まぁとにかく次から次へと最新バイクへ課せられていく様々な規制や機器の義務化。当然のことながら、設計年次が古い車両ほどそれらに対応していくことは難しくなっていきます。2005年にフルモデルチェンジを受けた「セロー250」も気が付けば10年超えの選手となっていた2010年代なかば。いったん生産終了の憂き目に遭いつつ、さらなる魅力を獲得して復活し、猛ダッシュで完走のゴールテープへ……!
●2018年型「セロー250」カタログより。いやぁ、中央に陣取るパープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト×オレンジ)のカッコよさといったら! ……しかしこの、正式カラー名称パープリッシュホワイトソリッド1の大増殖はなんとかならんかったものか(^^ゞ。まだ“225”時代は「パープリッシュホワイトソリッド1×ディープレッドカクテル2」という具合にカッコの付く但し書きはなく、脳内で「ああ、あれか」とイメージしやすかったのですけれど(^^ゞ あ、上半分の写真には「ツーリングセロー」仕様も当たり前のように映ってますね。そうなのです、2012年に登場して以降2020年のファイナルエディションに至るまで、ずっと選ぶことができました!
セローという人気者と愉快な仲間たち【その8】はコチラ!
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「ダメよ〜ダメダメ」と「集団的自衛権」が流行語大賞となった年に……
2014(平成26)年……。
つい最近……感覚的には3日前くらいのことのように思える字ヅラですが、実際にはしっかり10年前なんですよねぇ。
どんなことがあったのかをザッと振り返ってみますと1月、一世を風靡したリケ(美)ジョさんの関わるSTAP細胞騒動から始まって、
●「スタップ細胞はあります!」と理系女子、小保方晴子さんが叫ぶシーンを何回テレビで観たことか……(STAP細胞とは人為的に操作することで様々な細胞に分化できる多能性細胞。正式名称は「刺激惹起性多能性獲得細胞(Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency」)。なお、「スタップ〜」という言葉は流行語大賞のトップテンにも入れませんでした。ちなみに大賞のひとつ「ダメよ〜ダメダメ」はお笑い芸人・日本エレキテル連合さんのネタです
ソチ五輪では羽生結弦選手が初の金メダルを獲得。
大阪であべのハルカスが開業し(3月7日)、4月1日から消費税が8%にアップ……。
●あべのハルカスは近鉄不動産の超高層ビル。高さ300mぴったりの60階建てで58階から60階に展望台アリ。2024年現在、日本では麻布台ヒルズ森JPタワー(325m)に次いで2番目に高いビルなのだとか。ちなみに名称の「ハルカス」は古語の「晴るかす」に由来しており、ビルの上層階から晴れやかな景色を見渡して爽快感を味わえることや、多彩で充実した施設で来訪者に心地よさを感じてもらいたい……という思いが込められているそう
11月には高倉 健さん、菅原文太さんが相次いで亡くなられました。
モトGPではホンダ「RC213V」を駆るマルク・マルケス選手がシーズン13勝を挙げる無双ぶりを発揮して2連覇を達成(遠い目)。
映画関連では『アナと雪の女王』がすべてを持っていった感がありましたね(日本での興行収入255億円! もちろんランキングも仏恥義理……いやブッチギリの1位)。
●その年を象徴する存在としてこれまでも数々紹介してきたジブリ作品。2014年は『思い出のマーニー』でしたね。日本興行収入は35.3億円でランキング9位に終わりました。あらすじとしては、内気な少女・杏奈(画像左)はぜんそく療養で海辺の家で過ごすことになるものの村の子どもとはなじめず。そのうち、ある屋敷の少女マーニーと友達になるのですが、新たな住人が引っ越してきて……ウンヌンという内容(分かるかな? まぁ、また近いうちに金曜ロードショーで放送されるでしょう(^^ゞ)。なお、本来ここで紹介すべきアナ雪の画像が使えない理由は……お察しください m(_ _)m
そんな2014年、「セロー250」は約2年ぶりにカラーリングへ手を加え、パープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト×レッド)に代えて新たな渋い色、ベージュを導入。
●ハイ、こちらが2014年型「セロー250(1YB9)」のアーガイル調のグラフィックが施されたベージュですね。アーガイルとは格子模様(チェック)の一種で数色の菱形が連続して構成され、その中心を辺に並行した線が交差する柄のこと。見た目の連想からそろばん柄と称されることもあるとか。地味と言えば地味ですが、パッと目を引くカラーリングですよね。筆者が現在住んでいる仙台では、このカラーリングをまとった「ツーリングセロー」(税抜き当時価格51万8000円)仕様を非常によく見かけます……
もう1色はパープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト×グリーン)が継続されていきました。
●ハイ、こちらが継続された白×緑ですね。ここで今一度2008年モデルから不変の主要諸元を記載しておくとFI(フューエルインジェクション)が採用された249㏄空冷4スト単気筒OHC2バルブエンジンは最高出力18馬力/7500rpm、最大トルク1.9kgm/6500rpmを発揮。燃料タンク容量は9.6ℓで60㎞/h定地燃費は40.0㎞/ℓでしたから理論上の満タン航続距離は384㎞となります。シート高810㎜、車両重量130㎏。ハンドル切れ角は左右それぞれ51度で最小回転半径は1.9m。税抜き当時価格も変わらぬ(エライ!)47万円でしたけれど、同年4月1日より消費税が5%から8%へ上がってしまったので、税込み価格は49万3500円→50万7600円となりました(涙)。ちなみに「ツーリングセロー」は税込みで54万3900円→55万9440円へ……(号泣)
主要諸元はFI化された2008年モデルからずっと変わりなく、価格も47万円(※税抜き。以下同)で変更なし。
YSP誕生やらセロー誕生やら30周年記念モデルを連続発射!
