現在筆者がワープロ……いや、パソコンの前に座っているのは2024年3月16日(土)なのですけれど、ちょうど1日前にSHOEIさんが『バリバリ伝説』コラボヘルメットを発表してSNSはもちろん、時同じくして始まった大阪モーターサイクルショーでも大盛り上がり! 会場にはホンダ「CB750F」を駆る巨摩 郡クンのポスターがド~ン! ……こうなったらもう「乗るしかない、このビッグウェーブに」!
●つい昨年、2023年7月21日に発売されたばかりの『バリバリ伝説 Blu-ray』(品番:EYXA-14058 税込み価格:1万1000円)は、OVA[オリジナルビデオアニメーション]バリバリ伝説 PART I 筑波編とPART II 鈴鹿編(ともに1986年)、そして劇場版バリバリ伝説(1987年)が初めてBlu-ray収録された珠玉の1枚! 販売サイトはコチラ (C)しげの秀一/講談社
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40年以上を経てなお、熱狂の中心にいるCBのナナハン
いやもうホンの数日前まで1992年に登場した空冷無印シービーナナハンこと「CB750(RC42)」からとっととスタートして、単発コラムで終了してもいいかな……とも思っていたのですけれど、その「CB750」は特にカラーリング面で「CB750F」への多大なるリスペクトを行っているのですね。
そのあたりのビジュアルもしっかり紹介しつつ、空冷CBナナハン終焉までの流れを追っていきましょう。
さて、まずは“ビッグウェーブ”に乗っておかなくてはなりません(笑)。
まさについ先日となる3月15日(金)にSHOEIがフルフェイスヘルメット「X-Fifteen(エックス-フィフティーン)」、
および「Z-8」にバイク漫画『バリバリ伝説』とのコラボモデルを設定して7月より発売すると発表……大きな話題となりました。
“バリ伝”に関しては、もうあらゆる情報がネットに溢れかえっていますから、ご興味のある方は是非ともググってみてください。
そしてその主人公、巨摩 郡(こま・ぐん)クンが第1話から竿立ちさせ~の(2回)、ステップ擦り~の、フルバンクをキメ~ので、ガツンと強烈な印象を読者へ与えたのが真紅……キャンディーブルゴーニュレッドのホンダ「CB750F」(俗にCB750FBとも呼ばれる1981年モデル)だったのです。
●1981年型「CB750F」。全長2190㎜。鋼管ダブルクレードルフレームに搭載された総排気量748㏄の空冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブエンジンは最高出力70馬力/9000回転、最大トルク6.0kgm/7500回転のパフォーマンスを発揮。車両重量は246㎏、タイヤサイズはフロントが3.25H19-4PR、リヤは4.00H18-4PR。燃料タンク容量が20ℓで、60㎞/h定地燃費が従来型の32.0㎞/ℓより3㎞も伸びた35.0㎞/ℓとなったため理論上の満タン航続距離は700㎞に! 当時価格は59万5000円……。グンが劇中で駆った“しび子ちゃん”はコチラをベースに当時のカスタム三種の神器、セパハン(セパレートハンドル)、マフラー(モリワキの集合マフラー)、バックステップなどが盛り込まれていましたね〜
●ちなみにこちらが1992年型「CB750」。全長2155㎜、シート高790㎜。鋼管ダブルクレードルフレームに搭載された総排気量747㏄の空冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブエンジンは最高出力75馬力/8000回転、最大トルク6.5kgm/7500回転の実力。車両重量は233㎏、タイヤサイズはフロントが120/70R17、リヤは150/70R17。燃料タンク容量が20ℓで、60㎞/h定地燃費が27.0㎞/ℓなので理論上の満タン航続距離は540㎞。税抜き当時価格は68万9000円。非常に端正なスタイリングですよね〜。あと1996年から大型自動二輪免許が自動車学校でも取得できるようになったとき、教習用車両としてお世話になった方も多いのでは〜(^0^)
「あい」チャンか「みぃ」チャンか、それが一番の問題だ!?
