オフロードバイクに乗ったらやってみたいことといったら、やっぱりジャンプにウイリー、テールスライドといったド派手なアクションライディングじゃないだろうか? これら3次元的な動きはオフロードバイクの専売特許といってもいいが、そんな憧れのアクションライディングの一つであるテールスライドを楽しくマスターできちゃうのが、今回紹介するBKスライディングスクールだ。
1日かけてスライドコントロールのイロハを習得
このBKスライディングスクールでは、ダートトラック競技由来のスライド走行の習得を目的としているが、かのケニー・ロバーツ選手もロードレースにおけるマシンコントロールのスキルアップをはかるためにダートトラックを練習に取り入れていたそう。
ただダートトラック競技というと、フロントブレーキのない専用マシンでオーバルコースを左回りでグルグル周回するイメージが強いが、このBKスライディングスクールのカリキュラムでは、一般的なオフロード走行に近い“T.T.”と呼ばれる種目をベースとしている。
このため一般的なバイクと同じようにフロントブレーキのあるマシンを用い、コーナーも左だけでなく、右コーナーはもちろん、大小様々な大きさの異なるコーナーが組み合わされた複合的なコースを走ってスライド走行を身につける。
BKスライディングスクールはレンタルバイクを転かし放題!?
このBKスライディングスクールの面白いところは、有料ではあるがCRF100やXR100といったレンタル車両が用意されており、しかもそれらの車両が“コカし放題”であることだ。もちろん故意に投げたり壊したりといった行為は御法度だが、スライディング走行を練習で発生する転倒に関してはオールOK、無問題!
主催の鈴木大五郎氏によれば、スライドコントロール上達のキモは、スロットルワーク、ブレーキ、車体の寝かし具合にしても“普段のライディングよりも思い切りよく行なって、マシンの動きを見極めたり、限界を知ることにある”という。そのための転倒はむしろ大歓迎というから非常にユニーク。……というか、「ケガしない程度にどんどんやってください」なんてレンタル車両での転倒を推奨するスクールなんて他にはないぞ!
上達を実感できるから面白くないワケがない!
今回、僕も初めてこのBKスライディングスクールを受講させてもらったのだが非常に学びの多いスクール内容だった。やはりすごいのはレンタルバイクをコカし放題なところ(笑)。
自分のバイクだと倒したくないから思い切れないし、腫れモノを触るようにレンタル車両を走らせるのも気を遣うもの……。ところがこのスクールでは、「楽しく思い切り走って、なんなら転かしちゃってください!」なんて言われるのだから、楽しくないワケが無い。
でもね、意外と「転倒してもOKだから思いっきり走って!」と言われたところで、なかなか思い切れないものなのだ。実際、丸1日走らせていると“おっとっとっ!”なんて場面は無数にあるものの、転倒に関しては僕自身数回のみである。人間“コカしていい”と言わたところでなかなかコケられないモノなのだ。
詳しいBKスライディングスクールのカリキュラムは、ぜひ実際に受講して習得していただきたいが、思い切りアクセルを開けて、思い切り車体を寝かしながらコーナーに侵入するなんて行為は、こんなスクールみたいな機会がない限りなかなか体験できないコトなのは確かだ。
反復練習のなかで、「次はもう少しマシンを寝かせた状態でコーナーへ侵入してみようか……」なんて具合に少しずつスライドコントロールを身につけていくのだが、繰り返すうちに明らかにスライド量も大きくなっていくし、侵入スライドから、パワースライドへの移行タイミングも段々とわかってくるのが面白い。
スクールには、普段はロードバイクでサーキット走行に参加しており、今回のスクールはおろかオフロードは初めて走るなんていう若者が2人いたが、走るにつれてどんどん上達していくのが見ていて非常に面白い。
BKスライディングスクール開催概要
●開催場所:成田モトクロスパーク(〒287ー0236 千葉県成田市津富浦1191-1)
●開催時期:毎月1回(中旬頃)
世界グランプリのチャンピオン達をはじめ、多くのライダーがトレーニングに取り入れているアメリカ発祥のモータースポーツ「ダートトラック」に着目したもので、 その基本を身に付け、グリップ力の低い路面でバイクの挙動を知り、積極的にコントロールしていく事でより繊細なライディングスキルを習得しようというプログラムになっている。
申し込み方法の詳細は専用サイト、もしくはメール(bkridingschool@aol.com)での問い合わせにて。