バイクの最大の楽しみといえば、多くの人が「ツーリング」を挙げると思う。景色の良い海沿いの道や山あいのワインディング、そして何よりも知らない土地を走るという“旅感”は、たしかに「バイクに乗っていてよかった」と思わせるものである。

しかし、それら公道でバイクの性能を存分に発揮できるかというと難しいところ。スポーツライディングを心ゆくまで楽しむなら、断然サーキットがおすすめだ。

「サーキットってレースをする場所でしょ?」、「レーサーは持っていないんだけど……」なんてことで、敷居の高さを感じたり、自分とは別世界のものと思っている人もいるようだが、とんでもない! サーキット走行は意外なほど身近なもの。

特に僕が身近に感じているのが、栃木県那須高原の麓にある『那須モータースポーツランド』だ。

那須モータースポーツランドではレッドバロンオリジナルのライセンスを発行している。取得方法は近くのレッドバロンで講習会に申し込み、那須モータースポーツランドで受講すればOK。レッドバロン会員であれば、料金割引のほか、更新手続きも不要だ。


ここはレッドバロンが運営するサーキット。僕が身近に感じている理由は、同社が開催する『メディア向け試乗会』に毎年参加しているからなんだけど、知れば知るほど、もっと多くのライダーに知ってほしいと思わせるサーキットでもあるのだ。


そこで今回は『那須モータースポーツランド』の魅力を紹介していきたい。

 

魅力① バイク専用である

年に1度開催される「メディア向け試乗会」に参加する筆者(佐賀山)。サーキットを走るのは、なんとも気持ちがいい!(撮影:伊勢 悟)


全国に数あるサーキットの多くはクルマとバイクの兼用コースとなっている。別に兼用だから悪いというわけではないのだが、走行会などの貸切イベントでない限り、走行時間がクルマとバイクに分かれていて、いつでも自由に走れる……というわけにはいかない。

パドックも大きな車体のクルマがたくさんあって、「なんだか圧迫感を感じる」ことも少なくない。

 

コース全景。全長1.2kmの低中速サーキットで、ビギナーでも安心して楽しめる。(撮影:伊勢 悟)


しかし、那須モータースポーツランドはバイク専用! パドックには同じ趣味を持つライダーしかいないのは、ビギナーにとっても安心なはず。

コースも大きすぎず小さすぎず。ミッション車は50cc以上から、スクーターは126cc以上からと、排気量を問わずに楽しめるものとなっている。

 

魅力② 1人でも参加できるイベントが盛りだくさん

那須モータースポーツランドでは定期的にイベントを開催している。主なイベントは……

那須MSLライディングスクール

パイロンカリキュラムを中心とした「基礎編」から、応用課題にチャレンジする「応用編」まで、高度な技術を段階毎に無理なく学べる。ビギナーやリターンライダーからステップアップを目指す方まで、参加者のレベルに合わせて学べるのが好評だ。

那須MSLライディングスクールの風景。毎年たくさんのライダーが参加している人気プログラムだ。


那須MSLライディングカレッジ

「よりスポーティに走りたい」「次のステップに進みたい」というライディングスクール参加者の声を受けて開講されたのがライディングカレッジ。ワインディングなどの一般公道でのスポーツライディングを安全に楽しむ技術を身につけることができる。

鈴鹿8耐に20回もの出場経験を持つ中井直道氏をはじめ、経験豊富な講師たちがインストラクターだ。


那須MSLサイドカーライディングスクール

サイドカーやトライクを身近な乗り物として気軽に体験できるスクール。憧れや興味で一度は走らせてみたい方から、新たな選択肢として考えているライダーまで楽しめる。


那須MSLライディングジム

いつでも好きな時に、安全にバイクの走行練習できるサービス。もっと上手に、もっと安全に走行できるようにサーキットスタッフがサポート。ライディングの基礎となる6項目(八の字・オーバル・スラローム・目標ブレーキ・発進停止・Uターン)を、自分のバイクを使って、マイペースに自由に練習することができる。


那須MSLステップアップ試乗会

国内の大型バイクや逆輸入車のニューモデルなどでサーキットコースを走行できる試乗会。公道ではなくサーキットなので、普通自動二輪免許しか持っていない方でも大型バイクに試乗可能。話題のモデルを中心に、約20台の試乗車が用意されている。


このように、サーキット走行に興味があるけど、1人では……と悩んでいる人も、イベントなら気軽に参加できるのではないだろうか。

 

魅力③ ウェア類はレンタル可能

 