『バリバリ伝説』の連載がスタートした1983年当時、山口の片田舎で毎月4日か5日に発売されるモーターサイクリスト誌(本来は毎月1日発売なのですが、地方は流通が遅れがち……)をお小遣い(1ヵ月分)の500円札
●昭和44(1969)年11月1日に発行が開始され、平成6(1994)年4月1日に発行停止された日本銀行五百円券(のC号券)。岩倉具視さんの肖像がカッコよかったですね。なお、初代五百円硬貨は昭和57(1982)年4月1日に登場……。このお金があれば、電話帳のようなモーターサイクリスト誌が楽勝で買えたのです!
丸ごとブッ込んで購入していた高校1年生の筆者は、バイク好きの悪友……いや同志から「ブチすげぇバイク漫画連載が始まっちょるぞ、オガワァ」と薦められて週刊少年マガジンを一読した瞬間、衝撃を受けました。
ヒロインの「あい」チャンがなんとカワイイことか……いや失礼(それもあるけど)、なんと描かれているバイクがリアルなことか!
●1983年11月14日に発売された講談社コミックス『バリバリ伝説』第2巻 著:しげの秀一 の表紙より。このショートカットのヒロインが伊藤歩惟(いとう・あい)さん。誕生日は1968年2月13日生まれで同年2月29日生まれの筆者と同級生なのですね……今は56歳かぁ(違う)。連載開始当初、「みぃ」こと一ノ瀬美由紀(いちのせ・みゆき)さん派と「あい」さん派は放課後になると激しく口プロレス(要は舌戦)を繰り広げたものです。なお、PCなどのブラウザ版「マガポケ」では2024年3月17日現在、30話まで無料で読めるので、さぁ、アナタも青春プレイバック!
ご存じのとおり、バイクというのは絵に描くのがメチャクチャ難しい対象物でして、真正面や真横ならともかく少しでもナナメった途端にタイヤとホイールとブレーキローターとフロントフォークの関係性から始まり、空冷エンジンならフィンの見え方、リヤタイヤが車体の正中線上にあるかどうかなどの難易度が一気に高まってヘタするとバランスがガッタガタになってしまいがち。
●いや別にいらすとやさんのイラストは味があって全く問題ないのですが、リアルさを追求する作品内で、あまりにもデフォルメされたバイクが出てくると、やはり興醒めしてしまったのですよ、オタク系バイクファンは……
現代ならパソコン内で製作した3Dモデルをグルグル回して作画していく……というやり方もあるそうですけれど、もちろん1980年代初頭は100%アナログな作業なわけですから、その描画の大変さは想像を絶します。
なのに“バリ伝”に出てくる「CB750F〈グン←乗り手:以下同〉」や「VT250F〈みぃ〉」や「Z400GP〈ヒロ〉」や「GSX750S〈ヒデヨシ〉」ほかのモデル群は(「スーパーカブ改」を含め(^^ゞ)、筆者がバイク雑誌やカタログで穴が空くほど眺めた車両の写真から想起するイメージそのまんま!
●え〜、ご多分に漏れず筆者も(バイク)漫画家を目指していた時期がございまして、こういったカタログ(写真は1995年型「CB750」のもの)を見ながら一生懸命デッサンしたり、それでもグニャグニャになるのでトレーシングペーパーを上に乗せて鉛筆でなぞったりして少しでもリアルさを追求……したのですが、才能のなさは如何ともし難く、Gペンとインクとスクリーントーンを買った翌々日に夢をあきらめました!? そんな黒歴史(!?)いや、誇るべきホワイティな過去もあるので、バイクをちゃんと描ける人はめちゃくちゃ尊敬してしまいます……
歪んだバイクに気を取られることなく、迫力あるバトルや胸熱なストーリーに没入できるのですから人気の出ないわけがありません。
結果、『バリバリ伝説』は文字どおり伝説的な漫画となり、ただでさえ人気があった“シビ子ちゃん”こと「CB750F」は、“グンヘル”同様、永遠(とわ)の存在へ昇華されていったのです。
異様な時代に異常なほどの人気を博した「CB750F」!
