし、途中の上平寺越駐車場あたりからは木々も減って視界良好。空高く駆け巡っている気分に。
筆者が訪ねたときも、たくさんのライダーが絶景ワインディングを楽しんでいました。
路肩に湧水スポットあり
14㎞ほど走ったところで、左の路肩に「金明水」なる湧水を発見。鳥居の形をした石には、伊吹大岩不動尊と掘られています。「石灰岩質から湧き出す伊吹山最高所の水です」とあります。金明水は銅イオンの含有量が多いらしく、腐りにくいのだとか。夏場のツーリングにはぴったりですね。
山頂駐車場で絶景と高原の空気を堪能
伊吹山ドライブウェイの終点は、山頂駐車場。標高は1,260mで、爽やかな緑風が心地いい場所。約600台収容の広大な駐車場があり、駐車場の奥には飲食や名産品の購入ができる売店「スカイテラス伊吹山」も。
隣接する展望階段を登ればテラスからは琵琶湖と比叡山が、そして振り返れば乗鞍岳や穂高連峰など北アルプスの山々が眺められます。
山頂駐車場からは遊歩道が続いていて、ニッコウキスゲやサラシナショウマなど、季節ごとに咲く高山植物が楽しめます。ここから伊吹山の山頂(1,377m)までは、中央遊歩道で徒歩約20分。草原に咲く花を愛でながら、ちょっとしたトレッキングを楽しむというのもいいですね。
ところで、「恋」に苦しんでおられる方はいらっしゃいませんか? ここに朗報があります。伊吹山ドライブウェイは全国に約100ヵ所ある〈恋人の聖地〉のひとつだそうで、山頂駐車場には恋愛成就、良縁成就にご利益があるとされる〈恋慕観世音菩薩〉の石像が建立されているのです。
名物「近江ちゃんぽん」をいただく
旅先では、その土地の名物料理をいただく。これぞ「旅めし」! ということで今回は、近江ちゃんぽんです。向かったのは、近江ちゃんぽん専門店の「ちゃんぽん亭総本家」。
ちゃんぽん亭総本家は、昭和38年に滋賀県彦根市で開業した近江ちゃんぽん発祥のお店「麺類をかべ」を原点とするチェーン店。
伊吹山ドライブウェイを走り降りて琵琶湖方面へ向かえば、米原市にも長浜市にも彦根市にもある。というより、琵琶湖周辺をうろうろしていると、あっちでもこっちでも見かけます。
調べてみたら大阪、名古屋、金沢、福井、広島、高知、徳島にもチェーン展開してますね。すごいなちゃんぽん亭総本家。この勢いならいずれ関東や東北、北海道まで攻めていける? だけど九州はどうするんでしょう。長崎ちゃんぽんのホームで戦って、果たして勝てるのか!
これが近江ちゃんぽん(770円)。スープは淡麗系のあっさりまろやか和風醤油で、近江鶏のガラや道南産の昆布や6種類の削り節などを黄金比でブレンド。麺はストレートな平麺で、ほどよい弾力とコシがあります。
そして具の野菜と肉。野菜は滋賀県内の契約農家をはじめ全国の産地から旬のものを仕入れ、店内でカット。肉は赤身と脂身のバランスが良く旨味の強い「かぶり肉」で、これは豚1頭からわずか数キロしか取れない希少部位、なのだそうです。
近江ちゃんぽんの発祥店「麺類をかべ」は、もともとうどんやそばをメインとする麺類食堂で、そのためだし汁は昆布と削り節からとった京風だしだった、とも。だから近江ちゃんぽんは、京風だしをアレンジした和風醤油味なんですね。
長崎ちゃんぽんとは、まったく違う味に驚き。近江ちゃんぽん、クセになるおいしさでした!
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