2018年の夏、各種規制に対応して(いったんの)生産終了から復活した「セロー250」でしたが、なんと2020年1月には国内向けの卒業モデル!?となる「セロー250 ファイナルエディション」がリリースされてしまいます。35年前にデビューした“初代”を最大限にリスペクトしたカラーリングは往年を知るものにとって懐かしく、新規ユーザーにとっては新鮮そのもの。当然のごとく超絶引く手あまたな状態に……!
●2020年型「セロー250 ファイナルエディション」カタログ表紙より。よく見ると当然のごとく「ツーリングセロー」が映り込んでおりますね。当時、セローの新車を購入した4割以上の人が選んだ仕様ですから当然と言えば当然(詳細はコチラ)。ちなみに2020年……コロナウイルスの猛威によって緊急事態宣言が出たり東京オリンピックが1年延期されたり甲子園が春夏ともに中止されたりと、本当に大変な時期だったなぁ……
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2018年版「セロー250」があえて装着をスルーしたデバイスとは!?
「セロー250 ファイナルエディション」を語るには、2018年の諸規制クリア版「セロー250」にまで遡って言及せねばなりますまい……。
●型式まで変更される大改良が施された2018年型「セロー250」(個人的には「YZF-R6」用がルーツのテールランプがツボ)。改めて主要諸元を記載しておくと249㏄空冷4スト単気筒OHC2バルブエンジンは最高出力20馬力/7500rpm、最大トルク2.1kgm/6000rpmへパワーアップ(従来型は18馬力/1.9㎏m)。燃料タンク容量は9.3ℓ。シート高830㎜、車両重量133㎏。ハンドル切れ角左右51度&最小回転半径1.9mは変化なし。税抜き当時価格は52万3000円(従来型は47万円)となりました
前回でもネチネチ紹介いたしましたが欧州“EURO4”に準じた排ガス規制値のクリアやOBDシステム(車載式故障診断装置)の新搭載、さらには燃料蒸発ガス規制をパスするためのチャコールキャニスター装着など、技術的にも難しい数々の問題をクリアしつつ2018年8月31日(←ココ重要です!)に生まれ変わって登場した「セロー250(B7C1)」。
●エンジン横、車体左側にドドーンと追加されたチャコールキャニスターが複雑な感情をかき立てる2018年型「セロー250」。とはいえ、実際に乗ってみると特にジャマとは感じないところまで形状と位置が練り込まれておりましたのでサスガだなぁ、と……。従来型から車両重量は3㎏増えましたがエンジンが2馬力/0.2㎏mもパワーアップしておりましたので軽快感は変わらず。ワインディングでは定評あるヤマハハンドリングを堪能しつつ、グイグイ右手を捻って快活な走りを楽しむことができました。もちろん本来のコンセプトであるダートのトコトコ移動も思いのまま。必要に応じた馬力を右手の操作どおりに引き出せましたので多彩な状況下でストレスフリーっす!
じつはもうひとつ、非常に重要なデバイスをあえて車両へ付け加えない道を選んでいたのです。
それは……そう、皆さんご承知のとおりABS(秋田放送……ではなくAnti-lock Brake System)なんですね。
大ざっぱに言えば「急ブレーキをかけたときなどにタイヤがロック(回転が止まること)するのを防ぎ、安定性を保ちつつ車両が停止することをサポートする装置」のことで、その有用性は皆さんご存じのことと思われますが、不意にお魚くわえたドラ猫が道路を横切ってパニックブレーキをかけても、
●56年以上生きてますが上イラストのような状況をリアルで見たことはございません(^^ゞ。ただネコちゃんは驚くと体が硬直するため交通事故に遭ってしまうケースが多いのだとか。それなら筆者も3回ほど経験があります(座り込んだネコちゃんを毎回なんとか回避しました)
裸足で追いかけてきた(髪型も)愉快な奥さんに衝突したり、
●2024年10月に放送55周年を迎えた国民的アニメ「サ○エさん」。さすがのいらすとやさんにもズバリな意匠はなかったので、近いイメージのものでお茶濁し。彼女の年齢が(永遠の)24歳だと知ったときは衝撃を受けました!
