ブルートゥースやUSB接続などでスマートフォンと連動できるバイクが増加中。先駆けとなったのが外国車で、国産車より採用モデルも多い。主要海外ブランドを中心に、どんな機能があるのか解説していこう。
まずはドゥカティとBMWの2大欧州メーカーを取り上げたい。
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海外ブランドは、国産車より導入に積極的
国産車の場合、スマホとバイクの連携機能は、まだ導入が始まったばかり。これに対して、海外モデルでの普及率は圧倒的だ。特にドゥカティ、BMW、トライアンフ、KTMでは大半のモデルに搭載されている(オプション対応もあり)。
2015年ごろから導入が始まり、電子デバイスに積極的な海外ブランドだけに、一挙に採用が拡大した。
[ドゥカティ]2015年から大半の機種に一挙普及
いち早くスマホ連動機能を拡大したのがドゥカティだ。2015年型の5世代目にあたるムルティストラーダ1200Sに「ドゥカティ・マルチメディア・システム」(DMS)を採用したのを皮切りに、急速に広まった。
2021年現在では、スーパースポーツのパニガーレV4シリーズ、同V2、スーパースポーツ950/S、モンスターシリーズ(821除く)、ディアベルシリーズとほとんどのモデルに採用。非装備なのは、'20年型以前のムルティストラーダ950系、ハイパーモタード、スクランブラーシリーズぐらいだ。
DMSは、スマートフォンとバイクをブルートゥースモジュール(オプション対応の場合あり)で接続。スマホの一部機能をハンドルバーに設置されたスイッチで操作できる。メーターパネルには、ミュージックプレーヤーの情報や、電話着信、メッセージ受信のアラートアイコンが表示される。
先駆者のムルティストラーダ旗艦が超進化
さらに、2021年に登場したムルティストラーダV4は、最新システム「ドゥカティ・コネクト」を導入。ブルートゥースまたは、より通信速度の速いWi-Fiでスマホとバイクを接続でき、iOSおよびアンドロイドのミラーリング機能によって、スマホの多くの機能が使える。
操作はハンドルに設置されたスイッチやジョイスティックで簡単。しかもタンクには専用のスマホ室を用意。防水設計の上に、充電用USBポートまであるのだ。
[BMW]電話や音楽をコントローラーで操作可能
BMWも大部分の車種がスマホ連動できる(オプション設定の場合あり)。非対応なのは、やや設計が古いK1600シリーズや、ネオクラ系(R18/クラシック、RナインT)、G310R/GSシリーズぐらいだ。
普及しているのは、カラーTFT液晶メーターパネルとスマホを接続し、スマホアプリ「BMW Connecting」を併用するシステム。音楽を楽しんだり、走行中でも安全に電話をかけられる。
電話は、メーターパネルからスマホの連絡先リストにアクセスし、手元のマルチコントローラーで番号を選択して通話。着信もメーターに表示され、単純に手を動かすだけで応答または拒否できる。音楽再生は、音量調整、スキップなどが操作可能だ。
なお欧州仕様には、ナビ機能もあるのだが、BMW Connectingアプリ内の地図のみ表示する設定。残念ながら日本の地図は含まれておらず、メーター上に表示させることはできない(2021年4月現在)。
豪華ツアラーのR1250RTはワイヤレス充電機能まで完備
そして、プレミアムツアラーのR1250RTでは、2021年型で最新システムが投入された。
新採用されたフルカラーTFT全面液晶は、なんと10.25インチの巨大サイズ。タブレットどころかノートPC並みのサイズだ。これほどの大型液晶は、クルマでの採用例こそあるが、バイクでは初となる。
機能としては、前述の「BMW Connecting」アプリを通じて、電話、音楽再生が可能になるというもの。また、ドゥカティのムルティストラーダV4と同様、高速通信のWi-Fiで連携でき、スマホ専用コンパートメントを設置。ムルティストラーダが有線での充電だったのに対し、R1250RTでは有線に加え、無線での充電にも対応している。さらに収納スペース内が35度以上になると、ベンチレーションファンで冷却してくれるのだから、至れり尽くせりだ。
ただし、これも欧州仕様ではメーター画面にマップが表示できるのだが、国内では非対応となる(2021年4月現在)。
<外国車編2に続きます>
個性派もアリ、スマホとつながるバイクを徹底解説<外国車編2>
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