そのまま、またしばらく放置かな~と思いきや、同年5月24日からはYSP(YAMAHA SPORT PLAZA)誕生30周年を記念する「SEROW250 YSP 30th Anniversary Edition」の販売が開始されたではあ~りませんか。
●2014年5月24日から発売が開始された「セロー250 YSP30周年記念車(1YBF)」 。主要諸元に変更はありませんが、税抜き価格は1万円アップ。すでに消費税8%の時代となっておりましたので税込み価格は51万8400円となりました
色名はいつものパープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト×ブルー)で困ってしまいますが(?)、いやもう何という爽やかな青色なのでしょう~。
●上で紹介しているSTD車と見比べていただくと良く分かるのですけれど、フレームがブラックか、シルバーかという違いだけでも、全体を通じて受ける印象は大きく異なるものですなぁ
残念ながら手元にはなかったのですけれど、当時配布されたカタログからも“澄み切った青空”をイメージしたのは明白で、違うスタッフが別企画で借り出したこの車両を八重洲出版の玄関先で見たとき、あまりの清々しさにしばし呆然と立ち尽くしたのをよく覚えておりますヨ。
特別なYSP30周年記念ステッカーをありがちな燃料タンクの中央部分ではなくメーターバイザーのクラッチレバー側へ貼付するよう販売店へ指示が出ていたところにも、企画担当者の並々ならぬ“おこだわり”な美意識を感じさせられたものです。
●「○○周年」やら「ファイナルエディション」やらの特別なステッカーやエンブレム類は得てして燃料タンク中央の給油口近辺に貼られ、所有者が跨がるたび視界へ入り込んでばニヤニヤさせる……ものですけれど、それを敢えてメーターバイザーにもってくるとは……。かくいう点でも脱帽しました〜
繰り返しますが、価格はSTDから1万円アップの48万円。
“限定”を謳っておりましたけれど、リリースには●●台のみ生産!という具体的な台数の明示はありませんでした。
そうこうしていましたら翌年(2015年)4月に、今度は“セローの30周年”を記念する「SEROW250 30th Anniversary Special Edition」が登場してきたではあ~りませんか!
●2015年型「セロー250 30周年特別記念車(1YBL)」は"アクティブ・カジュアル・アウトドア"のコンセプトによるカラー&グラフィックを採用して2015年4月15日から発売が開始されました。色名はマットグレーメタリック3(30thアニバーサリースペシャルエディション)で、特徴はシュラウド部にあしらった左右非対称のロックパターンと、カモシカをイメージしたグラフィック。そしてビビッドなオレンジ色の前後ホイールリムとハンドルスタンディングおよびシートステッチなどなど
まさに機を見るに敏!
●今回も台数の限定ではなく2015年3月12日から10月31日までの受注期間限定での販売方式を採用。つまり注文が入ったら入った分は必ずしっかり対応して作りますよ〜ということ。価格は50万5000円(8%税込みで54万5400円)と一気に上昇した印象を受けますが、そこはそれ「限定」という言葉に弱い日本人(^^ゞ。当時いたバイク雑誌編集部では「相当な数の受注が入っている」と聞いた覚えがございます。しかし、街中で見かけることは少ないのですよね……。ありがちながら、記念車はやはり投機対象として倉庫にしまい込まれたのでしょうか!?