改めてそのホンダ「CB750F」なのですが、初代(機種コード:CB750FZ)は1979年6月に登場しました。
●1969年に736㏄空冷4スト並列4気筒OHC2バルブエンジンを搭載して登場し、一世を風靡した「ドリームCB750FOUR」でしたが、DOHCエンジンを搭載したカワサキZ1(900スーパー4)・Z2(750RS)を筆頭にライバルメーカーから激しい追撃を受けて人気が急落してしまいます。起死回生を図るべくDOHC4バルブヘッドのレーサー「RCB1000」を開発して欧州の耐久レースを席巻したホンダは、かくいう無敵艦隊イメージをダイレクトに受け継ぐフラッグシップ「CB900F」をリリースして一気にシェアを挽回! そのまんまのシビれるスタイリングでハイパフォーマンスなナナハン仕様「CB750F」が日本市場へと降り立ったのですから、当時のユーザーは熱狂したものですよ〜。なお、こちら“FZ”の当時価格は53万8000円でした
前年12月に発売された「CB750K」同様の748㏄空冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブエンジンを流麗なヨーロピアンスタイルの車体へ搭載し、一躍大、大、大、大人気モデルとなったのです!
●1978年12月13日に発売が始まった「CB750K」(当時価格49万8000円)……エンジンはバリバリ最新のRCB直系DOHC4バルブなのですが、スタイリングはスーパースポーツでもないし(「CB750F」が待機中)、今で言うクルーザーでもないし(もっとアメリカンな「750カスタムエクスクルーシブ」が待機中 ※1980年6月登場)、強いて言えばロードスポーツ……なんでしょうけれど、なんとも形容し難いモデルでありました。街で見かけた記憶は……ないですねぇ
いやぁ、今回改めていろんな「CB750F」の写真を眺めていますけれど、本当に美しい……。
長~いタンクから絶妙なカーブを描きながらサイドカバーへ行き、途切れることなく今度はテールカウル後端まで跳ね上がっていく“インテグレーテッド・ストリームライン”とも呼ばれた文字どおり流れるような外装の構成は、まさに文句のつけようがない完成度!
●グンの“シビ子ちゃん”と同じFBこと1981年型「CB750F」。フロントフォークにセミエアサスペンション(空気ばねに大気圧以上の圧力を加えることで、乗り心地の良さと踏ん張りの強さを両立……しようとしたものの早々に消滅)、前後の車輪にアルミ製コムスターホイールを装着しているのが懐かしいですね〜。低扁平のフロント19インチタイヤが醸し出す威風堂々感も文句なしでした!
●こちらは1979年型“FZ”のメーターまわり。濃緑の地色に白い針と数字表示を持つ大型のスピード&タコメーターは視認性に優れ、その直下のフロントフォークから突き出るセパレートハンドルはジュラルミン(アルミニウムと銅を主な成分とした軽量ながら高い強度を持つアルミ合金の一種)鍛造製。豪勢な作りのガソリンタンクキャップにも注目です
ワタシも当然のごとく「CB750F」に心を奪われたひとりですが、当時は3ナイ運動もフルスロットル中で高校時代にバイク免許なんて夢のまた夢。
●講談社コミックス『バリバリ伝説』第1巻 著:しげの秀一 確かグンは14歳までアメリカで暮らしていた関係で、日本での一発試験を受けずに排気量無制限のバイク免許を取得済み……という設定だったはず。あまりにも限定解除がムズイので、実際に渡米して同様のことをやろうとした人がいたとか、いなかったとか!?
辛抱たまらず購入した12分の1スケール、田宮模型のプラモデルをハァハァ言いながら作り上げて「カメッ!」と叫びながら机の上を転がしまくった記憶がございます(遊んでいるうちバンクさせるとハンドルが勝手に切れていくセルフステアも学べましたし、フレームの構造やエンジン吸排気系の仕組みなどもサクサク頭へ入るのでプラモデルはバイクライフを充実させるのにとてもいいアイテムですよ!)。
●1981年11月に発売されたTAMIYA 1/12 オートバイシリーズ No.6「1/12 Honda CB750F」。完成時のサイズは全長183㎜、全幅64㎜、全高99㎜。価格は税込み2090円で現在でもTAMIYA SHOP ONLINEほかで、しっかり購入できますよ〜(さらなる感動が得られる6分の1モデルは現在絶版中ですか……求む再発売!)
