レッドバロンが運営する那須モータースポーツランドにはトライアルパークがあり、スタッフによるレッスンが受けられる……という話を聞きつけて、絶賛オフロードどハマり中の私・サガヤマが参加を決意! ライセンス講習を受けたり、トライアル車の特徴を紹介したのが前回まで。
さて、いよいよ今回はレッスンスタートです!!
スタンディング……基本だけど一番難しい
まずはじめはトライアルすべての基礎となる『スタンディング』から。その名の通り、静止した状態で両足をステップに乗せてバランスを取るのが『スタンディング』。
片平コーチ曰く「トライアルは立って走行する競技ですが、極低速です。そのため、ライダーの姿勢やハンドルの持ち方、それに付随するレバーの使い方(原則的に左右それぞれ指1本ずつ)など、すべての基本がスタンディングに詰まっているのです」。
ところが厄介なことに、スタンディングは基礎といいつつ、じつは「レッスンのなかで最も難しい」とのこと。ビギナーの目安は10秒だ。
「へ? 10秒!? それくらいならなんとかなるんじゃね? トライアル車ってバランス取りやすそうだしー!」なんて思いつつ、スタート!
ところが……はい! お察しのとおり、全然できません(泣)。
ステップへの足の置き方などをレクチャーしてもらう。
トライアルではバランスを取るために積極的に足を動かすため、車体と足の間に隙間を開けるそうだ。
さらに、レバー操作は指1本など、30年近いバイク人生ではじめて言われることばかりで、頭と体が凝り固まった中年おじさんには辛すぎるぜ!
でも、それが新鮮でまた楽しかったりする。
前輪の前に石を置いて車体を固定し、片平コーチにサポートしてもらいながらチャレンジ。それでもけっこう難しい(汗)。
片平コーチの表情が「こいつ、大丈夫か?」みたいに写っているが、決してそんなことはなく、現場は終始和やかであったことは注記しておきたい(笑)。
写真では余裕の笑顔をブチかましているが、前輪に挟まった石は見ないふりをしていただきたい!
結局、何度もチャレンジしたが、5秒の壁すらなかなか越えられない。
「あー、今日はこのままスタンディングだけで終わるのか~」と思っていたその時、「じゃ、次はスラロームをしましょう!」という片平コーチのありがたい言葉が!
「スタンディングは基礎だけど、一番難しいですからね。しかも、これだけやってても面白くないので、走りましょ!」
片平コーチよ! あなたは僕の、いや全ライダーの気持ちがわかってらっしゃる!!
このひと言と素敵な笑顔に僕のハートが射抜かれたことは、言うまでもないだろう。
スラローム……走行状態での基本
というわけで、スラローム。まずは片平コーチのお手本から。
スラロームは片平コーチ曰く「バイクが動いている状態での基本」とのこと。
そのポイントは……
・スピードはなるべく遅く、ゆっくりと
・ハンドルを目一杯切る
・腰をしっかり落とす
・上半身と膝は進行方向に向ける
……など。
等間隔(2mくらい)に置かれたパイロンを右に左に、ゆっくりだけど確実にクリアしていく。
うーん、見ているだけだと簡単そうだ。
というわけで「スピードもゆっくりだし、これならなんとかなるんじゃね? トライアル車ってバランス取りやすそうだしー!」なんて思いつつ、スタート!(学習能力ゼロ)
写真右奥からゆっくり走り出し、まずひとつめのパイロンをグルッと回るようにしてクリア。
そのままハンドルを右に切って、2つ目(写真左手前)のパイロンに向か……
……わない!! 向かえない!! ハンドルが切れない!
バビーン!! と直進してしまった。
それでも何度か繰り返すうちに、少しはできるようになったが、何個かのパイロンをクリアするうちにどんどん余裕がなくなって、最後の方でやっぱりバビーンと行ってしまったり、パイロンを倒したり、足をついてしまう。
そんな僕の乗り方を見て、的確なアドバイスをくれる片平コーチ。
「しっかり腰を落として、膝を進行方向に向けて体重移動をする」
うーん、頼もしい兄貴だぜ!(年下だけど)
こうして何回かチャレンジしていくうちに、なんとくコツをつかむ。何回かに1回はパイロンをすべてクリアできるようになったところで……
おもむろに各パイロンの間隔を詰める片平コーチ。2m程度だった間隔が、1.5mくらいに!!
いやぁ、さすがにコレは無理なんじゃ……と、さすがにこの頃には学習能力を身につけた僕は思ったわけだ。
ところが、片平コーチはさらに僕の一歩上をいく。
「佐賀山さん、けっこうセンスがありますよ。たぶん、これくらい間隔を詰めても大丈夫!!」
な、なんですとぉ! この人は僕が典型的な末っ子で、褒められて伸びるタイプだと見抜いているのか!?
そんなこと言われたらやるしかない!
というわけで、悪戦苦闘しながらも楽しくチャンレジした結果、最後の最後でクリアできました!!
バイクの魅力のひとつにスピードがあることは否めないんだけど、トライアルはそうした世界とはまったく別のもの。バイク歴約30年にして、こうした新鮮な体験ができるのは嬉しい限りだ。
未体験の人はぜひ、トライアルに挑戦してみてほしい!
……と、まだレッスンは終わりじゃないよ(笑)。今回はここまでで、次回はいよいよ最終回。坂の登り降りやフロントアップにチャンレジだ!!
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