もしくは自ら転倒する可能性が大幅に減るというありがた~いアイテム。
●前後ホイールをセンサーが常時チェックし、回転数の差が大きい=ロックしていると判断したコントロールユニットがABSモジュール(アクチュエーター)を介してブレーキ油圧をキメ細かく調整……。安全に寄与する機構であることは間違いないのですけれど〜
みんなも、お日さまも♬ル〜ルルルルッル〜と笑っていられる状況を作り出すこの装置は1988年に登場したBMW「K100シリーズ」から採用が始まり、
●写真は世界で初めて市販車にABSを搭載したBMW「K100RS」。シート直下にドド〜ンとドデカイABSユニットが鎮座していることが分かりますね。外したことのあるオーナーの情報によるとトータルで約9㎏弱もの軽量化になったそうです〜。もちろんABSのシステムは全世界的な普及にともない、1990年代後半から秒針分歩の勢いで関係する機器類は小さく&軽くなっていきました
日本でも1991年にヤマハがツアラーモデルの国内向け「FJ1200A」で初装備して安全性を強調。
●キャ〜ッ! 懐かしい〜。1991年型ヤマハ「FJ1200A」……。モーターサイクリスト誌のアルバイト小僧時代にガソリン入れに行ったり取材に連れていかれたりしてタップリ乗ったなぁ。高速道路を流しているときは「この世界はオレのモノ」感を味わったものです(^^ゞ。こちらの世界最速を狙った高い完成度の空冷4発はのちに「XJR1200」へ使われて大ヒットの要因ともなりました!
以降、大型車を中心に採用例が増えていったのはご存じのとおり。
たとえ逃れることのできない義務化までの短い期間だとしても……!
ABSシステムの開発を主導したエンジニアリング・テクノロジー企業の巨人“BOSCH(ボッシュ)社”ほかを擁する欧州では、いち早く2016年1月からバイクのABS搭載が義務付けられていったのですが、
●レバーやペダルで入力されたブレーキへの油圧を高速かつ滑らかに断ったりつないだりするABSシステムのキモとなる“アクチュエーター”がどれくらい急速に小さく&軽くなっていったのかを示したボッシュ社提供の資料。約20年間で10分の1(!)の軽さとなり、制御のきめ細やかさも段違いに向上していったというのですから凄まじい……。そりゃぁユニット搭載位置の自由度も飛躍的に高まるというものです〜
日本では数年遅れて新型車は2018年10月1日から、継続生産車&並行輸入車は2021年10月1日からABS義務化の適用がスタートすることになりました(※51㏄~125㏄の原付二種はABSもしくはCBS〈前後連動ブレーキ〉でOK)。
●ちなみに当時のオフロードバイク事情というと……。カワサキは2016年型としてオッサン……いやナイスミドルライダーを狂喜乱舞させる懐かしいブラッシュカラーリングをまとった「KLX250 ファイナルエディション」をリリースし、EURO4へ対応させることなく退場(セローの対抗馬だった「スーパーシェルパ」は2007年モデルが最終型でした)。なお、2019年10月には2020年モデルとしてABSもしっかり搭載した「KLX230」がデビューしています
●ヤマハ「WR250R」はEURO4に対応せず、2016年9月に2017年型としてリリースされたモデル(写真)をもって販売を終了……
●ギョーカイの盟主ホンダは2012年5月にデビューさせた「CRF250L」を着々と熟成させていき、2017年2月にはEURO4要件をクリアしたモデルをリリース(写真はセローと同じシート高830㎜を実現したローダウン仕様の2017年型「CRF250L Type LD」)。同じ2017年2月には「CRF250 RALLY」が投入され、2020年12月にはともにABSを標準装備しつつフルモデルチェンジを果たすなど、フルサイズ250㏄オフロードジャンルを途切れさせなかった功績は非常に大きいと言えるでしょう
●スズキは……2006年型が最終モデルとなった「ジェベル250XC」以降、250オフロードジャンルには塩対応が続いたものの、2017年7月からアドベンチャージャンルとして「Vストローム250」を投入。セローより低いシート高800㎜や好燃費、積載ガバ勢もご満悦なシートレールの頑健さなどが口コミで広がり幅広い支持を得ることに! 2023年8月からは油冷シングルを搭載した「Vストローム250SX」もリリースされましたが、同エンジンを積む純オフロードモデルにも期待したいところ〜
さてここで改めて日付にご注目ください。
新型車に課せられるABS義務化の期日は2018年10月1日以降。
そして大幅なブラッシュアップを行い、型式もJBK-DG17J(2008年〜2016年モデル)から2BK-DF31Jへ変わった(新型車と同等の扱いになる)「セロー250」は同2018年8月31日発売……。
●上で紹介してきた青、オレンジ、そしてこの緑という3色展開で発売が開始された2018年型「セロー250」。EURO4に対応してもすぐEURO5、さらにはEURO5+へ……という具合にバイクへの諸規制は厳しくなる一方で、それは排ガスの浄化だけではなく、ABSの義務化、騒音規制値への適合、OBD(車載式故障診断装置)のグレードアップ、ヘッドライトやウインカーほか灯火器類への細々としたレギュレーション変更などなど多岐にわたります。2005年にフルモデルチェンジを受けた“250”では基本設計が古いため、無理矢理対応させることは技術的に不可能ではないにせよ大きく、重く、不格好になるし価格も10万〜20万円単位で跳ね上がりかねない……。かくいう総合的な判断で2020年モデルをファイナル化することが決められたとか。う〜む、残念ッ!
