セロー250、そしてSR400。長年愛されてきたヤマハのロングセラーが相次いで生産終了となった。ファイナルモデルはまだ買えるのか? 中古車の相場はどうなっているのか? 気になる現状を調査してみた。

※注……調査日は'21年8月下旬現在

規制の荒波を乗り越え改良を続けたが、ついに殿堂入り

「生産終了」のニュースを聞き、残念に思ったライダーも多いことだろう。

――セロー250は、'85年の初代225から数え、35年目の'20年モデルで殿堂入り。SR400は、'78年に初代がデビューし、43年目の'21年型でラストとなる。これを惜しむように、ともに特別なファイナルエディションが発売された。

生産終了の理由は、'21年10月から導入される2輪用ABS義務化や、'22年11月から始まる次期排ガス規制に非対応のため。セローは'20年7月から導入されたヘッドライトの認証試験基準変更が理由の一つでもある。

ちなみに終売となるのは国内仕様で、一部の海外では生産が続けられる。

セロー250ファイナルエディション 緑

セロー250ファイナルエディション 赤

セロー250は'19年12月に生産終了を発表。ファイナルエディションが翌1月15日から発売された(税込58万8500円)。'85初代をイメージした緑と赤が用意され、初代と同様にフレームも塗装される。

SR400ファイナル グレー

SR400ファイナル ブルー

SR400は、'21年1月21日にファイナルエディションを発表(青、グレー 60万5000円)。

SR400 ファイナル スペシャル

加えて、サンバースト塗装や本革調シート、真鍮製エンブレムをあしらった1000台限定のファイナルエディションリミテッド(74万8000円)も用意された。全て3月15日発売開始。

セローのメーカー在庫は完売、店頭在庫は若干アリ

まずはファイナルエディション=新車の状況だが、2車種ともに「大人気」だ。

セローは、'20年7月末にメーカー在庫が完売。メーカーへ新規注文はできず、今買えるのはショップにある店頭在庫のみとなる。

'21年3月時点で、この在庫は全国的にかなり少なくなっているものの、探せばまだ買えるという状況だった……が、現在はほぼ買えないほど品薄に。車体色はどちらも人気だが、全国的にはややグリーンの方が品薄のようだ。

レッドバロン千葉東の鎗田(やりた)店長によると、「当店では、当初グリーンが人気でしたが、レッドを選ぶ人も増え、どちらも同程度のセールスとなりました。全国的に新車はほぼ入手困難でしょう」とのこと。

SRはまだ注文可能だが、納車時期は来年かも?

SRに関しては、限定1000台のリミテッドは既に完売。通常のファイナルエディションはまだ辛うじてメーカーに注文可能という現状だ。

ヤマハによると、’21年1月21日の発表から数日で、年間販売計画の6000台(ファイナル5000台、リミテッド1000台)を超える受注数が殺到。これは従来の年間国内生産量に対し2倍を上回る数字で、リミテッドに関しては即日完売の人気ぶりだった。

まだ通常のファイナルエディションは注文可能だが、「いつオーダーが打ち切られてもおかしくない状況」(鎗田店長)。欲しい人は可能な限り早くショップへ連絡を入れよう。

そして、気になるのは納車時期だ。今から注文して手に入るはいつ頃になるのだろうか? どうやら月々の生産台数を絞っているらしく、「見通しが立っていない」(鎗田店長)とのこと。'21年3月時点での注文分は年内に入手できそうだったが、8月現在では「年内分は既に埋まっており、納車は来年の見込み」という。特に人気が高いのはグレーだ。

中古車の相場は最大で10万円以上アップ!

2台の中古車相場も大幅に上昇している。 

特にSRは「争奪戦に近い状況」(鎗田店長)。生産終了が噂になった'20年秋頃から、ジワジワ中古車相場が上がり、'21年3月時点で「モノによっては5万円、極上車は最大で10万円程度高額になっている」状況だったが、同8月現在では「さらに相場は上昇」。ノーマルで100万円近いタマもあるという。
セローは、終了が発表された'19年末から相場が上がり、SRよりは抑えめとはいえ高くなっているそうだ。

合わせて、買い取り価格も上昇しているとのこと。売却を考えているオーナーは今が売り時かもしれない。

まとめ:名車のラストだけに人気も当然、早めに動け!

セローとSRは、まさに名車と呼ぶに相応しいモデル。長年、当たり前に購入できていただけに、イザなくなるとありがたみがわかる……。現在の状況は、その偉大さを知る人や、購入をためらっていたり「いつかは」と考えていたライダーが動いた結果。2台の人気ぶりを改めて証明した形となった。繰り返しになるが、欲しい人は早めに動こう!

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