得手に帆揚げてライバル不在の大海原を突き進むがごとく、台数限定じゃない(?)限定仕様を矢継ぎ早にリリースしてきた燃える商魂☆あんときのヤマハ……。
●フロントフェンダーを彩る鮮やかなロックパターンと、何と言っても目に映えるオレンジ色のハンドルスタンディング(ヘッドライト直下のグリップ部分)が特別感を演出しております
事実、2013年まで2000台+αで推移してきた「セロー250」の販売台数は、アニバーサリー攻勢をかけた2014年から急上昇!
●このサイドカウルに配された記念ロゴ。車両写真もよく見てほしいのですけれど車体の右側は白色で、反対側はオレンジ色で記載されていたのですよ。ヤマハ開発陣、本当にこだわっているなぁ……
2015年、2016年は年間で、ほぼほぼ3000台を売りさばくという絶好調ぶりを見せつけました(なお、2016年には車体色が一部変更されております)。
●ハイ、こちらが2016年2月5日から発売された「セロー250(1YBN)」のパープリッシュホワイト1(ホワイト×グリーン)ですね。本当にサイゼリヤの間違い探しレベルなのですけれど、グラフィックが従来の白×緑とは絶妙に変化しております
●こちらはパープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト×オレンジ)ですね。セロー30周年記念車と同じオレンジ色のリムが映えます。それに合わせて車体色を同じにしたのかな!? あと、アーガイル調グラフィックのベージュも継続販売されていましたので、当時は合計3色が選べたことになります(主要諸元や価格には変化なし)。2017年の生産終了前に売れるだけ売ってしまおうという燃える商魂☆あんときのヤマハ再び!?
♬さよならは別れの言葉じゃなくて再び逢うまでの遠い?約束〜
そして運命の2017年。
●この年、当時中学3年生の最年少将棋棋士、藤井聡太四段(14)が6月、2016年10月のプロデビューから負け知らずで30年ぶりに歴代最多連勝記録(28連勝)を塗り替える29連勝を達成! いまだ(ほぼ)無敵状態が続いていますね〜。あと、1月には想定外?のトランプ米政権が発足してモロモロ旋風が吹き荒れたものです……。あ、小見出しに使った一節は、ご存じ「セーラー服と機関銃」から拝借しました。あ、「夢の途中」も好きです〜(^^ゞ
「セロー250」(いったん)生産終了!というニュースがバイクギョーカイを駆け巡りました。
と、いうのも、またまたバイクラインアップを大きく減少させる慈悲なきビッグウェイブ……排出ガス規制の平成28年度版がやってきたのです。
●対応できない車両は販売ができなくなる……。しかし対策には高いコストが掛かるため生産を続けるモデル、やめるモデルを取捨選択せねばならず、メーカーとしても苦汁の選択が求められました
ただ正直、排出ガス規制で問われるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)という3つの有害物質に関してはFI(フューエルインジェクション)や三元触媒ほか有害物質の浄化に関する技術的な蓄積が相当に進んでおり、EURO(ユーロ)4同等とされた各々の規制値をクリアすること自体は、いうほど難事業ではなかったとのこと。
それよりも問題は新たに「OBDシステム(車載式故障診断装置)を装備して、かつ「燃料蒸発ガス規制」をクリアするカラクリまで導入しなければならなくなったことだったとか(関係者談)。
●OBDとはなんぞや?という方は、ちょっと時が進んで2021年のホンダ「グロム」モデルチェンジにからめたOBDⅡの話ですが、分かりやすい記事がございましたので、コチラをご確認ください
高いトータルバランスを誇った車体へさらに規制対策をマシマシ!