こりゃもう、どう見ても確信犯(?)としか筆者は思えませんでした(^^ゞ。
ヤマハ開発陣はABSの義務化から逃れられるギリギリのタイミングで、大改良版セローを世に放ったということか〜〜〜ッ!?
苦労したその超絶ブラッシュアップ仕様が、たった3年間しか販売できないと分かっていながら……。
あらかじめ引き際を定めて貫き通した“マウンテントレール”の美学
1985年に登場した初代「セロー225」は乾燥重量102㎏で装備(車両)重量でも111㎏でした。
●前身となる「XT200」の美点を引き継ぎつつ、徹底的な改良が加えられて生み出された「セロー225」
そこからセルスターターやら当時の環境諸規制に対応するアイテムやら何やらを追加していって“225”の最終型では車両重量122㎏へ。
20年目の仕切り直しとなった2005年型「セロー250」では車両重量126㎏からスタートし、2008年のFI化で130㎏へ。
●それまでのキャブレターに代わり、FI(フューエルインジェクション)化を受けた2008年型「セロー250」。新機構が組み込まれるたび車重も増えれば販売価格もアップアップ……(涙)
そして2018年デビューのEURO4対応版では133㎏にまで車両重量は増加してしまいました。
●2018年型「セロー250」。上の2008年型と比較すると兄弟車「XT250X」にも使われた「YZF-R6」由来のテールランプが目を引きますが、注目してほしいのはナンバープレートの取り付け場所。従来型はリヤフェンダーに直付けされていますけれど、ちょいと上向き過ぎるきらいがありました(=後方から見づらい)。そこで2016年4月からの法規制新基準に対応し、リヤフェンダー形状を見直すことで45度ほどの見やすい角度へ変更されたのです。かくいう細かい配慮が必要不可欠な世界なのですよ……
そちらへさらに3~4㎏の重量上乗せが避けられないABSを追加するべきか否か……。
当然価格も跳ね上がりますし第一、車輪ロックを感知するセンサー類やホース類、ECUのレベルアップなどはともかく、ブレーキ油圧を緻密にコントロールするアクチュエーターは当時まだゲンコツくらいの大きさがありましたので、すでに補機類でミチミチとなっているカウル内部に物理的な余裕はありません。
●FIシステムにしてもOBDにしてもABSユニットにしても車体にスキマがあるならそこへ突っ込みゃいいや!という単純な話ではありません。エンジンから発生する高温や振動、バイクゆえ車体へダイレクトに当たってくる雨や風雪やホコリ、転倒時などの強烈な衝撃、激しい寒暖差による結露などなど考慮すべきことは山ほどあります。万が一それらに軽微な不具合が生じても極力走っていけるフュエルセーフ性も確保せねばなりません。いやもう完全にリセットしてゼロから作り直したほうがよっぽど楽でしょう!
もし仮に押し込めるとしたらパズルのような補機類配置を再構築して、なおかつ外装類やシート底面、場合によっては燃料タンクの形状まで変更を余儀なくされたことでしょう(=オフコース!価格はとんでもなく跳ね上がります)。
●「もちろん」や「当然」はOf courseですが、1967年から1989年2月26日まで活動した日本のバンドと言えばOff Course(写真はベストCD)。小田和正さんが生み出す耽美なメロディは一聴の価値あり! ぜひぜひ(唐突)
「スリム・軽量・コンパクトでなければマウンテントレール、セローとは名乗れない!」というヤマハ(開発陣)の譲れない拘りと英断がABS装備をあえて避けつつも、たった3年しか販売できないことが最初から分かっている2018年型大改良版セローを作り上げたのでしょう。
幸いにしてヤマハの心意気はユーザーへと届き、翌2019年も年間販売計画台数2500台をキッチリとクリアする高い人気ぶりを堅持……。
そして……ABS義務化がスタートする2021年10月1日から約1年8ヵ月前となる2020年1月15日、ヤマハは「セロー250 ファイナルエディション(B7C4)」を発売開始したのです!
