那須モータースポーツランド(MSL)で体験できるライディングスクールと同カレッジ、トライアルコースを紹介してきたが、那須MSLでは他にもできることがたくさんある。楽しみ方を一挙紹介しよう。

①スクールや試乗会などイベントが数多く開催される

都心から約2時間の距離にある栃木県の那須MSL。ミニコース以外では珍しいバイク専用サーキットで、ライダー向けに使いやすい設備が揃う。一般的な2輪&4輪兼用のサーキットを利用したことがある人ならよくわかると思うが、「バイク専用」は何かと快適だ。

通常のサーキットはバイクとクルマの走行時間が分けられていて、貸し切りのイベントでない限り待ち時間が発生するけど、「バイク専用」なら自由に走れる。

また、ピットにクルマがいないため圧迫感がなく、サーキットに来ている人が基本的に同じライダー同士なのも嬉しい。

↑那須MSLのコースは全長約1.2km。森の中を走るワインディング風の区間もあり、ビギナーでも走りやすい。■栃木県那須塩原市寺子字坂の上677-1 月曜休(祝日は営業) 詳細はwebサイトまで

 

そんな那須MSLでは、定期的にイベントが開催されている。
安全運転を主眼に置いた「那須MSLライディングスクール」、よりスポーティな公道走行を学べる「那須MSLライディングカレッジ」といったライテク系が充実している。ともにメイン講師はわかりやすさに定評のある中井直道さんだ。

↑公道で安全かつスムーズに走るためのテクニックを学べるライディングスクール。ビギナーやリターンライダーのほか、ベテランにもオススメだ。体験記はコチラ。

 

↑峠道などストリート重視のスポーティなライテクを学べるライディングカレッジ。基本はマスターしているけど、もっと上手くなりたい人向けだ。体験記はコチラ。

 

さらに試乗会も盛り沢山。サーキットなので、普通自動二輪免許しか持っていない人でも大型バイクに試乗できる「那須MSLステップアップ試乗会」、普段触れる機会の少ない外国車が多数揃う「那須MSL外国車試乗会」が例年開催されている。

↑試乗会では新型や人気モデルが多数登場。スタッフによるサポート体制が充実しているので、試乗会やサーキットが始めてという人でも安心だ。

②思う存分ライディングできる「スポーツ走行」

 その他に那須MSLできることと言えば……サーキットなのだから当たり前だけど「スポーツ走行」だ。詳細はコチラ。

 思う存分バイクのポテンシャルを発揮し、ライディングに没頭できるのはクローズドコースならではの醍醐味。まずはライセンスを取得する必要があるが、取得のハードルが低いのが素晴らしい(詳細は「ツナギも車両もレンタルOK、ライセンス取得がこんなに気軽とは!」を参照)。

ライセンス講習会の受講料はレッドバロン会員5000円、一般1万円。1クール(25分)の走行料はレッドバロン会員2000円、一般2500円(土日祝日は+500円)。

↑思う存分コースを走り、タイムを短縮する楽しみがあるスポーツ走行。愛車のポテンシャルを解放しよう!

 

↑ピットは広々としており、 12区画ある。バイク専用サーキットなので来場者はみんなライダーだ。

 

↑レーシングスーツとアンダーウェアがセット。レンタル料金はレッドバロン会員1000円、一般1400円と格安だ。


レーシングスーツ、グローブ、ブーツなどの装具のほか、バイクまでレンタルできてしまう! 手ぶらでスポーツ走行できるサーキットは珍しいのだ。

ちなみにスタッフがフレンドリーなのも特徴。「あのコーナーの最速ラインは?」「ヘアピンは何速がいい?」などの攻略法が聞けるほどアットホームなサーキットはそうそうない。

③「試乗車」でサーキット走行できる

上記でも触れたが、那須MSLには様々な試乗車が用意されている。試乗車であればライセンスなしでもコースを走行可能だ。

国産車、外国車の人気モデルがレンタルでき、料金はレッドバロン会員1000円、一般1500円(1クール=25分の料金)。サーキットの走行料金は別途必要だ。

 

↑GSX-R600、CBR1000RRなどのスーパースポーツを用意。

 

↑大型だけではなく、250~400ccのスポーツモデルもある。普通2輪免許の人はもちろん、まずはこっちで慣れるのもいい。

 