まぁ、規制の内容はもっとコマゴマとしたものもあるのですけれど、ざっくばらんに言えば「もう各国ごとに違う各種規制に対応して細かく仕様を変更しつつバイクを作るっていくのはコストばっかり掛かってカナワン! 全世界的に排ガスの規制値や灯火類やABSといった安全装置についても足並みをそろえていこうや!!」ということで、ある意味で厳しい規制値を先取りしすぎたニッポンも順次欧州のルールへと調和していき、くだんの平成28年排出ガス規制では(ほぼ)前述したEURO4と同じ内容にいたしましょう……ということになりました。
●EUがなかったころなんて、フランス仕様とドイツ仕様とスペイン仕様と(以下続くけど略)で、それぞれ各国のルールに対応じたパーツを作らねばなりませんでしたからね。メーカーは大変な苦労をしてきたのです
とはいえ、さすがのヤマハ開発陣も「ハイハ~イ! セローにOBDシステムと燃料蒸発を抑制するキャニスターの追加ッスね~。当然、有毒ガスもさらに浄化しなくてはなりませんからFIと触媒を見直すとともにO2センサーなどを追加してECUもレベルアップしなければなりませんね~。承知いたしました~」と表面上は(引きつった)笑顔だったとしても、心の奥底では「ハイ、喜んで〜!」とはならなかったはず(当時の全メーカー開発者がそうだったでしょうけれど)……。
従来なかった新しいモノを追加するということは、新たにアイテムを設計し、金型をおこし、配線やチューブを刷新&追加し、性能を検証し、治具を刷新し、どこに配置するかを考え直し、組み立て方法を変更して、苛酷な走行テストを経てトラブルをしらみつぶしにし、狙った性能が出ているか確認し、関係省庁へ許可をいただき……といった多種多様な工程(コレでもほんの一部)を経る必要があるもの。
●正直、車格に余裕のあるビッグバイクなら追加パーツをうまくボディ内へ潜り込ませることも比較的容易でしょうけれど、スリム、軽量、コンパクトがウリのセローで、どう折り合いを付けるか……。プロジェクトXばりの熱い会議が繰り広げられたことでしょう!?
セローがセローであるために、一定の時間をいただきます……ということで、2017年モデル(2016年型からの継続)をもって生産が終了。
「次期モデルはあります!」とSTAP細胞リケジョのようにヤマハからは熱心にアナウンスされたものの、ユーザーからすれば「値上がるだろうな、重たくなるだろうな、走行性能も落ちるかもしれないしスタイルだってどうなることか……」といった懸念が先にたち、現行型を我先にと買い求める人が急増。
2015年、2016年と約3000台だった販売台数は2017年、さらに跳ね上がって3600台を超えることとなりました。
バイクビジネスとは……(^^ゞ。
イケ尻化!?+まさかの馬力&燃費向上まで果たしSEROW is BACK!
そ~し~て~、歌手の安室奈美恵さんが引退(9月16日)する17日前となる2018年8月31日、数々の難題をまたまたクリアした「セロー250(B7C1)」が大大大復活ゥ!
●は〜い、環境諸規制対応や新アイテム追加など、厳しく高いハードルをまたまた飛び越えた2018年型「セロー250(B7C1)」で〜す。この色はパープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト×オレンジ)ですね。主要諸元を記載しておくと249㏄空冷4スト単気筒OHC2バルブエンジンは最高出力20馬力/7500rpm、最大トルク2.1kgm/6000rpmへパワーアップ。燃料タンク容量は9.3ℓ。シート高830㎜、車両重量133㎏。ハンドル切れ角左右51度&最小回転半径1.9mは変化なし。税抜き当時価格は52万3000円となりました
すでにデジタル化されていた広報写真をダウンロードし、編集部デスクのiMac(Intel CPUベース)でグイグイ拡大して各パートをチェックしたもののテールまわりが変更されたことと、
●2003〜2005年型「YZF-R6(RJ051)」へ採用されたものをルーツに持ち「XT250X」にも使われたLEDストップランプを「セロー250」が引き継ぎました(「XT250X」は2008年モデルが最終型で2017年ころに販売を終了)。同時にテールカウルからナンバープレートステーに至るまでリヤ周りのデザインを一新! 従来モデルのナンバープレート取り付け角度が新規制にそぐわなかったというオトナの事情もあるにせよ、結果的に後方から眺めると非常にシュッとした精悍なスタイリングを獲得しており、まさに“イケ尻”!?
●このカタチの「YZF-R6」……モーターサイクリスト誌時代、元気な後輩女性編集部員の愛車だったなぁ、という記憶が強く残っております
車体跨がって左手側、エンジンの前にキャニスターが追加されているくらいしか差違が見つけられません。
●新規制では燃料タンクから蒸発するガソリンが大気開放されるのを低減することが義務化されため、ガソリンを吸着する活性炭(チャコール)を詰めたキャニスター(缶状の容器)が装着されることに……。吸着したガソリンは浄化したあと還流され、再び燃料として活用されるというからスゴイ! 「セロー250」に新採用されたキャニスターはクランクケースとほぼツライチの金属パーツでガードされており操作に支障をきたさないだけでなく、転倒時などでも被害を極力受けない工夫がなされているのです!
そしてスペックを確認してみると、3㎏重たくなったのは想定内。
ところが……最高出力は2馬力増えて、最大トルクも0.2㎏m増強!
●こちらはパープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト×ブルー)でYSP30周年記念車より、さらに爽やか万太郎(分かりませんよね、失礼)なカラーリングを獲得。こちら側からよく見ると従来型では二次エア導入装置を装備された部分が塞がれており、代わりにエキゾーストパイプにO2センサーを装備。そちらで得た精度の高い情報をFIを制御するECUへフィードバックすることにより、より効率的な燃料供給を実現しているのですね。結果、より排ガスはクリーンとなり、燃費も良くなり、馬力まで上がるという一石三鳥以上の効果をGETだぜ!
さらに嬉しい誤算は燃費の大幅アップでした。
60㎞/h巡航での燃費は40.0㎞/ℓから48.4㎞/ℓと驚くくらい伸びており、各種補機類の追加で割を食い、9.6ℓから9.3ℓへ減らされた燃料タンク容量を補ってあまりまる余裕を実現しているではあ~りませんか。
燃料タンクと定地燃費を掛け合わせた理論上の満タン航続距離も、従来型の384.0㎞から450.12㎞へと文字どおり長足の進歩を遂げており、心底ビックリさせられましたね!
●ボア74㎜×ストローク58㎜は従来型と同じながら、燃焼室に改良が加えられて圧縮比は9.5から9.7へ……。これが2馬力アップの決め手となりました。もちろんクリーンな排気と両立させるため、サイレンサー部に備えられた三元触媒の仕様にも変更が与えられております。いやもう、微に入り細を穿つモディファイの数々にはヤマハ開発陣の“執念”さえ感じさせられました。あ、この色は……もう覚えましたね。はい!パープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト×ブルー)です
悲しいかな2008年モデルから変わらず47万円(しつこいですが以下も全て税抜き価格)で推移してきたSTDの価格は5万3000円アップの52万3000円となってしまいましたが(「ツーリングセロー」ももちろん設定されており、そちらは57万4000円)、確かな価値を見いだすライダーは数多く、以降大きな動きのなかった2019年でも2500台を軽くクリアする販売台数を叩き出しております。
……んんんん~おかしいな(←アミバ様的に)、すでにForRの編集担当から怒られかねない文字数となってしまったぞ……(汗)。
では、驚愕の展開をみせた「セロー250」ファイナルモデルに関しては、(本当に)最終回となる“その10”にて述べさせていただくことにいたしましょう。
ほら、キリもいいし、書くべきこともイッパイアルシ……(言い訳が見苦しい)。
【セローの愉快な仲間 その9】長らくセロー250、XT250Xとだんご……いや断固(?)三兄弟だった「tricker XG250」も2018年モデルにて新規制対応を完了(9月20日に発売開始。残念ながらXT250Xは規制対応されずにフェードアウト……)。当然ながら20馬力/2.1㎏mというパフォーマンスもセロー同等。車体側に大きな変更はなく、シート高は810㎜のまま。2008年型で7.2ℓ化された燃料タンク容量は7.0ℓにちょっぴり減少。とはいえ60㎞/h定地燃費は従来モデルの39.0㎞/ℓから45.2㎞/ℓへ大幅に向上したため、理論上の満タン航続距離も従来型の280.8㎞から316.4㎞へ劇的アップ! 車両重量は125㎏→127㎏とたったの2㎏増に抑えられていました。ただ、2014年モデルから税抜き39万6000円へ値下げを受けた価格は大きく揺り戻され同43万3000円に……。2004年の登場以来「フリーライドプレイバイク」という新ジャンルを徹頭徹尾標榜していった「トリッカーXG250」は残念ながらこの2018年モデルが最終型となってしまいましたが、今なおコアなファンに愛されつづけているのです
●この角度から見るとキャニスターが相当に出っ張っているように見えますけど、いざ跨がってみると全く気にならないと言っても過言ではありませんでした。セローと違ってファイナルエディションは設定されなかったのですけれど、出してあげてもよかったような気がするなぁ……
あ、というわけで重要なことゆえ前回に引き続き述べておきますが「セロー250」はレッドバロンの誇る膨大な在庫を見ても2008年から2017年まで販売されたFI前期(DG17J)が飛び抜けて台数が多く(セロー全体で見ても約半分!)、様々な程度の車両を選ぶことができます。『5つ星品質』中古車ならアフターサービスの心配もナシ! まずは近くにある各店舗で膨大な在庫のチェックを~!
セローという人気者と愉快な仲間たち【その10】はコチラ!
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