35年前の“初代”をリスペクトしたカラーリングへのコダワリ
「国内向けセローはこれにてオシマイ!」とのことで色めき立ったライダーがショップへ駆け込む様子は凄かったですね~、筆者の知り合いも速攻で注文していました。
当時はちょうどコロナ禍で勝手にソーシャルディスタンスできるバイクの利便性が見直された時期でもあり、中古車のみならず新車も奪い合い状態(新車の生産が大きく遅滞もしていましたからね)。
●「密です!」と都知事が叫び、マスク警察が跋扈し、席という席はアクリル板で仕切られ、「ソーシャルディスタンスで人と2m以上の距離を保ちましょう」と連呼されていたコロナ禍時代。とはいえ脅威が完全に消えたわけではないので、これからも注意してまいりましょう……
ショップへ冷やかしに行くと「こっ! これはっ!」と驚くプライスタグが付けられた車両をそこかしこで見かけることができたものです……。
閑話休題。
さて、このファイナルエディション、セローを愛して愛して大切に育て上げてきたヤマハの全部門(企画・開発・営業・生産・販売etc……)の気合いがバーン!ブレイバーン!と大爆発した仕上がりとなっておりました。
●いやはや凄い作品でした『勇気爆発バーンブレイバーン』。2024年3月いっぱいで大団円を迎えたアニメなのですが、いまだに余韻が残っております。“円盤”も絶賛発売中ですし、アマゾンプライムほか各種ネット配信で気軽に視聴できますのでご興味があれば……
まぁ、メカニズム的には2018年モデルにて環境諸規制や必要なアイテムの装着について全てクリアしてましたので主だった変更はないのですけれど、目を引くのがそのカラーリング。
正式名称でいくとパープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト×グリーン)と、パープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト×レッド)……まぁ、ぶっちゃけ緑と赤なのですけれど(笑)、こちらはそう、1985年となる初代「セロー225」デビュー時のラインアップをオマージュしたものなのですね!
●2020年型「セロー250 ファイナルエディション」カタログより(下も)。言わずもがなですが、実際のカタログでは見開きで4台が並んでます(^^ゞ。35年の時空を超えて相まみえた緑と赤のセロー……。もちろんスタイリングは大きく変わっているのですけれど、ヘッドライト直下やタンデムシートの両側に設定されたアシスト用グリップほか、セローをセローたらしめている細部の装備は不変なのですよね
●スペックだけを見比べるなら、セロー初期型と最終型はともに20馬力……。35年前とは比べものにならないくらい排ガス&騒音ほかの規制が厳しくなったなか、最終型はよくぞ踏ん張ってくれた!と筆者は素直に感動しております。セローのエンジンはまさに“足るを知る”フィーリングに満ちているのです
中でもメチャクチャ頑張ったのがカラーフレームの復活で、35年前の初代生産時とはもちろんフレームの形状も塗料の質も製造工程も(もっと言えば作る場所さえ)異なっているため、初代のアノ色を再現するのはとんでもなくハードルが高いことだったのだとか。
●2020年型「セロー250 ファイナルエディション」パープリッシュホワイトソリッド1(ホワイト×レッド)。仕様諸元は2018年モデルから変更ありませんが、税抜き価格は53万5000円となりました。なお、「ツーリングセロー」ファイナルエディションは58万6000円
振り返ってみれば“250”のフレームはブラックがほとんどでたまにシルバーがあったのみ。
“225”時代も1998年8月発売のグリーンフレーム仕様を最後に以降は黒と銀ばかりでしたからね……。
そんな中、「セローのファイナルエディションのためなら」と生産部門が頑張ってカラーフレームを実現させたのですから胸熱です!