ライディングギアのレンタルは事前予約が必要。


一般的なライダーにとって、サーキット走行最大の壁がレーシングスーツ。年に数回の走行のために数万円もするギアを買うのはなかなか勇気のいることだろう。

だけど、那須モータースポーツランドでは、レンタル品があるので心配無用! しかもアレンネスやベリックなど人気ブランドが揃っているのだ。

レーシングスーツだけでなく、グローブ、ブーツもレンタル可能。料金は上記3点セットでも、レッドバロン会員なら1日1500円と格安だ。ヘルメットの貸出しもあるので、手ぶらでだって行ける。

ちなみにスクールなどのイベントであれば、長袖にグローブとブーツなどの肌が露出しない装備であれば、レーシングスーツは不要。気軽に参加できるものとなっている。

 

魅力④ 試乗車が用意されている

試乗車両(2021年12月現在)『KAWASAKI Ninja 1000』


上で「手ぶらでだって行ける」と書いたが、「バイクは?」と思った方もいるだろう。そう、那須モータースポーツランドには、試乗車も用意されている。

国内外メーカーの車両が揃っていて、ポイントは人気の絶版モデルが多いということ。現行車であれば、今どきは各メーカーのディーラーなどで試乗する機会もあるが、絶版モデルや旧モデルは意外とチャンスが少ない。

試乗車両(2021年12月現在)『Honda CBR600RR』


しかし、那須モータースポーツランドを運営するのは、世界中の良質な中古車を扱うレッドバロン! その強みを生かした試乗車ラインナップは、ライダーのツボを押さえた絶妙なものといえよう。

「乗りたかったけど縁がなかった」なんてモデルに乗れる絶好のチャンスを見逃す手はない!

試乗車両(2021年12月現在)『Triumph ストリートトリプル』

 

魅力⑤ サイドカー&トライクにも乗れちゃう

いつかは乗りたいサイドカー! だけど実際どんな乗り味なのか? 車両特性は? そんな不安を抱いている人は、ぜひとも試乗してみてもらいたい!


試乗車のなかには、なんとサイドカーとトライクもラインナップされている。

これらは二輪車とは似て非なるもの。独特の車両特性を持っているのだが、それをクローズドコースで走らせることができるのは嬉しい限り。

 

僕もW400サイドカーに試乗しました! 二輪車と全く違う特性におっかなびっくり(笑)。でもたぶん、一番おっかなかったのは、船に乗るレッドバロン広告部・鈴村さんだったはず(苦笑)。


はじめての方にはサーキットスタッフがレクチャーしてくれるし、「魅力②」で紹介したように、ライディングスクールも開催されている。

じつは僕もいつかはサイドカーに乗りたいと思っていて、その際はあらためて那須モータースポーツランドで練習しようと思っているのだ(笑)。

 

魅力⑥ トライアルコースも完備

トライアルはライダーとしての「技」を磨くのに最適。せっかくなら、トライアルパークも堪能してみてほしい。


オンロードコースだけでなく、トライアル専用コースがあるのも那須モータースポーツランドの大きな魅力。コーナリングや速さではなく、バイクを操るテクニックを磨きたいという人や、バイクの新しい魅力を発見したいという人にぴったりだ。

ヘルメット・グローブはもちろん、車両のレンタルもあるので、トライアル車を持っていないという人でも大丈夫! ちなみにオフロード車は不可なので、残念ながら僕のXR BAJAは走行できない。でも、オフロードのテクニックを磨くためにも、ライセンスを取ってみようかなと考え中だ。

トライアルパークを走るには、ロードコースとは別にトライアルのライセンス講習を受ける必要がある。

 

魅力⑦ 絶好のツーリングスポットに立地

那須モータースポーツランドがあるのは、栃木県那須高原の麓。そう、関東屈指のツーリングスポットにあるのだ。

そのため、関東以外のライダーであっても、ロングツーリングの行程に那須モータースポーツランドを組み込んでみるのはいかがだろう? 初日は日光いろは坂を走り、夜は温泉宿に1泊。翌日は那須モータースポーツランドで心ゆくまでサーキットランを楽しむなんて……最高じゃないか!

 

食わず嫌いは絶対損! ぜひサーキットを体験してみて!

撮影:伊勢 悟


ここまで那須モータースポーツランドの魅力を紹介してきたが……どう? 行ってみたくなったでしょう?

那須モータースポーツランドは原則的にレース専用車両の走行は禁止で、公道用車両しか走っていないのも魅力のひとつ。ビギナーにやさしく、公道走行に役立つスクールもたくさんあって、まさにツーリングライダーのパラダイスのようなサーキットなのだ。

サーキットに敷居の高さを感じているライダーも、そうでないライダーも、ぜひ一度、那須モータースポーツランドを訪れてみてほしい。

那須モータースポーツランドの詳しい情報はコチラから

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