誰もが陶酔するスタイリングの黄金比を実現してしまった!
1978年に先行して欧米ほかで発売された「CB900F」の評判を伝え聞き、筆者同様にハァハァが止まらない(ヤバイ)人は多数いたようで、国内で発売されるや「CB750F」は前述のとおり、一気に大ヒット(ホームラン!?)モデルへと成り上がり!
公式リリースによると1979年モデル(機種コード:CB750FZ ※以下同)で、年間生産予定台数(輸出含む)は1万5000台。
1980年型(CB750FA)は不明ですが、1981年型(CB750FB)の公式リリースでは国内の販売計画が年間9000台予定(※実際は同年に1万1000台以上販売したとか)と明記されており、1982年型(CB750FC)でも同8000台……と、令和のホンダ「レブル250/S」並みに売れまくっていたのですから凄いですよね。
●1982年6月に発売された「CB750F」の“FC”は大胆な改良を実施して登場しました。内容を列記すれば①ホンダ独自のトルク応答型アンチダイブ機構(TRAC)を装備 ②φ39㎜の(当時としては)大径フロントフォークを採用 ③対フェード性、耐候性を向上させたセミメタルパッド採用のデュアルピストンキャリパーディスクブレーキを装備 ④高速連続走行でも安定したダンピング特性を発揮するリザーバー付きリヤクッションを導入 ⑤フロントに18インチホイールを採用すると同時に偏平ワイドタイヤを装着 ⑥新設計オールアルミ製ブーメラン型スポーツコムスターホイールも新規導入……など市販レーシングマシン「CB1100R」の優れた足まわりを受け継いだものに! なお、1979年モデルの“FZ”=53万8000円で始まった価格は1980年の“FA”が54万8000円、“FB”は59万5000円、この“FC”では64万円へ……。性能向上と価格上昇がまさに正比例していたのです
●2004年型「CB750」……地味めなシビ子ちゃんが登場から約12年を経て突然ハデハデに! もちろん、上で紹介している「CB750F」の“FC”をめちゃんこ(←鳥山明さん追悼)リスペクトしているのは一目瞭然ですね。しかもこれが大当たりして「CB750」の販売台数はアゲアゲに……。カラーリングの力って凄い! このあたりは次回以降しっかり説明責任を果たすことを検討いたします。ちなみに2004年モデル税抜き当時価格は72万9000円、消費税5%込みの価格は76万5450円でありました。こちら、内容の充実ぶりを考えるととてもリーズナブルなプライスだったなぁ〜と思っていたのですが、私だけ?
そして……思い出してください。
この時代、二輪車の運転免許制度が異様だったことを(関連記事はコチラ)。
そう、各都道府県に1~数箇所しかない運転免許試験場で一発試験にパスしなければ「中型限定自動二輪免許」の限定が解除されなかったのです。
かくいう制度は「CB750F」がデビューした1979年の4年前、1975年にスタートしており、平日にわざわざ時間を作って試験場へ向かっても合格率はたった数%……東大入学より難しいとも言われていました。
高すぎるビッグバイク免許へのハードルに、全国のライダーから怨嗟の声が巻き起こっていたまさにその頃ですよ。
●事前にナゼかクソ重たい車両を引き起こしたりセンタースタンドをかけたり……。それがパスできたら日によって変わる運転免許試験場の試験ルートを速攻で頭に叩き込み、試験官への挨拶や安全確認も完璧にして、初めて乗る車両にビビりながらもメリハリある走行を心掛ける……。そりゃフツーは落ちますって
if……現在と同じ免許事情で「CB750F」が発売されていたら!?
大型バイクに乗りたくても免許が取れないという、今では想像もつかないような状況下なのに年間1万台ペースで高額なナナハン……「CB750F」がユーザーの手へ渡っていったというのは本当に驚異的なこと!