とはいえ、赤フレームこそ初代の色味を再現できたものの、緑フレームは非常に落ち着いた雰囲気に……。
●カラーフレームはブラックやシルバーのフレームより色のムラが目立ってしまいがちなので、非常に気を遣いつつ高度なペイント技術を駆使しなければならないのだとか。「セロー250」としては最初で最後のカラーフレームを実現するため、数多くの試行錯誤を経た結果、ようやく胸を張って世に出せるものが出来上がった……とのこと。オーナーの皆さん、ぜひカラーフレームにもワックスを掛けてくださいね〜(^^ゞ
「現在の工程だと残念ながらあの明るい緑色は実現できないのです。ただ、黒と銀のフレームは1コート仕様ですが、この赤と緑は2コート仕様ですので、質感だけでなく枝が擦れたときに入る小傷などへ対する耐久性もアップしているのですよ」(関係者談)。
そして初代同様SEROWのロゴは赤一色とし、これまでも好評だったゴールドリムを採用しつつタンク上面にはFINAL EDITIONエンブレムをあしらって2018年型から税抜き1万2000円ポッキリだけ値上げした53万5000円(ツーリングセローも同様に58万6000円)でリリースされたのですから人気の出ないはずがございません。
●タンクの上面にあしらわれた高級感あふれるFINAL EDITIONエンブレム……。またがって目に入るたびニヤニヤしちゃいますよね!
公式リリースに記載されたファイナルエディションの年間販売計画台数は4000台でしたが、2020年には約6200台、2021年には約2950台がオーナーの元へ届けられたと聞いております。
●Thanks for the SEROW「Take a break」キャンペーンとして2019年12月5日〜2020年6月30日という間にファイナルエディションの新車を制約したユーザーへ進呈された「SEROW250 FINAL EDITIONロゴ入りオリジナルウッドマグ」。こういう気の利いたプレゼント品もセロー有終の大ヒットを下支えしたことは間違いありません!
こうして唯一無二のマウントレール“SEROW”は足かけ36年にも及ぶ生涯をまっとうして国内市場からファラウェイしてしまったのですが、各種規制の緩い北米ほかでは「XT250」として2025年モデルも絶賛販売中。
●ギョロ目ヘッドライトほか主張の強い灯火類が印象的な北米版「XT250」。なんかこう……ワイルドですな(^^ゞ。なお、現地の販売価格は5499ドル〜となっております
同様の流れだったスズキ「DR-Z4S/SM」のように大幅改良の上でサプライズ復活を果たすのか、
それとも某ヤングなマシン誌がスクープしているように完全新設計200㏄エンジンで新たなる船出を飾るのか……?
折りしも直近、カワサキから“シェルパ”復活の報が届きましたので次期セローに関する期待は今後ますます盛り上がっていくことでしょう。
ヤマハさん、期待していますよ。
復活するなら「早く知らセロー!」
【セローの愉快な仲間 その10】ほらヤマハさん、カワサキさんがトコトコオフロードジャンルへかつてセローと鎬を削った“シェルパ”ブランドを復活させてきましたよ……。筆者も速報を見て「こう来たか〜」とのけぞったカワサキ「KLX230 SHERPA」! 232cc空冷4ストローク単気筒OHC2バルブエンジンは最高出力18馬力/8000回転、最大トルク1.9㎏m/6400回転というパフォーマンスでシート高845㎜、車両重量134㎏。燃料タンク容量は7.6ℓ。60㎞/h定地燃費は45.5㎞/ℓなので理論上の満タン航続距離は345.8㎞ということになりますね。発売日は2024年11月27日で税込み価格は63万8000円! すでに発表していたローダウン仕様「KLX230S」をベースに外装や装備をメーカーが純正カスタマイズしたような1台で、ところどころに往年の「スーパーシェルパ」を彷彿とさせる小技も効いており唸らされました(詳しい紹介記事はコチラ)。ここまでやられてしまっては、ヤマハさんも本気出しますよね!?
あ、というわけで与太与太と10回も書き連ねてきたセロー編は今回で終了ですが、少しでも興味を持っていただいたアナタ! レッドバロンならアフターサービスの心配が要らないセロー(とそのライバルたちも含め)優良中古車がそろっていますよ! まずはお近くの店舗にて膨大な在庫情報を引き出して「ワタシにも買わセロー!」とスタッフへ直談判してみてくださいね~(^^ゞ
VMAXという孤高の“魔神”【その1】はコチラコチラコチラ!
セローという人気者と愉快な仲間たち【その9】はコチラ!