大好きなバイク、知ってるつもり、乗れてるつもりでも、ミスやトラブルはつきものだ。ライダーがやらかしがちな「バイクあるあるトラブル」と、その対策を知っておこう。
二輪車は、スピードが上がれば自律安定性が高まって転びにくくなる。逆にスピードが下がればふらつき、転びやすくなる乗り物だ。バイクの転倒といえば、走行中の激しいアクシデントを思い浮かべがちだが、物理学的には、いちばん転びやすいのは走っているときではなく、スピードがゼロのとき、つまり停止中だともいえる。いわゆる「立ちゴケ」というヤツだ。

停まったまま転ぶのが立ちゴケ

ヤマハ XSR125 足着き

足着きがいいバイクなら、立ちゴケのリスクは低くなるが……。(ヤマハ XSR125)

体格に合ったバイクに乗る

立ちゴケの大きな遠因のひとつは、バイクが体格・体力に合っていないことだ。まずは自分の体格・体力で扱いやすいサイズと重さのバイクを選ぼう。必ずしもべったり足が着かないと乗れないわけではなく、取り回しに慣れれば、ほとんどのバイクはつま先立ちでも安心して扱えるようになる。ただ慣れない初心者のうちや、体力が落ちてきたライダーは、なるべく足が着きやすいバイクを選ぶほうが安心だ。

とはいえ、乗りたいバイクの足着きが良いとは限らない。その場合は、シートフォームを削ってシート高を下げる「アンコ抜き」で改善できる。ただし調整にも限度はあるし、シートの固定に影響が出たり、ライディングポジションが大きく崩れるような調整はできない。乗り心地との兼ね合いもあるので、作業は信頼できるショップに依頼しよう。レッドバロン各店でも対応している。

発進と停止はハイリスク

バイクにまたがって、ただじっとしているライダーが立ちゴケすることはめったになく、なんらかのアクションが引き金になることが多い。なかでも発進と停止の瞬間はリスキーだ。発進時のエンストや予想外の飛び出し、停止時のエンストや慣性力は、とくに立ちゴケの原因になりやすい。発進時と停止時にはできるだけバイクを垂直にしておくことと、停止中や超低速時こそ、より注意深く操作する意識が立ちゴケ予防のポイントになる。

踏みはずすと危険

舗装された公道は、水はけをよくするため、原則として中央部が高く路側が低いカマボコ型になっている。多くのライダーが足を着く左側は、より低く、より足着きが悪いため、足着きに自信のないライダーは、路面から少し高くなった縁石などを足場にして停止しようとすることがある。

だが、知らない道の縁石や、まして路上の石ころが安定している保証はない。足を着いた拍子に崩れたり、ぐらついたりして大きくバランスを崩すこともある。踏み外しによる立ちゴケは、平坦路での立ちゴケよりも損害が大きい。安定性に確信があればともかく、安易に路上の足場に頼るのは避けたほうがいい。

滑ると支えられない

ホンダ LEAD125

丸い小石のダートに草が生えた路面。見た目以上に足が滑りやすい。(ホンダ LEAD125)

 

せっかく足を着いても、その足が滑ってしまえば、バイクを支えることはできず、立ちゴケすることがある。雪や氷など、見るからに滑りやすそうな路面なら誰もが用心するが、濡れ落ち葉や砂など、予想外に滑りやすい路面には注意が必要だ。足を着く路面の状態をよく観察してから停まるようにしよう。

引っかからない装備で

バイクのスピードがゼロになったタイミングでうまく足を着けなかった場合にも立ちゴケは起きる。たとえばズボンの裾や靴ひものたるみがステップなどに引っかかり、停まったときに足を下ろせずに転ぶパターンがそれだ。立ちゴケ防止のためだけではなく、安全なライディングのため、車体や周囲のものに引っかかりやすいギアは避けよう。

サイドスタンドで立ちゴケ

サイドスタンドが原因の転倒は、スタンドを確実に操作すればほとんど防げる。(ホンダ CB125R)

サイドスタンドをきっちり出す

サイドスタンドの使い方が不完全でバイクを倒すケースもけっこう多い。スタンドの出し忘れはその代表格だ。サイドスタンドは、バイクにまたがったまま左足で出すこともできるが、その場合でも、降車後に念のためもう一度サイドスタンドを出す操作を試みる「二度出し」を習慣づけておくといい。出し忘れを防げるだけでなく、スタンドが半端な位置になっていた場合にも気づきやすく、駐車後にマシンが倒れるトラブルを未然に防ぐことができる。

右への転倒はダメージ大

イラスト 立ちゴケ 高橋克也

車両左側、つまりサイドスタンド側への倒れ込みではなく、車両右側へバイクが倒れることもある。ほとんどのライダーは左側へ降車するので、バイクが右へ倒れ始めてしまうと人力では支えきれず、なすすべもなく転倒……というパターンになりがちだ。路側に停めた場合には車道側へ倒れることにもなるため、いっそうリスクが大きい。
平坦な場所ならほとんど危険はないが、スロープなどで右側が低くなっている地形や、たまたまサイドスタンドが小石などを踏んで高くなっている場合には、バイクが右へ倒れる可能性が高まる。とくにツーリングなどでシートに重い荷物を積んでいると、サスペンションが沈んで車高が下がり、より右へ転倒しやすくなるから注意しよう。

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