もちろん新制度となる1975年以前に大型二輪に乗れるライセンスを取得していた人が話題のニューカマーを購入した、という場合もあったでしょう。
けれど、筆者の肌感覚として「どうしてもCB750Fに乗りたいから超難関な限定解除へ挑むッ」と勇躍、運転免許試験場まで足しげく通った人は非常に多かったという印象(モーターサイクリスト誌の人気連載だった「限定解除レポート」を読んでいても顕著!)。
超難関を突破し、涙の合格を果たした人の8~9割はそのままヤマハオートセンターかホンダウイング店へ直行して「CB750F」の購入契約書にハンコを押していた……というイメージまでございます。
●1982年型「CB750F(FC)」カタログ裏表紙より抜粋。外装だけを切り抜いて紹介するというセンスがいいですね〜。いや冗談でなく、あの燃えさかるような熱気をはらんでいた1980年代バイクブームのころ、現在のようなバイク免許制度だったとしたら「CB750F」は年間で何台売れたことでしょう……。冗談抜きで3万台コースだったような気がいたします。まぁ、歴史にタラレバもニラレバもパラレバーもテレレバーもブレーキレバーもクラッチレバーも入れ歯も差し歯もないのですが(^^ゞ
そんな大人気車両だった「CB750F」のですけれど1982年8月に大型のフェアリングを装着した「CB750Fインテグラ(CB750F2C)」を正規ラインアップとして追加発売してピタッと進化を終了し(欧州向けには1983年型(FD)が存在したそうですが……)、
●1982年型「CB750Fインテグラ」。写真を見て想像するよりはるかにビッグなABS樹脂製のフェアリングを装着した孤高の1台。風防の内側両サイドには小物入れも装備されており、高速道路の通行券をスムーズに収納することもできました。いやぁ〜、「CBX400Fインテグラ」とセットで特集記事が組まれたモーターサイクリストを何十回、いや何百回と熟読したことを覚えています。全長2180㎜、シート高800㎜、車両重量は264㎏(エンジン性能は70馬力/6.0kgmで変化なし)。価格は75万円で公式リリースでの年間国内販売計画は4000台でした
新時代の空冷パワーユニットを搭載したハーフカウルの「CBX750F」へバトンタッチを果たしたのです。
●1983年12月13日に発売が開始された「CBX750F」。フロントに16インチタイヤを採用し、角型デュアルヘッドライトを持つハーフフェアリングも注目を集めました。全長2145㎜、シート高795㎜。新規開発された747㏄空冷4スト並列4気筒DOHC4バルブエンジンは出力自主規制上限の最高出力77馬力/9500回転を発揮し、最大トルクは6.5kgm/7500回転。車両重量238㎏、燃料タンク容量が22ℓで60㎞/h定地燃費が36.0㎞/ℓだったので理論上の満タン航続距離は792㎞(!)。当時価格は69万8000円で公式リリースに記載された年間国内販売計画は8000台でした。ドカスカとエンジンに投入された新機軸については、次回ご紹介します!
まさか水冷化への大波を受けて消えていったそのエンジンが、約10年後の1992年に登場する「CB750」に搭載されて復活するとは……。
●2001年型「CB750」カタログより。さてこの車名をどう読むか問題というのもありまして「シービーナナヒャクゴジュウ」、「シービーナナハン」、「シービーセブンフィフティ」……。私が編集部にいるときは「セブンフィフティ」を使おう、となっていたはずなのですけれど、今回改めてリリースやカタログを眺めてみても公式に「CB750はシービーセブンフィフティと読む!」とはどこにも書かれておらず、雑誌広告には「CBナナハン」と記載されていたりして非常に混乱しております。まぁ、執筆には影響ないのですけれど少々モヤる……(笑)
そのあたりの流れはまた、次回お届けいたしましょう。
あ、というわけで名車「CB750F」のイメージを色濃く踏襲した「CB750」は成熟した1990年代のバイクテクノロジーが全投入されており、令和の今でも全く問題のない走行性能を発揮してくれます。日本全国に300強の店舗を構えつつ『5つ星品質』の中古車を販売しているレッドバロンなら、間違いのない車両が選べて幾久しく楽しむことができますよ!
CB750という地味めなシビ子【中編】はコチラ!
TDM850/900という出木杉クン【後編その2】はコチラ