↑R1200Rやストリートトリプルなどの外国車も。試乗車は随時入れ替えされるので那須MSLのwebサイトで確認を。

 

↑試乗車は排気量もカテゴリーも様々。取材時は14台がスタンバイされていた。

④「ライディングジム」で心ゆくまで練習できる

那須MSLの敷地内を使い、安全にライテクを磨けるサービスが「ライディングジム」だ。定休日以外はいつでも好きな時に練習でき、筋トレを行う「ジム」のように、自分が苦手な部分をとことん鍛えることができる。

コースはパドック駐車場にパイロンで設置。那須MSLのスタッフがサポートし、上達のポイントをアドバイスしてくれる。ちなみに自身のバイクで上達してもらうという主旨からレンタル車両は使用できない。

料金はレッドバロン会員1000円、一般1500円(1時間あたりの料金)だ。

↑広々した敷地にパイロンを置き、苦手な課題をじっくり練習できる。

 

↑ライテクの基礎が詰まった8の字を練習。上達するコツをスタッフがレクチャーしてくれる。8の字に自信のない人はオーバル練習もできる。

 

↑スラロームのほか、目標地点に止まるブレーキング、発進停止、Uターンなどを自由に練習可能だ。

⑤「サイドカー&トライク」を楽しめる

憧れや興味はあってもなかなかチャレンジする機会がないのがサイドカーとトライク(3輪バイク)だが、那須MSLではなんとレンタル車両が用意されている。

↑ハーレーダビッドソン・ロードグライドのサイドカー。存在感は圧倒的で実にカッコイイ。レンタル料金は一般のバイクと同じだ。レッドバロン会員1000円、一般1500円(1時間あたりの料金)。

 

↑GL1500のトライク。リアは2輪でクルマのような巨体と安定感だ! コチラもレンタル料金は通常のバイクと同じ。

 

バイクもいいけど、奥様やお子さんを乗せて優雅に走りたい人、年齢や体力に関わらず末永くバイクを楽しみたい人に、サイドカー&トライクはオススメ。筆者が体験したところ、独特な操作方法と挙動がクセになる感じだった(「サイドカーに初挑戦! バイクと違う乗り味が超新鮮」を参照)。

こうした車両特性については、スタッフが運転講習してくれるし、安全なコースで走行できるので安心。また、イベントとして「サイドカーライディングスクール」も毎年6月に開催される。詳細は那須MSLまで。

↑スロットルオンでサイドカーのある方向へ曲がろうとするので、ハンドルで補正しつつ走る。こうした独特な特性もスタッフがレクチャーしてくれるので安心だ。

 

↑まずはパドック駐車場で練習。手でハンドルを切るのが重要だ。

 

↑慣れたら本コースを走行。バイクと違う乗り味を満喫できる。

⑥なんと「トライアル」も遊べる!

今まで紹介してきたのはオンロードに関するものだったが、那須MSLではトライアルまで満喫できる。施設内の「那須MSLトライアルパーク」にはビギナーから上級者まで満足できる様々なセクションを設置。セクション設計はトライアル国際A級スーパークラスの野本佳章選手が監修しているとのこと。レンタル車両や装備も揃っているのだ。

タイムを競うのではなく、障害物をいかに上手くクリアできるかを競うトライアルには、オンロードとはまた違った楽しさがある。オンロードとトライアルの設備が両方あるサーキットは全国でも多くはなく、その気になれば1日でどちらも遊べるのだ。

走行するには、サーキットと同様、まずはライセンスを取得する必要があるが、1日で取得から走行まで可能だ。ライセンス講習受講料は3000円。走行できるのはトライアル車のみ(オフロード車、モトクロッサーは不可)で、車両レンタルは半日でレッドバロン会員3000円、一般3500円。

↑「那須MSLトライアルパーク」は2016年にオープン。タイヤ、階段セクション、土管など10のセクションがある。「初体験ルポ】トライアル初心者がフロントアップできるか?」も参照を。


多種多様な楽しみ方があり、トライアルまで堪能できてしまう。那須MSLはまさにバイク遊びのデパート的な存在(?)だ。「サーキットと縁がない」と考えているライダーも足を運ぶ価値はアリ。仕事絡みで通ったとはいえ、サーキットとトライアルのライセンスまで取得し、那須MSLを満喫している筆者が言うのだから間違いない!?

 

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